プレイヤーは、年に一度の「大儀典」と呼ばれるイベントに参加した魔術師のひとり。ここでより高い地位を認めてもらうことがテーマとなっているのが、この『宵と暁の呪文書』です。この地位を認めてもらうためには、呪文書の完成と使い魔の成長という2要素のバランスをうまく取ることで、より高い評価を得ることができます。
それらの2要素に必要なルーンをいかにうまくそろえて、いつ呪文・使い魔に使うのかの見極めが面白いゲームとなっています。
ゲーム概要
このゲームでは、自分の手番になると「朝・昼・夜」の3つの段階をプレイして、次のプレイヤーへと手番を移していきます。誰かが持っている7種類の呪文書をすべてて完成させるか、使い魔を最高の状態にもっていくとゲームが終了するといった具合です。
面白いのは、初期段階では手番でプレイできる内容が限定されている、という点です。その「初期段階」はこんな感じです。
- 朝 – 公開されているルーンから1個選んで受け取るか、袋からルーンを2個引く
- 昼 – 使い魔に手元のルーンを1つ渡しても良い
- 夜 – 持っている呪文の1つを完成させても良い
とにかく朝はルーンを手に入れ、昼は使い魔にルーンを置くかどうかを悩み、夜には呪文を完成させるか考えるのです。
ルーンには色と模様が描かれており、呪文書は各呪文に描かれている色に対応したルーンが一定数無いと完成できません。
呪文書は下記写真のようにセットアップします(1人ぶん)。1つの呪文書には3つのレベルがあり、最低のレベルならルーン3個、2番目なら4個が必要といった具合です。高いレベルの呪文ほど勝利点が多く、呪文の効果も強いのです。
一方の使い魔(下記写真)は、ルーンであれば何でもよく、とにかく手番毎に1個置いていけば確実に勝利点が入ってきます。ただし、毎回使い魔にルーンを置いてるばかりでは、呪文を完成させるためのルーンが貯まらず、いつまでたっても呪文を使えないのが悩ましいところ。
そして、「初期段階では手番でプレイできる内容が限定されている」と前述で触れたのは、呪文書を完成させると「朝・昼・夜」にできることが変わってくるからです。
例えば、朝ならこんな感じです。
- 袋からルーンを4個引く。他プレイヤーも袋から1個引く
と通常の2倍のルーンを1手番で得る事ができるようになったりします。また昼なら、こんな感じです。
- 手元のルーンを3個まで使い魔における
使い魔にルーンがすべて置かれるとゲームが終了になりますので、ゲームが一気に終盤へ向かって加速していきます。
各呪文書を完成させると、完成させたレベルによって勝利点が得られるだけでなく、朝・昼・夜で実行できるアクションそのものが強化され、ゲームが終盤に向かって一気に加速していきます。
このため、どの呪文書を何個完成させるのか、呪文書の完成はほどほどにして使い魔を早々に埋め切ったほうが勝てるのでは無いか……と、このあたりの選択が重すぎず・軽すぎずの絶妙なバランスに仕上がっています。
朝・昼・夜で「ルーンを得る」「使い魔にルーンを置く」「呪文書にルーンを置く完成する」の3ステップさえ覚えればすぐにプレイできます。
しかし、「いま手元にあるルーンでとりあえず呪文書を完成させるか、それとももう少し上のレベルを狙うか」といった悩ましさがつねにあり、他プレイヤーの進捗具合も観察しながら選択するのが非常に面白いです。
さらに、呪文書は3セット入っており、ゲーム開始時にセットを変えればプレイ感がかなり変わります。これらは混ぜてランダムでプレイすることもできます。配られた呪文書の組み合わせから最適な呪文書を選んでいく楽しみをぜひ試してほしいです。
以下の動画でゲーム全体の流れを紹介していますので、合わせて参考にしてください。
■宵と暁の呪文書
日本語版発売元:ホビージャパン
デザイナー:Phil Walker-Harding
発売日:2023年9月発売
価格:6,600円[税込]
プレイ人数:1~4人
対象年齢:12歳以上
プレイ時間:約45分