ダイスを振り、コマを進めてゴールを目指す! “すごろく”タイプのボードゲーム7選

“すごろく”を遊んだことがないひとは、ほとんどいないのではないでしょうか。細かな差異はあれど、サイコロを振って出た目だけコマを進め、最初に“あがり”のマスに到達したひとが勝利。同様のものが古代文明の遺跡から発見されたりもしており、このタイプはトラディショナルなボードゲームだといえます。

もちろん、現代でも“すごろく”は健在。多種多様なものがあり、基本的なシステムとして取り入れているボードゲームもたくさん存在します。今回は“ダイスを振ってコマを進める”もしくは“コマを進めてゴールを目指す”といった部分に着目し、これらの要素を含むゲームを7点ほどご紹介しましょう。

※五十音順に紹介しています。

海底探険 深版

無事戻ってくるまでが探険です!? よりギャンブル要素が高まった名作タイトルの新版登場

潜水艦から出発して深海を目指し、財宝を回収するチキンレース。プレイヤーは1~3までの目が書かれたダイスを2個振り、出た目のぶんだけ進んでいきます。深海までのルートはタイルで構成され、コマが止まったマスのタイルを回収することが可能。どこかのタイミングで引き返し、このタイルを潜水艦まで持ち帰ることができればタイルの裏に書かれている勝利ポイントを獲得します。これを全3ラウンド行います。

ただし、道中で荷物を持つと、持ったぶんだけ酸素の消費量が増加。酸素の総量は全プレイヤーで共有しており、これがゼロになるとその時点で海中にいるプレイヤーは全滅してしまいます。また、荷物を持ったぶんだけダイスの目の数値がマイナスされるため、たくさん宝物を回収すると移動速度が落ち、そのうえ酸素消費量が増えてしまうことに。プレイヤーはどこまで深く潜るか、どこで宝物を回収するか、そして回収してからの帰り道で酸素は持つのか、といった判断をしなければなりません。重くなる足取り、どんどん減っていく酸素。小箱に納まるコンパクトなコンポーネントにも関わらず、スリリングなチキンレースを楽しめる傑作です。

2024年に発売された“深版”では、新要素としてより極端な出目の特殊ダイスを使用できるようになっています。これを3個を振り、そのなかから2個の目を選んで進めます。また、酸素をよけいに消費することで特殊ダイス3個の目をすべて合計できる“ダッシュ”も選択可能。よりギャンブリックなプレイが可能となりました。

海底探険 深版 概要】
メーカー:オインクゲームズ
プレイ人数:3~6人
対象年齢:8歳~
プレイ時間:30~60分

クイズすごろく かぶーる

回答被りはNG! クイズに答えてコマを進める新感覚すごろくゲーム

クイズとすごろくが融合したゲーム。プレイヤーは出題されたクイズの答えを回答ボードに書き入れ、ダイスの1~6の目が書かれたゲームボードのマスのうち好きな場所に裏向きで置きます(ひとつのマスにはひとりしか置けません)。この答えが正解していれば、マスの数字のぶんだけコマを進めることができます。回答ボードを置くのは早い者勝ちで、回答までの時間が早いほど好きな数字のマスに置けるため、有利です。

ただし、注意点がひとつ。答えを公開するのはダイスの目が1のマスからで、その後に公開される他のプレイヤーの回答が先のプレイヤーの答えと同じものだった場合、後から答えが被ったプレイヤーは進むことができず、先に回答していたプレイヤーが1マス追加で進むのです。このため、わざと“被りやすそうな答え”を回答し、他のプレイヤーの答えが被ることを狙って、あえてダイスの目が低いマスで勝負することもできます。

答えを公開していく際は、思いもかけぬ被りが発生して盛り上がること間違いなし! 誰でも楽しめる簡単なルールのゲームですが、クイズに答える楽しさ、ボードゲームとしての戦略を存分に味わえるでしょう。パーティゲームの新定番ともいえるタイトルです。

