2024年7月26日、パリオリンピックが開催されます。時差の都合で日本では深夜過ぎに決勝戦が放送される競技も多く、寝不足の日々が続きそう……。
開会式は7月26日に行われますが、正確には2日前からサッカーと7人制ラグビーの試合が行われるので、7月24日からパリオリンピックが始まって8月11日に閉会式となります。
今大会は新たにスポーツクライミング、サーフィン、スケートボード、ブレイキンの4種目が加わったオリンピックなので、そちらの新しい競技も注目されることでしょう。そして、パリを象徴する数々の名所の敷地内に競技会場が作られているので、歴史的な建造物の前で熱戦が繰り広げられる画期的な大会なのです。スポーツに興味がない人も観光気分でテレビ中継を見れそうですね。
パリの夜を彩るエッフェル塔の五輪と満月🌕#パリ2024 の開会まで、あとわずかです✨#オリンピック @Paris2024
📸 : IOC/Greg Martin pic.twitter.com/Ya4Sn0pPF6
— オリンピック (@gorin) July 22, 2024
という事で、フランスの首都パリを舞台にしたボードゲームを7タイトル紹介します。
パリ
〈パリ/2~4人/10歳〜/90分〉
1900年代のパリを舞台に、凱旋門周りの不動産を購入していくエリアマジョリティゲーム。
自分の手番では、建物タイルをめくって指定の地域に配置し、自分の色のカギ型コマを銀行か建物タイルの上に置くだけ。建物タイルの上に置く時はお金を支払って、得点になるトークンを獲得します。凱旋門周りにある6つの地域ごとに建物の価値を数えて得点計算をして、集めたトークンの得点も合わせて最終的な点数を競います。
6つの地域に平均的に手を出しておけば得点が得られる可能性がありますが、1つ地域の1~3までの建物を所有すると強力なボーナスタイルが貰えるので一極集中にやりがち。非常に悩ましいです。セットコレクションによって、パリの様々なモニュメントが獲得出来るのも楽しいですね。渋くて安定した面白さがあるので古いボードゲームかと思いきや、クラマーとキースリングが2020年に作ったボードゲームです。この2人の安定っぷりよ。
このゲームで象徴的な凱旋門は、パリオリンピックの会場には選ばれていませんが、聖火リレーが近くを通過しました。
パリ 光の都
〈パリ 光の都/2人/8歳〜/30分〉
1889年のパリを舞台に、建物を置いて点数を競う2人専用タイル配置ゲーム。
自分の手番では、2人の色である青とオレンジ、それとどちらの色でもない紫色が描かれた正方形の敷石タイル1枚を置きます。もしくは、テトリスのブロックのような形をした建物タイルを獲得します。これを交互に繰り返して、敷石タイルが4×4の16枚配置されたらゲームの前半が終了。後半では、これまでに獲得した建物タイルを配置するか、8つあるアクションを行うかのどちらかを行います。建物タイルは、敷石タイルの色が自分の色か紫の上にしか置けません。お互いが建物タイルを置けなくなるまで繰り返して、建物タイルの枚数×接している街灯の数が得点になります。得点が高いほうが勝ちとなります。
パッケージには光り輝くエッフェル塔が描かれています。パリオリンピックでは、ふもとのエッフェル塔スタジアムでビーチバレーボールが行われます。
ディナー・イン・パリ
〈ディナー・イン・パリ/2~4人/8歳〜/60分〉
シャンゼリゼ通りでレストランを経営して得点を競うセットコレクションゲーム。
自分の手番では、食材カードを1枚引いてから、アクションを行います。集めた食材を支払ってレストランを建てたり、お金を支払ってテラスを広げたり。これを繰り返して、目標を達成して得点を稼ぎ、テラスやレストランが規定数置かれた時に得点が多い人の勝ちです。
ボード上がテラス席で埋まっていくので見映えがいいゲームです。とにかく鳩カードが強力なので、いつ獲得していつ使うかがポイントですね。序盤に収入の多いレストランを建てないとテラスが置けなくなって差がつきやすいのが気になるところかなと。
シャンゼリゼ通り自体はパリオリンピックの会場にはなっていませんが、シャンゼリゼ通りに隣接するグラン・パレがフェンシングとテコンドーの会場になっています。
新ベルサイユ宮殿〜ルートヴィヒの新たな夢〜
〈新べルサイユ宮殿〜ルートヴィヒの新たな夢〜/2~4人/13歳〜/75分〉
建築家になり、全員でベルサイユ宮殿を作りながら得点を競うタイル配置ゲーム。
自分の手番では、宮殿に部屋タイルを配置します。配置したら個人ボードのパラメーターを進めたり、同じ色のドアを隣にすると得点になるチップが貰えたりします。これを繰り返して、条件を満たすように部屋を配置して得点を稼ぎます。宮殿がお堀で囲まれたら得点計算をして、最も得点の高い人の勝ちです。
大きな机がないと遊べないと言われるほどスペースが必要だったタイル配置ゲーム『ノイシュヴァンシュタイン城』の続編です。ゲーム内容として部屋を繋げていくのは同じですが、今回は全員で1つの宮殿を作っていくのが大きな変更点。白鳥が羽を休めるような宮殿を作るのが目標なので、通貨の代わりに白鳥トークンを使用するのもオシャレ。ルイ14世に心酔していたルートヴィヒ2世は、ヘレンキームゼー城の中にベルサイユ宮殿そっくりの建物を作っています。このゲームはそこから着想を得たテーマなのでしょう。
ベルサイユ宮殿の庭園は、パリオリンピックで馬術と近代五種の会場になっています。世界遺産の庭で馬術をやるとは!
