ロンデルのメカニクスを持つボードゲームを7つほど紹介しましょう! ロンデルとは、環状に並んだアクションボードやトラック上でコマを進め、数マス先のアクションを選んで実行するシステムのこと。
ほとんどのロンデルゲームは、ロンデルのアクションボードとは別のメインボードがあり、そちらで早取りやエリアマジョリティといった別の軸の勝負が展開します。ふたつのメカニクスの連動により、より選択の幅が広く、深みを持ったゲーム性を実現しているのです。
今までロンデルを知らなかったという人も、ぜひご覧になってください。
ロンデルボードでリソース集め! テーマとフレーバーが魅力のセットコレクション
フィンカ

2009年ドイツゲーム大賞ノミネート作品。地中海・マヨルカ島で果物を集め、島内に届けて勝利点を競います。
手番では、円環状のロンデルボード上で自分の農夫コマを移動させ、リソースとなる食料を入手します。自分の手持ちの農夫コマはふたつ。移動前のマスに他のコマがいると移動力が増え、移動後のマスに他のコマがいたら獲得する食料が増加するため、どちらのコマを動かすかは他者のコマの位置との関係性が重要です。
また、食料ではなくロバ車を獲得することも可能。ロバ車は島の各エリアに食料を配達し、勝利点を得るために必要です。どのタイミングでどこに配達するか、いかに必要な食料とロバ車を確保するかの計画をしっかりたてなくてはいけません。
インタラクション性が高く、選択のジレンマと駆け引きを存分に楽しめるタイトルです。色とりどりの農作物の木製トークンや、風車を模したゲームボードなどのコンポーネントも楽しい! 2025年に発売されたアークライト版は早取りの要素を加える拡張タイルなどが最初から同梱されています。
これが私の「フィンカ」!果物を集める僕たち私たち!アクションスペースをマンカラしてアクションそこにいる人数分の資源がもらえる資源がなくなるとその資源は全部戻さないといけないシステムむっちゃ好きいつもフィンカシステムって呼んじゃうちょうどよい中量級だね味ついてて美味しいです面白い! pic.twitter.com/OIby8Lr3Wc
— やぎのの幸せな日常 (@Hai_yagi) December 3, 2023
【フィンカ 概要】
メーカー:アークライト
プレイ人数:2~5人
対象年齢:10歳~
プレイ時間:約45分
赤の大聖堂

モスクワの大聖堂の建築に参加し、皇帝の評価を競うリソースマネージメント&エリアマジョリティ。
プレイヤーは手番で担当する建築区画を抑えるか、市場で資材を集めるか、資材を消費して建設するかの3つのアクションのいずれかを実行。確保した区画を完成させると、収入や得点が得られます。
特徴的なシステムは、ロンデルのボードを使った資材集め。外周に配置してあるダイスのどれかひとつを選び、その目のぶんだけコマを進めて到着したエリアの市場にあるダイスの個数と同じ数の資材を獲得します。資材獲得時は、欲しい資材の種類と外周のダイスの目、到着したエリアに他のダイスがいくつあるか、といったさまざまな要素を考慮してどのサイコロを選ぶか決めなければなりません。
資源の所有上限や区画に運び込める資源数には制限があり、さらに区画ごとの担当数によるマジョリティ争いとセットコレクションの要素もあります。市場の動向やライバルの建築状況に対応する短期的な戦術と、建築の進行や占有率を考慮した区画の確保といった長期的な戦略のどちらも必要となるのです。
すごろくやの日本語版は箱サイズが小さくコンポーネントが抑えられていますが、プレイ時間120分前後でやりごたえバツグンのタイトル。拡張セットの『赤の大聖堂:内つ国への使者』も発売されています。
赤の大聖堂。マジョリティ取らなきゃいかんのよ。どうせお金余るし下手に旗立てるより装飾を豪華にしたほうがよさげ。相手の動きを見てから動きたい。装飾させたくない。ジレンマがすごい。サクラダファミリアはこうやって完成しないんだと思う pic.twitter.com/S9ya5riG3K
— じょあ (@joa_YS) July 10, 2024
【赤の大聖堂 概要】
メーカー:すごろくや
プレイ人数:1~4人
対象年齢:10歳~
プレイ時間:約120分
舞台は激動の中世欧州 ロンデルボードでアクション選択
クルセイダーズ

