【ボドゲと子供と教育と】幼児にオススメ! 『ゆかいなふくろ』で数の感覚を培う!!

子供が話始めたり、幼稚園に行き始めたりすると「そろそろ一緒にできるボードゲームはないかな?」と考え始めるのが、ボードゲーマーの性というものではないでしょうか。

今回は数を数えられるようになってきた幼児期にぴったりな、『ゆかいなふくろ』をご紹介したいと思います。カードをたくさん獲得した人が勝利……と、わかりやすいものです。

ゲームの概要

3から7までの数字が書かれたカードがあり、手札として3枚が配られます。

プレイヤーは自分の手番で手札から1枚から3枚のカードを共通の場に出すことができます。1枚も出さずにパスをすることはできません。共通の場に出されたカードは数字ごとに並べていきます。

このとき、「数字Nというカードに関してN枚目」を出したプレイヤーがそのカードを獲得できます。たとえば「3であれば3枚目」「4であれば4枚目」を出した人が、その数字カードをまとめて獲得できます。Aくんの手番時に5のカードが4枚、場に出ていたとして、そこにAくんが5枚目の5を出すことで、Aくんは場にある5のカード5枚を獲得することができます。

最終的にもっとも多くカードを獲得したプレイヤーの勝利となります。

なお、このゲームにはバリリアンとルールとして「ふゆかいなふくろ」というルールもあります。こちらは最も獲得したカードが少ない人の勝利となります。スリリングな展開となり、慣れてきたらこちらのルールで遊ぶのもオススメです。

数えることで量と数字を結びつける

個人差はありますが、3歳から4歳になると文字を覚えたり数を数えたりし始めます。「さん」という音と「3」という数字と「3つ」という量が微妙にリンクしきれていないこの時期に、このゲームを通じて具体的に「量」を扱うことで、これらをピタッと結びつけることができるようになります。

例えば、「7の列」を取ろうとしたとします。すると、現在共通の場に出されているカードについて「1,2,3,4、…」という風に毎回数えていくことになります。こうすることで、「なな」という音と「7」という数字、そして「7枚」という量が子供たちの頭の中でひとつのものとして認識されていきます。

反復することは、反復それ自体が目的化されてしまうと途端につまらないものになってしまいますが、このゲームではそうしたことなく、むしろ子供たちが積極的に自分から数を数え上げていきます。

楽しみながら量についての感覚を、気づかぬうちに養うことができる良作といえるでしょう。

数えるだけでは勝てない

大人同士でプレイすると、引き運に左右されてしまうことも少なくないこのゲームですが、数を数え始めた子供とプレイする場合、ほとんどの場合で大人が勝つことが予想されます。

大人の場合には自分が勝つために、「一つ小さい数字」、例えば「7のカードであれば6枚目」、「6のカードであれば5枚目」のリスクを考えることができますが、子供の場合にはなかなか気が付きません。少しずつプレイを重ねる中で、このような「ひとつ前の数字の重要性」に気が付き、それによってより「量」に対する感覚が具体的になっていきます。

また、直感的に「数字の大きなカード」を取りたいこのゲームですが、ゲーム後の振り返りなどを通じて、「3を2回取るよりも7を1回取ったほうが多い」などの事実に気が付くこともあるでしょう。もちろん、「かけ算」はもちろん、「足し算」すら知らない幼児期の子供たちではありますが、ひとつの「体験」として、数量を捉えていくことはとても重要なことです。

このようにして、量について様々な方向からその子の頭の中にイメージを作っていくことができます。

終わりに

特に、子供というのは同じゲームを何度もプレイすることを好む傾向があるように思います。その意味では、プレイを重ねるごとで量の感覚が醸成されていくこのゲームは、まさしく幼児期にぴったりと言えます。我が家も上の二人は4歳、5歳くらいでプレイしていました。下の子は現在2歳なのでまだできません。さて、彼女のファーストボードゲームは何になることやら……!?