多くのボードゲームが4~5人用ですが、そのなかで3人というプレイ人数はポピュラーなものです。家族3人、友人3人といったように、3人は“集まりやすい人数”だといえるでしょう。実際にBROADでも3人専用ゲームをピックアップした記事が人気を博しています。
ボードゲームにはプレイ可能人数が設定されていますが、その最大人数がもっとも適した人数というわけではありません。今回は、多人数用(4~5人用)でありながら、3人でのプレイがもっともバランスが良かったり、プレイしやすかったりする“3人ベスト”のゲームを8つほどご紹介しましょう。
※この記事での3人ベストの基準は、BoardGameGeekで[「Best」の人数が「3」人のものを参考にまとめています。
※五十音順に紹介しています。
王と枢機卿
3人の足の引っ張り合いが熱い! エリアマジョリティの傑作
舞台は中世ヨーロッパ。宗教の派閥争いを扱ったタイトルで、シンプルながらも熱い陣取り合戦が展開します。デザイナーはミヒャエル・シャハト。
プレイヤーは手番に3枚のカードを使ってボード上にコマを配置し、自勢力を拡大していきます。教会の派閥争いと枢機卿の最多得票争いのふたつの戦いを軸に、プレイヤー間の綱引きが行われます。
プレイヤー同士がバチバチとやり合うインタラクション性が高いタイトルですが、3人でプレイすると各勢力が牽制し合って差が出にくく、接戦になりやすいため、3人ベストと言われています。
王と枢機卿、3人戦。最終局面、南方の同盟にちょっかい出されぬようにフランケンに修道院を2軒追加。下手番の黒プレイヤーから「余計な事しやがって💢」と称賛の言葉を頂く、光栄。ブルゴーニュを中心に築いた同盟のおかげで勝利! pic.twitter.com/OtjfoIDGSK
— べ〜なた (@beenata) October 20, 2024
【王と枢機卿 概要】
メーカー:ゲームフィールド
プレイ人数:3~5人
対象年齢:10歳~
プレイ時間:60分~
キャプテンリノ
グラグラで盛り上がる! バランスゲームの代表作
手札をそのまま積み上げて塔を作り、スーパーヒーロー・キャプテンリノを登らせていくバランスゲーム。簡単なルールと直感的にプレイできる手軽さで、誰でも楽しむことができるタイトルです。
プレイヤーは手番に壁カードもしくは屋根カードを配置し、積み上げて塔を作っていきます。ただし、屋根カードにリノが描かれている場合はそこにリノのコマを置かなければなりません。このリノが不安定さを呼び込み、グラグラを演出してさらに盛り上がるのです。
対応人数は2~5人。パーティーゲームゆえに人数が多いほうが盛り上がりますが、3人がもっともバランスが良く、高く積み上げることを目的とするならプレイしやすい人数でしょう。
なお、同作にはさまざまな派生作が登場していますが、なかでも目を引くのが『キャプテン・リノ 巨大版』。カードをはじめとするコンポーネントが軒並み大きくなっており、積み上げた塔の最大の高さはなんと3メートル級に! ボードゲームカフェやプレイスペースなどで見かけたら、ぜひ挑戦してみてください。
大門夜間遊戯会inタージ戸出
『キャプテンリノ』3人
こちらも有名なバランスゲームですが、実は初プレイw
こういうのをモテゲーって言うんですよね。 pic.twitter.com/Pei2gpFWGd— GSひかる (@gshikaru) June 24, 2015
【キャプテンリノ 概要】
メーカー:すごろくや
プレイ人数:2~5人
対象年齢:5歳~
プレイ時間:~30分
キャントストップ
進むか、留まるかの判断が悩ましいダイスゲーム
ダイス目に対応した2~12までのルート上でコマを進め、それぞれのルートの頂上(ゴール)を目指すダイスロール&チキンレース。デザイナーはシド・サクソンです。
プレイヤーは手番にダイスを4つ振り、2個ずつを組み合わせて対応するルートのコマを進めます。希望すればひとつの手番で何度でもダイスを振り、コマを進めることが可能。ただし、進められる列は全部で3つまでです。もし進めている列に該当しないダイスの目が出てしまうと滑落となり、すべてのコマを元の位置まで戻します。
