【第3回】BROADスタッフが語る! 2026年1月から3月に遊んだ面白いゲーム8選~ドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作からゲムマ瞬殺の人気作までオススメのタイトルを紹介!

2026年1月から3月のあいだにBROADスタッフが遊んだゲームのなかから、面白いと感じたゲームをピックアップ

アン:BROADライターのアンです。BROADスタッフが遊んだゲームのなかからオススメのタイトルをご紹介する企画の第3回をお届けします。今回は、2026年1月~3月の3カ月間が対象となります。

ムネタツ:BROAD編集長の松井ムネタツです。よろしくお願いします。

アン:前2回と同じく、今回名前を挙げるゲームは、以下のルールにのっとってご紹介するものです。

・2026年1月から3月までにプレイしたボードゲームのなかで面白かったもの
・できるだけ初プレイのゲーム(新作とは限らない)
・上記の中から面白かったゲームを各人4つ挙げる。紹介順は順不同で、タイトルごとに順位をつけるものではない
※ここでご紹介するタイトルは、あくまでも個人が「面白いと感じた」ものとなっています。
※紹介タイトルのメーカーについて、日本語版がある場合はそちらを優先して記載しています。

ドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作品! チキンレース系のニューフェイス

ムネタツ:軽いほうから行きます。まずは『フリップ7』(Engames)。

アン:『ボムバスターズ』が大賞を取った、去年(2025年)ドイツ年間ゲーム大賞の最終ノミネート作品ですね。

ムネタツ:ライバルだった『ボムバスターズ』と、『フリップ7』のどちらかが大賞を取るだろうなんて言われていたね。こちらはずっとシンプルで簡素なルールなんだけど、実際にやってみたらとても面白かった。やっていることは、要するにチキンレースの坊主めくりです。

自分の手番でやることは、山札からカードを引いて自分の前に並べていくだけ。カードは1から10の数字のものがあって、同じ数字が2枚出るとバーストして脱落。

アン:それぞれの数字のカードは何枚ずつあるんですか?

ムネタツ:それぞれ数字の数の枚数だけあるから、1なら1枚、10なら10枚という感じ。大きい数字のカードを引いてしまったら被りそうだからそこでやめておくか、という感じで続けるかどうかの判断の基準になる。このあたりは、テンデイズゲームズさんが出していた『ペアーズ』に似ているかも。

アン:やめたところで引いていたカードの枚数の得点が入る感じなんですね。

ムネタツ:カードの数字がそのまま得点になる。それで、違う数字のカードを7枚引くことができると、タイトルにもなっている“フリップ7”となって即時勝利。このあたりのバランスが絶妙で、ついついチャレンジしてしまい、やっぱり被って脱落、みたいなことが起こるんだよね。

アン:それがチキンレースの醍醐味というか、いちばん盛り上がるところですよね。

ムネタツ:フリップ7が揃ったときの気持ち良さも特筆モノ。最終的に負けたとしても、一度でもフリップ7を揃えられれば満足できるぐらい気分いい。

アン:リスクを負ってもどうしても引きたくなるというのは、チキンレースのゲームとしてよくできているということだと思います。それと、このゲームは大人数でできるのが良いですね。

ムネタツ:最大9人、2セット用意すれば18人までプレイできるし、人数の上限がない。基本的にはめくっていくだけのゲームなので、ルールは簡単。『UNO』でいうところの“ドロー”みたいに特殊効果があるカードもあるので説明はきちんとしないといけないけど、インストは1分くらいで終わって、すぐに始められます。ゲーム会で最初に遊んで、場を暖めるのにも適してそう。

アン:プレイ時間も短いし、出かけるときにカバンに忍ばせていくと活躍してくれそう。新たな定番パーティゲームになりそうです。

キーワードでヒントを与え合う正体隠匿系

アン:自分の1作目は、すごろくやさんの『リンク(LINQ)』。正体隠匿系のゲームです。探偵のなかに2人だけスパイが混じっている状況で、探偵はスパイを2人とも指名すること、スパイは仲間のスパイを見つけ出すことが目的になります。

このゲームは4人から8人までプレイ可能で、プレイヤーは各自担当キャラクターごとに用意された冊子を受け取って内容を確認します。次に、スタートプレイヤーから何らかの言葉を書いて公開。ここで自分がスパイであれば、スパイだけに知らされたキーワードにちなんだ言葉を書いて仲間にヒントを出す。探偵なら、スパイが誤解するような言葉を書いて混乱させる。これを2巡行って、誰がスパイかを推理します。

