ウソ大歓迎!? ウソこそ正義!! ウソがつき放題のブラフゲーム13選

新聞やニュースでは昔からウソに関する事件報道が多いですよね。高齢者に息子を装って電話を掛ける特殊詐欺、SNSやマッチングアプリなどで外国人から恋愛をほのめかす連絡が来る国際ロマンス詐欺、コロナの給付金に関する詐欺や絶対に儲かると誘われる投資詐欺や個人情報を抜き取るフィッシング詐欺などなど…。週刊誌で毎週のように伝えられる不倫報道なんかも夫婦間のウソと言えますよね。子供の頃から「ウソつきは泥棒の始まり」なんて言われて育った人も多いでしょう。

ウソはよくないもの、ウソをついてはいけないというのが社会の常識。しかし、数あるボードゲームの中にはウソ大歓迎、ウソのうまい人が勝ちやすいゲームというのが存在します。俗に言うブラフゲームです。ウソを推奨する、ウソが正義のゲーム。

というわけで、堂々とウソをつける名作ブラフゲームを13タイトル紹介します。

ブラフ

ブラフ/2〜6人/8才〜/15〜30分】

はったりを意味するブラフがそのままタイトルになっているダイスゲーム。

サイコロ5つを他人に見えないようにカップの中で振り、全員のダイスを合わせて何の出目がいくつあるかを予想するゲームです。時計回りで順番に予想をしていきますが、直前の人が予想した数より大きな数を予想しなければいけないので、相手を困惑させる為、はったりが需要になります。

1993年のドイツ年間ゲーム大賞受賞作。映画『パイレーツ・オブ・カリビアン2/デッドマン・チェスト』の中では、刑期を賭けて『ブラフ』の元となるゲームが遊ばれていました。

チャオチャオ

チャオチャオ/2〜4人/10才〜/30分】

筒の中のサイコロを振り、その出目を宣言して自分のコマを進めるすごろくゲーム。

6面サイコロには、数字が書かれていない「×」の面が2面あります。サイコロを振って数字の面が出た場合は、そのまま数字を宣言して自分のコマを進めます。「×」が出た場合は、ウソの数字を宣言して自分のコマを進めます。宣言がウソだと思った人は指摘をしてサイコロの出目を確認します。「×」だった時は、ウソを言った人のコマを谷底に落とし、「×」ではなかった時は指摘した人のコマを谷底に落とします。「×」が出た時は強制的にウソをつかなければいけないので、他人が数字を言っただけなのに疑心暗鬼になってしまうのが可笑しいゲームです。

フジテレビのバラエティ番組『VS魂』で、『チャオチャオ』を多少アレンジしたゲームが遊ばれていました。

スパイシー

スパイシー/2〜6人/10才〜/15〜20分】

配られたカードを1枚ずつ裏向きで場に出して、いち早くカードをなくすのが目的のカードゲーム。

裏向きで出すカードは、直前に出されたカードと同じ記号で数字は大きいカードという決まりがあります。そして、書かれている数字と記号を宣言しながら出します。その宣言がウソだと思った人は、数字がウソなのか記号がウソなのかを指摘します。

持ってるカードが減ってくると『チャオチャオ』同様、ウソをつく必要が出てきます。ただ、ウソの指摘は記号か数字のどちらかを指定するので、ウソがバレにくく比較的遊びやすいブラフゲームです。

クー

クー/3〜6人/9才〜/15分】

陰謀渦巻くイタリアを舞台に、他の一家を国外追放して生き残るのが目的のカードゲーム。

5種類のキャラクターから2枚のカードが配られるので、そのカードを自分の前に裏向きに置いて2枚ともめくられたら脱落です。キャラクターごとに行えるアクションがありますが、カードは裏向きになっているのでバレなければ自分が持ってないキャラクターのアクションを行えるのがこのゲームの特徴。

