ChatGPT(チャットGPT)が話題です。
アメリカのOpenAI社が開発した人工知能技術を使ったチャットサービス、それがChatGPTです。2022年11月に公開されるとすぐに話題となり、2023年に入るとマイクロソフト社が出資を発表してさらに注目されることになりました。2023月3月には新バージョンが有料版で公開され、それをきっかけに様々なメディアで取り上げられる機会が増えたかなぁという印象ですね。
ChatGPTに何かの質問を投げかけると、たった数秒で答えを文章にして出してくれるという優れもの。こんな簡単にテキストを作ってくれるなら、このBROADのような情報サイトは文章を書くライターが不要になるかも……!?
アカウントを作成すれば誰でも無料で利用可能なサービスです。英語のサイトですが、日本語でチャットが出来るので日本語の文章で返事してくれます。気になる方はChatGPTのサイトからご利用下さい。四角で囲まれた「Try ChatGPT」をクリックして「Sign up」からアカウントを作ることが出来ます。
今後ChatGPTはいろんな方面で大活躍となりそうな予感ですが、ChatGPTが書き上げた文章の中身がホントかウソか分からないという真偽不明なところが問題点のようです。今のところ、地方自治体でも意見が分かれていて積極的に導入しようとしてる役所もあれば断固拒否という役所もあって、大学でも扱いの是非が注目されている真っ最中。最新技術に対する人間の反応もなかなか面白いですね。
という訳で、ChatGPTに簡単なボードゲームのルールを説明してもらう実験をしてみました。そんなに問題になる程、間違った文章を書き上げてしまうAIなんでしょうか?
ザックリとしたルール説明の後に、ChatGPTによるルール説明を黒い枠で囲っておきましたので、比較してみてください。
コリドール
交互にコマを1歩動かして、ボードの向こう側へ到着するのが目的のアブストラクトゲーム。コマを動かす代わりに、板を配置して相手の進路の邪魔をすることも出来ます。
「コリドール」は2人用のボードゲームで、以下にルールを示します。
【準備】
- ボードを用意します。ボードには、10×10のマス目が描かれています。
- 各プレイヤーは、自分の駒を1つ用意します。
- ボードの端にある4箇所のマス目を、障害物としてランダムに配置します。
【ゲームの進行】
- 先手を決めます。先手は自分の駒をボード上の好きな場所に置きます。
- 後手は自分の駒をボード上の好きな場所に置きます。
- 先手から交互に、自分の駒をボード上で動かします。駒は、縦または横に1マスずつ移動できます。ただし、障害物や相手の駒には移動できません。
- 自分の駒をボードの反対側に到達させたプレイヤーが勝利となります。
【注意点】
・駒は、一度に1つずつしか動かせません。
・障害物を避けて、最短距離で相手の陣地にたどり着くことが勝利のカギとなります。
・相手の駒を飛び越えて移動することはできません。
なんとなく合ってはいますが、準備3の「ボードの端にある4箇所のマス目を、障害物としてランダムに配置します」が意味不明ですね。英語の文章を日本語に翻訳したことによる文章の乱れでしょうか。障害物である板の扱いの説明はありませんが、手元に『コリドール』があればこの説明でとりあえず遊べるはず。
ブロックス
自分の色のブロックを角と角だけが接するように配置するエリアマジョリティゲーム。
「ブロックス」は、2人から4人でプレイする抽象戦略ゲームです。以下が基本的なルールです。
【用意するもの】
・ブロックスのゲームボード(19×19のマス目が描かれたもの)
・ブロックスのブロック(各色5つずつ)
・2人用の場合は、黒と白のブロック各5つずつ。3人用や4人用の場合は、追加のブロックも用意する。
・プレイヤー数に合わせたスコアカウンター
【ゲームの流れ】
- ゲームボードを中央に置き、ブロックを混ぜた袋から1個ずつ取り出して、ボード上に置く。
- 最初にプレイするプレイヤーを決め、そのプレイヤーは好きな色のブロックを1つ選ぶ。
- 選ばれたブロックをゲームボードの端から1マス内側に置き、次に相手プレイヤーにターンを渡す。
- 相手プレイヤーは、自分が持つブロックの中から、先に置かれたブロックと接している位置に自分のブロックを置く。
- 各プレイヤーは交互にブロックを置き、ゲームボードが埋まっていく。
- 最後に、スコアを計算する。各プレイヤーは、自分の色のブロックで作られた最大の縦列、横列、斜め列の長さをそれぞれ数え、それを足したものがスコアとなる。
- スコアが最も高かったプレイヤーが勝利する。
以上が、「ブロックス」の基本的なルールです。
ボードの大きさやブロックの数など絶妙に間違っているのはわざとなんでしょうか? ルールもブロックを入れた袋からランダムに取り出す袋引きをしてからゲームスタートになってたり、得点計算もオリジナルなものに変更しています。遊べなくはないけど正しいルールではありませんね。
テレストレーション