全員が言葉を2回書いたらラウンド終了。最後に探偵はスパイだと思う2人を、スパイは仲間のスパイだと思う1人を同時に指差します。スパイ2人を的中させた探偵は勝利して2点、勝利した探偵がいない際に仲間を指名できたスパイがいたら2点。誰も正解していない場合は探偵に1点。3点先取したプレイヤーが勝者です。

ムネタツ:得点は個人に入るから、最終的な勝者はひとりになることもあるのか。チーム戦でもあり、個人戦でもあるという感じ?

アン:そうですね。スパイを担当するか、探偵を担当するかはラウンドごとに変わるので、敵味方は毎回違ってきます。

ムネタツ:その冊子は、プレイヤー各自がそれぞれ違うものを持ってるんだよね。

アン:キャラクターごとに内容が違っていて、さらに参照する冊子のページはプレイヤー人数によって変わります。そのうえで乱数を使用するので、どの数字にキーワードが書かれているか、誰がスパイかは簡単には分からないようになっていますね。

ヒントとして出す言葉の選び方が難しくて、キーワードをそのまま連想できるようなものにするとスパイとバレやすいですし、それまでのプレイヤーが書いた言葉と関連性が薄い言葉を書いても疑われる。かといって、前のプレイヤーに寄せすぎた言葉を書くとヒントにならない。特にスパイ側は絶妙なさじ加減が求められます。きちんと意図が伝えることに成功したり、誤解させたり、がキレイに決まると気分爽快です。

ムネタツ:答えを連想できるヒントを出さなければならないけど、直球の言葉にするのは良くないというところは、正体隠匿系ではないけど『ジャストワン』を思い出すね。

アン:キーワードを出してヒントを与える共感系のゲームなので、まさにそうだと思います。自分は『コードネーム』が近いと感じました。言葉と正体隠匿の組み合わせは『ワードウルフ』がありましたが、それともちょっと違うし、なんだか新しいプレイ感のゲームです。

ムネタツ:元版発売は2003年らしい。だいぶ前のゲームなんだね。

アン:そうなんですね。寡聞にして、まったく知らないゲームでした。多い人数で遊んだほうが楽しいのでややハードルが高い部分がありますが、正体隠匿系が好きならぜひともプレイしてみてほしいです。

伝統ゲームと人気キャラクターが合体! ゲムマ試遊で長蛇の列を作った話題作

ムネタツ:『ポケモンごいた』もプレイしました。これはもう、そのまんま『ごいた』なんだけど、とにかくポケモンというフレーバーが絶妙。ポケモンの要素を加えることで遊びやすくなっていると感じた。専用の紙製プレイマットが付属していて、ここコマを配置する場所がはっきり書かれていたり、それぞれのコマの個数などが分かるようになっています。

アン:コマは全部ポケモンになっているんですよね?

ムネタツ:そう。それだけで、ルール自体はまったく変わっていない。いちおう簡単に説明すると、2対2のチーム戦で、マストフォローの形で先手が出したコマと同じものを続くプレイヤーが出し、コマを出したプレイヤーは手持ちからコマを出して、また次のプレイヤーがマスとフォローする。これを繰り返し、手持ちのコマをなくしたプレイヤーが出たチームが勝利する。

アン:『ごいた』のコマは将棋のものに似ているのですが、「歩(歩兵)」でなく「し」であったり、「香(香車)」は“きょう”ではなく“ごん”と読んだり。ちょっと違った、独特のものです。ルールのほうも独特で、実際にプレイしないと分からないような部分がありますよね。

ムネタツ:そのあたりも、プレイマットでいろいろとフォローされている。最後に出したコマによって、そのラウンドで獲得できる得点が変わるんだけど、どのコマが何点になるのかもプレイマットやコマに書いてあるし。コマも樹脂製で豪華な感じで、いろいろとユーザーフレンドリーな工夫がしてあると思う。

アン:もともとは石川県の伝統ゲームで、ゲームマーケットの伝統ゲームコーナーで取り上げられたこともありました。これまで『ごいた』はあまりコラボをしてこなかったそうなんですが、それがポケモンで実現したというのは大きなことですね。ゲームマーケット2025秋に試遊出展された際はポケモンのブースに長蛇の列ができていました。