運要素もありつつ短時間で理論的なブラフゲームか楽しめるので、何度も何度も繰り返し遊んでしまいがちです。

髑髏と薔薇

【髑髏と薔薇(スカル)/3〜6人/10才〜/15〜45分】

薔薇を何枚連続でめくることが出来るかの度胸試しのタイルゲーム。

全員がドクロ1枚バラ3枚の丸いタイルを持って、順番に丸いタイルを裏向きにして自分の前に1枚ずつ置きます。誰かがバラをめくれる枚数を宣言したら丸いタイルを置くのをやめて、数を吊り上げて最も多くの枚数をめくれる人を決めます。宣言した数と同じ枚数のバラをめくることが出来ればチャレンジ成功です。

最も多くの枚数を宣言した人は、まず自分の前に置いた丸いタイルを全てめくるルールなっています。なので、強気に数を吊り上げた人の前にはドクロは置いてなさそう…と思いきやドクロが置いてあったりして、シンプルなのに悩んでしまうのが面白いですね。

ダンジョンオブマンダム

【ダンジョンオブマンダム/2〜4人/10才〜/30分】

少ない装備でダンジョンをクリア出来るかを競うRPG風カードゲーム。

モンスターカードを引いたら自分だけが見て、全員共通のダンジョンに裏向きで置くか、ダンジョンには置かずに除外するかを選びます。除外した場合はダンジョンを進むのに有利なアイテムを取り除きます。アイテムが少なくてダンジョンに挑戦するのは無理だと思えばパスをして脱落します。パスをせずに最後まで残った人がダンジョンに挑み、無事モンスターを全て倒したら成功です。積極的にウソをつくゲームではありませんが、どんなモンスターをダンジョンに置いたのかと疑心暗鬼になる日本生まれのブラフゲームです。

後に、キャラクターが8人に増えた『ダンジョンオブマンダムエイト』も作られました。

ごきぶりポーカー

ごきぶりポーカー/2〜6人/8才〜/20分】

嫌われ者のキャラクターを4枚集めたら脱落のカードゲーム。

ごきぶりやハエやサソリなどの嫌われ者のイラストが描かれたカードを裏向きにして「これはネズミです」などの宣言しながら他人に渡します。渡された人は「これはネズミではありません」と指摘してカードをめくるか、カードを確認して他の人にそのカードを裏向きで渡すかのどちらかの行動を行います。指摘した場合、ウソなら指摘された人が、ウソじゃなければ指摘した人がそのカードを受け取ります。

みんなで「あの人に押し付けよう」という無言の会話が発生するのが可笑しいブラフゲームの定番です。

ババンク

ババンク/3〜6人/12才〜/30分】

ギャンブラーとなり、カジノでより多くのお金を稼ぐのが目的のギャンブルゲーム。

各々が好きなテーブルタイルに賭け金となるチップを置いたら、順番で3枚のカードを裏向きに1枚ずつテーブルタイルの隣に置きます。カードはそのテーブルの収益が2倍になるカード、そのテーブルの収益を全て横取りするカード、何も起こらないカードの3枚。

非常に単純なルールですが、他の人がどこに何のカードを置いたのかの読み合いが楽しいゲームです。全部で4ラウンド行い、賭け金がラウンドごとに高くなっていくので盛り上がりやすくなってるのもポイントですね。

赤ずきんは眠らない

赤ずきんは眠らない/3〜6人/6才〜/15~30分】

はらぺこ狼と赤ずきんとこぶたを何度か担当して、得点を稼ぐカードゲーム。

赤ずきんとこぶたは、トラップかおやすみなさいを選びキャラクターカードの下に置きます。はらぺこ狼は、食べに行く相手を選びキャラクターカードをめくります。めくった相手がおやすみなさいならはらぺこ狼の得点、トラップならめくられた人の得点です。また、はらぺこ狼が襲ってこなかった人はおやすみなさいなら得点となります。

キャラクターによって得点が違うのが悩みどころで、シンプルながら会話による駆け引きが非常に面白い日本生まれのゲームです。

ファブフィブ

ファブフィブ/3〜10人/10才〜/30分】

受け取ったカードの数字を宣言して、ウソを言ったりそのウソを見破ったりして最後まで生き残るのが目的のカードゲーム。

ひと桁の数字が書かれたカードを3枚受け取ったら、降順になるように並べて3桁の数字を宣言します。隣の人は本当だと思えばカードを受け取り、ウソだと思えば指摘してカードを確認します。ウソをついた人か指摘が間違ってた人が失点となります。受け取ったカードは3枚まで交換出来ますが、数字は直前の宣言より大きい数を言わなければならないのでウソをつかざるを得ない場面が必ず訪れます。「ウソに決まってる」と思いきや、ホントの数字だったりしてドラマの多いゲームです。

