グッド・トイ2024の受賞が発表になりました。
玩具や遊びの文化の発展を目的に、1985年から全国のおもちゃコンサルタントの投票によって毎年グッド・トイが選出されています。選考基準は、健全で、ロングセラーで、コミュニケーションを尊重していることの3つ。ざっくり説明すれば、グッド・トイ委員会が自信を持ってオススメする安心安全な子供向けの玩具になります。
今年は、37点がグッド・トイに選出されました。詳しくはコチラをご覧ください。この中から大賞が選ばれます。
今までは積み木などの玩具が選出されることが多かったグッド・トイですが、10年くらい前からボードゲームも増えてきました。ということで、今年のグッド・トイの中からボードゲームだけを五十音順で紹介します。「うちの子とそろそろ一緒に遊べるかも」と思ってる親御さんや「親戚の子へのプレゼントどうしよう?」と考えてる方、参考にしてみてはいかがでしょうか。
アスレチックランドゲーム
〈アスレチックランドゲーム/1人/5歳〜〉
銀色のボールをゴールに運ぶアクションゲーム。
複数のボタンを押したり回したりする事で、ボード上のギミックを動かせます。タイマーをセットしたら、ボタンを操作してボールを転がし、時間内のゴールを目指します。
初代のアスレチックランドゲームは1979年に発売されました。似たようなゲームがたくさん作られるほどの大ヒットになり昭和を代表するゲームの1つでしたが、いつしか見掛けなくなっていました。それが2022年にタカラトミーからリメイクされて、現在ではいろんなバージョンが発売されています。ゴールするまで何度も繰り返してしまう中毒性がありますね。人気YouTuberもこれで遊んでいる動画をアップしていました。
1ミリ感覚
〈1ミリ感覚/2〜6人/4歳〜/10分〉
1mmずつ大きさの違う39枚のカードを使ったゲーム。
辺の長さが6.1cm〜9.9cmまで0.1cmずつ違う正方形のカードが入っています。表面には辺の長さが書いてあって、ウラ面は真っ白になっています。ウラ面のカードを小さい順に積み上げていくルール、親が指定した数字のカードを当てるルールなど遊び方が多数あります。
2〜3cm違うカードなら見た目で大きいか小さいかはすぐに分かりますが、1mmの差は見分けがつかないですね。こういうカードを実際に作ったことが凄い!
オーナメントにもなるメモリーゲーム くも
〈オーナメントにもなるメモリーゲーム くも/2〜4人/2歳〜〉
同じ絵柄のくも型タイルを当てる神経衰弱ゲーム。
くも型タイルをウラ向きに並べ、2枚めくって同じ絵柄ならタイル獲得です。同じ絵柄でもちょっとだけ違いがあるので、間違い探しとしても遊べます。24枚のくも型タイルには小さな穴が空いているので、ヒモを通して窓際などにぶら下げて飾ることも可能です。ボードゲームと言うよりは、遊ぶことも出来るオーナメントという感じですね。人生初めてのゲームに良さそう。
オバケの神経衰弱
〈オバケの神経衰弱/2歳〜〉
同じ顔のオバケを当てる神経衰弱ゲーム。
24個のオバケ駒をウラ向きにして並べ、2つの駒をめくって同じ表情のオバケなら成功。駒は半分の12個が大きいので、ウラ面を見ただけでも少しヒントになっています。子供の成長に合わせて難易度が変えられるのがアイデア。オバケ駒は木製で、オバケ面はトチの木、ウラ面はホウの木、2種類の木を合わせて作られています。
音速飯店
〈音速飯店/2〜6人/6歳〜/15分〉
配られたカードをいち早くなくすアクションゲーム。
カードには「ラー」「チャー」「メン」などが書かれています。ラーメン丼型の箱にカードを出して「ラー」「メン」や「チャー」「ハン」や「シュー」「マイ」など中華料理を完成させてメニュー名を声に出して言います。手番は無く、思い付いた人から先に出すスピード勝負です。配られたカードを出し終えた人から抜けていき、カードが手元に残った人が負けです。
完成するメニューは12種類。「チャー」「ハン」と出したいのに、「チャー」の後に「シュー」「メン」と誰かに出されることもあるので、とにかくスピードが勝つカギになります。
子やぎのかくれんぼ
〈子やぎのかくれんぼ/2〜4/4歳〜/15分〉
サイコロの出目の場所に子やぎが何匹いるかを当てるメモリーゲーム。
6色ある平べったい缶の下に、子やぎ駒を5個ずつ隠し入れたらゲームスタート。自分の手番では、サイコロを振って、出た色の缶の下にいる子やぎの数を答えます。答えたら缶の下を見て、正解を確認します。当たっていたら子やぎ駒を1つ獲得します。間違っていたら、オオカミ駒が手元にやってきます。手元にオオカミ駒がある状態で間違った場合、すでに獲得した子やぎ駒を1つ奪われます。これを繰り返して、先に子やぎ駒を7つ集めた人の勝ちです。
グリム童話の「狼と七匹の子山羊」をテーマにしたボードゲーム。最初はどの缶の下にも子やぎ駒が5個ありますが、ゲームが進むと数が変わって分からなくなるのが面白いところです。ちょっと珍しいタイプの記憶力勝負ですね。また、オオカミ駒が子やぎを6個連れ去ったら全員負けというルールになっているので、ライバルであるはずの他の人にも正解を当てて欲しいと思ってしまう一体感が芽生えるゲームでもあります。20年以上も前に発売されたゲームです。
57577 ゴーシチゴーシチシチ
〈57577 ゴーシチゴーシチシチ/3〜8人/8歳〜/15分〉
より良い短歌を作るワードゲーム。
