『カタン』東日本大会レポート。約300人が全国大会行きのチケットをかけて大熱戦! 主催者インタビューもお届け!!

株式会社ジーピーは2023年7月2日、KFCホール(東京都墨田区)にて『カタン』東日本大会を開催した。同大会は2019年以来4年ぶりとなる『カタン』の公式大会で、日本選手権の参加権を賭けて行われたもの。上位入賞者14名が8月20日に行われる日本選手権……、つまり決勝大会に参加することができる。

今回は、同大会のレポートをお届けする。

300人近くの大人数が参加!

開始前、エントランスでの受付は長蛇の列に。エントランス内には『カタン』やその拡張のほか、発売前の『ロビンフッド』や『たべたのだぁれ?』などのジーピーの新作ゲームが展示されていた。

各地で行われたオープン大会の優勝者のほか、東日本内でも三宅島といった遠方、関西、九州・沖縄からの越境参戦、さらには北海道、東北などすでに地方大会の開催が終わった地域からの再チャレンジ組も含め、日本中から『カタン』を楽しむプレイヤーが大集結。会場内に用意された卓は70以上が埋まり、300人近い参加者が決勝大会への参加権をかけて戦った。

参加者が着席して開会式。ジーピー代表・米川和秀氏が音頭を取ってのあいさつ「1・2・3、おはようございます!」でいよいよ大会がスタートした。まずゲームを行ううえでのルールや諸注意が説明される。

今年の4月1日に逝去した『カタン』デザイナーのクラウス・トイバー氏を偲び、黙祷が行われた。

「“また明日あなたと遊びたい”と言われるようなプレイで遊びましょう」――クラウス・トイバー

それぞれの卓でセットアップが済むと、いよいよゲーム開始! 会場内のすべての卓で激戦が展開、まずは第1戦、続いて対戦相手を入れ替えて第2戦が行われた。


この大会では1日に全4戦が行われ、前半の第1戦と第2戦後に休憩となった。第1戦終了後、全プレイヤーが次の対戦が行われる卓に移動するのだが、何しろかなりの人数。多くのプレイヤーが次の行き先を探して右往左往するさまは、さながら民族大移動といったところ……!?

試合開始後のエントランスでは、物販も行われていた。ここで販売されていた『カタン 人類の夜明け』は数量限定で輸入されたもので、会場限定発売の希少な商品。また、追加拡張『カタン航海者 5~6人用拡張版』の先行販売もあった。

後半戦はさらなる熱戦が展開!

休憩後、明けて第3戦はそれまでの戦績から決められた相手と対戦。最後の第4戦では成績上位者同士が14の卓に集められ、決勝戦への切符をかけて激突! 第3戦終了の時点で3戦全勝しているプレイヤーが5名いた。


他の卓では、試合を楽しむプレイヤーたちが和気あいあいとプレイする姿が見受けられた。老若男女、国籍を問わず幅広い参加者が集まり、『カタン』が多くの人によってプレイされていることを感じた。

第4戦が終了し、戦績集計をしている間に、2022年11月に地中海のマルタ島で行われたカタン世界選手権の様子をスライドで紹介。大会参加者の長森選手、手川選手の2名がユニフォームを着て登場し、大会を振り返った。なお、次回世界大会は2024年に開催予定。日本からは今年の日本選手権優勝者と、来年の優勝者の2名が参加することになっている。

いよいよ上位入賞者の発表。決勝大会へ進出する14名の名前が読み上げられ、賞状が手渡された(※)。さらに1~3位のプレイヤーには賞品としてジーピーのゲームがプレゼントされた。
※上位者のなかに事前に確認した辞退者が1名含まれていたため、繰り上がりで15位のプレイヤーが決勝大会に参加する

決勝進出者14名と米川和秀代表が記念撮影。

最後に抽選が行われ、大会参加者のなかから選ばれた人にジーピーからゲームのプレゼント。『ウボンゴ ポケモン』や『キングダム盤上大戦』といった人気作に加え、高額商品の『カタン 人類の夜明け』まで、かなりの人数にゲームがプレゼントされた。これで閉会式は終わり、大会は幕を閉じた。

4年ぶりの大会開催! 主催のジーピーに聞いてみた!!