上の写真のは違いますが、古いバージョンのパッケージには「うそつきの、うそつきによる、うそつきのためのカードゲーム」というキャッチコピーが書いてありました。

コヨーテ

コヨーテ/2〜10人/10才〜/20~30分】

全員に1枚ずつ配られたカードに書かれたコヨーテの合計数を宣言して、間違いを指摘されるとコヨーテに襲われるというカードゲーム。

自分に配られたカードは見ることは出来ずに、他の人のカードは見えている状態でゲームは進行します。全員の合計数を吊り上げていき、実際の数を越えたと思えば「コヨーテ」と宣言して全員の合計数を確認します。そんなに大きい数になるはずがないと思いきや自分のカードが2桁だったり、自分だけがマイナスの数だったり、数字を言うだけなのに疑心暗鬼になってしまうゲームです。慣れれば慣れるほど疑い深くなってしまいます。

オリジナルは2003年にイタリアで作られたゲームですが、2014年にニューゲームズオーダーがリメイクしたバージョンはカードが縦長で持ちやすく、裏面にはカード構成が書いてある親切設計。タンサンファブリークのイラストも可愛いので世界中に普及してほしいバージョンです。

レジスタンス

【レジスタンス/5〜10人/13才〜/30分】

レジスタンス側とスパイ側に分かれて、2チームがそれぞれの目標達成を目指す正体隠匿ゲーム。

みんなの投票により選ばれた人達がミッションに参加します。ミッションでは秘密裏に成功か失敗かのカードを選び、誰が出したか分からないようにカードをよく切ってから表向きにします。1枚でも失敗が含まれていればミッション失敗で、スパイ側が勝利に近付きます。一体誰がスパイなのか…。途中で脱落しない人狼として重宝されている正体隠匿ゲームです。姉妹作の『レジスタンス:アヴァロン』も人気作です。

ウソをつくゲームと言えば、人狼に代表されるような自分の正体がバレないようにする正体隠匿系ははずせませんね。似たジャンルとしては『タブラの人狼』『タイムボム』『インサイダーゲーム』『シャドウレイダーズ』『ブラッドバウンド』『スパイフォール』などなど数があり過ぎるので、この作品だけをピックアップしました。

ポンジスキーム

【ポンジスキーム/3〜5人/12才〜/60〜90分】

自転車操業で配当金詐欺を繰り返し、破産したら負けというマネーゲーム。

これはウソをつくブラフゲームではなく、実在の詐欺師チャールズ・ポンジが考えた詐欺のシステムをテーマにしたボードゲームです。このゲームが変わっているのは、お金を稼ぐゲームなのにお金を稼ぐ方法が存在しないのです。場に並んだ投資家カードを取ることで一時的に資金を得ることが出来ますが、期限が来ると投資家に配当金を支払わなくてはいけません。その配当金の支払いのために投資家から資金を得るというのを繰り返します。ゲームが進むと配当金は雪だるま式に増えていき、いずれ誰かが破産します。誰かが破産した時に見せかけの会社やお金の資産が最も多い人が勝ちとなります。

見せかけの会社の交渉は、財布の中に紙幣を入れて2人の間でこっそり行うので、交渉に参加してない人にウソをついているような何とも言えない感覚を味わえます。2人の間で行うので相場がハッキリしないのも面白く、他に類を見ない台湾生まれの交渉ゲームです。


ウソをついていいのはゲームの中だけの話。だからこそ、ゲームの中では思いっきりウソを言いたいものですね。中には「ウソ言うのもウソつかれるのもイヤだなぁ」と思う人もいるでしょうけど、どれもオススメのブラフゲームなので毛嫌いせず一度は是非とも遊んで欲しいです。まぁ、この中に面白くないゲームが混ざってますけどね……というウソを最後に。