【ゲムマ2024春】“緑の人”登場のトークショーや恒例化した人気企画まで~ゲムマを大いに盛り上げたイベントを再チェック!【特別企画編】

ゲームマーケットでは、会場内に特設スペースが設置され、数々のイベントや特別企画が開催・実施される。今回は、ゲームマーケット2024春で行われた特別企画をいくつか振り返ってみよう。

※以下、イベント名の前の【特設〇〇】は会場内での配置番号を記載。

【特設01】スペシャルステージ

今回は会場内東3ホールの端にステージと客席が設置され、トークショーなどのイベントが開催された。4月27日(土)のイベントを中心に紹介する。

TRPG落語<出演:三遊亭楽天>


3度目の開催となり、リピーターも増えてきた三遊亭楽天師匠のTRPG落語の口演。古典落語のアナログゲーム版『死ぬなら今 〜ゲムマver.〜』や、ネタ下ろしとなる新作のTRPG落語『アイテム根問 〜武器〜』など、今回も巧みにアナログゲームのエピソードを織り交ぜた軽妙な噺を披露。懐かしのネタも多く、古くからのTRPGプレイヤーにとっては感慨深い話題も。

Frieseに聞く!「ボードゲームのデザインとは?」

『電力会社』や『5本のきゅうり』といった名作の数々を送り出してきたドイツのゲームデザイナー、フリードマン・フリーゼ氏によるトークショー。デザイン哲学や独日のアナログゲームシーン、そしてゲームマーケットの印象について語った。熱狂的なファンが多い氏を生で見られるとあって、ステージ周辺には人だかりが。


ゲームのボックスカラーから自身の髪色にいたるまで、ひたすら緑! “緑の人”として知られるフリーゼ氏。氏のファッションに合わせて緑一色の服を着たファンも何人か見受けられ、質問を募集した際の希望者は緑の服を着た人ばかりに。「日本に来て、気に入った緑のものは何ですか?」という質問に対しての氏の返答は「マッチャ!」


氏は土日の両日に渡り、熱心に会場内を見て回っていた(フリーゼ氏「これほどゲームのメーカー(サークル)がたくさんあるということに驚いた」とのこと)。その派手な髪色とファッションからどこにいても目立ちまくり、ひっきりなしに写真の撮影やサインを求められていたが、そのすべてに丁寧に対応していたのが印象的だった。そのため、土日のXには氏とツーショットで記念撮影した写真があふれ返ることに。

マーダーミステリーゲームマーケット2024スペシャルトークショウ

会場内にも大規模なブースが設置され、ますます盛り上がりを見せているマーダーミステリーにスポットをあてたトークショーが行われた。まず前半は、プロデュース側としてグループSNEの安田均氏をはじめとするデザイナー・クリエイター陣が登壇。ゲームのシステムや日本でのマーダーミステリーの成り立ちを解説した。


後半は登壇者を入れ替え、自身が被害者となる(!)マーダーミステリー『堀江貴文殺人事件』を発表して今回のゲームマーケットで販売した実業家の堀江貴文氏らが登場。マーダーミステリーとの出会いやその楽しさを、プレイヤー視点から語った。

28日(日)のステージイベント
ゲームマーケット二日目(28日)には、以下のイベントが開催された。いずれもボードゲームのアートワークやイラストにスポットを当てた、興味深い話を聞くことができた。
・Dutraitに聞く!「ボードゲームのアートワークとは?」
・ボードゲームに関わる疑問を解決!ゲムマ座談会2

【特設04】ドラマチック謎解きゲーム アニマル・リ・リドル


会場内に隠された謎を探し、解き明かしていく体験型のゲームが開催されていた。受付は東1ホール、午後入場口のすぐ近くにあった。制作と当日のスタッフは、謎解きの企画制作を行うよだかのレコードが担当した。

当日の会場内には、あちこちにアニマル・リ・リドルの謎が隠されており、謎解きを楽しむプレイヤーたちの姿が見受けられた。

【特設05】マーダーミステリーブース


東1ホール端には、マーダーミステリーブースが設置されており、マーダーミステリーのゲームが集められていた。ブース内はマーダーミステリーのファンや興味を持つ人によって賑わっており、マーダーミステリーの勢いを感じさせた。27日(土)スペシャルステージにてトークショーに参加した堀江貴文氏のマーダーミステリー『堀江貴文殺人事件』も販売されていた。

