BROADでは「ボードゲーム大好き」という名前のLINEオープンチャットでアンケートを取り、カップルで遊ぶべきボードゲームの順位をボードゲーム総選挙と題して2019年9月に記事にしました。
ちなみにアンケート結果は以下の通りです。
1位 ガイスター
2位 クアルト
3位 パッチワーク
4位 バトルライン
5位 ブロックス
6位 コードネームデュエット
7位 コリドール
8位 タギロン
9位 ドミニオン
10位 カルカソンヌ
11位 ジャイプル、ザ・マインド、宝石の煌き、パンデミック
15位 ローゼンケーニッヒ
16位 アズール
17位 街コロ、文絵のために、テラフォーミングマーズ
今でも通用するカップル向けボードゲームランキングになってますね。それにしても2人専用ゲームだけじゃなく2人で遊ぶのが楽しいボードゲームも選ばれてたのは興味深いところです。2019年の時に新発売だったゲームもあるので、今「カップル向けのボードゲームは?」とアンケートを取ると違う結果になりそうです。
あの記事から3年の間に数えきれないほどの2人専用ゲームが発売されました。最新ゲーム以外にも惜しくもランキングに入らなかった定番ゲームや隠れた同人ゲームもたくさんあります。
という訳で、カップル向けに限らず2人用の面白いボードゲームを紹介します。友達や家族、ボドゲカフェで初対面の人と遊ぶ時、ゲーム会で人が集まるまでの時間調整などなど2人専用ゲームはホントに重宝しますからね。面白い2人向けゲームはまだまだあるのだ!
では、発売やリメイクされた時期が比較的新しいボードゲームを中心に22タイトル紹介します。
5〜10分で決着がつくゲーム
ジュエルハント
《ジュエルハント/5分/6歳〜/2022年発売》
トレイを相手より多く集めたら勝ち。
交互に自分の色のジュエルを1つトレイに置いて、自分がジュエルを置いたときにトレイがいっぱいになればトレイ獲得。より大きくてより多くのトレイを獲得した方が勝ちです。元々は運要素のないアブストラクトゲームでしたが、2022年のリニューアル版ではカード効果で相手のジュエルをトレイから除外したり、派手な展開を見せるようになりました。
はらぺこバハムート
《はらぺこバハムート/10分/10歳〜/2021年発売》
交互にカードを出して攻撃して、相手のライフを0にしたら勝ち。
カードは16枚しかなくてイラストも可愛らしいので子供向けかと思いきや、カード効果を覚えてから何度も繰り返し遊びたくなるやりこみ系のカードゲーム。どこに効果を打ち消すカードがあるのか、まものをいつ出すかなど短時間の頭脳戦を楽しめます。
シンデレラのダンス
《シンデレラのダンス/10分/6歳〜/2022年発売》
トリックテイキングで、3トリックを獲得したら勝ち。
カードが1〜21までの数字が書かれた21枚しかないゲームで、相手が出した数より1〜3大きい数ならカードが出せます。出せるカードを持ってなかったり出したくなければ、相手がトリック獲得。先に3回トリックを取るのが目的です。ゲームから5枚のカードを除外するので疑心暗鬼になります。
ベニスコネクション
《ベニスコネクション/5分/8歳〜/2019年発売》
水路を一周完成させるか、もう完成しないと正しい宣言が出来たら勝ち。
ベニス運河の水路が描かれた16枚のタイルは、表が直線で裏がL字で全て同じ構成になっています。交互に1〜3枚好きな枚数のタイルを配置して、自分の手番で水路をグルっと一周出来れば勝ちです。置ける条件は必ず水路が繋がるように置くこと、2枚と3枚配置の時は必ず直線で置くことの2つだけ。繋げられないように水路を広げすぎて、相手に「不可能」と宣言されれば負けになるのでその辺のさじ加減も面白いですね。
コントラスト
《コントラスト/10分/6歳〜/2021年発売》