ムネタツ:ゲームとして見ると、ペア戦ということもあって、やはり独特のものがある。相談できないから対面する味方が何のコマを持っているか打ち方で想像したり、自分が出すコマで相方に自分の状況を伝えたり、といった協力ゲームとしての面白さがあるね。

何も考えないでやっていると、出せるコマがあったらどんどん受けていくような感じになると思うけど、それは必ずしも正解ではない。状況次第とはいえ、相方が出したコマは無理に受けていく必要はないから、そのあたりは最初に説明しておかないといけないと思う。

アン:チーム戦のゲームとして見ても特殊な部類で、知っておいたほうがいい定石があり、ややクセが強いほうです。確かスマホアプリ版で練習できたりしたはずですし、動画などでルールや遊び方を説明していると思うので、ある程度事前にどんなゲームかは知っておいてもらったほうが良いかもしれません。

ムネタツ:ポケモンというだけで何も知らない子どもが買って、本当に楽しめるのかな、とちょっと心配になるところはある。2対2の4人でしか遊べないし。でも、奥が深くて確実に面白いゲームだし、『ごいた』やボードゲームに興味を持ってくれるきっかけになれば、と思います。

今後にも期待の大人気TCG風カードゲーム

アン:続いて『マインドバグ-最初の邂逅』(JEELY JELLY GAMES)。クリーチャーを召喚しあってバトルする2人プレイ用のカードゲームで、これはまさに“デュエル(決闘)”ですね。

ムネタツ:TCG(トレーディングカードゲーム)ゲーマーから注目されていたと聞いたけど。

アン:デザイナー陣に『マジック:ザ・ギャザリング』のリチャード・ガーフィールドが加わっていることでも話題を呼んでいて、TCGのプレイヤーからの期待は大きかったと思います。先行発売されたゲームマーケット2025秋では、JEELY JELLY GAMESのブースに大行列ができました。

ムネタツ:2人専用のガッツリ対戦ゲームなんだね。

アン:クリーチャーカードは全32種48枚。このなかから10枚引いて自分のデッキを作り、手札5枚を持ってスタート、召喚と攻撃をし合って相手のライフを削り切ったほうが勝利します。クリーチャーは単純な戦闘力の他に特有の特殊能力を持つものがあり、その能力のシナジー効果をうまく利用していくことも重要。このあたりはTCGのフォーマットをうまく落とし込んでいる感じですね。

特徴的なルールとしては、相手の召喚したカードを1バトル中に2回まで奪って自分のものとする“マインドバグ”があります。

ムネタツ:ゲームのタイトルになっている“マインドバグ”とは、そのシステムのことなのか。

アン:その場の状況、相手が召喚したクリーチャー、相手のマインドバグの残り回数など、判断基準はたくさんある。どのタイミングでマインドバグを発動するかが勝敗を大きく分けるところ。

ムネタツ:1プレイはどれぐらいかかるの?

アン:10分~15分程度で勝負が付くのですが、すぐに「もう一回!」となって、なかなかやめどころが難しい。なんかもう、やみつきになってしまって、延々とプレイしてしまうタイプのゲームだと思います。

単純に強いクリーチャーもいますが、戦闘力が低いクリーチャーもクセのある特殊能力を持っていて、使いようによっては逆転を呼び込める。さらに、相手のクリーチャーを奪うマインドバグの存在。引き運もあるとはいえ、工夫次第でどのようなカードの組み合わせでも勝ち筋が見いだせる。TCGが好きな人にはたまらないゲームではないでしょうか。

すでに独立拡張の『マインドバグ×キング・オブ・トーキョー』も出ていますし、今後の展開も気になるところ。大人気なのがよく分かる非常に熱中度が高い作品で、長く楽しませてくれるゲームになりそうです。

※よく似た名前の『キング・オブ・トーキョー【マインドバグ】』(ホビージャパン)もあるが、こちらは『キング・オブ・トーキョー』の拡張セットとなっているので、混同しないよう注意。

豪華コンポーネントで描く部族の旅

ムネタツ:続いて『デワン』(ホビージャパン)。僕は『チケット・トゥ・ライド』(チケライ)が非常に好きで、シリーズ作品は海外版含めてできるだけ手に入れるようにしているんだけど、『デワン』がチケライに似ていると聞いて、それならプレイしないと! と思って買いました。

