9月4日は、オークションの日です。
日付が「0(オー)9(ク)4(ション)」という語呂合わせになるので、不動産サイトの日本アセットマーケティング株式会社が制定しました。
有名アーティストの絵画などの美術品、市場でのマグロの競りなど、いろんなところで日々オークションが行われています。近年は、インターネット上でのオークションも身近なものになっています。
という事で、競りゲーと呼ばれるオークションのボードゲームを8タイトル紹介します。
ビッグチーズ
〈ビッグチーズ/3〜6人/10歳〜/30分〉
仕事を落札してサイコロを振り、合計40点を目指すダイスゲーム。
全員にネズミ駒10個を配り、数字が書かれた仕事カードを全て裏向きにして山札にしたらゲームスタート。山札からカード1枚をめくったら、最初の人はカードを落札する為のネズミ駒の個数を宣言します。左隣の人は、欲しければより多い個数を宣言して、いらなければパスします。これを繰り返して残った人がカードを落札し、宣言した個数のネズミ駒をカードの上に乗せます。この時すでに落札したカードがあれば、上に乗っているネズミ駒1個を手元に戻します。ネズミ駒が1つも乗ってないカードがあれば、カードに書かれたサイコロを振って出た数が点数になります。合計点が40点になった人が勝ちです。
シンプルな競りゲームです。しかし、全員ネズミ駒は10個なので多くのネズミ駒をカードの上に乗せていると次のオークションで勝てないというジレンマが苦しいですね。シビアな競りなのに、得点はサイコロ次第と言う緩さも遊びやすいところ。元々はカードだけで発売されたゲームですが、コマもサイコロついたらバージョンが日本だけで作られました。
ファフニル
〈ファフニル/2〜4人/9歳〜/20分〉
ニワトリが産んだ宝石を集めるオークションゲーム。
6種類ある宝石を袋に入れて、全員に宝石10個を配って衝立の中に隠したらゲームスタート。袋から宝石2個を取り出して、1点の得点チップと共に場に出します。全員で衝立の中に隠した宝石を握って、同時に公開します。最も多い数を握っていた人が宝石2個と得点チップを獲得します。落札した人は握っていた宝石を捨てて、何色が何個捨てられたか場に並べます。これを繰り返して、宝石1色が規定個数並んだらゲーム終了。得点計算をして得点の高い人が勝ちです。
握った個数を一斉に同時公開するブラインドオークションのシステムを使ったゲームです。最終的に捨てられた数が多いほど点数が高い宝石になりますが、捨てられた個数が少ないとマイナス点の宝石になってしまいます。なので最も捨てた色の宝石を集めたくなりますが、捨ててあるので袋の中にもほとんど残ってないかも知れません。何色の価値を高めるかの駆け引きがあるオークションになります。落札する時は価値のある宝石か分からずに競り合うのが面白いです。
ハイソサエティ
〈ハイソサエティ/3〜5人/10歳〜/15分〉
競り落としたステータスタイルの合計得点を競うオークションゲーム。
全員に同じ金額のマネーカードを配り、得点が書かれたステータスタイルを山札にしたらゲームスタート。ステータスタイルを1枚めくり、最初の人がマネーカードを出して値段を提示します。左隣の人は、ステータスタイルが欲しければより高いマネーカードを出し、いらなければパスをします。1人以外がパスをするまで繰り返して、最後に残った1人がステータスタイルを獲得します。これを繰り返して、赤いステータスタイルが4枚めくられた時にゲーム終了。お金を一番使った人はゲームから脱落で、残った人の中で合計得点が高い人の勝ちです。
競り方は1種類、急にやって来るゲーム終了のドキドキ、お金を使い過ぎたら負けとルールが分かりやすいので、個人的にはオークションゲームの入門にピッタリだと思います。
モダンアート
〈モダンアート/3〜5人/10歳〜/45分〉
画商になって絵画を売買して、最終的な所持金を競うオークションゲーム。
5人の画家が描いた絵画カードを全員に規定枚数配り、10万ドルの資金を配ったらゲームスタート。1人が競売主になって、絵画カードを出品します。全員でオークションをして、1人だけがその絵画カードを落札します。落札した絵画は自分の前に並べます。これを繰り返して、1人の画家のカードが5枚落札されたら1ラウンド終了。落札した絵画カードは人気に応じて価格を決定して全て売却します。4ラウンド行って、最終的に所持金の多い人が勝ち。
上記の『ハイソサエティ』と同じくライナー・クニツィアの作品で、『ラー』『メディチ』と並んで3大競りゲームと呼ばれています。競売主になって絵画を出品する度、絵画を落札する度にゲームの流れが変わるので、場の展開をコントロールしてるかのような気分になるのがこのゲームの魅力かと思われます。名作なので誰にでもオススメする人がいますが、オークションの方法が4種類もあって、価格の相場も掴みにくいので初心者は置いてけぼりだったりもしますね。
