【オススメ!最新ボードゲーム】『カム・セイル・アウェイ!』 マンカラの要領で乗客を部屋まで誘導しよう

豪華客船に乗り込んでくる乗客を、正しい部屋に順序でご案内していこう。そんなストーリーで進めていくゲームが、『カム・セイル・アウェイ!』(発売元:株式会社SAASHI-AND)です。

ゲーム概要

ゲーム開始時に各自の手元には、豪華客船を模した個人ボードが用意されています。豪華客船の中には乗客を誘導する部屋タイルがはめ込まれており、どんな乗客を受け入れることができるかが描かれています。

毎ラウンドやってくる乗客を、いかに効率よく最適な部屋へ誘導していくか……をコントロールしていくのが主な目的となります。

ゲームプレイ

プレイヤーはやってくる乗客が書かれているカードを2枚受け取り、そのうちどちらかを選択します。カードには、「赤・青・黒」といった乗客の種類と数が示されています。カードで示されている乗客の駒を受け取って、自分の豪華客船に配置して終わると1手番が終了、といった流れです。

新しい乗客カードを受け取り、再び配置していく。これを繰り返していきます。

このゲームのポイントは、「カードに書かれている順番で乗客を配置する」「乗客の配置はどの部屋からおいてもよいが、一筆書きでつながるようにおかなくてはならない」という点です。

カードに「赤・青・黒」という順で乗客が描かれていた場合は、左からまたは右からのいずれかの順で部屋に配置しなくてはなりません。つまり「赤→青→黒」か「黒→青→赤」の順です。

部屋をよく見ると「色」でどの乗客を配置できるか決まっている場所もあったり、「同じ色の乗客ペアを2組」とか「異なる色の乗客を各1個ずつ計4個」といった場合は、乗客を置いていくことで配置できる色が決まってくる場所もあります。

こうした配置できる場所と順番を考えるだけでも悩ましいのですが、1手番で配置する乗客駒は一筆書きでつながる部屋にしかおけない制限もあるので、さらに悩ましいのです(飛び地に配置してよい乗客カードもあります)。

なんとか乗客を部屋に配置していくと、いずれ各部屋は一杯になります。

そうなると部屋タイルは裏返しになり、得点を得ることができる状態になるのですが、当然その部屋はいっぱいなので、以後乗客を置くことができなくなります。

手番で受け取ったカードに書かれている乗客を、上記のルールに従って配置できないときは減点扱いになるので、なるべく「配置できない」という事態は避けたいです。

そうなると、手番で受け取るカードに書かれている乗客数が少ないほうを選びたくもなってくるのですが、各部屋はいっぱいにできないと全く得点にできません。このあたりの加減が、じつに絶妙です。

また、特定の部屋には満室にいち早くすることでボーナスを得られるものもあるので、グズグズするわけにもいけません。程よい速度で乗客を部屋に案内しつつ、パンクしないようにコントロールしてゆく、そんな悩ましさに満ちたゲームに仕上がっています。


非常に悩みどころが多いゲームですが(毎ラウンド受け取る乗客の中には特定の場所に配置することでボーナスがもらえる客も混ざっているので、さらに悩ましさは強いです)、全員が同時に乗客カードを受け取って、各自の豪華客船に乗客を配置してゆくので、プレイの待ち時間は短くスピーディーです。

部屋のタイルの置き方も毎回変わりますし、入れ替え用のタイルもたくさん入っています。短時間でマンカラ的な配置を十分悩むことができ、プレイ毎のプレイ感も変わる良作ゲームでした。

マンカラ的な配置ゲームはプレイ難易度が高いものが多いですが、軽妙なこのゲームを一度お試しになってはいかがでしょうか?

ご紹介しました内容は映像でも説明していますので、ご興味がありましたら、そちらもぜひご覧ください。

■カム・セイル・アウェイ!
発売元:株式会社SAASHI-AND
デザイナー:Saashi / Daryl Chow
発売日:2023年7月30日発売
価格:6600円[税込]

プレイ人数:1~4人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:25分