アン:「部族を率いて世界を旅しながら拠点を構えて資源を確保し、他の部族と生き残りを懸けて争うエリアコントロールのゲーム」(ホビージャパンのサイトより)。写真を見ると、領土争いやエリアマジョリティのように見えますが。

ムネタツ:実際に遊んでみたら、確かにチケライっぽかったね。手番では、チケライでいうところの列車カードに相当するカードを獲得してどこかまで行く、ということを繰り返していくんだけど、そこは現代のゲームらしく目新しいシステムが組み込まれていたりする。コンポーネントもゴージャスで、個人ボードもダブルレイヤー(二層)、コマの形も凝ったデザインになっているのも◎。

アン:マップは『エルドラドを探して』のようなヘクスマップのモジュラーボードを組み合わせるタイプ。コマはそれぞれプレイヤー全員で形が違う木ゴマで、柄がプリントされているんですね。

ムネタツ:豪華コンポーネントと洗練されたゲーム内容で、そのうえでプレイ時間が短めなのもオススメしやすいところ。ルールが分かっていれば1時間未満ぐらい。「さあ、これからだ!」というところで終わってしまうから、物足りなくなって「もう一回遊びたいな」という感じになる。このあたりもうまくデザインされているという印象でした。

アン:自分も気になっていたゲームで、SNSでの評判は数こそ少ないですが上々のようです。ただ他の作品と比べると少し地味な気がしますし、ちょっとゲーマー向け寄りなのかな、と。気付いていない人が多い佳作という感じなのかもしれませんね。

スロットマシーンを勝手に改造してガンガン儲ける! 新感覚デッキ構築ゲーム

アン:続いて『カスタムスロットミリオネア』(グループSNE)。これは事前情報を得ていなくて、知人が持ってきたものをプレイしたらものすごく良かったので、なんだか不意打ちを食らった気分になりました。

ムネタツ:これは僕も遊んだ。今回、自分が紹介するゲームの候補にしていたぐらい面白かった作品です。

アン:カジノのスロットマシンを勝手に改造して当たりが出やすくするというもので、基本的なメカニクスとしては、デッキ構築タイプのカードゲーム。スロットの出目の数字のカードを9枚引いて3×3に並べ、それでスロットの盤面、リールの数字を再現するという形になっています。

同じ数字のカードが1列に並べば数字のぶんだけ得点を得て、最終的に100点オーバーすれば勝利。数字のカードは、スロットだと本当なら1から9までの数字とフルーツの絵柄、BARなどがあるのですが、このゲームのカードは1から3と7の数字しかないです。

ムネタツ:数字のカードを引くデッキは、ラウンドごとに追加カードをドラフト獲得したり、不要なカードを圧縮して強化していくんだよね。

アン:追加カードは3や7の追加の数字のほか、常時発動の能力カードもあって、例えば出した数字カードを±1したり、出た数字のカードを勝手に7に変えちゃったり、といろいろな効果がある。ラウンドが進むごとにデッキが強化されて獲得する得点が跳ね上がっていく、とてもアッパーな作りです。

このゲームが良いのは、ギャンブルでハラハラする感覚がきちんと再現されているところ。カードを引くときや並べるときはついつい力が入ってしまうし、望み通りの数字が出たときに盛り上がる感じが、ものすごくスロットっぽいな、と感じましたね。

ムネタツ:それと、ラウンドごとに誰がいちばん得点を稼ぐか予想するベッドがあって、当てると得点がもらえる。それも面白いと思った。

アン:ドラフト獲得できるカードや、並べる数字カードについては引き運も絡んでくるので運要素が高いのですが、デッキ構築の戦略部分との兼ね合いのバランスが良くて、とてもエキサイティングなゲーム。

ムネタツ:極論すると運ゲーと言えるんだけど、強化方針やベッドで誰に賭けるか、というところは自分の意思でコントロールできる。それと、自分が驚いたのは、序盤は役ができにくいというところ。先ほど「アッパーな作り」と言っていたけど、最初のラウンドは強化されていないせいもあってほとんど得点が入らない。「この遊び方で正しいんだっけ? 俺たち何か間違えている?」と不安になった。