5文字の言葉が書かれたカードを2枚、7文字の言葉が書かれたカードを3枚配り、5文字のカードと7文字のカードを5枚ずつ場に並べたらゲームスタート。自分の手番では、場に並んでるカードを1枚取って手元のカードを1枚捨てます。これを全員で2回繰り返して、手元に残ったカードで短歌を作ります。最も良かった短歌を全員の投票によって決めます。
カードには5文字と7文字の言葉が書いてあるので、簡単に短歌が作れちゃいます。ただし、意味不明な短歌になることが多いですが……。大喜利っぽいゲームではありますが、短歌に興味を持つきっかけとして最適。108枚のカードが入っていて、出来る短歌の組み合わせは2億8000通りもあるそうです。「きらきら青春編」の拡張版も発売されています。
さかなかるた
〈さかなかるた/2〜5人/7歳〜/5分〉
魚の柄が印刷されたカードを使ったカルタゲーム。
魚カード24枚を表向きで並べ、読み手を1人決めたらゲームスタート。読み手が読み札に書かれた魚の名前を言います。魚の柄で判断して、正しい魚カードをいち早く取ります。誰も分からない場合、読み手は読み札に書いてあるヒントを読み上げます。これを繰り返して、取ったカードが多い人の勝ちです。
ゲームとしては単なるカルタです。しかしこの商品が凄いのは、メタリック印刷によって本物の魚の皮のようなキラキラしたカードになっているのです。しかもカードは光り輝くだけではなく、特殊印刷による凹凸もあってウロコが再現されています。さらに特殊な合成紙で作られているので、水の中でも遊べるようになっています。風呂でもプールでも遊べる! 「淡水魚版」と「海の釣魚版」と「伝説の魚版」の3種類の拡張も作られています。
たべたのだぁれ?
〈たべたのだぁれ?/2〜4人/4歳〜/15分〉
サイコロの出目と同じ色の舌を出すパグ犬を当てるメモリーゲーム。
プニュプニュとした感触のパグ犬フィギュアを12個並べたらゲームスタート。自分の手番では、サイコロを2個振ります。パグ犬の体をムニュ〜っと潰すと舌が出るので、サイコロの出目の色と同じ舌が出るパグ犬を選びます。正解ならパグ犬を獲得して、さきに6匹獲得した人の勝ちです。
何色の舌を出すパグ犬なのかを記憶するのが重要ですが、サイコロで何色が出るかは分からないので運要素もある神経衰弱ゲームです。とにかく、ペロッと舌を出すパグ犬フィギュアが可愛いくて、このゲームの魅力の8割はパグ犬なのです。
ペンギンかんそくたい
〈ペンギンかんそくたい/2〜5人/5歳〜/10分〉
規定回数以内に全てのペンギンを観測する協力型のメモリーゲーム。
全員にペンギンカードを数枚配り、見た後にウラ向きにして置き、32枚全てのカードをウラ向きに並べたらゲームスタート。自分の手番では、カードを1枚めくります。ペンギンが描かれていないスカカードだったら手番終了。ペンギンが描かれていたらもう1枚カードをめくりますが、違うペンギンをめくったら手番終了。もし同じペンギンだったら観測成功で、同じペンギン2枚を取り除いてもう一度手番を繰り返します。これを規定回数繰り返して、12匹のペンギンを観測したら目標達成です。
みんなで協力しながら神経衰弱を遊ぶというありそうでないゲームです。協力型なので「そこはさっきめくったから、やめよう」「これはスカカードじゃなかったっけ?」「コウテイペンギンはここだよ」などとみんなで相談をして、ペンギンのペアを全て見つけるのが目的です。記憶力に自信がない人にも優しいメモリーゲームです。
まちがいさがし開発課
〈まちがいさがし開発課/2〜5人/7歳〜/20分〉
イラストに線を書き加えて間違いを作り、他の人に当ててもらう紙ペンゲーム。
1人がまちがいを作る人になり、残りの人はまちがいを当てる人になります。作る人はイラストに線を書き加えて、まちがいを5つ作ります。書き終えたら、他の人は一緒にイラストを見てまちがいを探します。1分以内に間違いを見つけたら、見つけた人だけが1点獲得。1〜2分に間違いを見つけたら、見つけた人と作った人が1点獲得。制限時間は2分で、見つからなかったまちがいは大きければ大きいほど作った人の点数になります。全員が作る人をやって、合計得点を競います。
まちがいさがしをゲームにしたものです。雑誌や新聞などに掲載されているまちがいさがしをする経験はあっても、まちがいを作ることはなかなかないはず。やってみると、まちがい作りが面白い! すぐにはバレなくて1〜2分くらいで気付く丁度良い難易度のまちがいを作るのがこんなに楽しいとは。大きく書いたまちがいが誰にも見つからなかった時の興奮は相当なものです。
ロジカルチョイス
〈ロジカルチョイス/1人/4歳〜/10分〉
正しい答えを当てるクイズゲーム。
4つの穴が空いたケースに問題カードをセットします。問題は、文字が無いイラストだけで表現された4択クイズになっています。答えが分かったら、4つの選択肢の下にある穴に木製の棒を差し込みます。問題カードを引き上げて、取り出すことが出来たら正解です。間違った穴に木の棒を刺していると、引っかかって取り出せません。
問題カードは77枚もあって、結構なボリュームになっています。イラストを見て理論的に考えるクイズばかりです。4歳向けと6歳向けの2種類が発売されています。
子供向けのボードゲームが多めですが、大人同士でも遊べるゲームもありますね。なにより、グッド・トイは他の人に勧めやすいボードゲームばかりが選ばれている気がします。