プロレス×ボードゲームイベント「GXW」レポート! レスラーと一緒に遊べる興行、その熱狂の内側を主催者に聞いた

7月4日(土)、プロレスとボードゲームをミックスさせたイベント「GXW」が東京都板橋区にあるTOKYO SQUARE in Itabashiにて開催された。プロレスが3試合の他、リングではプロレスラーによるボードゲームトーナメントが行われ、さらには会場内でプロレスラーと来場者が一緒にボードゲームをプレイする時間も設けられ、プロレスとボードゲームががっつりと融合したイベントとなっていた。

イベントの様子をレポートしつつ、主催者である株式会社パーキーパット・デザインズの代表取締役 前田慎也氏にも話を聞いたで、併せてお伝えしよう。

▲試合後の記念撮影(GXW公式Xより)

プロレスを観て、ボードゲームで遊んで、最後にまたプロレス!

まずは当日のタイムスケジュールををざっと紹介しよう。最初にプロレスの試合が2試合行われた。

【第1試合 30分1本勝負】
○Coco&ヒップホップマン(12分23秒 片エビ固め)アミーゴ鈴木&●ヴァンベール・ネグロ

 

【第2試合 4WAYマッチ 30分1本勝負】
○月山和香(9分44秒 エビ固め)●救世忍者乱丸
※あと2人はレディ・Cと花園桃花

プロレスの試合にもゲームらしいひと工夫があった。試合中、会場に設置された4枚のカードから1枚を引くことができ、そのカードに書かれた特殊効果(ルール)が発動される、というもの。ギブアップNGや高速カウント、ロープ接触禁止など、試合展開に大きく影響しそうなものばかり。

▲試合ごとにカード内容は変更されていた

基本的には1分間でその効果は切れるのだが、第2試合では高速カウントが適用されている最中に月山選手が乱丸選手をフォールし、ものの1秒足らずであっという間に3カウントが入り見事勝利。月山選手も「え?」という表情をしていたが、まさにルールを最大限に利用した勝利だった。

▲第1試合、アミーゴ鈴木&ヴァンベール・ネグロ vs Coco&ヒップホップマン

▲第2試合、月山和香 vs レディ・C vs 花園桃花 vs 救世忍者乱丸

第2試合が終わったところで、リング上にて『ほねほねマッチョマン』のルール説明が行われ、売店コーナーで本日来場しているプロレスラーと観客が一緒に遊ぶことができた。

『ほねほねマッチョマン』は手番準備に「ほね」「ほね」「マッチョマン」のカードを出していくだけの簡単ルールなゲームだ。「ほねほね」や「ほねマッチョマン」など特殊カードもあり、これらの手札カードをどううまく処理していくかがポイント。カード運強めだが、何より「ほね」「ほね」「マッチョマン!」と声を出しながらプレイすると楽しさが倍増する。

テーブルごとにレスラーがゲームのホスト役としてくれたのだが、「レスラーと一緒にゲームを遊ぶ」という体験は今までになく、ファンにとっては非常に貴重なイベントになったであろう。

▲売店コーナーでレスラーと一緒に『ほねほねマッチョマン』をプレイ

▲筆者もプレイしてみた

プレイ体験会が終わったら、いよいよレスラー8人によるボードゲームトーナメント。『レッスルカードスラム』と先ほど遊んだ『ほねほねマッチョマン』を使って対戦が行われた。『レッスルカードスラム』はプロレスを題材にした対戦カードゲーム。「攻撃」や「受け」、「カウンター」、「フィニッシュ」などのカードを駆使して相手からポイントを奪取するというルールで、相手から3ポイント奪うと勝利となる。

いざ『レッスルカードスラム』の試合が始まると初戦でかなり時間がかかってしまい、急遽ルールを「勝利条件は3ポイント奪取ではなく1ポイント奪取」に変更。こうした臨機応変な対応ができるのも、ボードゲームのいいところ(?)だ。

【ボードゲームトーナメント1回戦 ※『レッスルカードスラム』で対戦】
○レディ・C vs ●ヴァンベール・ジャック
○花園桃花 vs ●アミーゴ鈴木
○ヴァンベール・ネグロ vs ●HANAOKA
○クリス・ブルックス vs ●月山和香

 

【準決勝 ※『ほねほねマッチョマン』で対戦】
○ヴァンベール・ネグロ
○クリス・ブルックス
●花園桃花
●レディ・C

 

【決勝戦 ※『レッスルカードスラム』で対戦】
○ヴァンベール・ネグロ vs ●クリス・ブルックス

そしてボードゲームトーナメントを見事優勝したのは、博多を拠点に活動している団体「MYWAY」の代表であるヴァンヴェール・ネグロ選手。博多で防衛戦を行うと宣言したが、果たしてどうなるか……!?