交互にボード上のコマを1マス進めて、一番奥のマスにコマが1つ到着したら勝ち。
5×5の白いボード上で遊びます。透明なコマには白と黒の矢印で進める方向が書いてあり、止まったマスによって矢印の表示が変化するのがこのゲーム最大の特徴。白いマスなら上下左右の黒い矢印が現れ、黒いタイルの上なら斜めの白い矢印が、灰色のタイルの上なら白と黒の両方の矢印が現れます。置いたタイルの場所は変えられないので、相手の利になってしまうこともあって悔しい思いをするゲームです。将棋のようにコマを取れないので、いかにして相手のコマを進ませないように出来るかがポイント。
セカンドベスト
《セカンドベスト/10分/6歳〜/2021年発売》
自分の色のコマを4つ連続で並べるか、同じマスに3個重ねたら勝ち。
丸く8つ並んだマスのボードを使って遊びます。交互にコマを置いて条件を満たした方が勝ちです。このゲーム最大の特徴は、相手が良い一手を打ったときに「セカンドベスト」と宣言すれば違う手に変えさせることが可能なのです。セカンドベストは一手につき1回だけですが、待ったがルールに組み込まれているのがユニークですね。
20分くらいで決着がつくゲーム
ワードン
《ワードン/15分/6歳〜/2020年発売》
相手が考えた3つの単語全てを先に当てたら勝ち。
五十音表を使った潜水艦ゲームです。お互いテーマに沿った3つの単語を書いたら、交互にひらがな1文字を指定します。単語に使われていれば「当たり」使われてなければ「ハズレ」当たりの隣なら「水しぶき」と宣言して、全ての単語を当てたら勝ちです。文字を当てるだけではなく単語を当てなきゃいけないのがもどかしくなります。リモートでも遊べるゲームとして話題になりました。
ナイツポーカー
《ナイツポーカー/15分/6歳〜/2019年発売》
相手より強い役を作って、城コマを2つ取れば勝ち。
1〜6まで5色の騎士コマを使って遊びます。交互にボード上の9つあるマスのどこかに自分の騎士コマ1つを置き、縦に配置された3個で役を作ります。城コマの向かい側に置かれた相手の騎士コマと役の強弱を比較し、強い方が城コマを獲得します。役は色が同じの連番、同じ数字3個、同じ色、連番の4種類のみ。作者はライナー・クニツィアで、アンケートで4位に入った『バトルライン』のお手軽版といったゲーム性です。
ザ・ゲーム:フェイス・トゥ・フェイス
《ザ・ゲーム:フェイス・トゥ・フェイス/20分/8歳〜/2019年》
先にカードを出し切ったら勝ち。
お互いが2〜59までのカードのセットを山札として持ち、そこから6枚手札にしてゲームを始めます。自分の場には1から昇順でカードを出せる所、60から降順でカードを出せる所の2ヶ所があって、最低でもカードを2枚出すのがルール。自分の場にカードを出せなければ相手の場にも出すことが可能ですが、1枚しか出せず、しかも昇順と降順が逆になるようにしか出せません。相手の場に出すのは相手の得になってしまいます。全てのカードを出し切るか、相手がカード2枚を出せなくなれば勝ちです。協力ゲーム『ザ・ゲーム』はいろんな拡張がありましたが、これが唯一の対戦型です。
新幕 桜降る代に決闘を
《新幕 桜降る代に決闘を/20分/12歳〜/2018年発売》
相手のライフを0にしたら勝ち。
4人のキャラクターから2人を選択して、キャラクター対応する11枚のカードを2セットを受け取ります。その22枚の中からゲームで使用する10枚を選んで遊ぶ格闘ゲームです。トレーディングカードゲームっぽいですが、使うカードも少なく初心者でもとっつき易いはず。カード効果を覚えたり、得意なキャラクターを見つけたりやり込み要素は満載。相手との間合いを表す桜の花びらがライフになったり、必殺技を使うためのメーターだったり面白い動きを見せます。2022年には拡張第7弾が出たほどの人気シリーズ。
九龍戦術
