2023年1月19日、第168回芥川賞と直木賞の発表がありました。
芥川龍之介賞は井戸川射子さんの『この世の喜びよ』と佐藤厚志さんの『荒地の家族』。直木三十五賞は小川哲さんの『地図と拳』と千早茜さんの『しろがねの葉』です。おめでとうございます!両賞ともにW受賞となりました。
続いて、第168回(2022年下半期) #直木賞 が発表されました。
小川哲さんの『地図と拳』(集英社)https://t.co/Nh1ECMmMAM
千早茜さんの『しろがねの葉』(新潮社)https://t.co/Hd3gscCgMfです。おめでとうございます🎊 pic.twitter.com/iWQQift33V
— 丸善ジュンク堂書店【公式】 (@maruzeninfo) January 19, 2023
受賞とはならなかったですが、芥川賞ノミネートの『ジャクソンひとり』『開墾地』『グレイスレス』、直木賞ノミネートの『光のとこにいてね』『クロコダイル・ティアーズ』『汝、星のごとく』も面白そうですよね。
さてボードゲームには、物語を創作したり、カードに書いてある物語を読みながら進めていく「ストーリーテリング」と呼ばれるジャンルがあります。著名な文学賞が発表された影響で、何かの物語を作ってみたいという気持ちになりませんか?
というわけで、自分たちで物語を作り上げていく系のボードゲームを11タイトル紹介します。
キャット&チョコレート
〈キャット&チョコレート/3〜6人/8歳〜/20分〉
アイテムカードを出してアクシデントの解決方法をプレゼンするゲーム。
アクシデントに対して役に立ちそうもないアイテムが描かれたカードしかないのですが、指定された枚数のカードでなんとか無理矢理ストーリーを作り上げていくのが楽しいゲームです。アクシデントの解決方法を聞いた人が良し悪しを判定して、その数を競います。人気ゲームなので「ビジネス編」「学園編」「オカルト編」「ガチャピンチャレンジ編」など様々なバージョンが存在します。
知ったか映画研究家スペシャル!
〈知ったか映画研究家スペシャル!/3〜10人/10歳〜/5分〉
存在しない映画の評論をするゲーム。
ランダムに映画のタイトルを作ったら、その映画の中身や見どころなどを30秒程度で知ったかぶって1人ずつ語っていきます。最も心惹かれる評論をした人の勝ち。他人の言ったことは否定してはいけないルールになっているので、肯定し続けるととんでもないストーリーの映画になっていくのが面白く、笑いの絶えないゲームです。
そういうお前はどうなんだ?
〈そういうお前はどうなんだ?/3〜6人/12歳〜/20分〉
殺人事件の容疑者になって、犯人に選ばれないように言い訳をするゲーム。
全員の前に、事件に直結するアイテムや行動が書かれたカードを数枚ずつ裏向きで置きます。そのカードをめくって全員でどれだけ怪しいかを話し合い、言われた人は言い訳をします。これを繰り返して最終的に投票によって犯人を決めるというマーダーミステリーのパロディのようなゲームです。言い訳の積み重ねによって事件がちょっとずつ見えてくるのが可笑しいですね。続編の『そういうお前はどうなんだ?リベンジ』も作られています。
エビフライエフェクト
〈エビフライエフェクト/2〜8人/10歳〜/10~20分〉
語り手がエビフライに関する話をしているかしてないかを見極めるゲーム。
1人が語り手役になり、カードに書かれた結末に繋がるように物語を作って喋ります。他の人は結末の直前まで話を聞いて、エビフライの話をしていると思ったらいち早くエビフライをつかみ取って、エビフライの話ではないと思えばエビフライを取りません。当たっていれば得点獲得です。間違ったら語り手の得点になるので、ブラフ要素もあるストーリー作りが要求されます。とにかくエビフライが結構リアルな作りで、なぜエビフライなのか?という単純な疑問を忘れてしまいます。
君のゆるいタロット占いが私を癒してくれるから#ゆる占い
〈君のゆるいタロット占いが私を癒してくれるから#ゆる占い/1〜6人/12歳〜/5~20分〉
いい感じのタロット占いをするゲーム。
