【イベント】ボードゲーム即売会「CONNECT」第2回開催! TRPG試遊が盛況!! 第3回も開催決定

CONNECT実行委員会は2024年3月2日、都立産業貿易センター台東館にてオールジャンルボードゲーム即売会「CONNECT」第2回を開催した。

同イベントは、昨年7月に行われた第1回に続く開催。今回は通常出展の全49サークルが参加し、それぞれのサークルが自作のゲームや関連アイテムの販売を行った。“オールジャンル”とうたっている通り、出展されたものはボードゲームのほかマーダーミステリーやTRPG、ゲーム用アクセサリーなどアナログゲーム全般に渡っていた。

▲開場は11時30分。午後になると一般参加者の姿も次第に増え、盛況に

▲『TRIO』(『ナナ』海外版)が“アスドール”フランス年間ゲーム大賞受賞!フランスから帰国したばかりの宮野華也氏のサークル“Mob+”も参加。

出展者による試遊やフリー試遊ブースの設置、テーブルトークRPG体験会など、特に試遊に力を入れたイベントとなっていた。また、会場内ではイベント限定のカードゲーム『You Win』がプレイされるなど、新たな企画も催された。

▲フリー試遊スペースも設置。さまざまなゲームがプレイされていた

▲冒険企画局 X フロッグゲームズの協力で開催されたTRPG体験会。昼過ぎにはほとんどの卓が埋まり、盛り上がりを見せた

▲会場の一角で行われていたJapon Brandによる出張ゲームレビュー会。持ち込まれたゲームを健部信明氏らがプレイし、その場でレビューが行われた

なお、今回と同じ都立産業貿易センター台東館にて2024年9月21日に第3回「CONNECT」の開催が決定している。出展登録者の募集は近日に開始されるとのことだ。

CONNECT公式サイト:https://bgconnect.jp/

トークショー

会場内のセミナースペースでは、3組によるトークショーが行われた。いずれも興味深く、なかなか他の機会では聞くことができない貴重な内容だった。ややコアなゲームファンやクリエイター向けの内容とも感じたが、もし次回開催以降も同様のトークショーが企画されるようなら、ぜひ皆さんにも観覧してほしいと思う。

ボードゲームの制作について

ボードゲーム製造の現場視点で語る“売れるボードゲーム”の特徴とは?

協力:JELLY JELLY GAMES
出席者:白坂翔(JELLY JELLY GAMES)、山崎すはま(JELLY JELLY GAMES)

▲左より白坂翔氏、山崎すはま氏

JELLY JELLY GAMESやJELLY JELLY CAFEの代表をつとめる白坂翔氏と、ボードゲームの印刷・製造を行うJELLY JELLY PRINT・ボードゲーム製造部の山崎すはま氏による、近年の製造サイドの事情とゲームの作り方についての解説が行われた。ボードゲームの印刷や製造についての話はあまり情報が出てこないため、特にクリエイターにとって貴重な話だったのではないだろうか。

▲JELLY JELLY CAFEの運営に加え、自身も数々のゲームを世に送り出している白坂翔氏

トークショーでは、白坂氏が聞き手となり、山崎氏がゲーム製造についてのノウハウや注意点を語った。

山崎氏によれば、コロナ禍の状況でもゲーム製造の数は減らず、明けてさらに増加しているとのこと。製造者の視点から見て、この時期に従来の4人ぐらいでプレイするゲームに加えて特に2人用のゲームの需要が高まってきたと感じたそうだ。

さらに、山崎氏は“売れるゲーム”の特徴として、コンポーネントの充実を挙げた。日本のデザイナーは原価を下げるためにコンポーネントを削りがちだが、それでは出来上がったゲームの見た目がどれも同じようなものになってしまう。たくさんのゲームが作られて世に送り出される昨今では、コストと価格が上がっても木駒や厚紙を使ったトークンなど見た目で差を付けるべきではないか、とのこと。また、人気のデザイナーの共通点として「きちんとゲームを(定期的に)作ってリリースしている」とも話した。

▲昨年7月よりJELLY JELLY PRINTによるゲームの製造事業が開始された。中国の工場との取引を現場で担う山崎氏

ゲームを作る際の数については、少数ロットでは原価が跳ね上がり、さらに海外発注が難しくなる。1000個を基本として多くなるほど原価が下がるそうで、利益を出したいのなら最低でも500個ぐらいから考えるべき、とのことだ。

もちろん製造数については在庫を抱えるリスクもあるため完全な正解はない。コンポーネントやコストも含め、すべてはケースバイケースとなる。数多く出版を手掛けてきた山崎氏にはゲーム製造についてのノウハウがあるため、「まずは相談してほしい」と語った。

SPIEL ESSEN 2023がどんなイベントなのか振り返り

協力:Japon Brand
出席者:健部伸明(Japon Brand)、佐藤雄介(新ボードゲーム党)、カナイセイジ(カナイ製作所)

本場ドイツのボードゲームイベント“SPIEL ESSEN 2023”参加者による振り返り

▲左より健部伸明氏、カナイセイジ氏、佐藤雄介氏

前回の「CONNECT」で行われた「世界に広がる日本のボードゲーム」と同じメンバーによる“SPIEL ESSEN 2023”の話題。ちなみに、かつての“ESSEN SPIEL”が“SPIEL ESSEN”になったのは、運営が変わった際に変更されたとのこと。

トークショーでは、“SPIEL ESSEN 2023”に出展者として参加した健部伸明氏と佐藤雄介氏が、現地で撮影した写真を見ながらイベントの感想を語った。カナイ氏は“SPIEL ESSEN 2023”には不参加だったが、気になっていたゲームや出展について参加者のふたりに質問した。

健部氏の軽妙な語りによる進行と、旧知の3名による和気あいあいとしたトークで楽しい時間となった。

団体としてのアナログゲームミュージアムの紹介

協力:アナログゲームミュージアム
出席者:草場純(アナログゲームミュージアム代表理事)、上総観久、伊藤稔

アナログゲームミュージアムの活動について

▲左より草場純氏、伊藤稔氏、上総観久氏

昨年5月のゲームマーケット2023春にて設立宣言が行われた“アナログゲームミュージアム”。代表理事である草場純氏、スタッフの伊藤稔氏、会員の上総観久氏が、アナログゲームミュージアムの理念と活動内容を説明した。

現在では、ゲームマーケットに出展される作品を中心にアナログゲームをナンバリングし、カタログデータ化を進める作業を主としている。また、次回ゲームマーケットで発行する会報にて大きな発表があるそうだ。

アナログゲームミュージアムを支え、共に活動していく会員も募集中とのこと。アナログゲームミュージアムについては、ゲームマーケット2023春で草場氏に詳しく話をお聞きしている。会員の登録方法なども紹介しているので、ぜひ以下の記事を参照してほしい。

【ゲムマ2023春】設立宣言が行われた“ゲームの博物館”アナログゲームミュージアムとは何か? 代表理事の草場純氏大いに語る!


第2回となった「CONNECT」。今回は企業の大規模出展がなく、一般出展のみということで少し縮小した形になったが、TRPG体験ブースをはじめ試遊についてはなかなかの盛り上がりを見せていた。

ゲームマーケットが肥大化する一方で、出展者と一般参加者の距離が近く、きちんとした形での試遊も行える小規模の即売会というものは貴重で価値があるものだと感じた。今回行かなかった人も、ぜひ9月に開催される第3回「CONNECT」を訪れてみてほしい。