《九龍戦術/15分/8歳〜/2021年発売》
牌を裏向きのままで数字比べをして、2ラウンド先取したら勝ち。
お互いが1〜9までの牌を持ってゲームをします。お互いが牌を裏向きにしてボード上に1枚配置してボタンを押すと、緊張感のある音楽が流れてどっちの牌の方が数が大きかったのかを機械が判定してくれます。5回以上勝ったらラウンド勝利。2ラウンド先取で勝負が決まります。黒い牌が偶数で白い牌が奇数というのだけが分かっているので、判定結果を見て「相手の数はアレかな?」と推測していきます。1は9にだけ勝てるので、その読み合いが楽しいですね。
ヨメン
《ヨメン/15分/8歳〜/2020年発売》
相手がついたてで隠したブロックの配置を先に当てたら勝ち。
3×3マスのボード上に色と形の違うブロック3つを置いたらゲーム開始。交互に質問を繰り返して、相手がブロックをどんな風に置いているかを当てていきます。作者は倉橋良平で、アンケートで8位に入った『タギロン』の空間認識バージョンといった感じです。『タギロン』よりは難しいですが、頭から湯気が出そうな感じになるので個人的にはこっちの方が好きです。
アクションゲーム
クラスク
《クラスク/10分/8歳〜/2019年発売》
先に6点取ったら勝ち。
ボードの下から磁石を使って自分のスティックを操り、ボールを相手のゴールに入れれば1点です。自分のスティックがゴールに落ちたり、スティックが倒れたりして制御不能になると相手が1点獲得です。小さい白い磁石2つが自分のスティックにくっついても相手が1点獲得です。ミニマムなテーブルホッケーのようなゲームで、ルールが分かりやすく誰でも遊べます。慣れれば慣れるだけ上手くなるのも遊び甲斐がありますね。
ルービックレースマスター
《ルービックレースマスター/5分/8歳〜/2021年発売》
カラーパネルを動かして、お題通りの並びを作ったら勝ち。
キューブダイスを振ってお題を決定したらゲームスタート。手元にある5×5のスライドパズルを素早く動かして、真ん中にお題通りのパネルを並べ、2人の間に立っているパネルを手前に倒したら勝ちです。ルービックキューブをモチーフにしたボードゲームはいくつかありますが、2人対戦型はこれだけ。他にも6種類の遊び方があります。
侍石〜JISHAKU〜
《侍石/20分/14歳〜/2019年発売》
手元の磁石をなくしたら勝ち。
9つの超強力磁石を受け取り、交互にスポンジのくぼみに磁石を1つ置きます。もし他の磁石とくっついた場合はくっついた磁石を全て回収して受け取ります。ホントにこれだけのゲーム。くっついた時のカチッという音が忘れられないゲームです。他に3種類のルールがあります。単純明快な内容ですが、磁石を誤飲すると大変なことになるので対象年齢が14歳以上なんですね。
協力して目的達成を目指すゲーム
カルタマリナ
《カルタマリナ/30分×5章/10歳〜/2022年発売》
カルタマリナ号が海に沈む前に、バンカ島に到着するのが目的。
操舵、排水、移動、受渡、習得のうち3つのアクションを行ったら山札からカードをめくります。このときにクラーケンの攻撃が出ると、船ボードの上に水キューブを置かれ、たくさん溜まると沈むので排水しなければいけません。ただ、排水ばかりしていると操舵カードを集める暇がなくなり船が進みません。パニック映画の中に入り込んだようなゲーム性。沈む前にアクションと能力を駆使して島に到着出来れば目標達成です。リメイクされたアークライト版では5つのストーリーとキャラクターの成長要素が追加になり、更に面白くなっています。
トゥールームス
《トゥールームス/15分/10歳〜/2021年発売》
大きな館に入って吸血鬼を倒し、少女ニーナを助け出して脱出するのが目的。
