【オススメ!最新ボードゲーム】『アトリエ・ウィズ・ジニーズ』目指すは最高の細工師の称号“頂の星(アルシラ)”! かわいい星霊ジニーたちと宝石を作って工房を経営しよう

やのまんが2024年11月末にリリースした『アトリエ・ウィズ・ジニーズ』。宝石工房の運営を扱った本作は、小箱に納まるコンポーネントながらもしっかりとしたプレイ感が得られるゲームとなっています。

舞台は宝石の街。プレイヤーは“星”と呼ばれる宝石細工師となり、相棒の星霊“姫ジニー”と一緒にアトリエを経営していきます。柔らかく優しい世界観とかわいい星霊たちのイラスト、きらびやかな宝石のカードは魅力たっぷり。作り出した宝石を売るか、加工して価値を高めるか、あるいは献納(献上・奉納)して勝利点を得るか。もしくは運営面の強化を図るか……といった選択とジレンマが悩ましい一作です。

今回は、そんな『アトリエ・ウィズ・ジニーズ』の楽しさ、面白さをご紹介しましょう。

●紹介動画

目指せ“頂の星”! 宝石の制作と工房の運営

プレイヤーが手番に行えることは、以下の4つのアクションのうちひとつです。

●プレイヤーのアクション
1.売買:自分のお店の売り場にある宝石をひとつ売却するか、他のプレイヤーの売り場の宝石を購入します。
2.仕入:原石を購入し、宝石にしてお店の売り場か工房に置きます。
3.工房:場に出ている加工カードを獲得し、工房にある宝石を加工します。または、工房の機能を強化する運営カードを購入します。
4.献納:工房にある宝石を殿堂に献納します。献納した宝石の価値のぶんだけ、終了時に名声(勝利点)を得ます。もしくは、工房にある宝石を修練して姫ジニーの追加スキルを獲得します。

宝石を磨き上げ、付加価値を高めよう!

宝石がなければ何も始まりません。まずは[仕入]で原石を購入します。原石は0、1、2、5の価格のものがあります。

▲価格が高い原石ほど価値の高い宝石になりますが、安い原石にも価格以上の価値になるものがあったり、追加アクションを持っていたりするものがあります

購入した原石カードは、裏返して宝石になります。灰色の原石がきらびやかな宝石に変身する瞬間はドキドキ! どんな宝石になるかは裏返すまで分かりません。宝石は、お店の売り場に出して資金を得るか、工房に置いて加工したり、献納したりできます。出てきた宝石を売るか、工房に送るかの選択は悩ましいところ。

アトリエの機能を強化しよう!

プレイヤーは手番にひとつのアクションしか行えませんが、[献納]の修練で姫ジニーに追加アクションを持つ宝石カードを付けるで、もうひとつ追加のアクションを実行できます(仕入、売買、工房の3種からふたつまで獲得可能)。

▲宝石が追加アクションを持っている場合、カードの右上にアイコンで示されています

追加アクションの実行にはいくつか制限がありますが、獲得すれば1手番でできる行動が2回になるわけですから、あるとないとでは大違い。うまく使いこなせるかどうかが勝敗に大きく作用します。

星霊たちの助力を得よう!

星霊“姫ジニー”は、プレイヤーの相棒として作業を手伝ってくれる頼もしい存在。彼女たちは、それぞれゲーム中に1回だけ使用できる固有の特殊能力を持っています。どれも強力なので、勝負どころを見極めて使いたいですね。

▲姫ジニーは全部で6人。ゲーム開始時に、手番が最後のプレイヤーから順に自分の相棒となる姫ジニーを選んでいきます

実際にプレイ! かわいい見た目に反してシビアな勝負が展開……!?

