【ソリティアチャレンジ】1人用プレイ企画スタート! 多人数で遊ぶのも良いけど、1人でやっても楽しい『フレームワーク』を早速ソロプレイ!

ボードゲームのなかには、ソリティア(1人用)専用のものがいくつかあります。有名なものを挙げると、フリードマン・フリーゼ氏の『ロビンソン漂流記』、日本の作品ではポーン氏の『シェフィ』などでしょう。自分は多人数でワイワイとプレイするゲームも楽しいのですが、1人でじっくりとプレイするソリティアも好きです。

また、本来は多人数用として作られたボードゲームのなかにも、ソリティアのルールが付いているものがあるのはご存知でしょうか。例えば『ウイングスパン』などは、1人でプレイするためのルール“オートマ”が用意されており、プレイして楽しいのはもちろん、ゲームの習熟にも役立ちます。

「1人でプレイするゲームの何が楽しいの?」と思う方もいるかもしれません。でも、プレイを突き詰めて自己最高点を追い求めるというソリティア特有の遊び方は、ハマる人はハマるのではないかと思います。昨今の重ゲーはソロプレイルールが当たり前のようについていますし、購入基準の判断材料として「ソロプレイがあるかどうか」をチェックする人もいます。

そんなわけで、この連載企画は“ソリティアチャレンジ”と銘打ち、ソロプレイでも楽しいゲームや、ソリティア専用のゲームをご紹介させていただきます。

多人数でもソロでも楽しい!『フレームワーク』

さて、最初の“ソリティアチャレンジ”として取り上げたいゲームは、ワカプレの鬼才ウヴェ・ローゼンベルク氏のタイル配置ゲームフレームワーク(日本語版はホビージャパンより発売)。このゲーム、ちょっと見た目は地味なのですが自分はとてもハマっていて、お気に入りの作品です。簡単なルールと短いプレイ時間で時間調整にも最適。考えどころが十分にあり、戦略と運のバランスも良い。何より、2人でも3人でも4人でも楽しい! さらにソロ用のルールまで付いているのです。

自信を持ってオススメできる『フレームワーク』ですが、ご存知ない方に簡単にルールを説明します。基本としては、いわゆる“バッグドロー”“タイル配置”(袋の中からタイルを引き、配置する)。袋から引いて場に並んだタイルのうち1枚を獲得し、自分が並べているタイルの面同士が繋がるように配置していきます。

場には人数+1枚のタイルがあり、手番プレイヤーが最初の一枚を取って並べ、次のプレイヤーが一枚取って並べ……を繰り返す。最後に一枚だけ残ったタイルを手番プレイヤーが引き取って配置するとラウンド終了。手番プレイヤーが隣に移って次のラウンドになり、またタイルを引いて進行していきます。

タイルは大きく分けて2種類の情報が記載されています。5色の枠が最大3つまで描かれる“フレーム”と、数字が書かれた“タスク”(課題)です。このタスクをタイル配置によって達成していくことが目標となり、全部で22のタスクをもっとも早く達成したプレイヤーが勝利。なお、タイルは全部で128枚あり、すべてユニークタイル(違う柄)となっています。

▲数字が書かれているものが“タスク”、枠が書かれているものが“フレーム”。フレームの中にタスクが書かれたタイルや、複数のフレーム、複数のタスクが記載されているタイルもある

タスクは、対応する色のフレームを隣接して配置し、書かれている数字のぶんのフレームが置かれると達成となります。フレームのタイルに同色のフレームのタイルを隣接して置いたときは繋がっているとみなします。

▲黄色3のタスクであれば、タスクのタイルに隣接して3つの黄色のフレームが配置されていれば達成となる。隣接して置かれた黄色のフレームは繋がっているとみなす。達成したタスクの上にはトークンを置いて、達成済みであることを示す

タスクにはいくつかの種類があります。それぞれのタスクの達成難度を予想し、難しいものを切り捨てていく判断も必要となります。

▲特殊なタスクのタイル。スラッシュ(/)で2色に区切られている場合はどちらかの色を数字分配置で達成(OR)。真ん中でぼやけたような感じで2色になっているなら、その2色を両方とも数える(AND)。矢印がある場合は左のタスクを達成後でないと右側を達成できない

基本的なルールはこれだけです。将来的に自分が達成するタスクを先読みし、必要なタイルを優先的に獲得、うまく相互に作用していくように配置することがポイントです。当然ですが運や他プレイヤーとの兼ね合いがあり、思う通りにいかないことが多いのですが、うまく自分のプランと進行が合致すると気分爽快。同時に複数のタスクを達成したときは、脳汁が出まくります!