ノートルダム
〈ノートルダム/2~5人/10歳〜/60分〉
疫病が蔓延した14世紀のパリを舞台に、パリの市民になって得点を競うカードドラフトゲーム。
全員同じ構成のアクションカード9枚を受け取ります。そこからランダムにカードを3枚引いて、カード1枚を選んだら残り2枚を左隣に渡し、右隣から回ってきたカード2枚のうち1枚を選び、残り1枚を左隣に渡します。これで手元にはアクションカードが3枚になるので、そこから2枚のカードを使用します。アクションでは、お金を増やしたり、場所を移動したり、個人ボードのパラメーターを上げたり、疫病のペスト対策でネズミを除去したり様々。3ラウンドごとにノートルダム大聖堂の決算が行われ、3回決算した時に最も得点の高い人の勝ちです。
シュテファン・フェルトの最高傑作とも言われるボードゲームです。2017年には10周年記念版が作られたほどの人気作。カードドラフトだけでも面白いのに、アクションを使えば使うほど強化していくシステムも中毒性が高く、人数ごとにマップの形が丁度良い大きさに変形するなど魅力とアイデアがギュッと詰まっています。
パリオリンピックの開会式は選手がボートに乗ってセーヌ川を下るようにパレードが行われますが、ボートがノートルダム大聖堂のあるシテ島の真横を通過することになっています。
ゲット・オン・ボード:パリ&ローマ
〈ゲット・オン・ボード:パリ&ローマ/1~5人/8歳〜/30分〉
マップに地下鉄の路線図を書き込んで得点を競う紙ペンゲーム。
カードを引いて各々のスタート地点を決めたらゲームスタート。めくったカードに書かれた形でボード上に木駒を置き、線路を敷きます。これを繰り返して、乗客を乗せて目的地に降ろして得点を稼ぎ、最終的に得点が最も高い人の勝ちです。
このゲームは『バスルートをつくろう』をフランスのイエロ社がリメイクした『ゲット・オン・ボード:ニューヨーク&ロンドン』の続編になります。フランスのメーカーなのに何故ニューヨークとロンドンなんだろうとは思っていましたが、第2弾でパリとローマのマップを持ってきましたね。今までは他の人と路線が重なったらマイナス点になる渋滞という扱いで、このゲームでは重なると逆に人気路線でボーナス点を得ます。みんなで同じ道を選ぶのでちょっとだけゲーム性が違いますね。
パリオリンピックの開幕前からパリパラリンピック閉幕まで、パリの地下鉄の主要な駅が安全対策で閉鎖されるようです。
メトロ
〈メトロ/2〜6人/30分〉
1892年のパリを舞台に、線路を長く繋げていくタイル配置ゲーム。
ボード上の駅マスに人数に応じた電車コマを置いたらゲームスタート。自分の手番では、1枚だけ持っている線路タイルか山札からめくった線路タイル1枚をボードに置くだけ。自分の色の電車コマの路線が2枚以上のタイルを通ってどこかの駅にたどり着くと、通ったタイルの枚数だけ得点獲得。ボード中央の駅に到着すると得点2倍。線路タイルが全て置かれた時、得点が最も高い人の勝ち。
線路を繋ぐという見た目通りのシンプルなボードゲーム。ただし、線路タイルには複数の線路が描かれているので迷路のように意外なところが繋がるのが面白いところ。自分の線路を伸ばしたつもりが他の人の助けになったり、誰かの邪魔になるように置いたら線路タイルが後で自分の邪魔になったり。長考しそうなゲーム内容ですが、タイルを置く向きが決まっているのでそこまで悩まずにサクサク進みます。1997年のボードゲームで、2000年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた作品です。
パリは歴史もあって、建造物や名所も多いのでゲーム映えしますね。ボードゲームを遊びながら、パリオリンピックを身近に感じるのも良さそう。誰かを応援しながらボードゲームというのもいいかも知れませんね。