ボードゲームの制作・販売やプロデュースを行うドロッセルマイヤーズが、さる10月4日に創業15周年を記念したトークイベント“ドロッセルマイヤーズ15周年祭”を開催した。
ドロッセルマイヤーズ渡辺範明氏は、“Kaiju on the Earth”や“ヨフカシプロジェクト”、“小学館グッド ゲームズ”“双葉社ふたばくゲームズ”といった数々の会社のボードゲームブランドのプロデュースとディレクションを行い、自身でも“ゆるゲー”シリーズをはじめとする自社ゲームのデザインと販売を行っている。さらに書籍『国産RPGクロニクル ゲームはどう物語を描いてきたのか?』(イースト・プレス刊)の執筆や、サンデーうぇぶりで連載されたコミック『Kaiju on the Earth ボルカルス』(作画:中道裕大氏、単行本全4巻)の原作を担当、TBSラジオ“アフター6ジャンクション2”でラジオ出演をこなすなど、マルチな活動を精力的に行っている。

▲会場はロフト9 Shibuya(東京都渋谷区)。ドロッセルマイヤーズとしては、2022年に開催した『Kaiju on the Earth』シリーズファンミーティングでも使用した場となる
イベントは、ドロッセルマイヤーズ代表の渡辺範明(わたなべ・のりあき)氏と、オインクゲームズ代表佐々木隼(ささき・じゅん)氏のふたりによるトークを中心に進行。第一部は「過去の話」がテーマ。第二部で15周年記念作品『ドロッセルマイヤーズ・ヒストリア』のプレイを挟んだのち、第三部「未来の話」が語られる、トータル3時間ほどのイベントだ。

▲ドロッセルマイヤーズ渡辺範明氏

▲オインクゲームズ佐々木隼氏
当日はチケット完売100人+αの観客が詰めかけ、超満員で大にぎわいとなった。会場内では物販スペースも設けられ、15周年記念作品『ドロッセルマイヤーズ・ヒストリア』が特別価格で販売された。


入場時には、“ドロッセルマイヤーズ・コミックス”プロモーション小冊子と、イベント中にプレイする『ドロッセルマイヤーズ・ヒストリア』のカード3枚が配布された。

なお、同イベントはウェブ視聴のチケットも販売されている。販売および公開の期間は2026年10月18日(日) 23:59までとなっているため、トーク内容の詳細が知りたいという人は今からでもチケットを購入して視聴するといいだろう。
アーカイブ『ドロッセルマイヤーズ15周年祭』
アーカイブの販売期限: 2026年10月18日(日) 23:59まで
2026年10月4日(日) 配信
https://premier.twitcasting.tv/loft9shibuya/shopcart/450815
第一部 過去の話
開始時間になると、ドロッセルマイヤーズ渡辺氏とオインクゲームズ佐々木氏が入場。並んで着席し、トークショーが始まった。

▲渡辺氏と佐々木氏は、20年以上も前、お互いがデジタルゲーム制作に携わっていた時期に知り合い、ともにボードゲームに関わるようになってからも盟友として歩んできた
第一部“過去の話”では、ボードゲームとの邂逅、ドロッセルマイヤーズ商會の設立、中野ブロードウェイでの店舗経営からボードゲームブランドとしての活動、そして他社タイトルのプロデュースといった、これまでの渡辺氏とドロッセルマイヤーズの活動がふたりによって語られた。
ふたりは2006年の“すごろくや設立”が人生を変えたと語る。デジタルゲーム業界で旧知だった丸田氏がアナログゲームに転向し、すごろくやの店舗経営を開始したことでボードゲームが一気に身近なものになったとのこと。

