ボードゲームというと4~5人で卓を囲んで……というイメージを持つ人が多いかと思いますが、日本国内の販売数でみると2人専用のゲームがたくさん売れているということをご存知でしょうか。
事実、ボードゲームショップのJELLY JELLY STORE 池袋店(@jelly2store)がX上で発表しているボードゲーム販売ランキングの上位には、ほぼ毎週のように2人専用ゲームがランクインしているのです。
今回は、2人専用ゲームのなかから特にプレイ感が軽く、サクッと楽しめる定番のオススメのタイトルを8つほどご紹介しましょう。
なお、2人専用ゲームの記事はもうひとつ! ガッツリと本格的に楽しむものを8本紹介している記事もあるので、あわせてチェックしてみてほしい。
※五十音順に紹介しています。
ガイスター
オバケ軍団同士の対決! 駆け引きと読み合いで戦う2人用ゲームの定番タイトル
8×8の盤を用い、お互い8個のオバケコマを持って戦うアブストラクト(運要素がないガチ対戦型)のゲームです。デザイナーは“最初のゲーム考案者”アレックス・ランドルフ。
プレイヤーはお互いの手番に幽霊コマのどれかを前後左右に1マス動かすことができます。自分のオバケが相手のオバケと同じマスに入ると、相手のコマを除外できます。オバケコマの8つのうち4つは背中に青い印が付いている“よいオバケ”で、相手の“よいオバケ”を全部取ると勝利。ただし、同じく4つある赤い印の“悪いオバケ”を4つ取ってしまうと相手の勝利になります。勝利する方法はもうひとつあり、相手陣内のいちばん奥の角のマスにある出口から自分の“よいオバケ”のコマを脱出させても勝ちです。
ルールはこれだけ。相手が進めてきたコマが“よいオバケ”なのか“悪いオバケ”なのか。“よいオバケ”なら角から脱出されると負けなので除外しないといけませんが、“悪いオバケ”を4つ取らされても負けになる。ここに読み合いと駆け引きが生まれます。
シンプルなルールながらも心理戦の要素がギュッと詰まっており、ボードゲーム初心者のひとも楽しめることうけあい。2人用としては鉄板ともいえるタイトルで、最初にオススメするゲームとしても適しています。
ところで、西洋風のオバケというと頭からシーツを被ったものが定番で、『ガイスター』以外にも『ヒューゴ』や『おばけキャッチ』など、ボードゲームにもたくさん登場しますね。日本の幽霊と比べるとどことなくユーモラスな姿にも思えますが、欧州の子供たちはこのオバケを怖がっているのでしょうか?
【ガイスター】
読みあいが熱い将棋ライクなゲーム。
赤と青のオバケがコマで、自分の青をゴールに到達させるか、赤を相手に全部取らせると勝ち。
効き筋(1マスしか動けないが)の意識や、防衛線構築が割と大事かも。#ボドゲ #ガイスター pic.twitter.com/M2rQtc60RN— 七隈のボドゲ会の人 (@Sanadian_BGTRPG) July 22, 2024
【ガイスター 概要】
メーカー:メビウスゲームズ
プレイ人数:2人
対象年齢:8歳~
プレイ時間:~30分
クアルト
4種類のコマを使う4目並べ! 相手の狙いを読み切って追い込んでいく
4×4の盤に4種類のコマを交互に置いていき、縦・横・斜めに同じ種類のコマを4つ並べると勝利するという配置型のゲームです。
コマは“色(白と黒)”“高さ(高と低)”“形(丸と四角)”“穴の有無”の4つの要素があり、その組み合わせの全16個。このうちどれかの要素を揃え、4つ並べて「クアルト!」と宣言すれば勝ちです。ただし、自分が手番に置くコマは、相手が選びます。これがこのゲームの最大のポイントで、要は相手を「勝たせない」コマを渡せばいいのですが、意外な見落としがあってあっさり負けてしまったり、逆に予想もしていなかった勝ち筋が突然現れることも……。なお、出来上がった4目を見落としていた場合、先に確認して「クアルト」と宣言した側が勝利します。
盤面をよく見ながら攻撃と防御をバランス良く行っていくのがコツで、相手の狙いを読み切って妨害しつつ、自分の手を進めていかなければなりません。最終的には“確定勝ち”の状況を作って相手を追い込んでいくような戦い方になるでしょう。