クイズすごろく かぶーる 概要】
メーカー:ボードゲームショップあそびば
プレイ人数:3~6人
対象年齢:8歳~
プレイ時間:~30分

グレート・ウエスタン・トレイル

オレの牛が最高だぜ! すごろく+デッキビルド+拡大再生産で描く道中記

舞台は19世紀のアメリカ西部。プレイヤーは牧場主となり、牛を育てたり、地域の開発を行ったりしてポイントを獲得していきます。

手番ではメインボード上の自分のコマを移動上限までの範囲で任意の数だけ進め、止まったマスでアクションを行います。ルートの最終目的地は、カンザスの街。ここでプレイヤーはまとまった額の収入を得てからスタート地点に戻り、再びカンザスへと向かいます。

牛の出荷、建物の建設と運営、線路の敷設、労働者の雇用、交易などさまざまな行動と得点手段があり、プレイヤーの取りうる選択肢の幅が広いことが特徴。すごろくを基調としたシステムに加え、手札となる“家畜デッキ”を強化するデッキビルドや、建物を建設してアクションを強化していく拡大再生産の要素もあります。ルールが多くプレイ時間も長いため、今回ご紹介するなかで唯一のゲーマー向けのタイトルではありますが、その奥深さと展開の多様性、何度でも遊びたくなるリプレイ性には驚かされるはず。

2023年6月に発売された第2版では、各種数値の見直しやタイル追加によるバランス調整が加えられたほか、個人ボードの二層レイヤー化などコンポーネントを強化。さらに一人用ルールが追加され、ソロプレイも可能に。また、拡張セット『グレート・ウエスタン・トレイル 拡張 北部への道』や、『グレート・ウエスタン・トレイル:アルゼンチン』をはじめとするシリーズ作品も次々と登場している大人気作です。


グレート・ウエスタン・トレイル 概要】
メーカー:アークライト
プレイ人数:1~4人
対象年齢:12歳~
プレイ時間:75~150分

ドラダ

 

誰よりも“遅く”ゴールせよ! スタックあり、波乱続出の我慢比べ

プレイヤーは4つのコマを持ち、ダイスを振ってそのなかからひとつを選んですごろくのコースを進めていきます。このゲームの最大の特徴は、遅くゴールするほど得られる点が高くなるということ。進めるコマは4つのうちどれでも良いので、誰もがまんべんなくすべてのコマを少しずつ進めていく展開になります。

ただし、盤面には一気にゴールに進むワープマスや、止まったコマが落ちてリタイアしてしまう落とし穴のマスなどがあるため、ただの我慢比べにはなりません。また、同じマスにいるコマはあとから来たコマが上に乗り、そのマスで動けるのはいちばん上にいるコマだけとなります。これらの要素のおかげで決して手番順が早いプレイヤーが有利だというわけではなく、ダイスの目と相談しつつどのコマを進めるかの判断が重要になってくるのです。

オリジナル版の発売は1988年。非常にシンプルなルールでありながらドラマチックな展開の連続で、盛り上がること間違いなしのすごろくゲームです。

ドラダ 概要】
メーカー:ニューゲームズオーダー
プレイ人数:2~4人
対象年齢:12歳~
プレイ時間:~30分

ねことねずみの大レース

ネコから逃げながらチーズをゲット! 木駒がかわいいキッズゲームの代表作

2003年ドイツ年間ゲーム大賞キッズ部門受賞作。環状コースのマス上で、手持ちの複数のネズミのコマをダイスを振って進めていくチキンレース。ネズミたちの背後にはネコがおり、ダイスを振った際にネコの目が出るとネコのコマが1歩進みます。ネコに追い付かれたネズミは食べられてしまいます。

一部のマスの外側には、チーズが置かれたスペースがあります。これがゴールの代わりとなっており、ここに逃げ込むことができれば得点が得られます。スタート地点から遠いところにあるチーズほどもらえる点が高いのですが、そこまで到達するためにはネコに追い付かれずに長い距離を進まなければなりません。

安全を優先して近い場所のチーズを取るか、高得点を狙って遠いチーズを目指すか。その判断に加え、ダイスを振ってネコの目が出るかどうかのギャンブル要素が加わり、ドキドキハラハラのチキンレースが展開します。ネコとネズミのコマがかわいいので取っつきが良く、子どもと一緒にはじめてプレイするゲームとしてオススメ。対象年齢5歳からの簡単なルールのゲームですが、ボードゲームの楽しさが存分に伝わる名作です。

