【オススメ!最新ボードゲーム】『南チグリスの旅人』が発売! 南チグリス3部作の第1作。今回のテーマは「旅」!!

西フランク王国を舞台に「建築家」「聖騎士」「子爵」の三作をリリースしていたGraphill Games社(日本語版はケンビルより発売)。同社の新シリーズは舞台を南チグリスとなる3部作で、その第1弾となるのがこの『南チグリスの旅人』です。今作はテーマを「旅」とにして、以前とはガラッと変わった雰囲気のゲームになっています。

ゲーム概要

今回は旅がテーマなため、各プレイヤーは南チグリスの端から端へ移動してゆきます。移動には陸路や海路を使い、時には空を見たり町の人の助けを借りたりしたことを記録します。最終的地へたどり着いたときに、その記録が得点となります。

多くの場所を訪ね、同じ地形をたくさん見たりすることで高得点が得られるという、まさに「旅をするゲーム」になっているのです。

ゲームプレイ

プレイヤーは、「手元に持っているダイス」か「ワーカー」を配置することでアクションを行っていきます。

ダイスアクションでは、手元のダイスを振って所定の場所に配置して、追加で指定されている食料などを支払うことで「陸路カード」や「海路カード」を受け取ることができるのですが、それだけでは駄目で旅はできません。陸路なら「ラクダ」、海路なら「船」をどこからか調達してこなくてはならないのです。

プレイヤーの手元には、各ダイス目が何の特殊能力を持っているかを示すボードがあり、「1の目ならラクダ」の効果が得られるといったことが書いてあります。このため、1のダイス目ならラクダで旅ができる……つまり陸路にそのまま配置できるわけです。他のダイス目なら他のカードか何かでラクダの効果を得なくてはなりません。

しかもダイス目に何の効果が付与されるかは、後からタイルを購入して配置することでゲーム中刻々と変化させることができ、「4の目」でも「ラクダも船も鳥も出せる」といったことも可能です。

単にダイス目が大きければ良いというのではなく、自分が進みたい方向(陸路特化したいとか)に合わせたチューニングができる面白さがあります。

またワーカーもユニークです。陸路や海路などのカードが置かれている場所近くに、ワーカーを配置したときの効果が書かれています。手元にあるワーカーをそうした場所のどこかに置くと、「食料が貰えたり」「旅を進めたり」することができるのですが、ワーカーは自分の物では無いので置いたら帰ってきません。

さらにワーカーは売っているカードの上に直接配置するので、次にそのカードを購入した人がワーカーも受け取れるのです。もちろん、ワーカープレイスメントなので、誰かがワーカーを置いていると同じ効果はしばらく使うのに制限がかかるというおまけ付きです。

カード列からカードを誰かが購入すると、もちろん新しいカードが補充されます。するとワーカーが置かれていたカードも併せてスライドします。そうすると「あれ? 急にカードがずれてきてワーカーが乗せられたカードが来たから、自分がワーカーを置きたい場所に置けなくなった」っといったことも発生します。

いわゆるワーカープレイスメントでだと、ワーカーを配置した場所からワーカーが勝手に動いてきて自分が狙ったアクション場所にくる、なんていうことは無いわけですが、この『南チグリスの旅人』では頻繁に発生するので、他プレイヤーの動向も気を抜けないわけです。

何も出来ない場合には、休憩して配置したダイスを手元に戻して旅を1歩進め、新しい手番に備えるということを繰り返していきます。


旅がテーマになっているため、他プレイヤーとの絡みをどう表現するのかと気になっていた作品ですが、陸路や海路、様々な能力を付与してくれる町民カード等の早取りだけではなく、ワーカーが移動することによる配置制限など充分なインタラクションを提供してくれています。

肝心の旅部分も旅を進めるにつれボーナスを貰えますし、先着1名様のボーナスもあったりして気が抜けません。

前作からガラッと雰囲気が変わってどうかな?と思っていらっしゃる方もおられるかもしれませんが、充分なインタラクション、自分だけの旅を記録する楽しみ、そしてダイス目に一喜一憂する完成度の高いゲームになっていますので、一度お試しになってはいかがでしょうか。

今回紹介した内容は以下の映像でも説明していますので、興味あったらそちらもぜひご覧ください。また併せてプレイミスしやすい場所を集めたTips集も公開してあります。

■南チグリスの旅人
日本語版発売元:ケンビル
デザイナー:S J Macdonald, Shem Phillips
発売日:2023年6月2日発売予定
価格:8580円[税込] プレイ人数:1~4人
対象年齢:13歳以上
プレイ時間:60~90分