勝つのはそんなに甘くない!? ホワイトデー向きのお菓子をテーマにしたボードゲーム15選!

314日はホワイトデーです。1ヶ月前にチョコレートを貰った人はお返しの準備は整ってますか?

実はホワイトデーというのは日本発祥の文化なのです。福岡県福岡市にある石村萬盛堂というお菓子屋さんの社長が「バレンタインデーであげたチョコのお返しが無いのは不公平。せめてマシュマロでも欲しい」という少女雑誌に掲載された投稿を見掛けたそうです。そこで社長は自社のマシュマロを贈る「マシュマロデー」を思い付き、1978年にスタートさせたのが最初と言われています。数年後にデパートのほうから「マシュマロ以外も売れるように、名前をホワイトデーに変えられないか?」と提案されたことから名称が変更されました。なので石村萬盛堂のポスターは「ホワイトデーはマシュマロデー」という独特のキャッチコピーになっています。

面白いのが、マシュマロデーができた1978年、全国飴菓子工業共同組合がバレンタインデーの1ヶ月後に飴のお返しをする「キャンデーの日」を愛知県名古屋市で開かれた総会で制定。2年間の準備期間を経て、1980年に銀座三越で「ホワイトデー」と名前を変えて大々的に催事を行い、ラジオCMなどをやっていたそうです。偶然にも同時期に別の場所で同じアイデアが持ち上がって、インターネットのない時代に少しずつ全国に広まっていったんですね。もしかしたら全国飴菓子工業共同組合でも少女雑誌を読んでいて、不満をぶつけた少女の投稿が社会や文化を変えたのかも知れません。

ついでに追加情報としては、お菓子メーカーの不二家が「リターンバレンタイン」というバレンタインのお返し用お菓子の宣伝を、1973年3月14日からスタート。マシュマロを中心に店頭で販売していたそうです。ホワイトデーとかのキャッチーな名前は無かったようで、動きは早かったのですが、まったく根付がなかったという歴史もあるようです。

ホワイトデーに贈る品物に決まりはないですが、発祥がお菓子ということもあって、マシュマロやクッキーやキャンディなどが一般的でしょうか。日本独自の文化でありながら中国や韓国などアジアの一部の国にも伝わっていて、お菓子以外にアクセサリーや化粧品などをプレゼントするのが定番になっているそうです。

そこで、ホワイトデーにピッタリなお菓子をテーマにしたボードゲームを15タイトル紹介します。

マシュマロテスト

〈マシュマロテスト/25人/10歳〜/20分〉

カードを出して、勝った回数に応じてもらえるマシュマロの数を競う、トリックテイキングゲーム。

スタートプレイヤーが出したカードと同じ色のカード1枚を、1人ずつ順番に出して、最も数字の大きいカードを出した人が勝ちになります。規定回数勝ったらゲームから抜けて、全員の勝ってる回数の合計数だけマシュマロがもらえます。作者のライナー・クニツィアが自身で作った『ブードゥープリンス』から特殊効果をなくし、シンプルなルールでセルフリメイクした作品です。

ちなみにタイトルのマシュマロテストとは、目の前に置かれたマシュマロを15分間食べずにいられるかという4歳児向けの自制心を測る心理テストで、将来大成するタイプか否かが分かるそうです。

ジンジャーブレッドハウス

ジンジャーブレッドハウス24人/8歳〜/3045分〉

魔女になって、お菓子の家を完成させるタイル配置パズルゲーム。

3枚のタイルから1枚を選択して、自分のボードの上に配置します。タイルを置く場所によってお菓子がもらえたり様々な効果が発動し、指定されたお菓子を集めるとおとぎ話のキャラクターを捕まえることが出来ます。キャラクターには得点が書いてあるので最終的な合計得点を競います。見た目通りに感覚的にプレイ可能なパズルゲームで、年齢問わず誰でも遊べてしまいます。

ちなみにタイトルのジンジャーブレッドハウスとは、グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』の中で魔女が住んでいた家で、北米ではクリスマスの時期に作られるお菓子の家です。

ワンニャービスケッツ

ワンニャービスケッツ25人/6歳〜/15分〉

犬や猫が描かれた数字カードを出して、14歩先のビスケットを集めるゲーム。

自分の手番では、手札からカード1枚を中央に出して今まで出されたカードの合計数を言います。得点となるビスケットは14歩先にあるので、ピッタリ14になるカードを出した人がビスケットをもらいます。15以上のカードを出したら、飼い主に気付かれてしまうのでマイナス点の警告チップを受け取り、最終的な得点を競います。特殊効果を持つカードもありますが、足し算が出来れば子供でも遊べる非常にライトなゲームです。