ホワイトボードのスケッチブックにお題のイラストを描き、そのイラストを見た人は何を描いたかを文字で書き、その文字を見た人はイラストを描いて、何人に正しく伝わったかを競うお絵描き伝言ゲーム。
「テレストレーション」とは、プレイヤーが交互に絵を描き、それを次のプレイヤーに渡して、そのプレイヤーが描いた絵を次のプレイヤーに渡し、最終的に最初のプレイヤーが描いた絵を見て笑う、という遊びです。以下が一般的なルールです。
- プレイヤーは、与えられたテーマに基づいて、紙とペンを使って簡単な絵を描きます。絵は、1分間以内に描かなければなりません。
- その絵を、隣のプレイヤーに渡します。渡すときに、絵のテーマを伝えます。
- 次のプレイヤーは、与えられたテーマに基づいて、前のプレイヤーが描いた絵を見て、その絵に基づいて新しい絵を描きます。
- 絵を描いた後、用紙を折りたたんで、前の絵を隠し、自分の絵だけを次のプレイヤーに渡します。
- プレイヤーは、このプロセスを繰り返します。最後のプレイヤーが絵を描いたら、全員が作成した絵を順番に見せます。
- プレイヤーは、最初に描かれた絵を見て、それがどのように変化したかを見て、お互いに笑ったり話し合ったりします。
ルールの詳細は、プレイヤーの数やルールのバリエーションによって異なる場合がありますが、基本的なルールは以上の通りです。
この説明だとイラストを見て何を描いたのかを文字で答えるのではなく、イラストを見てイラストを描くという流れになっていますね。それにしても「お互いに笑ったり話し合ったりします」ってルールで定めることではないような……。確かに笑いが絶えないゲームですが、遊んでる時の情景を説明されても……。
バトルライン
9つあるコマのうち過半数の5つを取るのが目的の2人専用の対戦ゲーム。交互にコマの前にカードを1枚表向きに出して、コマの前に置かれたカード3枚で出来た役の強弱を比べます。強い役を作った方がコマを取ります。
「バトルライン」とは、2人用のトランプゲームです。以下にルールを示します。
【用意するもの】 トランプカード(ジョーカーを除く52枚)
【ゲームの準備】
- カードをシャッフルし、各プレイヤーに7枚ずつ配ります。
- 残りのカードを山札として中央に置きます。
- 山札の上から3枚を公開し、それらを中央に並べます。
【ゲームの進め方】
- 先行プレイヤーを決め、交互に1枚ずつカードを場に出します。
- プレイヤーは、同じ数字のカードを3枚、または同じ色のカードを5枚場に出すことで、そのラインを勝利ラインとして自分のものにできます。
- もし、どちらのプレイヤーも勝利ラインを確定できなかった場合は、場に出されたカードを2枚ずつ交互に取得していきます。
- 各プレイヤーは手札がなくなるまで交互にカードを場に出していきます。
【勝利条件】
- 同じ数字のカードを3枚、または同じ色のカードを5枚場に出したプレイヤーが勝利します。
- どちらのプレイヤーも勝利ラインを確定できなかった場合は、場に出されたカードを2枚ずつ交互に取得していき、最終的に勝利ラインを多く確定させたプレイヤーが勝利します。
以上が、「バトルライン」のルールです。
何故かジョーカーを除いたトランプを使った遊びになってますね。多分トランプでは遊べないでしょう。枚数の違いなどいろいろ言いたいことはありますが、ゲームの進め方2の「同じ数字のカードを3枚、または同じ色のカードを5枚場に出すことで、そのラインを勝利ラインとして自分のものにできます」って! 役はスリーカードとフラッシュの2種類しかないかのような記載になってますね。この説明、ちょっとヤバいです。
ガイスター
赤いオバケと青いオバケの正体が相手には見えない状態で行う2人専用のアブストラクトゲーム。交互にオバケコマを動かして、青いオバケを出口から出すのが目的です。その前に相手の青いオバケ3個を取れば勝ちです。しかし、赤いオバケ3個を取ると負けになります。
ボードゲーム「ガイスター」は、2人用の戦略ゲームで、各プレイヤーが12枚の駒を使って相手の王を倒すことを目指すゲームです。以下がルールの概要です。
【用意するもの】
・ゲーム盤(5×5マス)
・各プレイヤー12枚の駒(片面には円、もう片面には十字が描かれている)
【ゲームの進行】
- 最初に、各プレイヤーは自分の駒を盤上のマスに自由に配置します。
- 先手・後手を決定し、先手から交互に駒を動かしていきます。
- 駒は、自分の手番に1回だけ、その駒が描かれたマスに隣接するマスに移動できます。ただし、自分の駒が置いてあるマスには移動できません。
- 駒を動かす際には、相手の駒を飛び越えることができます。ただし、飛び越えた相手の駒はそのまま盤上に残ります。
- 相手の王(円形の駒)を倒すと勝利となります。
以上が、ボードゲーム「ガイスター」のルールの概要です。
5×5で25マスのボードなのにお互いが12個のコマを配置するので、空いてるマスが1つしかない状態でゲームがスタートです。勝利条件が、存在しない相手の王を倒すとかChatGPT怖い!