軽めのゲームのためテンポよく進めたいところですが、ダイスを振ってから組み合わせを考えるのに時間がかかる場合もあるため、プレイアビリティとダウンタイムの兼ね合いで3人がベストという評価になっています。
古くからある定番ゲームのひとつで、過去の記事では、ダイスをたくさん振って気分爽快! ダイスロールゲーム9選でも紹介しています。
#ボードゲーム 「キャントストップ」を3人で。失敗すると、振った人も含めてみんな笑顔になるのが良いね。時間の都合もあり、説明書の「スピーディなバリアント」を“途中から”採用した。まあ、ゆるめのプレイなので。3人以上なら、このバリアントは最初から入れた方が良い気がした。 pic.twitter.com/jSv92tYZp1
— はかせ (@hakase_kk) January 18, 2018
【キャントストップ 概要】
メーカー:ニューゲームズオーダー(2023年版)
プレイ人数:2~4人
対象年齢:9歳~
プレイ時間:~30分
サンファン2
名作をカードゲーム化して手軽にプレイ
名作『プエルトリコ(メビウスゲームズ)』をカードゲーム化したタイトル。プレイヤーはプエルトリコの地で農園を運営し、建物を建てて首都サンファンの街を発展させていきます。デザイナーはアンドレアス・ザイファルト。
『プエルトリコ』の特徴であった、手番プレイヤーが選んだアクションを他の全員も行う“バリアブルフェイズオーダー”はそのままに、ダウンサイジングに成功。ゲーム性の高さとしっかりしたプレイ感を受け継ぎながらも、プレイタイム1時間以下にまとめています。
4人までプレイできますが、システムとプレイ人数の噛み合わせから、3人でプレイするほうが向いています(なお、2人プレイの場合は専用ルールがあり、こちらもオススメになります)。
昨日はボドゲ会でした。
最近ハマッてる「サンファン2」を3人プレイ。
建物10個しか建てられなかったけどギルドホールを10点まで伸ばせて計27点で1着🙌
初手でコーヒー以上か4コス以上の強い建物を建てて2枚以上ドローできる体制を整えるのが定石だと思うけどどうなの? pic.twitter.com/oAm9J1oCQU— フルハウスゲームズ🐱 (@fullhousegames) November 27, 2022
【サンファン2 概要】
メーカー:メビウスゲームズ
プレイ人数:2~4人
対象年齢:10歳~
プレイ時間:30~60分
それはオレの魚だ!
ガチ勝負! ペンギンたちのお魚ハント
ペンギンたちが氷上の魚を集めて回るタイルゲーム。プレイヤーは自分のペンギンコマを操り、六角形タイルが敷き詰められたフィールド上を直線的に好きなだけ移動して、止まった地点のタイルを獲得。タイルには1~3匹の魚が描かれており、これがそのまま得点になります。
ポイントは、誰かが獲得したタイルのマスは以後全員が進入も通過もできなくなるということ。これによりどんどん移動範囲が狭まってしまうのです。そして、全員のペンギンが移動できなくなるとゲーム終了。どのマスのタイルを取るか、どうやって相手の移動を阻害するかを考えるのが楽しく、かわいい見た目と簡単なルールながらもガチに戦いたい人向けのゲームです。
プレイ人数は2~4人。3人でプレイすると各プレイヤーが3個ずつペンギンコマを持つことになるのですが、盤上に登場するペンギンコマはこの人数のときがいちばん多くなり、戦略性が高まります。ペンギンコマの数は2人プレイなら4コマずつ、4人プレイなら2コマずつで、2人プレイ時は完全なアブストラクトになり、4人プレイ時はドタバタしたパーティーゲーム要素が高くなります。どの人数でも楽しいのですが、特に3人がオススメです。
hakkaちゃん@hakkadrop_hakka にお借りしたボドゲ🥳
🥳それはオレの魚だ🐧🐟️🐟️
ボドゲ苦手な夫へ、とオススメしてくれたけど、まずは3人で🥳
1回目 長男スタート
🥇長男
🥈次男
🥉私2回目はビリの私から。。
🥇私
🥈次男
🥉長男ん??
