【ゲーム紹介】『モンスターへクス』は面白さもアートワークも一級品！タイル配置＋エリアマジョリティで思考が決壊しそうな楽しさ!!

名古屋ボードゲーム楽市やゲームマーケット2024春で話題になった、ゲームNOWAの新作『モンスターへクス』は、タイル配置＋エリアマジョリティゲーム。ルールはとても簡単なので短時間ですぐ説明でき、プレイ時間も30分から45分程度。ただ、遊んでいる最中は「う～～～～～～ん」とひたすらうなり続ける悩ましさ。六角形のタイルをボードに配置していくだけなのに、なぜこうも楽しく悩ませてくれるのか。

簡単にゲーム内容を紹介しておくと、自軍のユニットを盤上に配置していき、マップ上に配置してある魔石（勝利点）を奪い合っていく、というもの。魔石マスの周りをグルッとすべてユニットで囲まれるように配置されたら得点計算となり、パワーが一番多いプレイヤーが勝利点を得る。

パワーとは、ユニットの辺に書かれた丸印のこと。最小で1、最大で5のパワーを持っており、これは各自10枚持っている。魔石と隣接するパワーを合計し、合計値の大きさ1位と2位のプレイヤーが勝利点をもらえる。

▲ユニットのカラーは赤・緑・青・黄でプレイヤーごとに10枚あって、これを山札にして4枚を手札にする。魔石をぐるっと取り囲んだとき、魔石に隣接したパワーの合計値が一番大きいプレイヤーが（この場所だと）5点、次に大きい人が4点を獲得する

このとき、パワーの合計値が同じだとバッティング処理によりカウントされなくなる。たとえばパワー合計最大値のプレイヤーが2人いた場合、この2名はなかったことになり勝利点をもらえず、2番目に大きいパワーのプレイヤーが多いほうの勝利点を獲得できるのだ。

また、タイルを配置する際は条件が2つあるのもポイント。ひとつは「必ず他のタイルと隣接すること」で、これはよくあるルールなのでみんなも馴染みがあるだろう。もう1つの条件は、「少なくとも隣接するユニット同士の1辺が、同じパワーであること」である。ユニットをどの向きでも自由に配置できるわけでく、そこには大きな制限があるのだ。

▲青のプレイヤーがここに「ドラゴンタートル」を置きたいと思った場合、左上のリッチ（緑）と隣り合うパワーを同じにすれば、魔石側もパワー5となり、青プレイヤーはパワー合計が9、緑プレイヤーは6，赤プレイヤーは7で、青プレイヤーが一番パワーが大きいので、勝利点5を獲得する

なので、「魔石側にパワー4を置ければ勝利点ゲットできるのに、周りにあるユニットのせいで魔石側に大きいパワーを向けて配置できない！」なんてことはよくある。それでも泣く泣くその場所に置いて相手に勝利点を貢ぐか、別の場所に置いて山札からいいユニットを引くのを待つか……。「どうせ勝利点取れないならA君と同じパワーにして、お互い得点できないようにしちゃおう」と、時には相手を道連れにして他のプレイヤーの邪魔をすることも必要になってくるかもしれない。

ゲームが進むと置ける場所はたくさんあるのに、どこに置くのが自分にとって一番有利なのか。今後手札になるであろうユニットのことも考えつつ、どれをどこに配置するのが一番勝利点を稼げるのか……と考え始めると、マジで頭がパンクしそうになるのだが、それが何とも気持ちいい。

そして、本作の大きな特徴のひとつとして、たかみまこと氏によるアートワークにも注目してほしい。これがゲームの世界観にとてもマッチしている。モンスターのイラストやデザインが、本作の面白さに一役買っているのは間違いない。本作にハマった人は、ぜひ同じくたかみ氏がアートワークを手がけたゲームNOWAの『八人の魔術師』も遊んでみてほしい。

▲ユニットのモンスターイラストが実にカッコいい＆カワイイ！

タイル配置でエリアマジョリティで、さらにはバッティング要素もありつつ、シンプルルールでとても遊びやすい『モンスターへクス』。本稿では細かく説明しなかったが、1点の魔石を獲得する場合や、プレイヤーカラーと同じ色の魔石を獲得した場合など、さらに白熱するルールが盛り込まれている。2人プレイならガチな対戦も楽しめるので、ゲムマ2024春の話題作の一つとして、ぜひ遊んでチェックしておこう。

現在ゲームNOWAのBOOTHをはじめ、JELLY JELLY GAMESやボドゲーマ、サニーバード、TORAYAMAで通販している。6月中旬に再販の出荷が始まったのだが、数時間で売り切れるショップが続出。ゲームNOWAや各通販サイトの公式Xアカウントで入荷状況を知らせているので、ほしい人は小まめにチェックしておくように。