ベニスコネクションは、水路が描かれたタイルを交互に配置してグルっと水路を一周繋げたら勝ちという2人専用のタイル配置ゲームです。運の要素が全くないアブストラクトで、短時間ながら濃密な頭脳戦を味わえるゲームとなっています。
内容物
内容物はタイルが16枚だけ。拡張として4枚のタイルも入ってるけど、基本ルールで遊ぶ場合は16枚しか使いません。シンプル!
タイルは両面印刷になっていて、表は真っ直ぐな水路、ウラは曲がった水路。なんと16枚全て同じタイルなんです(イラストは1枚ずつちょっと違うけど)。シンプル!
タイルの置き方
自分の手番ではタイルを1~3枚配置します。
置き方の条件は、3つ。
すでに置かれたタイルに接してること。
水路を止めないこと。
2枚以上配置する場合は一直線に置くこと。
これだけです。シンプル!
勝利条件
勝利条件は、自分の手番で水路を一周させる。もしくは残りのタイルを配置しても一周出来ないと宣言して証明してみせる。この2つです。
相手に水路を一周させないように水路を広げ過ぎると、相手に「完成しない」と言われて負けてしまうのがこのゲームの面白いところです。タイルは16枚しかありませんからね。
自分の手番で完成しそうだなぁと思ってたら、相手がタイルを3枚置いて計算が狂ったりして。ちょっとした差で負けちゃったりするので考える事が多いんです。シンプルなゲームなのに。
と、ここまでは普通のベニスコネクションのルール説明です。
凄く面白いゲームなんだけど、欠点を挙げるとすればゲーム時間が短いんですよ。10分以内に勝負がついちゃいます。せっかくの頭脳戦をもっと長く楽しむ方法は無いだろうか……?
それがあるんです!
それはタイルを増やす!これしかないでしょ。
ベニスコネクションを2箱で
という事で、ベニスコネクションを2箱用意してタイル32枚でやってみました。さてさて、面白くなるんでしょうか?
タイルを積んだ山がそこそこの高さ。箱の厚みを上回ってますからね。遠慮せず3枚配置からのスタートです。
32枚もあるので適当に配置しても繋がるでしょ…とお互い適当に配置してたらこんなことに。とっちらかってる。
通常の1箱なら水路は繋がらないけど、残りタイルは21枚もあるので余裕で繋がるんですよ。
タイルが沢山あるとは言え、広げ過ぎないように配置して25枚目の写真です。こんな形になりました。残り7枚だから、これ以上広げなければ水路は完成しそう。
ここで相手の手番。あそこに配置したらあっちに配置すればいいのかなぁ…といろんなパターンを考えたけど、実はこの時点で詰んでるんですよね。
自分の手番、ここでギブアップしました〜。残りタイル2枚だから完成させて写真撮るべきだったけど、タイルが倍に増えると疲労感も満足度も2倍!写真の事なんて考えられませんよ。
結論ですけど、ベニスコネクションは枚数が増えると面白い!って言うか16枚が物足りなく感じるかも。出来上がった水路も長くてダイナミックだしね。
ってな訳で…
3箱に増やしてみた
2箱バージョンが面白いんだから3箱に増やしたら超絶面白いに決まってるでしょ。
16枚×3箱だから、タイル48枚です!これだけ増やせばもっと楽しい時間が続くはず。やってみようじゃないか、VNC48。
序盤はホント適当置きです。
「どうなるやら〜」なんて言いながら。
これがこうなり、更にこんな形に。
無責任に配置してるので何も考えてません。ここで17枚、残りタイル31枚。なんとかなるでしょとサクサク置いてたら、
タイルが無くなって突然のゲームオーバー。知らず知らず2人で協力して水路を繋げたいという気持ちが芽生えて、戦ってるのを忘れてました。なんとか繋がるように努力したんだけど最初に広げ過ぎたか。まさか、こんなとこで終わるとは。なんかモヤモヤするなぁ。
さらに追加の4箱プレイ
次はタイル64枚のベニスコネクション。さっきは残りタイルを見てなかったので、しっかり数えながらの対戦になります。うっかりミス禁止です。
ゲームを始めるその前にタイルを上手く積み重るのが一苦労…。ベニスコネクションって4箱揃えるとバランスゲームになるんですね。これは新発見。
なんとか積み上げて(今から振り返ると2つに分ければ良かったのだが…)ゲームスタート。
より広大により無責任に配置です。この時点でタイル12枚目。
サクサク配置して27枚目。繋がるか考えながら見て下さいね。
さて、ここです。相手が37枚目のタイルを配置したところです。
残りは27枚です。どうです?完成しないでしょ。だって横だけで7枚、縦は10枚並んでるんですよ。手前の方とか遠回りしないと繋がらない感じだし…。
ハッキリ言って、数が多くて数えるのも面倒臭ぇ。ここはフィーリング。繋がらないって感じたんだから、答えるしかない!