古典ゲームのマンカラのシステムを用いて、中世ヨーロッパの十字軍遠征を描いた戦略ゲーム。プレイヤーは自分の騎士団を率い、戦力の増強や敵との戦闘、建物を建設するなどしてヨーロッパ内での影響力を高め、名誉を得ることが目的です。
個人ボードのロンデル部分は6つのタイルを組み合わせたもので、この上に置いたアクションコマがあるタイルのアクションを行ってから、マンカラの要領で1つずつコマを残しながら先に進めます。アクションの効果はタイル上にあるアクションコマの数によって変わるため、重要なアクションを実行する際はそのタイルにアクションコマをいくつか集めておく必要があり、アクションの実行順や強度の調整に頭を悩ませることになるでしょう。
個人ボード上のアクションタイルの効果やボードの補助効果はランダム配置されるため、プレイするたびに状況が変化。高いリプレイ性を担保します。運要素が少なく、ほどよい戦略性とインタラクション性があり、プレイ時間60分前後でまとめられた完成度の高いゲームです。拡張セットの『クルセイダーズ:神の影響力』も発売中。
2024/08/03ボドゲ②:クルセイダーズ+拡張
久しぶりに遊びました。
マンカラする場所のアクションができるという、比較的簡易なマンカラゲームです。
トラヤヌスとかの前の入門としてよき。
拡張もバランスよく、楽しめます。 pic.twitter.com/Zoe958uwKM— 楓(Kaede)@🚂🐈🐈🎲 (@kaede_boardgame) August 4, 2024
【クルセイダーズ 概要】
メーカー:Engames
プレイ人数:2~4人
対象年齢:14歳~
プレイ時間:約40~60分
ナヴェガドール(ナビゲーター)

中世欧州、時は大航海時代。ポルトガルから出航して長崎を目指す行程のなか、植民地の確保、船の建造、施設の建設を通じて、交易の支配者を目指します。
プレイヤーは円環状のマスをぐるぐると回りながら、全7種のアクションのどれかを実行し、開拓と冒険の旅に臨みます。コマを動かせる距離は3マスまでですが、追加コストを支払えばそれ以上でも進むことが可能。誰かが長崎に到着するか、建物がすべて建造されるとゲームは終了で、勝利点がもっとも多いプレイヤーが勝者です。
未開の航路を切り開いていく行程は、ワクワクと驚きが詰まった冒険の旅。勝利への道筋がいくつもあり、何度でもプレイしたくなる名作です。
デザイナーはマック・ゲルツで、「ロンデル」の生みの親です。『ナヴェガドール』は『コンコルディア』と並ぶ氏の代表作として知られています。元版発売は2010年、ニューゲームズオーダーの日本語版は2016年にリリースされました。
ナヴェガドール
私の大好きなゲーム。資金増大のサイクルを作り、植民地と工場を唸らせて全てを買い尽くしながら長崎へGOするゲーム。 pic.twitter.com/AE2r5zefg7— mor!_boardgame (@mori_boardgame) March 29, 2019
【ナヴェガドール 概要】
メーカー:ニューゲームズオーダー
プレイ人数:2~5人
対象年齢:12歳~
プレイ時間:約60~90分
ガリレオ・ガリレイ