▲ふたりが“すごろくや”で購入してプレイした印象的なゲームとして名を挙げたのは『ごきぶりポーカー』『ダイヤモンド(インカの黄金)』の2作だった
BROADでは、渡辺氏と佐々木氏の両名に個別のインタビューを行っている。未読の方はぜひ読んでほしい。特に渡辺氏の過去の談話では、佐々木氏がオインクゲームズを設立した当初のエピソードも語られている。
【インタビュー】アナログ、デジタルを問わずゲーム界で異彩を放つドロッセルマイヤーズ・渡辺範明氏に、ボードゲームのプロデュースについて聞いてみた!
【作者直撃】カジュアルでビジュアルもバツグンな小箱ゲームをリリースし続けるオインクゲームズ佐々木隼氏にゲームデザインについて聞いてみた!
第二部 ゲームの時間 『ドロッセルマイヤーズ・ヒストリア』100人プレイ
トークショーの休憩を兼ねて、15周年記念作品 『ドロッセルマイヤーズ・ヒストリア』を会場全員でプレイ。『ドロッセルマイヤーズ・ヒストリア』は、歴代のドロッセルマイヤーズタイトルのキャラクターたち150人が激突し、異能力バトルものや頭脳戦のコミックの雰囲気が味わえる対戦型カードゲーム。今回のイベントでは2人対戦を5卓同時に進行し、出演者と観客の総勢100名以上でのプレイを実現した。

▲ゲームのルールは、渡辺氏に加えてデザイナーの佐藤雄介氏が説明した
今回のイベントでのプレイでは、特別ルールとして勝者は入場時に配られたカードを敗者から1枚もらうというルールが採用されていた。壇上に設けられた卓では、渡辺氏、佐々木氏と佐藤氏が解説しながらプレイを実践。壇上を含めた全5卓で対戦が進行した。最多勝利者は時間内に6勝をあげ、渡辺氏より景品のジグソーパズルが手渡された。


なお、BROADでは近日中に『ドロッセルマイヤーズ・ヒストリア』のゲーム紹介とプレイレポート、制作者へのミニインタビューを行う予定となっている。こちらも期待していてほしい。
第三部 未来の話
第三部では、渡辺・佐々木両氏がこれからのボードゲーム業界やドロッセルマイヤーズ、オインクゲームズについて語り合った。

▲ゲームマーケット2026秋以降の新作について話す渡辺氏。『ドロッセルマイヤーズ・ヒストリア』に加え、ヨフカシプロジェクト『魔法少女の罪拡張パック ドラゴンと名探偵』、ふたばくゲームズ『意味がわかると怖いゲーム』が紹介された

▲2023年の『クアント』発売後にナンバリングタイトルのリリースが休止していた『Kaiju on the Earth』シリーズに新展開! 出版社が変更となって継続するとのアナウンスが。続報を待ちたい
渡辺氏は「佐々木さんはゲーム作り以外のことはしたくないひと」、佐々木氏は「渡辺さんはなんでもこなす。自分と渡辺さんは真逆」とお互いを評する。渡辺氏は「自分は、ひとと一緒に何かを作るのが好き。誰かの良さを引き出していくようなやり方が自分に合っている」と語り、一方の佐々木氏は「ずっと自分で自分のゲームを作っていたい」。他社タイトルのプロデュースを軸に活動するドロッセルマイヤーズ渡辺氏と、制作から販売まですべて自社で行なう佐々木氏のオインクゲームズ。ともにデジタルゲームを入り口としてアナログゲーム出版への道を歩んだ旧知のふたりながら、その手法や考え方は対象的だ。

▲新事業“ドロッセルマイヤーズ・コミックス”について語る渡辺氏。「やりたいと思ったことができる間は、やってみようと思った」。当日配布された小冊子には、渡辺氏原作の『ボドゲ魔女しゅぴんくる』(作画:りんぴよ、構成:朝日ねこ)、『瞬間移動少女』(漫画:宵町めめ)の2作の第1話が収録されていた。“ドロッセルマイヤーズ・コミックス”作品はKindleにて販売される
佐々木氏の「(5年後の)20周年はどうするの?」との問いかけに、渡辺氏は「15周年をやって20周年をやらないというのも変ですが、先のことは分かりません」と返答しつつも「クニツィア氏など、海外のボードゲームデザイナーは歳を取っても現役の人が多い。自分も長くやっていければいいなと思っている」とのこと。
ボードゲームの制作・プロデュースから漫画原作までマルチにこなすドロッセルマイヤーズ渡辺氏。氏のこれからの活動に注目していきたい。


