リメイクされる映画って沢山ありますよね。過去のいろんな作品の中からわざわざ選んで作り直すんだから、見る側としては面白いんだろうと期待してしまいます。
さて、リメイクの意味はご存知ですか?
英語で表記すると「remake」なので直訳すると(re)再び(make)作るとなります。リメイクという言葉がよく使われるのは映画やゲームや洋服などのジャンルで、過去にあったものと同じ物を再び作るという意味よりは、新しいアイデアを入れて一から作り変えるという意味あいが強いようです。
と言う訳でリメイクされたボードゲームを調べてみました。ただ単に作り直したゲームじゃなく、新しいアイデアを入れて一から作り変えたリメイクのボードゲームに絞って。
「ニューヨークスライスピザ」
丸い1枚のピザを人数分に切り分けてピザを集めるゲーム。同じ味のピザを最も集めた人だけが加点になるので、どう切り分ければ自分が得するのか、もしくは他人がどれだけ困るのかを悩みに悩んで頭がパンクする感じが楽しいんですよね。ピザを切り分けた人が一番最後に残ったものを取るというルールが効いててホント悩ましいゲームです。
リメイク元は「もっとホイップを」でケーキの切り分けがテーマ。甘い物からしょっぱい物に変更されただけで大したリメイクじゃないかと思いきや、マイナス点になるアンチョビが乗ってたり、特殊効果のあるメニューカードなどの追加要素も。シンプルな切り分けのケーキが好きか、いろいろと派手なピザが好きかは好みが分かれそう。箱が本当の宅配ピザみたいで遊び心があるし、新要素を付け加えてあってリメイクってこういう事だよなぁと思わせる作品。
「フランチャイズ」
アメリカのいろんな都市にお店をオープンさせて一大フランチャイズを作るエリアマジョリティー。店舗が増えれば収入も増えるけど、得点化すると店舗が減ってしまうので常にタイミングを迫られる悩ましいとなっています。
久し振りに胡椒袋を立ててみました。五人。@魚津平日会 pic.twitter.com/rotGEzte1X
— ysk (@mmysk) March 25, 2014
リメイク元は「胡椒袋」になります。都市と都市を繋ぐ道路の価格が細かく、とにかくボードが見にくい!せっかく面白いのにイライラしちゃうんですよね。その辺をポップなアートデザインに変更して、お金も分かりやすくザックリさせたので遊びやすくなっています。ボーナスタイルの追加も争いの激しくなってリメイクらしいリメイクの1つではないでしょうか。
「インパクト」
サイコロを箱の中に投げ入れて出来るだけ同じ目を出すアクションゲーム。サイコロを使ったメンコのような伝統の遊びみたいな単純さ。シンプルなのに飽きずに何度も遊びたくなってしまうのはサイコロの魔力でしょうか。サイコロの出目によって様々な能力が発動されるので他人への影響もあったりしてプレイヤーが多いとより盛り上がります。
リメイク元は「ストライク」で、特殊能力が無い単純なサイコロ投げ入れゲームです。本当に単純な内容で十分面白いけど派手さをプラスしたのが「インパクト」って訳です。正統派なリメイク作品と言えるでしょうね。
「シャドウレイダーズ」
仲間を見つけ出して敵チームを全滅させる正体隠匿ゲーム。人狼とは違って正体がバレてからが本番で、サイコロの出目に一喜一憂出来るのも楽しいですね。
シャドウハンターズ!( ^ω^ )殺し殺され! #ゆるボドゲ pic.twitter.com/2c2LtKUJJv
— だてあずみ。(Azumi Date) (@date_co_pzg) May 25, 2016
『シャドウレイダーズ』と『シャドウハンターズ』の箱サイズ比較。かなりコンパクトになってます。#ボードゲーム pic.twitter.com/v1gy1sKAgQ
— どピンクダガー@ギャンパラなにわ支部長 (@pinkdagger666) May 11, 2018
リメイク元は「シャドウハンターズ」で日本のゲームです。訳あって入手超困難でしたが2018年にリメイク。イラストがポップに変更されたり、キャラクターの名称が違ってたり、アイテムの効果が変更されたり等々、細かい違いはあるもののルールはほぼ一緒。大きな違いは何と言っても箱が小さくなったことですね。持ち運びの点でこれ以上便利な変更はないでしょ。これもリメイクのアイデアの1つ。
「ハン」
中国王朝を舞台に家と公使コマを置いていくエリアマジョリティー。リメイクの大元は「王と枢機卿」です。漢字が苦手な人の為に読み方は、おうとすうききょう。
