フランス年間ゲーム大賞2024、宮野華也氏による『TRIO』(日本版タイトル『ナナ』)が受賞!【追記あり】

フランスのボードゲームにおける年間ゲーム大賞の”アスドール”が日本時間2月23日に発表され、日本人ゲームデザイナー宮野華也氏が手がけた『TRIO』が受賞した。これまでも日本人デザイナーによるボードゲームがノミネートされたことはあっても、こうした大賞を日本人が獲得したのは初となる。

▲授賞式の様子はYouTubeで生配信された

オリジナルの日本版は、ゲームマーケット2021秋にリリースされたカードゲーム『ナナ』で、ひと言で説明すると「手札がある神経衰弱」。ただ記憶力が試されるだけではない独特な駆け引きがあり、負けた後は「あともう1回!」とつい何度も遊んでしまう魅力を持ったゲームとなっている。

授賞式における宮野氏のコメントは以下のとおり(一部略)。

フランスの皆さんこんにちは。トリオを愛してくれたすべての人に感謝を捧げさせてください。ありがとう。そのおかげで私はここにいます。

じつは、『ナナ』のプロトタイプを日本の出版社に持ち込んで断られた過去がございます。そのときは大きなショックを受けました。私は素晴らしいゲームを生み出せたと思ったのに、それを「ただの勘違いだ」と言われたような気分でした。

そんな中で『ナナ』の自主出版に踏み切れたのは、『ナナ』の面白さを信じてくれたみんなのおかげです。そうして生まれた『ナナ』は、日本で300個が完売し、ちょっとした話題になりました。これを受けてCocktail Gamesが声をかけてくれて、『TRIO』が生まれました。今でもフランスを中心に世界中の人に愛されていて、とても嬉しいです。

そんな多くの方々に愛してもらえたのは、大人気イラストレーターによる魅力的なアートワークのおかげだと思っています。日本の大人気イラストレーター、別府さい氏がノンテーマだった『ナナ』に愛らしい動物立ちで「いろどり」を与えてくれました。フランスの大人気イラストレーター、ローラ・ミショー氏が手がけた『TRIO』のアートワークは、世界に通用するタフなキャッチーさを兼ね備えた素晴らしいものになっています。どちらのアートワークも私は大好きです。二人とも本当にありがとう。

また、大賞以外の各部門も発表されたので、大賞タイトルも含めてあらためてまとめておく。

■大賞: 『TRIO』(日本版タイトル『ナナ』)
手札のある神経衰弱。手番時は(自分も含めた)手札から一番小さいor大きいカードを出すか、「神経衰弱」のように場札をめくる。同じ数字のカードを3枚公開できれば獲得ができる。

 

■エキスパート部門: 『La Famiglia: The Great Mafia War(ラ・ファミリア)』
2対2のチーム戦エリアマジョリティ。マフィア同士によるシチリア島制圧がテーマ。

 

■中量級部門: 『Faraway(ファラウェイ)』
ドラフトでカードを獲得しながら、勝利点を獲得していくカードゲーム。

また、2月23日深夜にEngamesより日本語版の発売がX(旧Twitter)にて告知された。(2023年2月23日23時19分追記)


■キッズ部門:『My Adventure Puzzle: Dragon(マイアドベンチャーパズル)』

完成したジグソーパズルのピースをめくっていくと、上側に描かれたストーリーが展開していく。