【おすすめ!定番!!ボードゲーム】『チケット・トゥ・ライド・アメリカ』はボドゲ初心者にもイチオシ! 列車で都市をつないでいく鉄道横断アドベンチャー!!

『チケット・トゥ・ライド・アメリカ』は、アラン・ムーン(代表作:『エルフェンランド』、『インカの黄金』など)によって制作されたボードゲームで、2004年のドイツ年間ゲーム大賞を受賞している。今回は、そんな『チケット・トゥ・ライド・アメリカ』のシステムや魅力について解説していく。

一攫千金を賭けた大勝負! 多くの都市を鉄道でつなごう

1872年10月2日。この日はイギリス人の資産家、フィリアス・フォッグが80日間世界一周の旅に出た日だ。とある大学生5人組は見事80日間世界一周を成し遂げたフォッグを称え、10月2日に誰が一番早く極上の赤ワインを手に入れるか賭けをした。

それ以来、毎年10月2日に集まってフォッグの偉業を称えるための賭け事が恒例に。賭けの内容は年々エスカレートし、19世紀最後の年では勝者が100万ドルを手にすることに……。

そんな大金を賭けた勝負の内容は、“7日間にできるだけ多くの北米の都市を旅する”というものだった。プレイヤーは、賭けを行う5人のうちのひとりとして、都市と都市のあいだを列車でつないで旅行を行っていくこととなる。

▲こちらが勝負の舞台となる北米のマップ。ボードのサイズは縦53センチ×横79センチと、かなり大きめ

プレイヤーは手番が来るたびに、以下の3つのアクションのうちいずれかひとつを行っていく。

・“列車カード”を獲得する

・“列車カード”を使ってボードに“列車コマ”を置き、得点を得る

・“行先チケットカード”を獲得する

順番に手番を行い、誰かが手番終了時に所持している“列車コマ”が2個以下になったら、全員1回ずつ手番を行ってゲームが終了。ボーナス得点を計算したうえで、得点が一番多いプレイヤーの勝利となる。

運と実力のバランスが絶妙! 5人プレイ対応な点もGOOD!!

本作で得点する手段は2つ存在する。ひとつは“列車コマ”を配置することだ。都市と都市の間にある線路マスと同じ色・同じ枚数の“列車カード”を手札から出すことで“列車コマ”が配置できる。

▲赤い列車カード3枚を使えば、赤い列車マスにコマが置ける。灰色がかったマスはどの色の列車カードでも使えるが、使う列車カードの色はすべて同じである必要がある

“列車カード”は手番を使って獲得できるが、1度の手番で獲得できるカードは基本的には2枚まで。しかも、場にある5枚か山札の一番上の1枚からしか選べないため、目的の色のカードがないこともある。なお、オールマイティとして使える“SLカード”は非常に便利だが、これを場から獲得した場合は1枚しか獲得できない。

▲列車カードは全部で8色。右下はオールマイティに使えるSLカードだ

▲ギャンブルになってしまうが、ほしい色のカードがない場合は山札から引くのも手。山札から“SLカード”を引いた場合は場から引いたときとは異なり、合計2枚まで獲得できる

このゲームでは手札の上限制限がないため、一気にカードを集めてから“列車コマ”をまとめて置く、ということもできる。“列車コマ”は多く置くほど得点にボーナスがかかるため、“列車カード”をため込んだほうが高得点を得やすい。しかし、それを阻害する要素がもうひとつの得点方法“行先チケットカード”だ。

“行先チケットカード”は、カードに記載されているふたつの都市を自分の“列車コマ”でつなぐことができれば、ゲーム終了時にカードに書かれている数字分のボーナス点がもらえる。しかし、目的が達成できなかった場合、数字分総得点から差し引かれてしまう。

▲都市間の距離が近いと数字が小さく、遠くなれば遠くなるほど数字が大きくなる。

“列車カード”をため込んだ場合、想定していたルートを他のプレイヤーに使われてしまうというケースもある。それによって違う色の“列車カード”が必要になったり、予想以上に“列車コマ”を使うことになって目的が達成できなくなることも。

▲もしこの状態で緑プレイヤー以外がセントルイスからリトルロックをつなぎたい場合は、右側のナッシュビルを経由するか、左側のカンザスシティ→オクラホマシティと経由するしかない。

「マイナスになるようなリスクなんて負うくらいなら、“行先チケットカード”を獲得しなければいいのでは?」と思う人もいるだろう。残念ながらゲーム開始時に各プレイヤーは“行先チケットカード”を3枚配られるルールとなっている。そのうち1枚は中央に戻してもいいが、少なくとも2枚は自分の手元に残さなければならない。

前述のとおり目的を達成さえすれば得点としてはプラスになるうえ、“行先チケットカード”のルートがかぶっていれば効率よく目的を達成できる。“列車コマ”に余裕があるなら、手番を使って追加で増やすという選択肢もあるので、“行先チケットカード”をうまく使いこなして高得点を目指そう。

▲行先チケットカードの相性がよければ、少ない列車コマで目的が達成できる。

本作の強みとして、プレイ人数が5人まで対応している点も見逃せない。ボードゲームのプレイ人数は4人までに収まっているケースが多く、5人で遊ぼうとすると選択肢が一気に少なくなる。本作はルールがシンプルでわかりやすく、1時間前後で収まり、5人でも遊べるという点で持っておきたい1作と言えるだろう。

▲いくつかの都市間は複線ルートになっている部分も。これは4~5人プレイ時、2人まで都市間をつなぐことができるが、2~3人プレイ時はどちらかに“列車コマ”が置かれた時点でもう片方は利用できなくなる。このルールがプレイ人数にあったちょうどいいバランスを作り出している

中量級ゲームの足掛かりとして遊ぶのにピッタリな作品

『チケット・トゥ・ライド・アメリカ』は、大きめのボードやカラフルなカード、列車コマというコンポーネントのおかげでボードゲームを遊んだという満足感が得やすく、初心者でも把握しやすいルールのため、最近ボードゲームに興味を持ち始めた人にオススメだ。

ちなみに『チケット・トゥ・ライド』シリーズとして、拡張やシリーズ作品も多数発売されているので、興味を持った方はそちらもチェックしてみてほしい。

チケット・トゥ・ライド・アメリカ
日本語版発売元:ホビージャパン
デザイナー:アラン・ムーン
発売日:発売中
価格:6160円(税込)
プレイ人数:2~5人
対象年齢:13歳以上
プレイ時間:30~60分

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