2026年6月11日、2026FIFAワールドカップが開催されます。サッカーのW杯です。
今回のワールドカップは、史上初の3ヶ国共同開催(16都市)となります。アメリカが主開催国で、カナダとメキシコが補助開催国になります。スポーツのイベントとしても、3ヶ国共同開催というのは異例だそうです。
そこで、この3ヶ国をテーマにしたボードゲームや伝統ゲームを国ごとに3つずつ紹介します。サッカーのボードゲームはひとつもありませんが、これらのボードゲームを遊んで現地に乗り込んだような気分を味わいましょう!
アメリカ合衆国
チケット・トゥ・ライド:アメリカ

〈チケット・トゥ・ライド:アメリカ/2〜5人/8歳〜/60分〉
アメリカ大陸が描かれたボード上に自分の線路を敷いて得点を稼ぎ、合計得点を競うボードゲーム。
都市名が書かれた目的地カードの2つの都市を線路で繋げると得点が入ります。距離が長いと高得点です。ボードに描かれた線路と同じ色の列車カードを出すことで、線路の上に自分の列車コマを置いて線路を敷設することが出来ます。これを繰り返して、合計点を競います。
2004年にドイツ年間ゲーム大賞に選ばれたアラン・R・ムーンの代表作。「チケライ」の愛称で呼ばれるボードゲームの定番で、世界中で3000万セット以上売れたと言われています。自分の手番でやることはカードを引いて列車カードを集めるか、列車カードを出して線路を敷くか、目的地カードを引くかの3択。特に難しいことはないので遊ぶ人を選びません。しかも、運と戦略のバランスが絶妙で大人と子供が本気になって一緒に遊べるのも魅力ですね。最も長い線路を繋いだ人だけがボーナス点を貰えるというルールが、本気になってしまいます。
2025年にアートワークを一新した新版が発売されました。目的地カードの都市名がアルファベット表記からカタカナ表記になったことで、より遊びやすくなったはず。いろんな国のバージョンが発売されている人気作です。
10デイズ・イン・ザ・USA

〈テンデイズ・イン・ザ・USA/2~4人/10歳〜/30分〉
州タイルと乗り物タイルを並べて、10日間のアメリカ旅行の計画を作るセットコレクションゲーム。
タイルを10枚配ったら、タイルの順番を変えてはいけないというのがこのゲームの特徴。タイルを1枚ひいて、いらないタイルを1枚を捨てるのを繰り返します。いち早く10日間のアメリカツアーを完成させた人の勝ちです。隣の州なら乗り物を使わずに1日で移動出来て、ひとつ離れた州なら間に車タイルを置けば移動出来ます。また、州タイルと同じ色であれば飛行機に乗って1日で同じ色の州タイルに移動出来ます。このルールに従って10枚のタイルを並べるのが目的です。
「アメリカの州なんか、名前も場所も知らないよ」という人でも遊べるように、ボードにはアメリカ大陸が描かれていて、ボードを見れば州の名前と位置が一目瞭然。誰でも遊べるようになっています。ボードは州の場所を確認するためだけに存在していて、ゲームのメインは手元のタイルだけというのもユニーク。ゲームが終わる頃にはアメリカの地理に詳しくなってます。
元々は2003年に発売されたゲームですが、2020年に全く違うテイストのイラストに変更になり日本語版が発売され、国内でも入手しやすくなりました。「10デイズ」シリーズはアメリカの他、ヨーロッパ、アフリカ、アジアも存在しています。どれも地域の特徴があって面白いらしい。ゲームデザイナーは上記のチケライと同じアラン・R・ムーンです。
マリポーサ

〈マリポーサ/2〜5人/14歳〜/60分〉
春夏秋を通して、5000km移動する渡り蝶のオオカバマダラになって、世代交代をしながら得点を稼ぐセットコレクションゲーム。
メキシコのミチョアカン州をスタートして、アクションカードを使って蝶を進め、アメリカ大陸が描かれたボード上を進んでいきます。アトランタやニューヨークなどの都市に着けば花トークンがもらえて、その花トークンを使って次世代の蝶を産んで繁殖させます。これを繰り返して、集めたカードによって得点を得たり、第4世代の蝶がミチョアカン州に戻って来れば得点になります。
季節ごとに得点となる条件もあって考えどころも非常に多く、他人を攻撃したり邪魔したりというプレイスタイルもないので、じっくり遊びたい人にとって最高ですね。内容的にほぼソロプレイ。かなり珍しいテーマとシステムで、似たボードゲームが他に見当たらない唯一無二の存在です。ゲームデザイナーは『ウイングスパン』のエリザベス・ハグレイブで、特殊能力のないウイングスパンといったところでしょうか。地味ながら黙々とやっちゃうパズルゲームのよう。メキシコから北アメリカ、カナダまで描かれたボードが今回のワールドカップにピッタリですね。コマやボードのデザインなどのコンポーネントがとにかく美しいので、虫嫌いじゃなく特に蝶好きなら是非!
カナダ
カスカディア