ビスケットは国によって定義が違っていて、日本では小麦粉や糖類などを混ぜて焼いたお菓子。アメリカでは菓子パンのような柔らかいパンを意味します。

キャンディ工場

キャンディ工場24人/8歳〜/45分〉

キャンディ工場でキャンディを作るのが目的のダイスゲーム。

工場には3のつチューブがあるので、その中から1つ選んでサイコロを1つ投入します。チューブの中にある程度のサイコロが貯まると、ししおどしのようにチューブが手前に傾き、サイコロを数個吐き出します。チューブによって効果が違いますが、サイコロを取ることで材料を得たり、キャンディを作るためのカードを得たりします。サイコロの大きさが大中小の3種類あって、チューブが傾きやすい大きいサイコロをいつ使うか、今チューブに何のサイコロが入っているかの記憶力など、面白いポイントが多い派手なゲームです。

キャンディポット

〈キャンディポット/24人/8歳〜/30分〉

配られたキャンディを手元からなくすのが目的のバッティングゲーム。

キャンディを2つ、カードを4枚受け取ってからゲームスタート。全員同時にカード1枚を出して、カードに書かれた効果を発動します。ただし、誰かと出したカードが被れば何も出来ません。カードは誰かにキャンディを渡す、防御する、キャンディボーイに食べてもらう、使ったカードを回収するの4種類だけ。最後までキャンディを持ってる人が負けになります。本物のキャンディみたいなコンポーネントに惹かれますね。

マカリョーシカ

〈マカリョーシカ/23人/10歳〜/2050分〉

神様になって、マカロンを育てるエリアマジョリティーゲーム。

巾着袋の中から小マカロンを4個取り出したら、ボード上の好きな所に配置します。エリア内に小マカロンが4個置かれたら最も多い色の中マカロンに成長します。またエリア内に中マカロンが4個置かれたら最も多い色の大マカロンに成長します。これを繰り返して大マカロンを2つ作るのが目的です。とにかくマカロンの数が凄いです。そして見た目だけじゃなくゲーム内容もしっかりしています。

マトリョーシカのように大マカロンの中に中マカロンが、中マカロンの中に小マカロンが入るようになっています。

リスのタルトやさん

〈リスのタルトやさん/24人/4歳〜/20分〉

リスになって、より多くのタルトを焼くのが目的のワーカープレイスメントゲーム。

リス駒を木に移動させると、その木に実っているフルーツが1つ貰えます。タルトの上に移動すると、タルト生地タイルを1枚貰えます。これを繰り返して、タルト生地に描かれたフルーツを全て乗せるとタルトが完成。先に3枚のタルトを完成させたら勝ちです。4歳から遊べるワープレということでシンプルなゲームですが、他の人がどのフルーツを欲しがっているかなど気にすべきところは多いです。

タルトとは、古代ローマ時代から食べられていたフランス発祥のお菓子。生地はパートシュクレ、パートブリゼ、パートサブレの3種類があります。

スイーツレシピ

スイーツレシピ/2〜4人/4歳〜/5分〉

配られたレシピ通りの具材を集めて、スイーツを完成させるセットコレクションゲーム。

「チョコレートケーキ」「いちごのミルフィーユ」などが書かれたレシピカードを1枚受け取り、そのメニューに必要な具材を全て集めれば勝ちです。必要な具材カードを引いたら自分のキッチンの上に置き、いらないカードなら捨てます。また、他の人が捨てた具材カードが欲しければ、「レシピ!」と宣言する事で貰えます。これを繰り返すシンプルなゲームですが、他の人が何を作ろうとしてるのかメニューを覚えてからが更に面白いですね。

人気シリーズで「ワールドレシピ」「クリスマスレシピ」「ほっかいどうレシピ」など16種類も発売されています。

お菓子の魔女

お菓子の魔女/2〜4人/5歳〜/10~15分〉

お菓子の家を崩さずにお菓子を集めるバランスゲーム。

ジンジャーブレッドのカードだけで壁を作り、クッキーのカードをたくさん上に乗せて屋根にして、お菓子の家を作ってからゲームスタート。自分の手番では屋根に乗ったクッキーのカードを1枚取ります。取ったカードの裏面に描かれたお菓子がさっき取ったお菓子と同じだったら屋根に戻します。これを繰り返して家を崩した人が負けで、最もお菓子を集めた人が勝ちです。