【特設06】現場検証ゲーム 乃々果


マーダーミステリーブースの企画の一環として行われた“現場検証ゲーム”。開催は2022秋以来2度目となる。参加プレイヤーは専用のゲームシートとスマートフォンのLINEアプリを使いながら殺人事件の捜査を行う。特設ブース内には、絞殺された女性“乃々果”の部屋が再現されていた。

【特設07】本当に面白いユーロゲームの世界


大好評のユーロゲーム体験ブースが今回も登場。『ドーフロマンティック』『カタンジュニア』といったヨーロッパ産のボードゲームがプレイできた。家族連れを中心に試遊卓が埋まり、連日の大にぎわい。ブース内では『本当に面白いボードゲームの世界』最新号の先行発売も行われた。


今回は出展がなかったテンデイズゲームズだが、店長の田中氏はこのブースでインスト・解説スタッフとして大活躍!

【特設08】ROLL&ROLL TRPGギルド

TRPG誌『ROLL&ROLL』および『セッションデイズ』によるTRPG体験コーナー。ブース内にはTRPGのルールブックや関連書籍が販売されたほか、寄せ書き用のホワイトボードが設置され、ファンの熱い声が集まった。


『クトゥルフ神話TRPG』などのショートシナリオがプレイできる試遊ブースも用意。午後にはほとんどの席が埋まる盛況ぶりだった。

【特設10】ビッグゲームパーク

28日限定の特設ブースとして、ビッグサイズのゲームや、各メーカーが展示・試遊用に作った大型サンプルを集めてプレイできるようにした“ビッグゲームパーク”が初登場。『キャプテン・リノ:巨大版』『ぐらぐらケーキタワー』、秋発売予定の新作『キャットと塔』などの巨大なゲームを楽しむことができた。

【特設11】DUELBOY POCKET(デュエルボーイポケット)


通算4度目となる“スタンディングカードゲーム”『DUELBOY POCKET(デュエルボーイポケット)』バトルデイの開催。2024春では前回開催時のバージョンに新種族が加わり、13種の新カードが追加された。バトルフィールドは館内東2ホール・1ホールのあいだの柱付近に設置され、多くのプレイヤーが対戦相手を求めて集結。スタンディングバトルに興じた。


今回も『デュエルボーイポケット』デザイナーの上杉氏がバトルフィールドに出現! ファンと熱いバトルを繰り広げた。

また、前回も行われた試みである“クリエイターが手書きで作成したプロモカード”の規模が大幅に拡大。数多くのサークルのデザイナー、イラストレーターが参加してユニークなカードが次々に現れた。

フードコーナー

コロナ禍で中止されていたフードコーナーが復活! さまざまな種類の全7店舗の屋台が並び、多くの人でにぎわった。海外からの客の姿も目立っていた。

フリープレイスペース

28日限定の特設ブース。誰でも無料で利用可能で、会場内で買ったゲームをすぐに楽しむことができるフリープレイスペースが設けられた。

チャック横丁

前回から引き続き設置された“チャック横丁”。凝ったコンポーネントではなく、チャック袋に収められた低コストで作れるゲームを販売するというコンセプトのサークルが配置されている。著名デザイナーも参加しており、開場してすぐに売り切れになるサークルもあった。

ワールドブース

ユーロ圏以外の海外メーカーがゲームマーケットに登場。東3ホールのエリアブースのうち、“W”のコードで全5社・団体が出展していた。今後日本語版の発売が予想される話題作の展示や販売もあり、試遊も盛況。注目タイトルをいちはやく見つけて購入した目利きのゲーマーもいた。


今回のゲームマーケットの特設ブースは、“ビッグゲームパーク”や“フリープレイスペース”などが登場。すでに何回か開催されている『デュエルボーイポケット』バトルフィールドや“本当に面白いユーロゲームの世界”“ROLL&ROLL TRPGギルド”、“ドラマチック謎解きゲーム”“現場検証ゲーム”など、来場したプレイヤーが参加して“遊べる”体験型の企画が増えてきたと感じた。

ゲームマーケットは即売会として発展してきたイベントではあるが、会場を訪れたさまざまな人がゲームを購入するだけでなく、アナログゲームを通じて多種多様の楽しい体験ができる場にしていこうという運営サイドの意図を感じる。今後のゲームマーケット中に開催されるイベントや、新たに打ち出される施策を楽しみにしていきたい。