JELLY JELLY GAMESが11月22日に発売する新作『トロッコタウン』。建物とトロッコの線路を繋ぎ合わせ、自分の街を拡張していくタイル配置・拡大再生産のゲームです。
『トロッコタウン』は、『リトルタウンビルダーズ』や『はらぺこバハムート』などで知られるStudio GGが2023年に発表した『マイトロッコタウン』を新版としたもので、リメイクするにあたっていくつかの点が改訂されました。
建物がたち、ものが生み出され、物流が動き、街が大きくなっていく。どの資源を生産するか、どのようなルートを作ってものを運ぶか、そしてどう得点を得ていくか。自由度が高く、あれこれ悩みながらのプレイがとても楽しい本作。プレイ時間45~60分程度でしっかりとしたプレイ感が味わえるところも魅力的です。
今回は、正式発売前に『トロッコタウン』のプレイレポートをお届けしましょう。
線路を引いて、建物たてて、街をどんどん大きくする!
まずは4人でプレイしてみます。ゲームの進行に沿って簡単にルールと面白さのポイントを紹介していきましょう。
プレイヤーは最初に初期タイルを受け取ります。この初期タイルに隣接するようにトロッコの線路や建物を配置して、自分の街を作っていくのです。共通ボード上には、プレイヤーが獲得できる建物が配置されます。
ゲームは以下の4つのフェイズで進行し、これを全4ラウンド行います。
- 生産:資源を生産します。資源は5種類(石、木、麦、羊、炭)。
- 建設:手番順に共通ボード上に出ている建物をひとつ獲得して配置するか、線路を好きなだけ建設するかのどちらかを実行。全員がパスするまで繰り返します。
- 輸送:資源を別の建物に運びます。
- 加工:資源を加工したり、得点を獲得したりできます。
街を構成する建物は建設フェイズにコストを払って獲得し、配置していきます。建物の能力として、生産で資源を生み出したり、加工フェイズで資源を別の資源に加工、もしくは得点に変換できるものなどがあります。
建物で生産した資源は、別の建物に運んで加工することになります。しかし、注意しなければならないことがひとつ。このゲームには、建物の隣に線路のタイルを置かないと輸送できないというルールがあるのです。建物のすぐ隣に建物を置いた場合、ふたつの建物は繋がっていないと見なされ、この間は輸送の経路になりません。このため、建物⇔線路⇔建物、といったように建物と建物のあいだに線路を挟み込んでいく必要があります。
線路は木か石をひとつ消費して作る直線とL字、ふたつ消費して作るT字路の3種があります。資源を追加でひとつ消費し、建設済みの直線とL字をT字路にアップグレードすることもできます。
今回、自分は木を炭に加工する建物を建設し、炭を利用して得点を獲得していくことにしました。どうやって街を広げていくかを考えるのは楽しいですし、段々と建物が増えて、できることが多くなっていくのはワクワクしますね!
輸送フェイズでは、資源を別の建物に運びます。可能ならどれだけ輸送しても構いません。加工フェイズでは、加工の能力を持つ建物で資源を別の資源に変換したり、得点に変換したりすることができ、おもにここで勝利点を獲得していきます。
自分は主力の得点手段として、炭を活かせるパン屋を選択しました。運び込まれた麦1、炭1の資源を加工フェイズに消費して6点の勝利点に換えるという建物です。パンは人の心と生活を豊かにする。俺、これが終わったら故郷に戻ってパン屋になるんだ。
最後は、パンを焼いて焼いて焼きまくる!
第3ラウンドになると、それまで共通ボード上に置かれていた建物の一部が入れ替わります。新たに登場する建物は、建設した際に得られる即時効果や、得点を獲得するような能力を持つものが多く用意されています。このため、3ラウンド以降はそれまでとは違った建設計画が必要になってくるのです。
下の写真は、第4ラウンド生産フェイズ後の街の様子。最終ラウンドは特殊で、輸送フェイズと加工フェイズが好きな順で何度でも行えます。持っている資源をすべて輸送し、加工して、また輸送して……と繰り返しながら得点化できるのです。最後に大量点が入るため、ここで得点が得られる仕組みが作れているか、必要な資源が確保できているかが勝敗を左右します。
ここでの自分の方針は、炭と麦を点に換えるパン屋での大量加点。現在の状況を見ると、炭は素材も含めてじゅうぶん確保できているのですが、このままでは麦が足りません。即時効果で麦が手に入る建物を建設したいところですが……。
輸送・加工フェイズを終えた最終の自分の街の様子(分かりやすいように、パン屋に運んだ資源は除去せず残してあります)。パン屋を8回稼働させて大きく加点し、最終74点。ただし結局麦が足らず、資源を余らせたのはもったいなかった。先の手番のプレイヤーも麦を欲していたため、即時効果で麦を得る建物を先に取られてしまったのが痛かったですね。これが効いたのか、4人のなかで最下位に。でもパンをたくさん焼いて幸せな気分になったのでヨシ!
ソロプレイにも挑戦! 今度はお肉屋さんだ!
『トロッコタウン』には1人用のルールも用意されています。決められた建物が最初に共通ボード上に並べられるため、ある程度プレイの方向性が決まっており、そのなかで最高得点を目指してスコアアタックするという内容です。タイル獲得時の補充のルールが少し違うのですが、それ以外はほぼ同じルールでプレイできるため、練習にはもってこい。修行を兼ねて、いざ挑戦してみましょう。
なお、初期のセットアップ(最初に登場する建物の組み合わせ)は6種類用意されています。今回は、そのなかから“畑からご馳走へ”を選択。農場や羊小屋、レストラン、食料品店などがあり、肉を出荷して得点していくというスタイルのようです。というわけで、肉1炭1羊1を得点に換えるレストランを加点の軸にしてプレイしていくことに。
下の写真は第4ターンの資源を得点化する直前の状態です。ここから最後の加工をした結果の最終得点は……87点! プレイを通じて羊不足に悩まされ、残念ながら目標に届きませんでした。タイル出現の運もありそうですが、流れが良ければ100点も達成できそうです。30分ぐらいでプレイできますし、ソロプレイも楽しいですね!
『トロッコタウン』は、タイル配置、拡大再生産、ルート構築、エンジン構築とさまざまな要素を入れ込みつつ、短めのプレイ時間でコンパクトにまとめた遊びやすい作品になっていると思います。
プレイヤーの選択の幅が広く、考えどころがたくさんある一方で3ラウンド目までの手数自体は多くないので、さくさくと進行します。そして4ラウンドに大爆発! 最後の無限輸送&加工に向けて逆算しながら資材を集めていくのはなかなか難しいのですが、そのぶん大量点をゲットして爽快な気分になれるでしょう。
短めのプレイ時間でもしっかりとしたプレイ感が得られて、ほどよいインタラクション性がスパイスに。展開に多様性があり、リプレイ性も高い『トロッコタウン』。ぜひ皆さんも遊んでみてください!
■トロッコタウン
発売元:JELLY JELLY GAMES
デザイナー:Shun&AYA(Studio GG)
アートワーク:別府さい
発売日:2024年11月22日(11月16日、17日のゲームマーケット2024秋で先行発売)
価格:5940円[税込]
プレイ人数:1~4人
プレイ時間:30〜60分
対象年齢:10歳~
『トロッコタウン』公式サイト:https://jelly2games.com/minecarttown
デザイナーShun氏による『トロッコタウン』のnote:https://note.com/studiogg/n/n8481d6ec4e12