アン:自分も最初のラウンドは0点でしたよ。揃ったら運がいい、ぐらいじゃないでしょうか。それが終盤になると20点、30点という感じでドカドカ点が入ってくるから、どんどん気分がアガってくる。

ムネタツ:デジタルゲームに『CloverPit(クローバーピット)』というゲームがあって、それはスロットを強化していくローグライトなんだけど、すごく面白くてお気に入り。だから、よく似ている『カスタムスロットミリオネア』も気になっていたんだよね。ルールが簡単でプレイ時間も短いし、興奮度が高いゲームが手軽に楽しめる。これは楽しかった。

凝りに凝りまくったテーマとメカニクス! 東洋から西洋への航海を扱った林尚志氏最新作

ムネタツ:それでは自分の4本目『鄭和宝船』(ハーベストバレー)。やっと遊べました。

アン:『ボムバスターズ』の林尚志さんの新作ですね。注目度が高かったタイトルですが、発売や発送時期の延期もあって、気付いたら出ていた、という感じです。かなり重量級のタイトルということですが。

ムネタツ:3人でやって、4時間ちょっと。箱には1時間と書いてあって、でもそれは無理だった(笑)。

アン:林さんは“初回プレイ時間公称1日”の『ユグドラサス』を、テストプレイ時に3時間ぐらいで遊んでいたとおっしゃっていましたから……。

ムネタツ:ルールを確認しながらやっていたせいでもあるんだけど。これまで見たことがないような不思議な感じのルールが多くて、「こんなルールをよく思い付くな」と感心してばかりだったのだけど、そのぶん何度もマニュアルを見ていた感じ。

アン:船の航海を扱ったゲームとのことですが、ピック&デリバリー(荷物を積んで運ぶ)ですか?

ムネタツ:いや、荷物を運ぶゲームではないです。中世の中国からアフリカの方面に7度遠征した航海がテーマで、プレイヤーみんなで航路上の船団を進めていく。ルールに則って、決められた手番順に自分の船の数の分だけコマを置いていくんだけど、延ばしていく航路も要所要所で分岐があり、どのルートで回るかは手番プレイヤーが決める。

アン:全員が乗り合いになって、そのなかのひとりが進路を決めるというのは、シャハトの『ハンザ』を思い出します。

ムネタツ:結果的には、一本道でチケライをやるような感じ。それで、航路の要所要所で資源や名声を獲得していく。全員がコマを置いたらそのラウンドは終了となって、また中国から再スタート。

このゲームはとにかく手番順が重要で、有利な手番を取るためにはラウンドの頭に資源を投入する必要がある。だから、良い手番が欲しかったらそれに向けて資源を保持しておかないといけないんだけど、なかなか思う通りにはいかない。その辺の駆け引きが楽しかったり複雑だったりで、ちょっと今までにないプレイ感だった。

アン:さまざまな要素が複雑に絡み合ってくるわけですね。何を優先するか決めて、計画的に進めていく必要がある。

ムネタツ:そのあたりは“重いゲームあるある”かも。あれをやるためにはそれをしなくちゃいけなくて、でもその前段階の準備としてこれをやっておかないと……みたいな感じで、もうみんな頭から煙出しながら悩んで悩んで。長考するような要素はないと思うんだけど、プレイ中はずっと何か考えて頭を使っていた気がする。

アン:ロマン溢れるテーマも魅力ですね。大航海時代ならともかく、それより前の中国明代で、しかも東洋から西洋に向けての航路。鄭和なんて世界史通でないとなかなか出てこない名前です。林さんは歴史がお好きとおっしゃっていたのですが、これはずいぶん渋いところを突いてきたな、と。

ムネタツ:全部で7回の航海という、この7回という数字もラウンド数として絶妙で、ゲームに向いている設定だと思った。本当に変わったテーマを選んでるし、システムは凝りに凝りまくってるしで……いやはや、すごいゲームですよ。

アン:ボックスアートやコンポーネントが注目を集めた部分はあるでしょうけど、実際はそれは骨子でしかなくて、ゲーム部分はかなりの骨太。今の世では珍しいタイプのゲームかもしれませんね。チャンスがあれば自分もやってみたいと思っています。