山札からカード1枚を引いたら、2つある扉のどちらかにカードを入れて、その扉に入っているカード効果を全て解決します。これを繰り返して目標達成を目指します。このゲームが面白いのは、相談禁止で相手がプレイしている間は目を閉じるというルールです。目をつぶっている時に相手の行動を予想したり、展開を想像したりなかなか体験出来ないものがあります。作者は、上記の『カルタマリナ』と同じYUTORIOです。カップル向きのゲームで今アンケートを取れば上位に入ってきそうなゲームです。
最新じゃないけどじっくり勝負の名作
世界の七不思議:デュエル
《世界の七不思議:デュエル/30分/10歳〜/2015年発売》
交互にカードを獲得して、より文明を発展させたら勝ち。
2011年ドイツ年間ゲーム大賞のエキスパート賞に選ばれた『世界の七不思議』の2人専用バージョンです。最終的には第一時代〜第三時代で獲得したカードの合計得点を競いますが、科学のシンボルを全て集めるか、軍事力が相手より9点上回るとゲームの途中であっても勝ちとなります。なので、得点ばかりに気を取られていると科学と軍事力で急に負けるのでジレンマも生まれるし、緊張感もあります。
アグリコラ:牧場の動物たち THE BIG BOX
《アグリコラ:牧場の動物たち THE BIG BOX/30分/10歳〜/2020年発売》
相手より立派な牧場を作ったら勝ち。
拡張も多く作られているワーカープレイスメントの傑作『アグリコラ』の2人専用バージョン。動物の飼育に特化しているので本家よりあっさりした印象を受けますが、「アレが欲しいけど、相手にコレを渡す訳にはいかないし…」というワーカーを置く悩ましさは本家以上。2012年に発売されたときは建物がシンプルでしたが、拡張により種類豊富な建物が登場して飽きのこないゲームになりました。全ての拡張が入ったボックスが販売しています。
ロストシティ
《ロストシティ/30分/10歳〜/2015年発売》
探検をして、より得点を稼いだら勝ち。
5色ある探検カードを手札から色ごとの列に出して、出したカードに書かれた数字が得点になります。出す条件は昇順で出すこと。そして、1枚でもカードを出すとその色はマイナス20点になるので、出したカードの合計数が20を超えないとマイナス点になってしまいます。これだけでかなり苦しくも楽しいゲーム性になっています。公式ではプレイ時間30分と書いてましたが、もう少し短時間で終わるはず。オリジナルは1999年のゲームです。
ツィクスト
《ツイクスト/45分/8歳〜/2020年発売》
自分の色でボードの対面まで繋いだら勝ち。
交互にペグをボードの穴に差して、ペグが桂馬飛びの位置になったらブリッジを掛け、向かい合った辺と辺を繋ぐのが目的。運の要素が一切ないガチガチの渋いゲームです。アレックス・ランドルフが囲碁をヒントに1961年に作ったアブストラクトゲームで、何度もリメイクされていた名作。オリジナル発売から60年経って日本のメーカーであるジーピー社がリメイクしました。
横濱紳商伝デュエル
《横濱紳商伝デュエル/45分/12歳〜/2018年発売》
明治初期の横浜で商人としてより高い名声を得たら勝ち。
港で舶来品を集めたり、注文に応じた交易品を獲得したり、教会で信仰値を上げたり、様々な点数の稼ぎ方があるワーカープレイスメントゲーム。ワーカーに強弱があるのがアイデアですね。作者は林尚史で、海外版も発売された『横濱紳商伝』の2人専用バージョンです。かなり面白いので2人用ゲームの定番になるかと思ってたんですけど、遊んでる人が少ないのか評価が低い気がしますね。
どれを遊んでもハズレはないでしょう。あとは合うか合わないか。今にして思うと、なんであのときのランキングで上位に来なかったんだろうというゲームもありますね。
古いゲームもピックアップしましたが、どんどん面白い2人専用ボードゲームが更新されているんだなぁと感じました。気になるものは積極的に遊んでみよう!