『ガイスター』と同じくクラシカルなアブストラクトですが、シンプルだからこそ誰でもプレイできますし、飽きずに何度も遊べます。おしゃれなコンポーネントも特長で、ダウンサイジングして持ち運びに便利な『クアルトmini』もあります。
【ゲーム紹介】「クアルト」…いろんな成立条件がある四目ならべ。集中して考える面白さと、うっかり感にしてやられる楽しさとがあるゲームです。https://t.co/ZpCDkcQDkA pic.twitter.com/xFHYRGCK8Z
— 小野法師丸(さいころテーブル) (@ono_houshimaru) February 25, 2018
【クアルト 概要】
メーカー:キャストジャパン
プレイ人数:2人
対象年齢:6歳~
プレイ時間:~30分
ゴブレットゴブラーズ
小さなコマは大きなコマを被せて消してしまおう! 大中小のコマを使った変則3目並べ
柵によって区切られた3×3のスペースに、大中小3種類のコマを交互に置いたり動かしたりして、自分の色のコマを縦・横・斜めに3つ並べた方が勝つ配置タイプのアブストラクト。プレイヤーの手持ちのコマは、大中小それぞれ2個ずつの計6個です。
このゲームの最大の特徴は、いったん置いたコマを前後左右に動かせることと、小さなコマをより大きなコマで被せてしまえる点です。なお、小さなコマを下に被せた大きなコマを動かす場合、下のコマはその場に残ります。自分の小さなコマを大きなコマで被せることもできるので、移動のアクションと組み合わせると戦略の幅が広がります(移動した大きいコマの下から相手のコマが出てきて負け、なんてことも起こるのですが……)。
簡単なルールとかわいいコンポーネントのキッズ向けタイトルですが、一筋縄ではいかない変則的な3目並べで、1プレイの時間が非常に短いため何度でもやってしまう魔力を持ったゲームです。なお、すごろくやのサイトでは、同作のスマホアプリ版も紹介されています。
ゴブレットゴブラーズアプリ(すごろくやサイトより)
https://sugorokuya.jp/c/gobblers-app
【ゴブレットゴブラーズ】
「松っちゃんがやってたヤツ」で有名な三目並べ
インスト1分、二人用なのでスキマ時間に最適、三目並べより面白いぞ pic.twitter.com/whCjd8S0du— ボドロー (@bodoro_459) January 20, 2019
【ゴブレットゴブラーズ 概要】
メーカー:すごろくや
プレイ人数:2人
対象年齢:5歳~
プレイ時間:約5分
コリドール
壁を置いて邪魔をしつつゴールを目指す! フランス発のアブストラクト
9×9のマスに区切られた盤上で自分のコマを進め、最奥の列を目指すアブストラクト。プレイヤーは自分のコマに加えて2マスぶんの幅を持つ10枚の壁を持ち、自分の手番でコマを上下左右に1マス動かすか、どこかのマスとマスのあいだに壁を設置します。壁は移動を遮るので、相手の進行を制限することができます。
相手がゴールに至る進路を完全に無くすような壁の配置は禁止。自分のコマの進路を確保しつつ、壁を使って相手のルートを遠回りにしていくのがコツとなります。
シンプルながらシビアな論理的思考が求められるゲームで、数手先の展開を読み合いながらの戦いになります。持ち運び用の『コリドール・mini』、キッズ向けに簡素化してコンポーネントを一新した『コリドール・キッズ』『コリドール・ジュニア』、そしてビデオゲームとコラボレーションした『コリドール・パックマン』など、バリエーションも豊富です。
他にも色々質疑応答しました。
すぐに遊べるオススメゲーとして、買ってきたばかりのコリドールをインスト。
そして始まる父親VS父親の親友のガチバトル。
どハマりしていく二人…。
3回遊んだところで私は外出しましたが、その後も帰るまで2時間くらい遊び続けていたらしいwww
ボドゲ布教成功(^^)v pic.twitter.com/CQ83YWv4H1— まむ【お邪魔の魔女】 (@mam_bgg) January 1, 2018
【コリドール 概要】
メーカー:キャストジャパン
プレイ人数:2人
対象年齢:6歳~
プレイ時間:~30分
コードネーム:デュエット
協力型連想ゲームの2人用版! ヒントをもとに該当するワードカードを指定