はぁって言うゲーム
あるセリフをお題通りの状況で言って、それを聞いた人がどの言い方だったかを当てるクイズゲーム。
「はぁって言うゲーム」は、2人以上で遊ぶ協力型のボードゲームです。以下に基本的なルールを紹介します。
【用意するもの】
・ボード
・タイマー
・カード
・トークン(目安として20枚程度)
【ルール】
- ボードには、5つのエリアがあり、それぞれに異なる色が割り当てられています。
- カードには、異なる色で表記された単語が書かれています。
- プレイヤーは、交代でカードから1つずつ単語を選び、その単語を相手に説明します。
- 説明は、はぁって言っているように、息を吐き出しながら行います。
- 相手は、その単語を見て、どの色のエリアにあるのかを当てます。
- 当てることができたら、トークンを獲得します。
- 一定時間経過すると、プレイヤー交代となり、同じように続けていきます。
- トークンを20枚獲得したプレイヤーが勝利となります。
以上が、「はぁって言うゲーム」の基本的なルールになります。息を吐きながらの説明が難しく、思わず笑ってしまうこともあるため、楽しみながらプレイできるゲームです。
『はぁって言うゲーム』にはボードもタイマーもトークンも入っていないので、ゲームを買った後に用意しなきゃいけないようです。ルールも何もかもメチャクチャで、他のゲームと勘違いしてしまってるんでしょうか? ルール4の「説明は、はぁって言っているように、息を吐き出しながら行います」の記載に思わず笑ってしまいました。
おばけキャッチ
山札からめくったカードに該当するコマをいち早く取るアクションゲーム。
「おばけキャッチ」は、日本の子供向けボードゲームです。2人以上で遊びます。
【準備】
・盤面をセットする。
・おばけカードを裏向きに並べる。
・サイコロを用意する。
・持ち札を用意する。
【ゲームの流れ】
- 最初のプレイヤーがサイコロを振る。
- 出た目の数だけおばけカードをめくる。
- めくったカードの中から、「つかまえたいおばけ」を1枚選ぶ。
- 選んだおばけを他のプレイヤーに伝え、持ち札に書く。
- 次のプレイヤーにサイコロを渡す。
- 全員がおばけをつかまえるのに必要な情報を持ち札に書き終わったら、次のフェーズに移る。
- 1人ずつ、持ち札に書いた内容を発表する。
- おばけを正しく当てた人が1ポイント獲得する。
- ポイントを最初に決めた数(通常は5ポイント)獲得したプレイヤーが勝利する。
【持ち札の書き方】
・おばけの色 ・おばけの形 ・おばけが持っているもの(例えば、ひょうたんを持っているなど) ・おばけがいる場所(例えば、森の中にいるなど)
持ち札に書く情報は、プレイヤーが選んだおばけによって異なります。プレイヤーは、自分の持ち札に書いた情報をしっかり覚えておき、正しく発表することが勝利への近道です。
持ち札の準備が必要ですが、ルールをきちっと整備すれば新しい別のゲームとして遊べそうですね。『おばけキャッチ』を使って、どのおばけを選んだかを当てる別ゲームの提案。
ナンジャモンジャ
カードを1枚めくって、描かれたキャラクターにニックネームをつけて、再びそのキャラクターがめくられたら素早くニックネームを声に出すメモリーゲーム。正しいニックネームをいち早く言った人がそこまでに貯まったカードを獲得して、最終的にカード枚数を競います。
「ナンジャモンジャ」というカードゲームは、複数人で遊ぶことができるトランプゲームのひとつです。以下に、基本的なルールを紹介します。
【用意するもの】
・トランプカード
・プレイヤーごとに異なる色のペグ(例:赤と青)
【ルール】
- トランプカードをよくシャッフルし、プレイヤーの人数に合わせて手札を配ります。
- プレイヤーは、自分の手札から1枚カードを選び、他のプレイヤーに向かって「ナンジャモンジャ」と言いながらカードを出します。
- カードを出す前に、自分が出すカードが他のプレイヤーが出したカードよりも大きいか小さいかを予想します。
- 他のプレイヤーも、同様にカードを出し、出したカードの数字が前のプレイヤーが出したカードよりも大きい場合は「ジャ」、小さい場合は「モン」と言います。
- 出したカードの数字が前のプレイヤーが出したカードと同じ場合は、「ダブル」と言います。
