【イベント】『カタン』日本選手権2023、いよいよファイナル! 日本一の座と世界選手権の参加権を賭けて『カタン』強者たちが激突!

株式会社ジーピーは2023年8月20日、新宿プリンスホテル(東京都新宿区)にて『カタン』日本選手権2023ファイナル東京大会を開催した。

同大会は2019年以来4年ぶりとなる『カタン』の公式大会で、優勝者は2024年に開催が予定されているカタン世界選手権に日本代表選手として派遣されることが決まっている。

『カタン』ファイナル東京大会の出場選手は、北海道・中部・北陸・東日本・九州・西日本の各地の地方大会を勝ち抜いて出場権を得た『カタン』トッププレイヤーたち31名。6大会、約800名もの参加者のなかから選りすぐられた猛者たちが、己のプライドを賭けて激突する。

今回は、激闘が繰り広げられた同大会のレポートをお届けする。

全国6地区800名の頂点を決める戦いが幕を開ける!

決戦の舞台は、新宿プリンスホテル・B1Fガーネット。ムーディーな部屋で、会場内には丸テーブルが8つ設置されていた。

ファイナル決勝が行われる1番卓は、実況放送のための撮影機材が設置されていた。

開会の時間が迫ると、選手たちが受付に並んで入場開始。会場内に入ると、すでに顔見知りの選手同士があちこちで旧交を温める様子が見られた。選手たちは、あらかじめ決められていた卓に着席して開会式を待つ。

参加選手全員に配られたファイナル出場の証である“カタン”ピンバッヂ。

いよいよ開会式。ジーピー代表・米川和秀氏のあいさつのあと、参加選手が自己紹介を行った。

地方大会と同じく『カタン』デザイナー、故クラウス・トイバー氏に黙祷。さらに、大会の審判長である末村直樹氏(2012・2019年日本選手権優勝・2022年世界大会出場)によるルール説明と質疑応答が行われた。

今大会は、決勝戦の様子がジーピーのYoutube公式チャンネルにて動画配信される。実況の秋との子氏、解説のハイカン氏があいさつ。

【GPGAMESJP カタン日本選手権2023決勝卓実況!!】
https://www.youtube.com/watch?v=2I0LHU3Lkm4

いよいよ試合開始となった。今大会は全4戦を行う。最初の2戦はランダムで対戦相手を決め、成績上位者12名を第1~3卓に振り分けて第3戦。さらに上位4名が第1卓にて行われる決勝戦に進む。

今大会の試合のマップは、第1戦~第4戦の各試合ごとに全8卓で同一のタイル配置のものが使用された。

第1戦では、出場選手の抱負で「妻には絶対負けない!」と語っていた大木知彦氏(西日本地区1位)が、夫人の大木綾乃氏(北陸地区1位)と第5卓でいきなり対決。最大騎士力を夫婦で取り合う激戦が繰り広げられた。なお、最大騎士力は最終的に知彦氏が獲得したものの、10点を獲得して勝利したのは綾乃氏だった。

東日本地区の有力プレイヤー同士が第1戦で同卓した第1卓を米川和秀氏が見守る。なお、今大会では資源等を配るバンカー役を第1プレイヤーが担当する世界大会ルールで行われていたが、決勝戦が中継される第1卓のみ第1戦から専属のバンカー役がついていた。

試合時間は70分。開始から50分を超えると、決着する卓が続々と現れ始める。

第1戦終了。選手は第2戦の卓へと移動し、12時05分、再び戦いが始まる。

戦いは後半戦へ! 決勝の激戦を制したのは……?

第2戦終了後、いったん休憩。14時10分に再開し、第3戦が始まる。第3戦は第2戦までの成績上位者12名をウェーバー方式で第1~3卓まで振り分けて行われた。ここまで2戦を連勝していたのは、先に登場した大木綾乃氏ひとりだけで、以下に1勝した選手たちが僅差でひしめく大混戦! 緊張した空気が漂うなか、第3戦が始まる。

第3戦が終了し、決勝卓に進出する選手4名が決定。いよいよ『カタン』日本一を決める戦いが開始された。

▲1番手赤・Cast氏(東日本地区4位)

▲2番手青・大木綾乃氏(北陸地区1位)

▲3番手黄・内田裕太氏(東日本地区3位)

▲4番手白・ナガモリ氏(東日本地区7位)

Cast氏、内田氏の両名はカタン歴10年以上。「そろそろもう一度世界大会に行きたい」と語るCast氏はカタン日本選手権2014優勝者で、同年の世界大会で準優勝。ナガモリ氏は2019決勝4位、2022年世界大会に出場した。内田氏もファイナル進出3回を誇り、この3人の熟練プレイヤーにファイナル初進出で本日好調の大木氏が挑む構図となった。

最終戦のマップは、鉄の産出が絞られた、やや癖のあるタイルの配置。なかなか得点が伸びず、選手たちも苦しい戦いを強いられる。黄・内田氏は初期配置で“3”の数字に鉄と麦の産出セットを構成した。

中盤、最長交易路を確保した青・大木氏がリード。最大騎士力は赤・Cast氏と黄・内田氏が争う展開になった。

最終盤。複数プレイヤーに上がり目があり、一瞬の判断が勝敗を分ける状況に。ピリピリとした空気が漂うなか、自らダイスの目“3”を振った黄・内田氏が力強くガッツポーズ! 開拓地を都市化、1勝利点の発展カードを公開して10点到達した。