という訳で「完成しないでしょ…?」とため息まじりで宣言です。そして2人で協力しながらタイルを並べてみると
なんと2枚足りず…。余裕で繋がらないんじゃなく、たった2枚足りないだけですよ。ギリギリ。繋がらないかもという違和感は当たってた訳だ。こうなるとちょっと面白く感じてきますね。
ラストは5箱バージョン
タイル80枚です。これがラスト!これだけの枚数でベニスコネクションを遊んだ人は世界中で歴史上この2人だけでしょうね。古今東西初。
タイルをバランス良く積み上げるのは難しいので(だから2つに分けろって!)ウィルキンソンのジンジャーエールの瓶にもたれ掛かけて、山札完成。これだけで4分くらい掛かってますからね。普通のベニスコネクション1回遊べる時間です。
さて、やっとスタート。
最初に配置された5枚のタイルを見て下さい。
水路を繋げる気が無いですからね。5本の川が静かに流れてます。
そして11枚目。まだまだ広がる序盤戦。
まだ23枚目。どんな街が出来るのやら。
ここで30枚目。目印として指を3本立てて記念撮影です。
残りは50枚。まだいけるよね?いけないか?全く分からないなぁ。
ってかさ、4箱バージョン辺りから考える気になれないのよね。数が多過ぎて。楽しくやれるのは3箱までかなぁ…。
そして36枚目のタイルを配置した瞬間の写真です。ドーナツのような丸い穴が空きました。果たしてこれは繋がるのか?
でも、あの水路とあの水路が繋がるから大丈夫そう。
いや、待てよ…。手前もなかなか複雑だけど、奥の方ってこんがらがってないか?左側も2本の水路が縦に走ってるし、繋げるにはタイル枚数かなり必要だよねぇ。残り何枚だっけ?え〜っと…残りタイル44枚。44枚かぁ。
ん?44枚?これ、冷静に考えると44枚じゃ無理でしょ!
「これは、完成しない!!」
と力強く、そして投げやりに完成しない宣言です。
ここから2人で話し合いながらタイル配置スタート。
「まずは穴の中を埋めますか」「どっち回りが最短なんだろうか…」
完全に協力ゲームですね。
なんとかここまで繋げました。この時点で58枚目。
「これでグルッと回れるけど、タイル足りないかー」
「残りはタイル10枚くらいかな…」
「あれ?」「あれれ?」
置けた…。
置けた?
置けたぁぁぁーーー!!!
しかもピッタリ80枚。こんな事ってある?凄いっ!
一応、疑う読者の為に説明しときますがガチンコの一回勝負。ヤラセじゃないです。
5箱バージョンなんと、ピッタリ完成!!
繋がってるなぁ〜。そして穴あきだらけで汚い街。もっと美しいベニスが見たかったのに。でも繋がってる!
なんだか、どっちが勝ったとかどうでも良くなる感じ。だって、もはや協力ゲームですから。いや〜感慨深い。
5箱までやって分かったのは、ベニスコネクションは16枚で十分ってこと。2箱バージョンの32枚までならアリかも知れませんね。これが結論です。多けりゃいいってもんでもない。
もしボードゲームカフェで2箱置いてあったら挑戦してもいいんじゃないでしょうか?意外と楽しいですよ。