2023年5月13~14日に東京ビッグサイトで行われたゲームマーケット2023春。会場内の入退場口付近には特設ステージが設けられており、ここでさまざまなイベントが開催されていた。ここでは、スペシャルステージで行われたトークショーやライブドローイングなどのイベントを振り返ってみよう。
5月13日(土)のステージイベント
Lucianiに聞く!
「ボードゲームのデザインとは?」
『The Voyages of Marco Polo(マルコポーロの旅路)』や『Brrage(バラージ)』といった名作を生み出したイタリアのデザイナー、Simone Luciani(シモーネ・ルチアーニ)氏がゲームマーケットのために来日。トークショーが行われた。
「趣味として好きでやっていたことでお金をもらえるのは本当に楽しいし、うれしい」と語るLuciani氏。ゲームデザインについては「デザインには波がある。うまくできたと思っていても後で見ると直すところがたくさん出てくる。直しているうちにだんだん波が少なくなっていき、完成に近づいていく」とのこと。
トーク中にテンデイズゲームズのタナカマコト氏と『本当に面白いボードゲームの世界』編集長の河上拓氏が登場。Luciani氏にコアなゲーマーならではの突っ込んだ質問をした。タナカ氏の「『Golem(ゴーレム)』のパラメータアップや開放のシステムは、少しやりすぎだったのでは?」という問いに対しては、Luciani氏も「同感です!」と苦笑い。
最後にOKAZU Brandの林尚志氏が登壇。アークライトから『レイルウェイブーム』の新版が発売されることと、Luciani氏にディヴェロップを担当してもらうことを発表した。どのようなブラッシュアップが行われるか、ファンは楽しみに待っていよう。
『コロコロito』発売記念!!
ライブペインティング&コロコロチャンネル公開収録
アークライトとコロコロコミックのコラボタイトル『コロコロito』発売記念スペシャルイベント。クリエイターとして、コロコロコミックで人気作『ブラックチャンネル』を連載中の漫画家きさいちさとし先生と、『ito』のデザイナーであり、イラストレーターでもあるナカムラミツル氏が登場。ふたりがその場でイラストを書くライブドローイングを行った。
制作を担当したアークライトの後藤氏は、子供にも『ito』の面白さを伝えたくて企画したと語る。「“コロコロらしさ”をどうやってitoに出していくか試行錯誤した」とのことで、お題についてはアークライト側からも提案したそうだ。続いて5人で『コロコロito』をプレイ。お題は「ヒーローにとって必要な資質・能力は?」このお題に対して5人が出した答えは、
ミツルさん「ハナクソがスッキリ取れる」
きさいち先生「愛と勇気」
コロコロカーくん「遅刻しない」
コロコロ二刀流コーマさん「だまされやすい」
アークライト後藤さん「横断歩道でお年寄りを助ける」
観客からもアドバイスを受けつつそれぞれの答えの数値を予想し、その順に並び替え。さて結果は……?