『フレームワーク』のソロプレイルールは?

さて、この『フレームワーク』、ソリティアのゲームとしての楽しさはどんなものでしょうか。ルールとしては、プレイヤーが1人なので、袋からタイルを引いてそのまま配置していきます。ただし、すぐに配置したくないタイルや、不要なタイルは、1人用のときのみ使用する“保管カード”に2枚まで置いておくこともできます。手番では、袋から引く代わりに保管カードに置かれたタイルを配置することも可能。こうしてタイルを置いていき、22のタスクを達成したらクリアです。

▲1人用専用ルールとして、保管カードに2枚まで引いたカードを置くことができる。手番時、袋からタイルを引かずに保管カード上のタイルを置いても良い

1人用専用のルールとして、タイルはできるだけ5×5の範囲に配置していかなければなりません。22のタスクを達成した際に、この範囲からはみ出ているタイルの数だけマイナス点となります。これがすべての得点要素。つまり最高得点は0点で、そこからどれだけマイナス点を少なく抑えることができるかが成果となるのです。

▲終了時に5×5の範囲からはみ出したタイルの数をどれだけ抑えられたかが得点の目安。写真の場合は範囲外に4枚のタイルが配置されているため、マイナス4となる

ある程度はタイルの引き運次第というところがありますが、2枚のタイルを退避させられるという保管カードをうまく使いつつ、5×5の盤面の維持を意識していくことでマイナス点を抑えることができます。では、実際にプレイしてみましょう。現在の自分の最高記録はマイナス2点。記録更新を目指して、ソリティアチャレンジ!

目標は自己記録の更新!さて結果は?


まずは初手。2色のフレーム+2つの課題という、発展性が高いタイルを引きました。このタイルを軸にして広げていきます。


5手目までの配置。さっそく黄色3のタスクを達成(以降、タスク達成は写真内に矢印で示します)。黄色はまだまだ伸ばせていけそうで、期待できます。

一方、初手のタイルにあった茶5のタスクに関しては、他のタスクやフレームとの兼ね合いであきらめました。『フレームワーク』でもっとも重要なのは、達成するタスクの見極めです。このときの自分は、茶のタスクにこだわって他のタイルの可能性を潰すより、早々にあきらめたほうが良いと判断しました。


10手目までの配置。銀のフレームが予想外に延びて、縦列の高さが早くもタイル5つぶんに達しています。5×5の範囲からはみ出て配置したタイル1枚ごとに減点があるため、これ以降、縦列はこの高さをできるだけ維持していかなければなりません。また、得点源と目した黄フレームは1枚も引くことができておらず、タスクの達成もありませんでした。ただし黄色のタスクを2つ追加して右下に配置しており、できるだけ黄フレームを伸ばしてタスクを達成していく方針は変わっていません。


15手目までの配置。黄、銀フレームのタイルを引けたおかげで、この間に一気に7つものタスクを達成。好結果が見えてきました。途中で引いた緑フレームのタイルはタスクが3つも含まれていたのですが、まだ配置するタイミングではないと判断して保管カードに置いています。黄フレームのタスクについては1つを残しすべて達成してしまったため、今後は銀や赤のタスクを達成に目標を切り替えます。


20手目までの配置。なんとか5×5の範囲を保ちつつ、タスクの達成を進めています。保管カードに2枚目のタイルを配置しつつも、順調に赤や黄のフレームのタスクをこなした結果、達成済みのタスクは13。あと9のタスクを達成すればクリアーなのですが、盤面に残っている未達成の有望なタスクが少なく、苦しくなってきた感じがします。

ここからはタイル1枚ずつのドローと配置をお伝えします。21手目に引いたタイルは赤黄フレームと赤タスク5。これはありがたい! 盤面にピタッとハマるタイルです。

21手目の配置。赤タスクは盤面に未達成が2つあり、さらにこのタイルにも達成可能な赤タスクがありました。このタイルを配置して、一挙に赤タスク3つ達成。これはスカッとしました。あと6つ!