▲リングにテーブルが置かれ、その上でゲームをプレイ。盤面はスクリーンに映し出されていた

▲初代チャンピオンはヴァンヴェール・ネグロ選手!

ボードゲームトーナメントの後は、再びプロレスの試合に。

【第3試合 60分1本勝負】
○アントーニオ本多&クリス・ブルックス(21分33秒 卍固め)HANAOKA&●ヴァンヴェール・ジャック

▲ゴムパッチンなどの凶器(!?)攻撃を挟みつつ、見事DDTのタッグチームが勝利

試合終了後、アントーニオ本多選手による「カードゲーム、カードゲーム、カードゲーム!」というかけ声とともに会場が一体となって多幸感に包まれながら興行は幕を閉じた。

筆者はプロレス観戦もするし(初めてファンになったのはビューティ・ペア)、ボードゲームももちろん遊ぶわけだが、まさかこの2つが融合したイベントが行われるとは思いもよらなかった。実際に体験してみた感想としては、想像以上にいい組み合わせだったかも!

主催者の前田氏インタビュー

というわけで、一体どんな意図で本イベントが企画されたのか。後日、パーキーパット・デザインズの代表である前田慎也氏にメールインタビューを実施した。

▲『ほねほねマッチョマン』のマスクをかぶる前田慎也氏。※GXWのXより

――この興行をやろうと思ったキッカケを教えてください。

前田:プロレスファンなら誰しも夢見る、「自分でプロレス興行をしたい」という気持ちは昔からありました。でも、それは到底無理だろうと思っていたのですが、ボードゲームのイベントについては、自作ゲームを遊んでもらいたくて、何か開催しようと思っており、こちらは現実的に考えていました。

でもボドゲ周りで知り合いもほとんどおらず、普通に開催しても私には人を集められないと思い、もっと楽しく参加できるイベントを考えたところ、プロレスのゲームを作っていたのだから、「プロレスとボードゲームを混ぜちゃえ!」と思いつき開催に至りました。

こんなに大きなイベントになるとは想像してなかったのですが、最高の機会になりました。

――来場したお客様について、ボドゲファンとプロレスファンの割合はどのくらいだったと思いますか?

前田:肌感ですが、ボドゲ:3割、プロレス:7割くらいな気がします。実はボドゲも好きだったというプロレスファンも見受けられたので、もしかしたら相性のよいジャンルなのかもしれないです。

――『ほねほねマッチョマン』と『レッスルカードスラム』は、以前ゲームマーケットで頒布されたゲームでした。今後、GXWのオリジナルゲームは作る予定はありますか?

前田:もちろん考えています! カードだけを使ったゲームが続いているので、コマや他の何かモチーフを使ったゲームも作りたいですね。

▲今回の興行で使用したボードゲームは、会場で購入することができた

――Xでハッシュタグ「#GXW」を見てみると、かなり好評だった印象です。とくにどのあたりがお客様に支持されたと思いますか?

前田:意味不明な謎のイベントだと思われていたので、とても不安でした。しかしフタを開けるとおもしろいプロレスが見れて、ボードゲームもシンプルで遊びやすくてと、実は楽しいイベントだった、というところのギャップも功を奏したのかなと思います。帰る頃には皆さんが「おもしろいじゃん」と表情が変わっていったのはとても嬉しかったです。

レスラーと交流したい人が「一緒に遊ぶ」という形があることで楽しく交流ができた、というのも喜ばれてました。僕もそうですが、遠慮していつもは近づけない……という人こそ喜ばれていたと思います。

もちろん大きく貢献したのはおもしろい試合をしていただいた、プロレスラーの皆さんのおかげです。人を楽しませることのプロですので、それがゲームともむちゃくちゃ相性がよかったんだと思います。

――第2回、3回の予定はありますか?

前田:次回開催はもちろん視野にあります。ベルトを博多のヴァンヴェール・ネグロ選手が持って行っちゃいましたし、もう少し側に置いておきたいです(笑)。

ただし、今回のような大きめの大会ではなく、ボドゲだけをする小さなイベントを各地で開催して、レスラーとファンとの交流と、ベルト挑戦者を探すということをしたいと考えています。


筆者は観客として興行に参加したのだが、プロレスもボードゲームもたっぷりと楽しませてもらった。これでリングサイド3000円(最前席だった)は正直安すぎる。もっと払わせてくれ!という気持ちから、会場の物販で『ほねほねマッチョマン』と『レッスルカードスラム』を買わせてもらった。今後はどういう形の興行になるか現時点ではわからないが、次回以降もぜひ観客として参加してみたい。

■GXW公式X
https://x.com/GXW_JP