並べられた25枚のワードカードのうち、指定されたカードを15枚ほど相方と一緒に選び出していく協力ゲームです。
プレイヤーはヒントを出す役とカードを選ぶ役を交互に担当し、キーカードによって指定された位置にある正解のワードカードを選び出してもらいます。その際に、エージェントカードに記載されたワードを連想できるような一言ヒントを出して相方を導くのですが、意思の疎通がうまくいかないと間違ったカードを選択されてしまったり、選ぶことによって即失敗となる暗殺者カードを選んだりしてしまうことも……。
キーカードは両面印刷となっており、向かい合ったプレイヤーごとによって指定カードが違っています。一方のプレイヤーにとって正解のカードでも、もう一方のプレイヤーから見ると暗殺者ということもあるため、ミスリードを誘うような言葉を避けながら相手に正しいワードを連想してもらえるヒントを出さなければなりません。
ヒントを出す回数には制限があり、全部で9回まで。ふたりで合計15枚の正解のカードを選ばないといけないので、1回のヒントで複数枚の正解を何回か出さないと失敗になってしまいます。お互いの意思の疎通と理解、息が合っているかどうかが問われる一方で、うまくいったときは爽快な気分を味わえることでしょう。
ふたりで遊べる協力型のワードゲームというユニークなテーマのタイトルで、本家『コードネーム』と組み合わせて楽しむこともできます。
#コードネーム 遊びたい気持ち高まり過ぎて二人用のコードネームデュエット買った!すっごい楽しい!こーじゅは欲張らずに2枚ずつ着実にヒント出して3回中2回パーフェクト(*´▽`*)わじゅろのヒントわかりにくい…(TдT)何度も遊びたくなるよー!夫婦やカップルで遊ぶのすごくオススメ! #ボードゲーム pic.twitter.com/gRKufGxXr2
— 寝落ちのこι¹¹¹ゅ郎 (@kokonjupotato) September 6, 2023
【コードネーム:デュエット 概要】
メーカー:ホビージャパン
プレイ人数:2~11人
対象年齢:11歳~
プレイ時間:~30分
ツィクスト
60年を超えてプレイされ続ける傑作! コマとコマを繋いで線を伸ばしていく対戦ゲーム
24×24の穴が開いたボードを用い、交互にペグ(クイ型のコマ)を穴に挿していくアブストラクト。ペグ同士を連結しながら線を伸ばしていき、ボードの端から端までを繋げると勝利です。
自分のペグは、一歩進んだところからさらに斜め方向にあるペグと線で繋ぐことができます(いわゆる“桂馬飛び”の位置です)。ただ自分の線を伸ばしていくだけでなく、相手の連結を邪魔するような位置にペグを置いたり、線を伸ばして遮ったりするなど、妨害上等のシビアな戦いが展開します。
初版発売は1962年と歴史が古いゲームで、『ガイスター』と同じくアレックス・ランドルフ作。販売元のジーピーのサイトには、紙ペンゲーム化したツィクストのプレイシートが公開されています。これだけでプレイできるので、興味がある方はぜひダウンロードして印刷し、遊んでみてください。
ツィクストプリント(ジーピーのサイトより)※PDFファイル
http://www.gp-inc.jp/assets/twixt/draw_twixt.pdf
アフターでツィクストってボドゲやりまくってた!橋渡しするゲーム。
これ面白い〜! pic.twitter.com/koQKkh0fTX— JUN@フレア (@jun_flare) September 18, 2023
【ツィクスト 概要】
メーカー:ジーピー
プレイ人数:2人
対象年齢:8歳~
プレイ時間:30~60分
バトルライン
ポーカーの役で陣取り勝負! 取捨選択と決断のガチンコ対決
一列に並んだ7つのフラッグを取り合う陣取りカードゲーム。1~10の6色のカードを場に出して役を作って相手と比べ、より強い役のほうがフラッグを取ります。先に5つのフラッグを取るか、隣り合った3つのフラッグを連続して取ったほうが勝利します。