ねことねずみの大レース 概要】
メーカー:ブラザージョルダン
プレイ人数:2~4人
対象年齢:5歳~
プレイ時間:~30分

ヒューゴ

舞踏会に幽霊が乱入! 連れ去られる前に安全な部屋に逃げ込もう

舞台は舞踏会の会場。ここではダンスパーティーが行われており、参加者がぐるぐると会場を回りながら踊っていました。そこに、賑やかな音に引き寄せられて地下から寂しがりやのオバケ、ヒューゴが友達を探しにやってきます……。

プレイヤーはダイスを振り、環状のマスを自分のコマを進めていきます。しかし、幽霊マークの目が出ると地下深くからヒューゴのコマが上がってきて、やがて会場内に侵入。ここから本格的にゲームスタート! 手番ではそれまでと同様にダイスを振ってコマを進めていくのですが、止まったマスが安全な部屋に繋がっていれば、そこに逃げ込むことができるようになります。しかし、幽霊のダイス目を振ってしまうとヒューゴが3マス前進。このときヒューゴに追い付かれたり、追い越されたりしたコマはヒューゴに地下に連れ去られてしまうのです。逃げ込んだマスには得点が記されており、プレイヤーはそのぶんのポイントを得ます。自分のコマがヒューゴに捕まったり、マイナス点のマスに逃げてしまうと減点です。

ダイスに敵コマが進む目がある部分や、安全地帯に逃げ込んで得点を得るルールは『ねことねずみの大レース』と似ていますが、大きく違うのはヒューゴが会場内に入ってくるまでは安全なマスに逃げ込めないということ。このため展開が予想しにくく、ヒューゴの動向次第では阿鼻叫喚の事態に……。ダイスを振るたびに歓声と悲鳴があがることでしょう。最大8人まで遊ぶことが可能でルールもやさしく、パーティゲームとしても適したタイトルです。現在販売されている版ではゲームボードがリバーシブルとなっており、裏面を使用すると発展的なルールでプレイすることができます。

ヒューゴ 概要】
メーカー:メビウスゲームズ
プレイ人数:2~8人
対象年齢:7歳~
プレイ時間:30~60分

ロイヤルターフ

抜きつ抜かれつ、手に汗握る大レース!

ライナー・クニツィアの手になる競馬ゲーム。プレイヤーは競馬場の客となり、3位までに入る馬を予想してベットします。レースは7頭立てで、プレイヤーが選んだ馬が振ったダイスの目に対応した数だけ進みます。

このとき、前の手番で進んだ馬は、他のすべての馬が進むまでは選べません(つまり、その馬が進めるのは手番7回に1度ということになります)。動かす馬はダイスを振ったプレイヤーが選べるので、もし望まない目が出てしまったら自分が賭けていない馬を進めて妨害することも可能。ベットした馬が3位までに入れば賞金をゲットできます。

馬はそれぞれ能力が違い、ゲームごとに変化するため、何度プレイしても同じ展開にはなりません。多くの人が賭けた馬はいい目のときに進むことが増えるので先着しやすくなりますが、配当金の倍率が下がります。賭けた人が少ない馬は妨害を受けやすく進みにくい一方で、勝ったときに得られるお金は多くなるのです。

ルールは簡単なので、競馬を知らない子どもでもプレイできます。物足りなくなってきたらさまざまなバリアントルールが用意されており、ステップアップしていくことも可能。シンプルながらも邪魔のしあいや心理的な駆け引きが展開し、手に汗握るレースが楽しめるゲームです。

ロイヤルターフ 概要】
メーカー:グループSNE/cosaic
プレイ人数:2~6人
対象年齢:10歳~
プレイ時間:30~60分


すごろくは子供のころに遊んだという人が多く、根本的なシステムが理解しやすいという利点があります。ここでご紹介したもの以外にも有名タイトルがたくさんありますが、このタイプのゲームはルールが易しく初心者や子どもでもプレイしやすいものが多いので、ボードゲームに慣れていない人を誘って遊ぶ際にも重宝するはずです。

お気に入りのすごろくタイプのゲームを見つけて、ぜひいろいろなかたとプレイしてみてほしいと思います。