翡翠の商人
〈翡翠の商人/2〜5人/10歳〜/20分〉
カードを集めて得点を競うセットコレクションゲーム。
使うカードは金、ニセ金、香辛料、書物、翡翠の5種類。それらのカードを山札にしたらゲームスタート。山札からカードを8枚めくって場に並べます。最初の人は欲しいカード枚数を宣言します。左隣の人は、より少ない枚数を宣言するかパスします。これを繰り返して、最も小さい枚数を宣言した人がカードを獲得します。パスをした人で同じように枚数を宣言して残ったカードを獲得します。場のカードがなくなったら1ラウンド終了で、7ラウンド終わるとゲーム終了です。獲得したカードの得点を計算して得点が高い人の勝ちです。
欲しいカード枚数を競り下げていくダッチオークションのシステムを使ったゲームです。競りゲームなのにお金を使わず、カード枚数を競るだけでゲームが成立してるのが見事ですね。5種類のカードごとに集め方で点数が違うので「アレが欲しいけど、あの人もアレを狙ってそうだな」と狙いが分かりやすくて初心者にもオススメ。
ファイブタワーズ
〈ファイブタワーズ/2〜5人/7歳〜/15分〉
競り落としたカードで塔を建てて、得点を競うオークションゲーム。
数字が書かれた5色のカードを山札にして、5枚めくって場に並べたらゲームスタート。最初の人が欲しいカードの枚数を宣言します。左隣の人は、欲しければさらに大きい枚数を言って、いらなければパスします。1人以外パスするか5枚を宣言した人がいたら、最後に残った1人が宣言した枚数のカードを獲得します。獲得したカードは色ごとに降順になるよう、自分の前に並べます。これを繰り返して、並べた枚数に応じて点数計算をして勝敗を決めます。
これも『翡翠の商人』と同じでお金を使わずに競り合うゲームです。最初は出来るだけ多い枚数のカードが欲しいと思いますが、獲得したカードは降順に並べるというルールがあるのでゲーム後半になると苦しくて多い枚数は宣言しにくくなります。自分の前に置けないカードは獲得出来ないというルールが単純ながらゲームを面白くしていますね。
Q.E.
〈Q.E/3〜5人/14歳〜/30分〉
国家になって産業を落札し、得点を競うセットコレクションゲーム。
全員に小型のホワイトボードを配ったらゲームスタート。1人が競売主になって、企業タイルを1枚めくってホワイトボードに最低価格を書きます。他の人は、その企業タイルをいくらで欲しいか金額をホワイトボードに記入します。書いたら裏向きにして競売主にホワイトボードを渡し、競売主がこっそり確認して最も高値を書いた人に企業タイルを渡します。これを繰り返して、企業タイルがなくなったらゲーム終了。お金を一番使った人はゲームから脱落で、獲得した企業タイルに応じて得点計算をして勝敗を決めます。
落札したい金額を書いて競売主に見せるブラインドオークションのゲームです。お金は無制限で、いくらでも値付けしてOKの青天井オークションが楽しめます。競売主と落札した人以外は落札額がいくらなのか分からないので、みんなで疑心暗鬼になってゲームが進むとドンドン相場が釣り上がっていくのが楽しいゲームです。2024年に拡張の日本語版も発表されました。
ゲシェンク
〈ゲシェンク/3〜7人/8歳〜/20分〉
出来るだけカードを獲得しないで得点を競うカードゲーム。
3〜35までの数字が書かれたカードから9枚除いて山札にして、全員均等にチップを配ったらゲームスタート。山札からカード1枚をめくり、カードを獲得するかパスをします。パスをする場合は、チップ1枚をカードの上に乗せます。カードを獲得する場合は、カードと上に乗ったチップ全てを獲得します。山札がなくなるまで繰り返して、所持してるチップは1枚1点、獲得したカードは書いてある数をマイナス点で計算して得点が高い人の勝ちです。
カードは全てマイナス点なので、カードを出来るだけ受け取らないように動く20年前の名作カードゲームです。ゲーム自体は競りっぽくないですが、マイナス点のカードを貰わない為にチップを支払っていくのでリバースオークションというシステムの競りゲームになります。
競りってややこしそうなイメージですが、ルールを覚えるとこれ以上面白いボードゲームはあるのか?と思ってしまうほど良く出来たゲームが多いジャンルですね。プレイ時間30分程度のゲームを中心にピックアップしましたが、もっと時間が掛かる重量級のオークションゲームも多々あります。腰を据えて挑戦してみましょう!