- カードを出したプレイヤーの中で、一番小さいカードを出した人が勝利し、そのプレイヤーは、他のプレイヤーが用意したペグを1つ獲得します。
- 以上の手順を繰り返し、ペグを2つ獲得したプレイヤーが勝利となります。
なお、「ナンジャモンジャ」は、地方や家庭によってルールが異なる場合があります。ただし、基本的な流れはほぼ同じで、手軽に遊べるカードゲームとして親しまれています。
カタカナーシ
お題のカタカナ語をカタカナ語は使わずにヒントを出して、お題の単語を当ててもらうクイズゲーム。
「カタカナーシ」は、2人から4人までのプレイヤーが遊ぶ、日本語のカタカナを使った言葉遊びのカードゲームです。以下が「カタカナーシ」の基本ルールです。
- ゲーム開始時に、プレイヤーは手札として、5枚のカタカナカードを受け取ります。
- プレイヤーは、手札のカタカナカードから、日本語の単語を作ります。カードには、1文字から3文字までのカタカナが書かれています。カタカナカードを組み合わせて、単語を作ります。
- プレイヤーは、作った単語を発言します。他のプレイヤーが、その単語が正しい日本語であるかどうか判断します。単語が正しい場合は、その単語を作ったプレイヤーは、その単語に使われたカタカナカードの数と同じ数の新しいカタカナカードを受け取ります。
- プレイヤーは、手札がなくなるまで、カタカナカードを組み合わせて単語を作ります。手札がなくなった後は、山札から新しいカタカナカードを1枚ずつ引きながら、単語を作り続けます。
- ゲーム終了時に、最もカタカナカードを多く獲得したプレイヤーが勝利となります。
以上が「カタカナーシ」の基本ルールです。カタカナカードを組み合わせて、正しい日本語の単語を作り、カードを獲得することが勝利の鍵となります。プレイヤー同士のコミュニケーションが必要な、楽しいカードゲームです。
言葉を作るゲームになっています。カード1枚に1文字書いてあるワードゲームは多々あれど、3文字も書いてあるカードが存在するのは珍しいですね。面白いかどうかはさて置き、ゲームとしては成立してますね。カタカナカードが入っていないので『カタカナーシ』が手元にあっても遊べませんが。
ボブジテン
お題のカタカナ語をカタカナ語は使わずにヒントを出して、お題の単語を当ててもらうクイズゲーム。『カタカナーシ』の元になった同人版。
「ボブジテン」というボードゲームは、2人または2チームでプレイするゲームで、プレイヤーは縦横に進む棒状の駒を使って相手の陣地を制圧することが目的となります。以下が一般的なルールです。
- ボブジテンの盤面は、横5列、縦6列の計30マスから構成されています。各プレイヤーは、盤面の1つの縦列の端にある自分の陣地から開始します。
- 各プレイヤーは、交互に自分の駒を1つ動かします。駒は、盤面の縦列に沿って上下に動かすことができ、相手の駒をジャンプして飛び越えることができます。
- 相手の陣地に到達すると、自分の駒を立てることができます。相手の陣地に3つ以上の駒を立てると、その列を制圧したことになり、その列の全てのマスを自分の陣地に変えることができます。
- 相手の駒をすべて取るか、相手の駒を制圧して陣地を全て奪うことで勝利となります。
- チーム戦の場合、各プレイヤーは交互にプレイし、自分のチームの駒を動かします。チームの目標は、相手の陣地を制圧することです。
上記が一般的なルールですが、詳細なルールやプレイのバリエーションは、プレイするボブジテンのバージョンによって異なる場合があります。
英語禁止のワイワイ楽しむパーティーゲームのはずが陣取りのアブストラクトゲームになっています。ここまで来るとチャットGPTが故障したのかと疑わざるを得ませんね。マジで1つも正しくない!
『カルカソンヌ』など正しい説明をしてくれたボードゲームもありました。今回は「これはヤバい!」と思ったものをチョイスしてみました。ボードゲームの場合は説明書をなくしたとしてもChatGPTにルールを確認する人はいないでしょうけど、ここで紹介したものはあまりに正しいルールと違いすぎてビックリですね。ちょっと勘違いする表記だなぁというレベルじゃないですから。
ボードゲームのルールくらいなら間違ってても笑って済ませられますが、公式な文章や説明などにChatGPTを利用するのはまだ時期尚早なのかなと感じました。