22手目ドロー。これも待っていたタイル、銀フレームです。
22手目の配置。これで銀フレームが6連になり、残っていた銀タスクが1つ達成となります。あと5つ!

23手目ドロー。ここで3色フレームのタイルを引きました。非常に使い勝手がいいタイルで、序盤ならかなりうれしかったのですが、盤面が完成に近付いている状況では活かせる場所が限られます。


23手目の配置。かなり迷ったのですが、左上の空きスペースに置いて赤フレームを繋げ、さらに保管カードに置かれていたタイルを左上に配置して赤6のタスクを達成。あと4つ……。

24手目ドロー。赤フレーム、銀/緑4タスク。

24手目の配置。すでに赤フレームは不要となっているため、ドローしたタイルの銀タスクを活かすことにしました。銀フレームに隣接するように配置してタスク達成、あと3つ!

25手目ドロー。赤フレーム2+銀タスク7。同じ色のフレームが2つあるタイルはとても便利で、20手目以前であれば使いようがあったのですが、赤フレームがいらなくなってから引いても……。ちょうど空きができていたので、これは保管カード送りです。

 

26手目ドロー。茶フレーム2+赤タスク7。これは参りました。今回のプレイでは茶フレームをほとんど引いておらず、残ったタスクも無し。この終盤で引いてきても、配置する場所はありません。


26手目の配置。すでに保管カード上には2枚のタイルがあり、盤面に置くしかない。仕方なく、5×5の枠外に配置してタスクだけでも達成とします。あと2つ!

今回の目標は自己最高記録マイナス2の更新なのですが、終盤では無理に5×5内の配置にこだわらず、タスク達成のためなら枠内からはみ出てもあえて配置していく判断が必要になることもあります。この決断が『フレームワーク』ソロプレイ時の大きなポイント。5×5の枠内に配置してしまった結果、より大きなマイナスになってしまうこともあるため、今回はタスクの達成を優先してマイナス1点を呑んだ形になります。

27手目ドロー。銀タスク4と7。これはッ……!?


27手目の配置。右下の銀フレーム地帯の隣に置けばクリアーか?……と思ったのですが、盤面にできている銀フレームを繋いだ数は6。ドローしたタイルの銀タスクのうち4のほうは達成できますが、7は無理です。迷いに迷ったのですが、ここで枠外に配置しては自己記録のマイナス2は更新できません。最後のドローに賭け、タイルを右上に配置します(ここで銀フレームに接するように置いて先に銀4のタスクを達成する手もあったのですが、後で見返してみたところ、最終的な結果は変わらなかったようです)。

28手目ドロー。銀フレームのタイルを引いてくればマイナス1でクリアーとなります。ドキドキしつつも気合を入れて引いたタイルは……茶タスク4と7! むむむ、これは完全に不要なタイルです。

28手目、泣く泣く5×5の枠外に配置。しかし、次の29手目のドローでなんとか銀フレームのタイルを引き当て、27手目に置いたタイルの銀タスク2つを達成、これでクリアーとなりました。

結果はマイナス2。自己記録タイで、残念ながら更新は失敗でした。このあと2時間ほど粘ってみたのですが、やはり更新ならず。ここから先がなかなか詰められないんですよね……。『フレームワーク』はこれからも記録更新を狙ってソロプレイをしていこうと思っています。いつか最終目標である“マイナス無し”を達成したい!(ちなみに、さらに上級者向けとして保管カードに置けるタイル数を1枚にするという高難度ルールもあります)

いかがだったでしょうか。少しでも『フレームワーク』の1人用プレイや、ソリティアの楽しさが伝わっていれば幸いです。機会があれば別のゲームの1人プレイの様子もお伝えしたいと思っていますので、よろしければまたお付き合いください!