【おすすめ!最新!!ボードゲーム】『カートグラファー 勇者たちの門出』は、未開地域の地図を作り上げてゆく紙ペンゲームの第2弾!

ダイスを振ってキャラクターの各種能力値を決定していく、変わった仕掛けのボードゲーム『ロールプレイヤー』。この世界観を利用したゲームがいくつも出ています。この『カートグラファー 勇者たちの門出』は『ロールプレイヤー』の世界で、未開の地の地図を作り上げてゆくことをテーマにした『カートグラファー』の第2弾に当たります。

基本メカニズム

ゲームの仕掛けはシンプルで、誰かが代表して地形カードを山札から1枚めくって読み上げ、各自はその内容を自分も地図シートに書き込んでいく、これを繰り返して進めていきます。

カードには、農場・村落・森林といった地形が1~2種と、凸型や□型など、どういった形で書き込まないといけないかが指示されています。地図シートへの書き込みにはほとんど制限がなく(シートからはみ出てはいけないとか、描き込んだ内容は消せないとかぐらい)、各自が自由に描き込んでいけます。

では、どうやって描き込む場所や種類を選択するかというと、春・夏・秋・冬の4つの季節毎に「特定地形がどのような形に並んでいれば得点になる」ということがランダムで決まっています。

しかも各季節には2種類の目的が示されていて、必ず1枚は次の季節でも目的として使用することになっています。

このため「今の季節の得点を取るのか、次の季節に向かって仕込をしていくのか」という部分で各自の思惑が交錯し、同じ地図シートを使い、同じカードを見て地形を描き込んでいるのに、各自の手元に完成してゆく地図がどんどん異なったものになっていきます。

『勇者達の門出』の特徴

めくる探索カードで指定されている地形などについては、ここまで説明したものについては前作と同じです。

『勇者達の門出』での新規要素は、めくるカードの中に「勇者」が混ざっていることです。

前作『カードグラファー』には、モンスターが書かれている「待ち伏せカード」が入っています。これがめくられると、手元の地図カードを隣の人に渡して「待ち伏せカード」に指定されているモンスターを地図に描き込んで貰う、というものがあります。

モンスターは周りを地形で囲まないと減点になるうえ、得点要素を妨害します。他プレイヤーからの攻撃手段とも言えるので、このゲームが盛り上がるポイントでもありました。

『勇者達の門出』で追加された「勇者」は、地図シートに「勇者マス」を1つ書き込んだあと、カードに指定される形に従って攻撃マークを描き込んでいきます。攻撃マークのある場所に「モンスター」が書かれていれば直ちに退治されますし、いなければ「後からモンスターが来ても破壊出来る予約マス」になります。

やられる一方だったでしたが、「勇者」が来てくれたおかげで反撃できるようになったのです。もちろんカードのめくり運しだいなので、全くモンスター退治に役に立たない勇者が来ることもあれば、値千金の勇者が来ることもあります。

さらに、モンスターについても「モンスターの塊として記入する」ものから、種類別に特殊能力を持つようになって(ゾンビなら増殖、ドラゴンなら退治できれば金が手に入る、など)、生き生きと地図シート上で動き出すように変わりました。

前作『カートグラファー』は、ソロプレイに陥りやすい紙ペンゲームに「待ち伏せカード」というモンスター要素を取り入れて、プレイヤー間の相互作用を生み出た秀作でした。今作『勇者達の門出』は、その特徴部分に「勇者」や「特徴のあるモンスター」を導入したことで、前作のプレイヤーが待ち望んでいた方向にチューニングされています。

前作の地図シートに今作のカード、今作の地図シートに前作のカードを利用することもできるなど、2作品を相互に使ってのプレイもサポートされています。

ほどよいインタラクション、季節毎の目標を見据えて地図を作ってゆく楽しみにさらに磨きがかかったこの作品。一度試してみてはいかがでしょうか。

カートグラファー 勇者たちの門出
日本語版発売元:アークライト
デザイナー: ジョン・ブリーガー、ジョーディ・アダン
発売日:2022年10月27日
価格:2640円[税込] プレイ人数:1~100人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:30~45分