国内最大規模・300人近くの参加者を集めて行われた『カタン』東日本大会は大盛況のうちに終了した。ここまでの人数が集ってひとつのタイトルを競技としてプレイするアナログゲームの大会は初めて見たが、会場内の熱気と盛況ぶり、そして参加者の楽しそうな姿には驚かされるばかりだった。

ぜひとも主催側の話を聞いてみたいと思い、『カタン』の国内販売元であり、大会を企画・開催している株式会社ジーピーの米川秀治常務取締役に、今回の大会の総括と今後の展望についてうかがってみた。

――今年は4年ぶりに日本選手権が開催されることになり、本日の東日本大会もその日本選手権の公式大会という位置付けです。今回、なぜこのタイミングで日本選手権が開催されることになったのでしょうか。

米川氏:まず、コロナ禍による制限が緩和されて大会が開催できる状況になり、『カタン』日本選手権も4年ぶりに再スタートさせていただいたというところです。今年は全国6会場での開催となりますが、2019年は9会場で行っていたので、来年以降は増やしていければと思っていますね。

――今年は各地でメーカー公認のオープン大会を開催し、その優勝者を地方の公式大会に招待するということもしていらっしゃいました。このオープン大会まで含めれば、かなりの規模、かなりの大会数になっていると思います。

米川氏:オープン大会の試みは2019年にもしていました。当時調べてみたところ、日本全国で『カタン』をプレイする会が非常に多く開催されていたんです。せっかくそこまでプレイされているのなら、各地の『カタン』会を日本選手権とリンクさせればさらに楽しんでもらえるのではないかと思い、オープン大会を認定する企画を始めました。小規模の大会であれば初心者の方にも参加していただきやすいと思いますし、裾野を広げたいという意味もあってこのような形を取っています。おかげさまでたくさんのお店やグループの協力を得ることができて、2019年は40大会、今年は60大会以上のオープン大会が開催されました。

――今回の東日本大会は300人に近い参加者を集め、非常に規模が大きな大会になりました。主催者としての手応えはどのようなものですか。

米川氏:コロナ禍が(形としては)明けたといっても人出が戻るか分かりませんでしたから、チケットが売れ残るのではないかと心配していました。ですが、ありがたいことに各会場のチケットはすべて完売しています。今日の東日本大会は300人規模と設定しましたが、我々が想定していたよりずっと早くチケットが売り切れたので、もっと参加人数を増やしても良かったかもしれません。大会に関しては今日も含めてすでに行われている会場はどこも盛り上がっており、いらっしゃった皆さんには4試合たっぷり楽しんで帰っていただけたのではないかと思っています。

――来年以降の大会については、さらに拡大していく方向で考えているのでしょうか。

米川氏:ご好評をいただいているということもありますし、『カタン』のプレイヤーは全国各地にいらっしゃいますから、先にお話ししたように日本選手権の地区大会を増やしていきたいと考えています。それと、今回の大会を見ても感じたことですが、若い方や女性の参加者が増えたということがあり、先ほどお話しした裾野の広がりということについては我々も成果を感じているところです。もっと多くの方に楽しんでもらえるよう、参加人数も増やしていきたいですね。

――最後に、『カタン』プレイヤーへのメッセージをお願いします。

米川氏:今日の大会を勝ち抜いた人の半数ぐらいが、初めて決勝戦に参加するという方でした。世代交代も進んできて、新しい勢力が現れたと感じています。もちろん、これまで頑張ってきた皆さんにも健闘してほしいのですが、若い方もどんどん参加して、勝ってもらいたい。そして、決勝に集まる北海道から九州、沖縄までの全国のプレイヤー同士で触れ合って交流を深め、『カタン』を通じてボードゲームの文化を広げていってほしいですね。

ジーピー米川秀治常務取締役

『カタン』2023年公式戦は、残り2戦。すべての公式戦が終了すると招待選手が出そろい、彼らによって8月20日に新宿プリンスホテルで開催される日本選手権のファイナル(決勝大会)が行われる。なお、これまでの大会の結果と決勝大会の参加プレイヤー人数、および今後の日程等は以下となっている。

北海道大会(終了):決勝進出2名
中部大会(終了):決勝進出3名
北陸大会(終了):決勝進出3名
東日本大会(終了):決勝進出14名
九州大会(7月23日博多バスターミナル):定員80名・決勝進出3名予定
西日本大会(7月30日J:COM中央区民センター):定員180名・決勝進出7名予定

※7月5日追記:株式会社ジーピーに確認を取り、九州大会の定員および西日本大会の決勝進出の人数を修正いたしました。

決勝大会の優勝者は、2024年に行われる『カタン』世界大会への参加権を得る。日本中から集結した猛者たちによる激闘に期待しよう。

カタン日本選手権大会
http://www.gp-inc.jp/catan/catan_championship2023/index.html

株式会社ジーピー
http://www.gp-inc.jp/index.html