これ、手番通りの順位になっちゃう??の??🤔🤔 pic.twitter.com/QEvhFDiU9c— るみ (@H1R0VPh88ob0RAJ) June 3, 2023
【それはオレの魚だ! 概要】
メーカー:アークライト
プレイ人数:2~4人
対象年齢:8歳~
プレイ時間:~30分
宝石の煌き
シビアな3人対決! 人気作もインタラクション性抜群に
宝石商となり、価値のある宝石を集めたり、貴族との取引で名声を高めていく拡大再生産・セットコレクション。デザイナーはマーク・アンドレ(他に『バロニィ』など)。
プレイヤーは宝石トークンを支払って宝石カードを獲得し、次の手番でさらに価値の高い宝石カードを獲得し……と、手持ちの宝石の質を高めていきます。輝く宝石のカードやトークンをはじめとするきらびやかなコンポーネントと、シンプルながらも選択と決断、早取り勝負が楽しめるシステムから、大人気を博している傑作です。2024年には発売10周年を記念し、テーマを一新した『宝石の煌き(2024年新版)』が発売されました。
『宝石の煌き』は多くのプレイヤーによって戦略研究が発表されています。人数によって戦い方が違ってくるのですが、特に3人プレイ時は睨み合い、腹の読み合いの勝負となってインタラクション性が高まり、よりシビアな選択が求められます。
宝石のきらめき。3人。
黒集められて勝てたよー pic.twitter.com/CXpABFQcmV— のむ (@nomu100kg) August 8, 2019
【宝石の煌き 概要】
メーカー:ホビージャパン
プレイ人数:2~4人
対象年齢:10歳~
プレイ時間:30~60分
ラー
※写真はニューゲームズオーダーのサイトより
タイル獲得と手番順を秤にかける競りゲーム
プレイヤーは古代エジプトの部族長。太陽神ラ―に供物を捧げて農業を成長させたり、建物を建てたりして、一族を繁栄させることを目指します。多作であり、競りゲームを得意とするライナー・クニツィアの代表作です(他に『モダンアート』など)。
基本的には場に出ているタイルを獲得し、その組み合わせによって得点を得るセットコレクション。タイルの獲得方法がとてもユニークで、お金の代わりとなる手持ちの“太陽駒”で入札を行い、駒に書かれた数値がもっとも高かったプレイヤーが競り落とすというもの。使用した太陽駒は、ボード上に1つある余った太陽駒と入れ替えになります(タイルを獲得したプレイヤーがボード上のコマを取る)。入れ替えて取った太陽コマは次のラウンド以降の競りに使えるので、ボード上にある太陽コマの数値が高いか低いかも獲得の判断に関わってくるのです。
優れたメカニクスとユーロゲームの楽しさが満喫できる名作。3人でのプレイ時は各プレイヤーの太陽コマが4つとなってある程度の数のタイル獲得が見込めるため、得点が伸びてハイレベルな勝負になります。
ラー。3人。クニツィアの競り&バーストゲーム。めちゃ盛り上がりましたw 昔はとさんに遊ばせて貰って面白くて自分でも買った後、5人で一回遊んで微妙な感じがしてお蔵入りしていたもの。3人の方が引き締まる! #ボドゲレビュー pic.twitter.com/5b2c1WJ2lF
— jun1s@うずまきスイッチ (@jun1s) July 21, 2014
【ラー 概要】
メーカー:ニューゲームズオーダー
プレイ人数:2~5人
対象年齢:12歳~
プレイ時間:60分
ラッキーナンバー
軽量、簡単、中毒性抜群のタイル配置ゲーム
1~20の数字が書かれたクローバー型のタイルを、4×4のボードに置いていくタイル配置ゲーム。デザイナーはタイル配置ゲーム『ズーロレット』や、この記事でも紹介している『王と枢機卿』を手掛けたミヒャエル・シャハト。
場には表向きと裏向きのタイルがあり、プレイヤーは手番にどちらか1枚を獲得してボードのどこかに置くか、すでに配置されているタイルと入れ替えます(入れ替えたタイルは表向きで場に戻す)。タイル配置には決まりがあって、縦列、横列の両方ともに昇順に並べていかなければなりません。
シンプルながらも中毒性が非常に高く、プレイ時間が短いため何度でも繰り返しプレイしたくなるゲームです。2人、4人でも楽しいのですが、タイル配置のしやすさや回転の速さなどから、人数的に3人がもっともバランス良くプレイできます。
豪華版である『ラッキーナンバー デラックス&アクセス(ケンビル)』も発売中。こちらは最大5人までプレイ可能で、ひとり用ルールも追加。さらにコンポーネントを大型化、タイルをボードにはめ込む形にしてずれにくくするなどの改訂が行われ、よりプレイしやすくなっています。
ラッキーナンバー3人戦、「今日の寝室におとうちゃん来るか来ないか権」を賭けた骨肉の争いです。おかあちゃんは(毎日寝る前に)箪笥側に押されてせんべいにされるので来ないで派、6歳は来てほしい派。
下家の俺が上家の6歳にパスを送る難しいプレイをこなして6歳が勝ちました#今日の育児#ボ育て pic.twitter.com/xXap10jaf6— カズマ|Kazuma Suzuki (@_kazuma0221) April 8, 2024
【ラッキーナンバー 概要】
メーカー:株式会社ケンビル
プレイ人数:1~4人
対象年齢:8歳~
プレイ時間:~30分
いかがだったでしょうか。今回取り上げたタイトルはBoardGameGeekで3人推奨として紹介されているもののなかからプレイ時間が短かったり、プレイ難度が低い、もしくは入手しやすかったりするものを選びました。いずれも4~5人でプレイできるものですが、3人で遊ぶのがもっとも楽しいとされているので、ぜひ3人で遊んでみてください。
よりゲーマー向けのタイトルであれば、ダウンタイム(待ち時間)の長さから3人がベストとされる『ウイングスパン(アークライト)』や、3人のバランスがもっとも良いとされる『ブラス:バーミンガム(アークライト)』なども名が挙がります。本格派のゲームを好む人は、ぜひこちらも試してみてほしいと思います。