手番に1枚カードを場に出し、1枚補充。これを交互に繰り返します。場に出したカードは3枚出した時点で役(ゲームでは“陣形”)ができます。役はポーカーでいうところのストレートであったり、フラッシュ、ストレートフラッシュなどで、“スカーミッシャー”や“ファランクス”など、それぞれ陣形の名で呼びます。どの役を作るかは手札にもよりますが、必要なカードを相手が持っている可能性もあるため、場に出していくカードの選択は悩みどころ。どうしても役が作れないような手札だった場合は「捨てる」列を作って不要なカードを出していき、ブタ役にしてしまうという手もアリ。
プレイヤーは状況次第でどの列のフラッグを取るか、そしてどの列のフラッグを捨てるかを決めなくてはなりません。決断は難しく、常にジレンマとの戦いです。また、選択ルールとして特殊効果を持つ“戦術カード”も用意されており、好きな色・数字のカードとして使えたり、場に出したカードを1枚、別の陣地に移動できたりするなど、その効果はさまざま。うまく使うことで大きく戦況を変えることができます。
デザイナーは数々の作品をリリースしてきたライナー・クニツィア。2人用としては古典の域にあるゲームですが、いまだ愛され続けている傑作です。
バトルライン
カード配置で役を作って旗を奪い合う2人専用ゲーム。手番では9列ある自分のエリアのどこかにカードを1枚配置して共通の山札から1枚補充する。合計3枚で役を作り、相手より強い役が完成できれば旗を確保する。最終的に合計5つの旗か、3つ連続で並んだ旗を確保できれば勝利。クニツィア作。 pic.twitter.com/Mmbl9I3tN7— takahashi (@bdglururu) June 21, 2022
【バトルライン 概要】
メーカー:クロノノーツゲーム
プレイ人数:2人
対象年齢:8歳~
プレイ時間:30~60分
はらぺこバハムート
わずか16枚のカードでデュエル! 強力な効果を活かして戦うバトル
自分の手番でカードを1枚引き、2枚までを使用して相手のライフを先にゼロにしたほうが勝利するカードバトルです。
カードは全部で16枚のみ。相手にダメージを与えるまものカード“はらぺこバハムート”をはじめ、相手の手札を1枚捨てる“あくまの吹き矢”、山札から好きなカードを手札にできる“ようせいのメガネ”、相手カードの効果を打ち消すアイテムを獲得する“魔女のおとどけもの”などさまざま。16枚すべて効果が違うため、手札だけでなく、どのカードが使われたか、何が山札に残っているかを頭に入れながらのプレイとなります。カードの効果はどれも強力で、手番ごとに逆転、また逆転の熱い展開が続きます。
簡単なルールと飽きがこないシステムで、プレイ時間は10分程度。極限までコンポーネントを削り、たった16枚のカードしか使わないにも関わらず高い戦略性と奥深さがあり、手軽に駆け引きの妙が味わえるゲームです。価格も安く、気軽に購入・プレイできるのもよいところ。ポケモンカードや遊戯王カードなどのTCG経験のあるお子さんを誘ってプレイするゲームとしてもオススメです。
これが私の「はらぺこバハムート」!バハムートを召喚したい僕たち私たち!自分の番でカードを1枚引いて2枚までプレイするだけ相手のライフをゼロにしたら勝ち! ラブレターのようなお手軽感カード効果を打ち消すことができる打ち消しの書がいい駆け引きを生み出してる味ついてて美味しいです面白い! pic.twitter.com/i5sGpuYSXV
— やぎのの幸せな日常 (@Hai_yagi) October 6, 2021
【はらぺこバハムート 概要】
メーカー:JELLY JELLY GAMES
プレイ人数:2人
対象年齢:10歳~
プレイ時間:~30分
2人はゲームを複数人で遊ぶにあたって最小の人数ですが、友人だけでなく親子やパートナー同士など、さまざまな関係性の組み合わせがあり、集まりやすく、もっとも遊びやすい人数でもあります。ちょっとしたスキマ時間であったり、多人数のゲーム会の手すきのタイミングなど2人専用ゲームの出番があることも考えられるので、持っておくと重宝することが多いでしょう。
今回ご紹介した2人専用ゲームは、シンプルでルールが簡単、プレイ時間が短めのタイトルです。どれも熱中度が高いため、何度も繰り返しプレイしてしまうはず。ぜひ誰かを誘って遊んでみてください。
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