最終盤面。黄・内田氏は都市2、開拓地3、最大騎士力に加え発展カードで1点を確保し、10点として勝利。勝利を決めるダイスロールの目“3”を自ら引き当てるなど、戦略と運の両方が合致した見事な勝利となった。

閉会式。第1~4位までの選手が表彰を受け、賞状と副賞が手渡された。内田氏は来年に予定されている世界大会に日本代表選手として挑むことも決まっている。

最後に、決勝卓進出者と米川和秀氏が並んで記念撮影。

激戦を終えて。優勝者インタビュー&審判長による大会統括

閉会式後、優勝を決めた内田裕太氏と、審判長として大会を支えた末村直樹氏に話を聞いた。

【カタン日本選手権2023優勝・内田裕太氏】

──優勝してどのようなお気持ちでしょうか。

内田氏:疲れました(笑)。でも、ものすごくうれしいです。

──選手紹介のときに、奥様に激を入れられたというお話をしていらっしゃいましたね。

内田氏:ファイナル出場が3回目となりますので、いい加減結果を残してこいとプレッシャーをかけられていました(笑)。妻には、先ほどLINEで報告をしておきました。

──勝負を決めた場面では、あと一巡他のプレイヤーに手番を回してしまうと負けとなり、しかもダイスで“3”の目を出さないと勝てないという状況でした。

内田氏:何周か前から上がるチャンスがあり、3が出れば……というところでした。(自力で“3”の目を振り)出た瞬間は頭が真っ白になりましたね。

──“3”の目は非常に出にくいですから、薄い勝ち目を自ら手繰り寄せたというところがあるかと思います。ご自身では、運は良いほうだとお思いでしょうか?

内田氏:普段はそれほど運がいいとは思いませんが、今日は発展カードの引きやダイスの目など、自分が欲しいと思ったものが出ていました。「今日はツイている日なのかな」という実感があり、行けるような気がしていましたね。

──先の話になりますが、世界大会への抱負をお願いします。

内田氏:初めてのことですから分からないこともありますが、日本代表の名に恥じないようにしたいです。それと、自分が楽しむということも重要ですが、結果も求めたいという気持ちも強いですね。

▲優勝の賞状と世界大会出場の認定証のほか、副賞としてプレゼントされたのは、なんと『カタン3D』!

【審判長・末村直樹氏】

──今大会を審判長として統括していただけるでしょうか。

末村氏:今回は2019年以来4年ぶりの大会で、そのなかで特に感じたのは、参加者が様変わりしたということです。この4年のあいだにコロナ禍の影響で(おうち時間、巣ごもり需要などで)ボードゲームを始められたという人が多く、『カタン』のプレイヤーも増えたという印象があります。

──大会にも、初参加の方がたくさんいらしたということでしょうか。

末村氏:各会場で「初めて参加した人」と聞いたところ、半分ぐらいの人が手を上げていました。それまでの『カタン』の大会というと常連の顔なじみばかりだったのですが、今年は新しい風がたくさん吹いていたと感じましたね。

──そのような状況で、今日の決勝を迎えました。

末村氏:ファイナルともなると長いあいだプレイしてきた技巧派のプレイヤーが勝ち上がってきました。優勝した内田さんもベテランのプレイヤーです。予選では新しい人がどんどん勝ってベテランが苦戦していたようなところがありましたが、ファイナルは経験がある人が勝った、という結果でしたね。

──末村さんは2019年の大会優勝者で、世界大会にも出場しています。プレイヤーとしてかなりの実績を残していらっしゃいますが、今後の大会への参加は考えていますか。

末村氏:今大会は試合には参加せず、地方予選から今日のファイナルまで審判などをさせてもらってきました。私自身は日本チャンピオンに2回なり、昨年(2022年)のマルタ島で開催された世界大会に出場したのですが、そこで競技としての『カタン』からは身を引いて、今後は裏方などで『カタン』の普及に協力したいと考えています。元気で体が動く限りは、ジーピーさんと一緒に大会の運営やルール作りなどをしていきたいですね。

▲閉会式にて日本代表チームのユニフォームを内田氏に託す末村氏


カタン日本選手権は来年も開催される予定で、その勝者と今回優勝した内田裕太氏の2名が日本代表選手として世界大会に臨むことになる。我こそは、と思う『カタン』プレイヤーは、ぜひとも来年の“カタン日本選手権”地方大会や、ボードゲームカフェなどで行われる“カタンオープン大会”に挑戦してもらいたい。

なお、以下は余談となる。

大会終了後、出場選手とスタッフによる懇親会が行われた。ここでは、参加者全員にドリンクがふるまわれたほか、ジーピー米川秀治常務取締役からパッケージが『カタン』に似ているとして話題の(?)アイスクリーム『森永PARM安納芋』がプレゼントされた(なお、後日SNSにて“森永PARM公式アカウント”が反応した)。

【関連リンク】

株式会社ジーピー
http://www.gp-inc.jp/index.html

カタン日本選手権大会
http://www.gp-inc.jp/catan/catan_championship2023/index.html

GPGAMESJP カタン日本選手権2023決勝卓実況!!