さて、ここでプレイの様子をのぞいてみましょう。プレイヤー数は3名です。各プレイヤーは開始時に1枚ずつ使命カードを引きます。これはプレイヤーごとに違う秘密の追加得点の条件で、いわゆる個人目標になります。

▲自分は赤い宝石を献納すると追加得点。相棒の姫ジニーは宝石をまとめ売りできるウルジュを選択しました

いよいよゲーム開始! 各プレイヤーは最初に金2を持ち、さらに手番ごとに金1(終盤は金2)を自動的に獲得します。自分は初手で価格0の原石を入手、裏返したところ価格1のスフェーンでした。お店に置けばそれだけで金2がもらえるので、まず売り場に送って資金を得ます。

▲お金がない序盤は、価格0の原石を取得してお店の売り場に出せば、ノーコストで金2が得られるうえ、次回以降に[売買]で売却すればさらにお金が獲得できます

続く手番で再度価格0の原石を購入。裏返すと価格0の小宝石で、売り物にしても儲けはありません。しかし仕入の追加アクションが付いていたので工房に配置し、次に修練して姫ジニーに付けます。これで通常のアクションのほかに、追加アクションとして仕入を行うことができるようになりました。

▲修練した宝石カードは星霊姫の上に挿します。なお修練にも資金が必要です

以降、追加アクションの仕入で宝石をひとつ購入し、価値が高いものは工房へ。不要な宝石は売り場に送ります。さらに売買の追加アクションも獲得。資金が欲しいときは売り場の宝石を売却するという狙いです。

少しずつできることが増え、高い価値の宝石を獲得していくごとに得られる資金や勝利点が大きくなっていくのはワクワクしますね。だんだんと加速していく感覚は、生産系のゲームの醍醐味ともいえるところでしょう。

▲他プレイヤーの様子。プレイヤーA&クザハは工房の追加アクションを早めに得て、宝石の加工を優先的に行っています

▲プレイヤーB&アルマは運営カードをどんどん購入して特殊効果を得ていきます。運営カードは何枚でも獲得できるため、他プレイヤーに運営カードを渡さない戦略のようです

各プレイヤーとも追加アクションを活用し、どんどん宝石を獲得して献納。自分は仕入の追加アクションを活かして手持ちの宝石を増やし、加工せずにそのまま献納して名声を稼いでいきます。加工にアクションと資金を消費するより、たくさんの宝石を献納して数でカバーするという狙いです。

プレイヤーAは宝石に加工をしてひとつひとつの価値を高めています。プレイヤーBは運営カードを増やしてそれぞれのアクションを行った際の効果を高めたり、より多くの資金を獲得できるようにしていました。このように、状況に応じてさまざまな戦略が取れることも本作の魅力です。

終盤、場に宝石の価値を大きく高める加工カード“ブリリアントカット”と“オールドカット”が並びました。勝負どころと見たプレイヤーAは加工カードを連続で取得できる姫ジニー・クザハの能力を発動! 2枚とも入手し、工房の宝石カードに付けます。同じアクションは2回できないという制限があるのですが、姫ジニーの特殊能力を使うことで1手番に2枚の加工カードを獲得しました。

▲プレイヤーAが加工カード2枚で大量の名声点を獲得する会心のプレイ。抜群の勝負勘を発揮して、ぐっと勝利を引き寄せます

実は自分もこの加工カードを狙っていたのですが、価格5の原石を買いあさっていたせいで資金不足となっており、なかなか動けず。そうこうしているうちにプレイヤーAにさらわれてしまいました。

ゲームは価格5の原石の山札が無くなった時点で終了。優勝はプレイヤーAで、献納した宝石の数こそ自分より少なかったのですが、加工を使って単価を上げ、最高得点を獲得したのでした。

▲プレイヤーAは4つの宝石を献納しただけですが、すべて加工していたため高得点となりました

このゲーム、かわいい見かけに反して勝負はかなりシビア。振り返ってみれば、もっと加工を使ったり、個人目標で名声を稼いだりしないとダメでしたね。悔しい! これはリベンジせねば……。


いかがだったでしょうか。『アトリエ・ウィズ・ジニーズ』は小さなコンポーネントながらも、いくつかの要素が絡み合う深いゲーム性を実現しています。プレイ時間は30~60分程度。かわいくてきれいなカードのゲームがやりたい人や、手軽に本格的なゲームを楽しみたい人にオススメです。ぜひプレイしてみてください。

■アトリエ・ウィズ・ジニーズ
発売元:やのまん
デザイナー:吉池真一(Gemini Games)
イラスト:里瀬ほとり/kawakami
製品デザイン:ダットニーデザイン
価格:2,640円[税込]

プレイ人数:2~4人
プレイ時間:30分~
対象年齢:12歳~
やのまん 公式サイト:https://www.yanoman.co.jp/topic/boardgame/atelier-with-jinnes/