〈カスカディア/1〜4人/14歳〜/40分〉
六角形の地形タイルを自分の前に1枚ずつ並べ、その上に動物コマを置いて高得点を目指すタイル配置ゲーム。
六角形の地形タイル4枚を並べ、その隣に動物コマを置きます。自分の手番では、地形タイルと動物コマを一緒に獲得してすぐに配置します。地形タイルは既に置いたタイルに隣接していれば配置可能で、同じ地形を繋げれば繋げただけ得点になります。動物コマは、ゲームの最初に決められた得点方法によって獲得出来る得点を計算します。最終的な得点を競います。
同じ種類の地形タイルを並べて広げるというのは他のボードゲームでもよく見る王道のルールですが、その上に動物コマを高得点になるように置くという二重のパズルを同時に行うというのがアイデア。地形タイルと動物コマを一緒に取るので「あっちの地形タイルが欲しいのに…」「キツネを取るしかないかぁ〜」などのジレンマに苦しむことになります。2022年のドイツ年間ゲーム大賞受賞作だけあって安定して楽しめます。拡張もいろんなバージョンが発売されている人気作。
ゲームは、アメリカ・カリフォルニア州とカナダ・ブリティッシュコロンビア州の国境付近にあるカスケード山脈のカスカディア生物地域が舞台になっています。ゲーム内容と同じで、非常に自然豊かなところだそうです。
ユーコン・エアウェイズ

〈ユーコン・エアウェイズ/1~4人/14歳〜/90分〉
ユーコン準州を舞台に、水上飛行機のパイロットになって観光客を運んでお金を稼ぐピックアンドデリバリーゲーム。
ラウンドの始めに5色あって色ごとに3個のたくさんのダイスを一気に振って、出目に応じた桟橋に置きます。このダイスが乗客です。欲しいダイスを選んで目的地カードの上に乗せ、燃料を使って目的地にダイスを届ければお金が貰えます。また、ダイスの色と目的地の色が同じなら、ボーナスとして個人ボードのパラメーターを上げることが出来て、自分の水上飛行機の能力を高められます。これを6ラウンド繰り返して、お金の合計額を競います。
どんどん水上飛行機の能力が上がって、ラウンドが進むと乗客を運びやすくパワーアップしていくのが楽しいゲームです。メインボードにはユーコンのマップが描かれて、実際の都市名が書かれています。正直あまり馴染みのない地名ばかりなのですが、このボードゲームを遊ぶことでカナダを身近に感じることになるでしょう。ゲームデザイナーのアル・ルダックは幼少期にユーコンで暮らしていて、父親が水上飛行機のパイロットをしていたそうで、この『ユーコン・エアウェイズ』は亡き父に捧げるために作られたボードゲームだそうです。テーマとゲームシステムがピッタリ。
クロキノール

〈クロキノール/2or4人/8歳〜/30分〉
丸いボードの上でおはじきのように自分のディスクを弾いて高得点を目指す対戦型アクションゲーム。
同心円状にいくつかの円が描かれ、中央に穴が空いた丸くて大きなボードを使います。2チームに分かれ、平べったいディスクを12枚ずつ持ってゲームスタート。ディスクをデコピンのように指先で弾いてボード内に打ち出します。この時、相手のディスクがある時は必ずぶつけなければなりません。ない時は一番内側の円の中に入れなければいけません。失敗したら、ディスクを取り除きます。真ん中の穴に入れば20点で、最後までボード上に残ったディスクは内側に近ければ近いだけ高得点になります。こうして、最終的な合計点を競います。
一見カナダとは関係無さそうですが、カナダ発祥で今から150年程前から遊ばれている伝統的なボードゲーム。日本に入ってきたのは1903年と言われていて、「昭和天皇実録」によると8歳の頃の昭和天皇がクロキノール(実際はクロクノールと記載)に熱心だったという記録が残っています。
メキシコ
メキシカ

