『タイムボム』に酷似と指摘の声 Kickstarterプロジェクト『Dragonwake』

アメリカの「Oh No! Games」がKickstarterで支援を募っているボードゲーム『Dragonwake』が、日本発で世界的な評価も高いボードゲーム『タイムボム』に酷似しているのではないかと指摘する声が上がっています。

『タイムボム』は新ボードゲーム党の佐藤雄介氏が2014年に発表したタイトル。SWATチームとテロリストチームに分かれて戦う正体隠匿ゲームで、1つ1つ時限爆弾の導線を切っていきます。

タイムボム

2017年にはアークライトから商業版が発売され、人気のロングセラータイトルとなっています。

タイムボム(新版)

「タイムボム」はたった1時間で作られた!?ゲームデザイナー佐藤雄介氏に直撃インタビュー!

 

今回問題になっているDragonwakeは、5月23日にKickstarterでプロジェクトがスタート。5月31日には10,000USドルを集め、プロジェクト成功となりました。

しかし、6月4日頃から『タイムボム』との酷似を指摘する声が。

Kickstarterページの「よくある質問」にはこのような記載があります。

DragonwakeはDon’t Mess with Cthuluやタイムボムとどう違うのですか?(編集注:Don’t Mess with Cthuluはタイムボムのクトゥルフ版リメイク)

Dragonwakeは、Don’t Mess with Cthuluやタイムボムと同じ基本的なメカニズムを共有しています。Dragonwakeは、これらのゲームの再実装と呼ぶのが適切でしょう。Dragonwakeを最初に作ったのは、Don’t Mess with Cthuluが絶版で手に入らなかったからです。そのため、私たちは個人的に遊ぶために、Don’t Mess with Cthuluの独自のバージョンを制作することにしました。アーティファクト、イベント、パワーなどの拡張を経て、このゲームをシェアするのに十分な、独自性のある体験をこのゲームは提供すると感じたのです。それ以来、5年間かけて現在のようなゲームに仕上げてきました。最近までタイムボムのことは知りませんでした。他のゲームと同じ仕組みで手っ取り早く儲けようという意図は全くありません。正直、Dragonwakeは、他のゲームでは得られない楽しい体験を提供していると考えています。

この「よくある質問」の回答に対しては怒りともいえる声が上がっています。

ゲームが絶版になったからってオリジナルのライセンスなしに、自分のバージョンを出版するっていうのか? そうだってよ!

東アジアのデザイナーのアイデアを盗むアメリカ人のクソ野郎がまた一人。もう飽きたよ。

Sunken Sailor(編集部注:日本の『エセ芸術家ニューヨークへ行く』に酷似)、Werewords(編集部注:日本の『インサイダーゲーム』に酷似)、Bamboo Bash(編集部注:韓国の『Toc Toc Woodman』に酷似)……。そして、このリストは続いていく。

正式なライセンスを得ずにそっくりなルールのゲームが別のタイトルで海外で出版されるというケースは今までも存在しました。今回はどのような結末になるのか……。ゲームデザイナーの権利が正しく守られることを願います。

※記事内の日付はすべて日本時間