まだ地動説が広まっていない中世ヨーロッパで、天文学の発展に寄与する学者たちの活躍を描いた重量級タイトル。プレイヤーはガリレオやコペルニクスといった天文学者となり、惑星や彗星を観測して知見を深めていきます。
ロンデルのボードは天体望遠鏡を象ったもので、手番では1~3スペースを進めて対応するアクションを選択。天体や星座、彗星を観測したり、大学での講義を行って学会での地位を高めたりして得点を獲得します。
ただし、この時代の天文学者はキリスト教の教会から危険視されており、その身に危険が及ぶこともありました。選んだアクションや行動次第で異端審問官に目をつけられることも……。彼らを説得しないと大幅な減点を食らってしまうため、その対応にも腐心させられることになるでしょう。
デザイナーは『SETI:地球外知的生命体探査』のトマシュ・ホレック。豊富な選択肢と得点手段による高い戦略性は、先鋭化したゲーマーズゲームの最先端に位置するもの。ロマン溢れるテーマも魅力的で、重量級ゲームに抵抗がないのであれば、ぜひプレイしてほしい一作です。
ガリレオ・ガリレイ。望遠鏡と星空が逆方向に回る地動説ロンデル! 色混ぜと彗星割引(謎概念)を活かして天体観測だ! 異端審問官、ちょっと星見てたらすぐ異端扱いしてくるし、喋ったらすんなりマイメンになるの可愛い。最終的に全部ができ過ぎちゃう感じはあるけど、よくまとまってて面白いわね。 pic.twitter.com/hBxVJxttEJ
— ぬん(Be Catchy Games) (@be_catchy) October 13, 2024
【ガリレオ・ガリレイ 概要】
メーカー:ホビージャパン
プレイ人数:1~4人
対象年齢:13歳~
プレイ時間:60分~
ボードを回りながらカードを集めて拡大再生産
ザハブ

アラブの商人となり、隊商を進めて交易を行なうゲーム。プレイ内容に応じてアクションが強化されていく、拡大再生産+手札構築です。
プレイヤーはロンデルのボード上でラクダのコマを進め、マスに書かれたアクションを実行。資源や交易カードを獲得したり、交換を行います。ただしラクダは必ず1マス以上進めなくてはいけないうえ、2マスもしくは3マス進めるためには追加の資源かカードの消費が必要。さらに他のプレイヤーのラクダがいるマスは止まれず、飛ばして移動するというルールがあります。このため、なかなか希望するアクションが行えなかったり、他者を邪魔したりするなどの辛口な状況が発生します。
得点は特定のマスに止まるか、交易カードを使ってアクションを行い、指定された資源を消費することで獲得。勝利点が上がっていくごとにアクションの効果が高まっていくため、できるだけ早く必要な資源や強力なカードを確保し、効率良く加点していけるかが勝負のカギとなるでしょう。
オリエンタルでエキゾチックなフレーバーと美しいアートワーク、かわいいラクダのコマも魅力的。ユーロゲームの趣を感じますが日本産で、2019年にゲームマーケットで四等星からリリースされた『銅と銀の交易者』のリメイク作品です。
『ザハブ』
外周を回りながらアクションをしていくボドゲ。とてもわかりやすくて面白かったです。プレイ感も重くなくて良い感じ。
コストが重いカードを使うのはたいへんだけど、使えるとだいぶ強力です。 pic.twitter.com/i5N0UKNkWY— てんびんばかり (@PNYhSo6XINOLlZV) May 15, 2024
【ザハブ 概要】
メーカー:アソビション
プレイ人数:2~4人
対象年齢:10歳~
プレイ時間:約40~60分
ロンデルはシンプルなメカニクスながらも、その理解のしやすさと、タイルやモジュラーボードとの組み合わせによるリプレイ性の高さなどから、さまざまなゲームに採用されてきました。今回紹介していないものでも、『トラヤヌス』や『ヘブン&エール』、日本の作品なら『馬高』『グロウスカイ』など、古典から近年に至るまで数多くのロンデルの仕組みを取り入れたタイトルが登場しています。
たくさんのゲームに採用されているぶん、プラスアルファの要素が加えられたものが多いことも特徴のひとつ。ロンデルのマスもアクション選択やリソースの獲得など、ゲームごとにさまざまな意味を持っています。そのアレンジや工夫には驚かされるばかり。皆さんにもぜひプレイしてみてほしいと思います。