〈メキシカ/2〜4人/10歳〜/120分〉
海で囲われた土地に運河を開いて土地の区画を整理し、神殿を建てて影響力を競うアブストラクトのエリアマジョリティーゲーム。
運河で土地を区切って、そのエリアのマスの数と同じ数字のエリアトークンを置いて得点を得ます。また、自分のメキシコ人コマがいる所に神殿を建てる事も可能で、エリア内に最も多くの神殿を建てた人が得点獲得です。前半と後半で2回決算して、最終的な得点を競います。
今から600年程前のメキシコの地にあったアステカ文明がテーマになっています。このボードゲーム の特徴は、ゲームデザイナーのヴォルフガング・クラマーが広めたと言われているアクションポイント制にあります。運河タイルを置くにはアクションポイントを1消費し、メキシコ人コマを好きな場所へ一気に移動させる時はアクションポイントを5消費します。他にも行動ごとにアクションポイントが設定されていて、自分の手番では6ポイント使うことが出来ます。非常に面白いシステムですが、これのせいで時間が長引きがちですね。『ティカル』『トーレス』『クスコ』もクラマーのアクションポイント制の代表作になります。
2002年発売のボードゲームで、高評価ながら絶版だったので入手困難な作品のひとつでした。それが2015年に新版が発売され、入手しやすくなりました。ちなみに、ルールは同じでコンポーネントが豪華になっています。長考しがちになりゲーム時間が長引きますが、毛嫌いせずに是非。
死者の日の祝祭

〈死者の日の祝祭/4~8人/12歳〜/15分〉
連想した言葉から推測して、お題の人物名を当てる協力型のパーティーゲーム。
全員ホワイトボードのドクロボードを受け取って、配布された人物カードに書かれた人名をドクロボードの頭の部分に書いて、他の人に見られないように頭をパタッと閉じたらゲームスタート。人名から連想する言葉をドクロボードの口の部分に書いて、隣の人にドクロボードを渡します。隣から回ってきたドクロボードに書かれた言葉を見て、その言葉を消して連想する言葉を口の部分に書きます。これを4回繰り返して、ドクロボードを並べます。今回使った人物カードと使わなかった人物カード数枚をよく混ぜて並べます。口に書いてある言葉から推測して、ドクロボードごとにどの人名が書いてあるかを当てます。このゲームに勝ち負けとか成功や失敗はありません。
メキシコでは、毎年11/1と11/2に死者の日という伝統的なイベントが行われています。死者の魂が現世に戻ってくると言われている日で祝日となっています。ちなみに、ピクサー映画『リメンバー・ミー』は死者の日をテーマにしていて、死者を覚えてる人が1人でもいれば現世に帰って来れるという決まりになっていました。そんな死者の日のテーマにしたボードゲームなので、人物カードに書いてあるのは亡くなってる有名人やフィクションの中の登場人物で、この世には存在してない人になります。みんなでいない人を偲びましょう。
ロテリア
〈ロテリア/5歳〜〉
配られたシートにめくられたカードの絵柄があったら、イラストの上に豆を置いていくパーティーゲーム。
縦4マス横4マスの16マスのタブラと呼ばれるシートを受け取ったらゲームスタート。54枚あるイラストカードの中から1枚めくって、同じイラストがタブラに描かれていたらそのイラストの上に豆を乗せます。これを繰り返して、16マス全てに豆が置かれたら「ロテリア!」と言って、いち早くロテリアと言った人が勝ち。運要素しかないゲームです。家庭によってルールは様々で、一列揃ったら勝ちという簡易的なルールもあったり、指定した場所に豆が置かれたら勝ちなどのヴァリアントルールもあるようです。豆の代わりにトウモロコシや瓶のフタを置くこともあるとか。
数字じゃなく絵柄で遊ぶビンゴです。元々は500年程前のイタリアで作られたゲームで、約300年前にスペインからメキシコに持ち込まれ、19世紀頃からメキシコ全土で遊ばれるようになったメキシコを代表する伝統ゲームになります。絵柄に決まりはなく商品によって様々ですが、メキシコの文化や風習を反映したイラストが多いようです。