1人が相談者になって占って欲しいことを決め、他の人はタロットカードを使って占います。めくったタロットカードに描かれたイラストやキーワードなどをこじつけて占い結果を適当に喋り、相談者にいい感じの占いだと選ばれたら勝ち。絵柄も可愛らしくて、コミュニケーションの糸口になるようなゲームです。もちろん普通にタロットカードとしても使えます。
∞怪談
〈∞怪談/2〜5人/10歳〜/20~50分〉
カードを出しながら怪談を作るゲーム。
1人が聞き手となって話のテーマを決めたら、みんなに怪談カードを配ります。そのカードに書かれたセリフや文章を入れながら怪談を語ります。怪談カードには「遺品」「巨大な火の玉」「ずぶ濡れの女が恨めしげに」「その年の夏、プールは使用禁止になった」など怪談に出てきそうな単語やセリフが書かれていて、どうやっても怖い方向に話が転がっていきます。聞き手に傑作だと選ばれたら勝ち。
千両アクター
〈千両アクター/3〜6人/10分〉
NGワードを言わないようにして、みんなで即興劇を演じるゲーム。
設定と配役を決めたら、配られたNGワードを自分だけが見えないように置いて全員に見せます。5分間、即興劇のエチュードを行なってNGワードを言った人は脱落。残った人の中で一番演技が出来た人が勝ちです。相手にNGワードを言わせるために可笑しな会話になったり、NGワードを避けようとしてメチャクチャなストーリー展開になったり、全員敵なのに協力してお話が出来上がるのが面白いですね。
ワンス・アポン・ア・タイム
〈ワンス・アポン・ア・タイム/2〜6人/8歳〜/30分〉
全員で1つの物語を作って自分の結末を目指すゲーム。
配られたカードを出しながらカードに書かれた単語を元に話を作っていきます。最終的に手札を全て出し切って、自分の結末カードに繋げたら勝ち。各々が自分の結末に繋げるために、なんとか関係性を作って強引に話を創作するので展開がメチャクチャになるのが楽しいゲームです。
ここからは勝ち負けの無いゲームを紹介します。
じゃれ本
〈じゃれ本/3〜8人/8歳〜/20〜30分〉
リレー形式でショートショートの小説を書くゲーム。
小説のタイトルを決めたら専用のノートに数十文字の文章を書いて隣の人に渡します。ノートを受け取った人はその続きを書いて、また隣の人に渡して……というのを繰り返し、完成した小説をみんなの前で音読します。これだけのゲーム。書くときは直前の人の文章しか読めないので、どういうストーリーなのか分からずに書くしかありません。全てを通して読むと思わぬ展開になっていたり、それなりの起承転結が出来たりするのが驚きです。
アフレコ
〈アフレコ/1〜8人/8歳〜/20〜40分〉
エンディングのナレーションに繋がるように物語を作る協力ゲーム。
山札からカードをめくるとポーズをとった人物が描かれているので、そのポーズに合ったセリフを発します。その他にはアイテムが描かれていたりナレーションが書いてあるカードもあって、思うように話は展開しません。カードのめくり運に翻弄されながらも、なんとかエンディングのナレーションに繋げて1つの物語をみんなで作り上げていきます。一応、どれだけ活躍したのかで得点計算をすることも可能ですが、勝敗をつけずに協力ゲームとして楽しめます。
ローリーズストーリーキューブス
〈ローリーズストーリーキューブス/1〜12人/6歳〜/20分〉
サイコロの出目に従って物語を作るゲーム。
イラストが描かれた9つのサイコロを一気に転がして、出目に描かれたイラストを繋げて話を作り上げます。物語を作るゲームと言えば、この『ストーリーキューブス』を思い浮かべる人も多いはず。20種類以上のバージョンがあって、「ドラえもん」や「となりのトトロ」など日本のアニメとのコラボ商品や「スターウォーズ」「ハリーポッター」「バットマン」など映画バージョンも存在します。
どのゲームも勝敗はとりあえずあるけれど、ゲームの中でたった今お話が作り上げられたという感動を味わうものが多いですね。ハッキリ言ってしまえば「これはゲームと言えるのか?」というルールもありますが、今までに存在してなかった物語が数人の中で創作されたというのが何にも代えられない面白さですからね。
得手不得手がハッキリして好き嫌いが分かれるタイプのゲームですが、難しく考えずに自由な発想で無責任にお話を作ってみましょう!