なおメーカー在庫僅少で再販も未定のようですが、2026年4月14日時点でJEELY JELLY STOREに在庫があるようです

人間界に侵攻し、勇者を撃破せよ! 次期魔王の座を目指すパズル&タワーディフェンス

アン:最後は『デモンズ・コンクエスト』。魔王軍の幹部のひとりになって、人間の世界に侵攻していきます。メカニクスはパズル的なカード配置とタワーディフェンス。敵となる人間側も勇者を立てて攻撃をしかけてくるんですが、それを打ち破りながらどんどん攻めていくという感じのゲームです。

ムネタツ:楽しそうなフレーバーだね。

アン:ドット絵風のアートワークも良くて、雰囲気はバツグンです。『異世界ギルドマスターズ』『エーテルグライダー』で知られる六角えんぴつさんの作品。軽い順に紹介してきたので、自分が今回名を挙げたゲームのなかではもっともプレイ時間が長いのですが、それでも30分~45分です。デザイナーの蜂月さんがおっしゃるには「サークル史上最軽量」とのこと。

基本的にやることは個人ボードから伸びる形で正方形の土地のカードを並べ、モンスターを召喚して配置していくだけ。カードはラウンド開始時にドラフトで獲得します。

ムネタツ:正方形のタイルを配置する『カルカソンヌ』のイメージ?

アン:そうですね。土地カードの配置はパズル的な要素があって、カード同士の道が繋がるように置いていくので、『カルカソンヌ』に近いといえばそうだと思います。違うのは敵の攻撃があること。配置後に人間側からの逆襲があり、防ぎきれないと土地カードが除去されてしまいます。

土地の配置を工夫したり、モンスターを召喚してうまく防御することがコツになりますね。3ラウンドを終えたのち、配置した土地カードや、敵を倒して集めた財宝などで得点を獲得し、もっとも多いプレイヤーが勝者です。

ムネタツ:この内容でプレイ時間が1時間未満なのか。

アン:ドラフトに始まって、カード配置、ダイスロールとタワーディフェンス、セットコレクションといったたくさんの要素を融合しつつ短いプレイ時間でまとめた欲張りなゲーム。ただ、もっとも時間がかかると思われるカード配置の部分は全プレイヤーが同時にやりますし、随所にプレイ時間が短くなる工夫がしてあると思います。

土地タイル獲得のドラフト部分はかなりインタラクション性が高いので、各々がソロプレイをしているという感じにはならず、むしろバチバチにやりあう印象がありました。

ムネタツ:ソロプレイも楽しいという評価を見たけど。

アン:ソロプレイは未経験ですが、SNSを見ると楽しんでいる人もいるようですね。土地カードや財宝の引き運、ダイス運に左右される部分があるものの、パズル的な配置とソロプレイの嚙み合わせは良さそうです。

このゲームは要素が多く複雑だけど、それをきれいにまとめてギュッと詰めた感じ。終わったあと「ボードゲームで遊んだ!」という気分に浸れる、プレイの満足度が高いゲームだと思います。

ムネタツ:昨年秋のゲムマで売っていたんだね。すぐに売り切れていたとか。

アン:今年に入ってから一般発売となったようです。六角えんぴつさんの公式サイトでは2026年4月10日時点で在庫切れですが、再販予定ありで予約受付中のようですね。

 


今回ご紹介したおススメのタイトルは軽めのゲームが多くなりましたが、その内容はパーティゲームからゲーマー向けまでバラエティに富んだものとなりました。ゲーム名にリンクがあるものはJEELY JELLY STPREの通販でも購入可能ですし、JEELY JELLY CAFEで遊べるものもあるので、興味があるゲームが見つかったら、ぜひともプレイしてみてください。

BROADでは、今後もスタッフおススメのゲームをご紹介していきます。皆さんがプレイするゲームを検討する一助にしていただければ、と思います。

<今回紹介できなかったゲーム>
今回もご紹介しきれなかったゲームがたくさんありました。参考までに、候補として挙がった名前を挙げておきます(順不同)。

ムネタツ:フォレストシャッフル(拡張全部入り)/モダンアート(韓国版)/ロイヤルターフ/イルイラン/グレート・ウエスタン・トレイル/アーク・ノヴァ:サンクチュアリ

アン:ラストランタン/くろすにゃーど/銀河トリックテイク・ガイド/プレザージュ/エスノス/パークス/ランドマークス/デリキャット/マッチ売りの大富豪/オトツナゲーター/SETI 宇宙機構拡張入り/ハバナ