Saashi & Saashiは新作カードゲーム『午前1時の大脱走』を2024年12月20日に発売する。いわゆるゴーアウト系で、最初に配られる12枚のカードをすべて出し切ればいい、というもの。カードには1から8までの数字が書かれており(スートはなし)、カードを出すときは直前のプレイヤーが出したカードより数字が高いほう……ではなく、縛りがあるのはその「枚数」だ。この枚数縛りのおかげで普通のゴーアウト系とは異なる手触りとなっており、本作ならではの楽しさが味わえる。
【BROAD編集部日記】#ゲムマ2024秋 で先行発売されていたSaashi & Saashiの『午前1時の大脱走』をプレイ。最初は簡単なゲームだなーと思っていたのに、終盤に手札が少なくなると「あれ?出せない?」となって途端にアタフタ。この楽しさは新しい!!(ム) pic.twitter.com/gvHN3CTw7x
— BROAD🎲ボードゲームマガジン (@broad_tokyo) November 25, 2024
囚人たちがトンネルを抜けて脱走を計画!
トンネルを掘って脱走計画を立てた囚人たち。午前1時に開始して、夜明けまでに全員脱走できるかどうか……という設定でゲームスタート。最初にカードが12枚配られ、手番順にカードを出していくのだが、出せるカードは直前にプレイした人と同じ枚数 or 1枚多い or 1枚少ないの3パターン。カードの中身はすべて同じ数字か、1、2、3……といった数字順のいずれか。
たとえば直前のプレイヤーが「555」と5を3枚出したとする。自分の番では「2枚か3枚、もしくは4枚」「すべて同じ数字か数字順」で出さなければならない。「555」の次なら「34」と2枚出すのもありだし、「1234」「6666」と4枚出すのも「123」「666」と3枚出すのもオーケーだ。
……とここまで聞くと「なんか簡単そうなゲームかも」「カード運だけ?」と思うかもしれない。ところがどっこい、じつはこのゲームにはちょっとした駆け引きが仕込まれている。そのポイントを紹介しよう。
カードを出してもパスしても手札補充あり
まず、1つめのポイントは「手札補充が必ずある」という点。カードを出したら1枚 or 2枚、出せずにパスをしたら必ず2枚のカードを山札か監房(山札からオープンで並べられている5枚のカード)から取る。プレイヤーの目的は手札をすべて出し切ることなので、カードを出せたら補充は2枚ではなく1枚だけにしたほうがいいはず。だが、監房にある見えているカードと手札の状況によっては、2枚取ったほうがのちのち有利に働くこともある。ゆえに、カードを出せたのに2枚補充した場合は周りから「何か企んでいる?」と思われるかもしれない。こうしたさりげなく駆け引きが生まれてくる。
手札枚数が少なくなると不利になる!?
2つめのポイントは、手札のカードが少なくなってくると、出し切れそうで出し切れない展開が増えてくるという点だ。たとえば、直前プレイヤーがカードを5枚出したとしよう。このとき自分の手札は3枚だったとしたら……。そう、出せないのである。パスとなって、カードを2枚補充することになる。つまり、序盤からカードを一度にたくさん出すと、むしろ不利になることがあるのだ。逆に次のプレイヤーが上がりそうなとき、こうした足止めに成功したときは「やってやったぜ!」という嬉しい気持ちになる。
その他、「抜け駆け」といって、手番の最初に直前に出されたカードに対して1枚だけ付け足すことができる要素もある(必須ではない)。これで通常より1枚多くカードを減らせるので、手札枚数を減らすことが有効&直前のカード枚数を増やすことが有効だと判断するなら、ぜひ狙っていきたい戦法だ。
ゲーム会で最初に遊ぶ新定番に
ルールは簡単で説明も数分で終わる。プレイ時間もマニュアルには「20分」とあるので、トータルで30分もあれば1プレイ終了するだろう。「そこで4枚出すの!? こっちはあと2枚だから出せない!」でガッカリしたり、「抜け駆けで手札枚数を調整したから一気に上がれた!」で大喜びしたりと、ゲーム会の最初に遊んで場を温めるのに最適なゲームのひとつ。しばらくはゲーム会に必ず持ち込む1本になりそうだ。
■午前1時の大脱走
発売元:Saashi & Saashi
デザイナー:Saashi
アートワーク:Takako Takarai
発売日:2024年12月20日発売予定
価格:2970円[税込]
プレイ人数:2~5人
プレイ時間:20分
対象年齢:10歳~
Saashi & Saashi 公式サイト:https://saashiandsaashi.com/