【オススメ！最新ボードゲーム】『リベルタリア：ゲイルクレストの風』は十年の時を超えてリメイクされた心理戦ゲーム

各プレイヤーは空賊の提督になって、お宝の眠っている島を巡り財宝を集める……。この『リベルタリア：ゲイルクレストの風』（日本語版発売元：アークライト）は、そんなテーマのゲームです。

ゲーム概要

各プレイヤーは、空賊の提督にとなって3回の出撃を行います。それぞれの出撃中は毎日財宝を入手できるのですが、他プレイヤーを出し抜いてより価値のある財宝を入手したいところです。

この財宝を集めるには部下の助けが必要なのですが、なぜか全員同じ部下を持っているので、どの部下をいつ出すかというお互いの顔色をうかがいながら出撃を続けて、すべての出撃が終わった際の得点が最も多いプレイヤーが勝者となります。

ゲームプレイ

前述のとおり、プレイヤーは財宝を集める出撃を3回行います。1回目は4日間、2回目は5日間、3回目は6日間といった具合です。各自は1日の最後に財宝を何か得ることができるので、その日に得られる財宝の中からより価値の高い財宝を獲得してゆくことを目指します（一日ごとにどんな財宝があるかはトークンで示されています）。

まず、各プレイヤーは40人の部下カードを受け取っているのですが、代表のプレイヤーがランダムで6枚を自分の部下カードの中から取り出してオープンにして、他のプレイヤーも同じ部下カードを自分の部下カードから取り出します。

ランダムで決めるので、どの6枚の部下カードで始まるかはゲームごとに異なりますが、全プレイヤーが必ず同じ部下カードを使うわけです。1回目の出撃は4日間なので、4日間ぶんの財宝がボード上へランダムに配置されます（写真上）。

各自1個は受け取れる財宝が用意されていますが、プラスになる財宝もあれば、呪われて役にたたない財宝もあるので、どの財宝は取って、どの財宝は取りたくないかと計画を立てておきます（各財宝の効果はゲームごとに変更することもできます）。

ここまで準備ができるといよいよ出撃開始します。まず1日目に働いてもらう部下を全員手札から1枚伏せて手元にだします。全員が出して終わると一斉にカードを公開し、部下カードに書かれている数字順に並べます。

部下は全員特殊能力を持っているので（宝箱を入れ替えるや出撃の最後にお金をこっそり持ってくるなど様々）、数字の小さい順番に解決します。それが終わると今度は、「数字が大きい順」に1日目の財宝から好きなものを1個取ってゆきます。

つまり、特殊能力は数字が小さいほうが先に実行できるので狙った結果を得やすいけど、肝心の財宝は数字の大きい順に取っていくので、数字が大きければ狙った財宝を取りやすいということになります。

そして、1日目で使った部下を手元に戻し、2日目で使う部下を残った手札からまた1枚出して、を繰り返してゲームが進行します。

特殊能力によって財宝が取れる日付が変わってしまったり、部下カードの並びが変わってしまったりするので、単に数字が大きい部下を出せばいいかというと、必ずしもそうでも無い……というのがポイントです。

しかも、最初にお伝えしましたとおり「全員同じカード」を持っているので、「これで妨害したらうまくいくぞ」と思ったら、そのカードは他プレイヤーも持ってるわけです。取れる財宝を見ながら、どの部下をいつ使うのかというタイミングを見計らうのが、プレイしていて悩めるポイントとなっています。

さらに、1回の出撃が終わると部下カードが一定枚数残りますが、それは残したまま次の出撃用のカードを同じ要領で各自受け取ります。

つまり以前の出撃で使わなかった部下カードは徐々にプレイヤー間で差が出てきて、「あ、まだその部下残してたのか！」といったことも発生して、盛り上がります。

ゲーム自体は3回の出撃終えた後に、各自が獲得した財宝と部下によるポイントを合計し、合計値が最も多いプレイヤーが勝利する、というシンプルなものです。

プレイの流れさえ判ってしまえばプレイの準備も簡単ですし、1回あたりのプレイ時間は短く、毎回どの部下カードが来るかでも展開が変わり、思わず「もう1回」と言いたくなる仕上がりです。

このゲームは、2012年に『Libertalia』の名前でリリースされていた作品のリメイクで、部下カードが30枚から40枚とかなり増えています。部下カードが同じ数字だったときの処理を変更する「名声」といった要素が追加され、現代風にパワーアップした作品になっています。

大人数でプレイしたときのお互いの読み合いは非常に盛り上がりますので、ぜひ一度お試しください。