続いて、いよいよライブドローイングの開始。きさいち先生とミツルさんが競演!『ブラックチャンネル』に登場する“悪魔系ヨーチューバー”ことブラックを描いた。さらにふたりはお互いの似顔絵を描いてサイン。このお宝イラストは、ジャンケン大会の勝者となったきさいち先生の大ファンの人にプレゼントされた。
このイベントは同時にYoutube“コロコロチャンネル”の公開録画も行われており、その様子は後日公開されるとのことだった。
コロコロチャンネル: https://www.youtube.com/@corocoro
5月14日(日)のステージイベント
TRPG落語(出演:三遊亭楽天)
落語家の三遊亭楽天さんによる落語の口演。小学生時代にTRPGと出会ったという三遊亭楽天さんは、ゲームのネタを入れ込んだ新作落語や、古典落語をアレンジした演目を持つ噺家にして現役のゲーマー。著書にはゲーム誌で連載したコラム『三遊亭楽天のTRPG四方山噺』をまとめた書籍『三遊亭楽天のTRPG落語』がある。
出囃子にのって三遊亭楽天さんが登場し、ステージに設けられた高座に上がる。
最初の演目は新作落語『積みゲー幽霊』。ゲームあるあるがふんだんに盛り込まれており、ゲーマーのツボを的確に捉えて観客から幾度となく笑いが起こる。楽天さんが自身のYoutubeチャンネルで語ったことによると、奥さんに「絶対に共感を得られる演目だから、一席目にやったほうがいい」と強く勧められたそうだ。
続いて『インタラクティブ死神』。古典落語の『死神』にアレンジを加えたもので、なんと途中で観客がダイスを振り、出た目によって結末が変わるというインタラクティブ性を持った前衛的な演目! 結末については6種類あり、今回の口演のために一部改訂したものを急遽用意したとのこと。
落語を初めて聞いたという人も多く、落語そのものに興味を持ったという声もあった。三遊亭楽天さんの落語には、このほかにもゲーム要素を取り入れた“TRPG落語”の題目がいくつもあるので、興味を持った人はぜひ寄席を聞きに行ったり、『三遊亭楽天のTRPG落語』を読んでみてほしい。
ThunderGryph Games賞 in GameMarket2023
ThunderGryph Gamesは『Spirits of the Forest 』『Iwari』『Tang Garden』などで知られるスペインのボードゲーム出版社。同社の社長Gonzalo氏がゲームマーケットを巡回し、出展作のなかから自身が選ぶ注目作をピックアップした。
受賞作のラインナップは以下のとおり。
『COPET』(X Ur HourS)
『KANBAN MENU』(ドイツゲーム喫茶 B-CAFE)
『ガブル』(PLAY MARKET)
『ご存知うんちの背比べ』(MOGURA GAMES)
『PEAS』(konno.)
『RECLAiM』(フダコマゲームズ)
『ELEMEMTAL TRUNK MAN』(東京ゲームメイカーズ)
大賞に選定された『ELEMEMTAL TRUNK MAN』(東京ゲームメイカーズ)作者のオグランド氏も登壇した。
At the Tokyo Game Market in lovely company! I’m already so impressed with how refined is the self-publishing scene here in Japan! Thank you very much @ArclightGames 🥳 #tokyogamemarket pic.twitter.com/Z45O54tAXn
— Thundergryph Games (@tgryphgames) May 13, 2023
『コロコロito』発売記念!!
ライブペインティング&制作陣ito公開プレイ
ゲームマーケット2日目も『コロコロito』発売記念のライブドローイングが行われた。この日のクリエイターは、『炎の闘球女 ドッジ弾子』『炎の闘球児 ドッジ弾平』で知られる漫画家こしたてつひろ先生と、前日から引き続き登場のナカムラミツル氏。
今日の『コロコロito』のお題は「弾平がボールをぶつけたらギリギリ壊せるもの」。一同の5人が出した答えは……。
こした先生「転がってくる大きな石」
ミツルさん「あずきバー」
アークライト後藤さん「折り鶴」
コロコロ山﨑さん「富士山を横からぶち抜く」
コロコロカーくん「地球」
昨日と同じく予想した数値の順に並んでから判定。後藤さんが引いたカードが弾平の9、カーくんのカードが弾子の99というミラクルが!
もちろん、こした先生とミツルさんによるライブドローイングも開催。現在連載中の『ドッジ弾子』弾子や珍子に加えて、『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』烈と豪の姿も。世代のファンは感涙!
多くのファンが集まり、ライブドローイングは大いに盛り上がった。
スペシャルステージのイベントの幕間には、ゲームマーケットのイメージキャラクターである“コロ”との撮影会が開催された。多くの人がコロと一緒に写真を撮影した。
2日間に渡り、スペシャルステージでは5つのイベントが行われた。時間前からステージ前のスペースで待っていた観客もおり、イベント中は周辺に多くの人が観覧する盛況だった。