『王と枢機卿』初 3人戦
3人ベストというのがよく分かる切れ味鋭い緊張感。
3枚の手札から選び、同色の地域に修道院か枢機卿を置く。置き方や得点計算のルールは少しあるけど本当にシンプル。たったこれだけのルールでよくぞこのジレンマ。スキッと終わって何回でも遊びたい。傑作を越えた芸術。凄い! pic.twitter.com/34vRBkYUhE— ヲサム (@kwosa) September 1, 2018
やれる事は少なくシンプルな行動しかないのに何故ここまで面白いのかという感想を抱く傑作ボードゲーム。ヨーロッパが舞台になっています。それを中国に置き換えたのが「チャイナ」です。
夜のゲーム会終わり
チャイナをかなり真面目にやったら疲れた
でもやっぱりいいゲームだと思う
シャハトさんの作ったゲームは全部好き pic.twitter.com/KD1u3u8PS5— shu@豊橋ボードゲーム会 (@shuheijj) November 23, 2016
マップが違うだけじゃなく得点計算の回数を減らして、要塞ルールを追加したのが新たなアイデア。ボードは「王と枢機卿」の方が絡みあってて面白いけど「チャイナ」の方は繋がってる地域が見やすいというメリットがあるかなと。そして「チャイナ」に新たな港ルールなどを付け加えたのが「ハン」なんです。だからリメイクのリメイク。
「ウミガメの島」
サイコロを振ってウミガメを島一周させたら産卵。その卵の数を競うすごろくゲーム。サイコロを1個ずつ振って、サイコロの出目の合計数にサイコロの個数を掛けた数だけ進めるけど、出目の合計が8以上だとスタート地点まで戻されるというのが良く出来たルール。そして他の人と同じマスに入ると上に乗るのでウミガメが重なって進む姿も可愛くて盛り上がりますよね。
このゲームのリメイクはパターンがちょっと違うんです。「ウミガメの島」の元のゲームは「冷たい料理の熱い戦い」です。テーブルをグルッと回ってグルメ皿を集めるテーマになっています。
お次は『冷たい料理の熱い戦い』!
ダイスの目の合計×ダイスの個数というシンプルなルールながらメチャメチャ熱い!絶版により入手困難ゲー。 pic.twitter.com/wZM9Q8S3— kano (@kanoy240) October 14, 2011
ウミガメの島とルールに違いは無いけど、プレイ人数が6人。ウミガメの島の方が最大プレイ人数が多いので、より重なる可能性が高くて大騒ぎになりやすいんですね。
実はこの「冷たい料理の熱い戦い」もリメイク作品。これの元は「GENERALOWSKY」です。ロシアを舞台に軍人となって勲章を集めるテーマになっています。
『冷たいロシアの熱い戦い』こと『GENERALOWSKY』買った。冷たい料理〜と全く同じルールってわけではなく、バーストするとチップが溜まっていったりするのでこの辺はむしろ『Push Over』と同じ。何度シベリア送りにされてもめげずに勲章を狙うロシア軍人のゲーム。 pic.twitter.com/nJumDkbl5g
— kkd (@telefone529) August 11, 2017
サイコロの目の合計が8を超えしまった時にチップがドンドン貯まっていくというルールがあります。しかも特殊サイコロがあったり、ルーレット版が存在したり。
そしてこの「GENERALOWSKY」もリメイク作品でして、その大元は「カンガルー」になります。
「冷たい料理の熱い戦い(1990)」と、その元ネタの「カンガルー(1974)」 pic.twitter.com/yLBInEAklJ
— ハイライフ@V9G6GuP5 (@high_life_BSW) September 1, 2017
カンガルーになって一周してすると得点カード獲得。ピョンピョン跳ねながら進むのがカンガルーっぽいからこのタイトルだったんでしょうかね。順番としては「カンガルー」→「GENERALOWSKY」→「冷たい料理の熱い戦い」→「ウミガメの島」ですね。ルール自体良く出来ているので大きな変更は無いけど、リメイクの度に新たなアイデアが加わってますよね。ってかリメイクされ過ぎ。
こうして並べてみると、リメイクされてるボードゲームって面白さが保証されてるのかも知れませんね。特に何度もリメイクされてるのは安定して楽しめるし、安心して人に勧められる。
映画のリメイクは首を傾げる事もあるけど、ボードゲームのリメイクは安心安全って事で。