ヘンゼルかグレーテル

ヘンゼルかグレーテル36人/8歳〜/30分〉

森の動物になって、お菓子をたくさん集めるのが目的のバッティングゲーム。

お菓子などが描かれたカードを1列に並べたら、親プレイヤーはヘンゼル側とグレーテル側の2つに分けます。全員同時にヘンゼル側かグレーテル側かと選んで、1人しか選ばなかった側のカードを総取りです。被った側は、親プレイヤーがさらに2つに分けて、残った人で同時にどちら側かを選びます。取りすぎるとゼロ点になるお菓子やマイナスになる魔女もいて、毎回悩ましいゲームです。

OKAZU brandの『はんか通骨董市』を童話の世界観でアークライト社がリメイクした作品で、海外では『ZooEscape』と『KIMONO』というタイトルでリメイクされています。

まじかるパティスリー

まじかる☆パティスリー24人/10歳〜/30分〉

見習い魔法使いになって、自分の担当のお菓子をたくさん作るのが目的のセットコレクションゲーム。

お菓子カードを自分の前に出すことで、カードに描かれたお菓子を作ったことになって得点になります。自分の担当のお菓子なら2点、他人の担当のお菓子なら1点です。担当のお菓子はついたてに立てて自分だけが見えないように置くので、ゲームが進む中で「ジェラート担当かな?ガトーショコラも怪しいけど」となんとなく推理出来るようになっていきます。そして伏せられたカードはマエストロの担当のお菓子でマイナス2点になります。他の人が担当するお菓子は見えますが、自分の担当は見えないのでインディアンポーカーのようなゲーム性ですね。

まじかる☆ベーカリーシリーズのスピンオフ作品です。

デザートクイーン

〈デザートクイーン/210人/6歳〜/30分〉

台北の大食い大会で、他人をギブアップさせるのが目的のハンドマネジメントゲーム。

自分の手番では、場に出ているスイーツと同じスイーツのカードを1枚出します。もしくは出ているスイーツとは別のスイーツカード2枚を出すことも可能です。これを順番に繰り返して、出せなくなった人はここまで出たカードに書かれた数を合計し、その枚数だけカードをめくります。めくった中に満腹カードがあったら負けです。『UNO』のドロー2やワイルド4をずーっと押し付け続けてるような運要素満載のゲームです。

『台湾スナックバー』のリメイク作品で、その名の通り台湾生まれのゲームです。他の国でもリメイクされています。

カービィのスイーツパーティー

〈カービィのスイーツパーティー/24人/8歳〜/2040分〉

スイーツを作り、ゲストを呼んで得点を稼ぐセットコレクションゲーム。

スイーツが描かれたレシピカードを2枚受け取ってからゲームスタートです。全員共通のボード上に並んだ9枚の材料チップから3つ取って、スイーツのレシピ通りに集めていきます。他の人に材料をあげることで得点を稼ぐことも可能です。何度か繰り返して全員がスイーツを全て完成させたら、ゲストカードをめくって同じ色のスイーツを作った人のところにゲストが向かいます。ゲストカードに書かれた数字の合計得点を競います。人気ゲーム『星のカービィ』のキャラクターを使った誰でも遊べる非常に軽いゲームですね。

菓子道

〈菓子道/24人/8歳〜/3060分〉

見習い菓子職人になって、和菓子を上手く飾り付けて得点を稼ぐアブストラクトゲーム。

お盆の上に4×4で並べられた和菓子タイルを縦横もしくは上下で隣接する2枚を入れ替えます。動かした後に、お盆の外に並んでいる得点チップの色と枚数が一致していれば得点チップを1枚獲得します。得点チップは色によって特殊能力があるので、自分の手番であればいつでも使用可能です。見た目の華やかさとは裏腹にガチガチで骨太のアブストラクトになっています。

鎌倉に店を構える創作和菓子屋「手毬」が和菓子を作り、それを元に和菓子タイルを作ったという、こだわりのデザインになっています。

おだんごびんご

〈おだんごびんご/24人/8歳〜/1015分〉

見習いのおだんご職人になって、だんごを串打ちして得点を稼ぐタイル配置パズルゲーム。

だんごが4個描かれたカードを全員同時に指差して、被らなければ獲得です。だんごカードを自分の前に並べて、6回繰り返したら串打ちをします。だんごは3個か4個並びで、全て違う色か全て同じ色でしか串打ち出来ないルールです。思わず写真を撮りたくなる映えるゲームですね。

上記で紹介した『マカリョーシカ』と同じPRAさんの作品です。


お菓子のボードゲームは良いですねぇ。お菓子が嫌いな人はそうそういないので、ルールを聞く前から好印象になりがち。遊びながらニヤつくのもいいじゃないですか。

ホワイトデーのお返しは、お菓子のボードゲームというのも可愛くて良いかも知れませんね。