2月23日は富士山の日です。
2・2・3でフジサンという単なる語呂合わせではありますが、山梨県が冬場の観光振興と環境づくり目的で制定し、後に静岡県も富士山を学び考える日として条例に制定しています。2月23日は天皇誕生日なので祝日で日本中が休日ですが、それ以前から静岡県内の公立校は2月23日がお休みだったようですね。
日本一の高い山に関する日を記念して、山に関するボードゲームをピックアップ。マウン“テン”だけに10タイトル紹介します。気になるボードゲームがあったら、山の見える部屋で遊んでみるのも良いかも知れませんね。
富士–脱出–
〈富士 -脱出-/2〜4人/10歳〜/30~45分〉
調査隊員になって、富士山の噴火から逃げる協力ゲーム。
難易度別のシナリオを選び、指定された通りにマグマカードを並べてマップを作ってからゲームを始めます。サイコロ5個を振って、進みたいマグマカードと同じ色の出目の合計数が両隣の人より大きければ自分のコマを進めることが出来ます。しかし、サイコロは各々が衝立の裏で見えないように振って、何が出たかは言えないルール。サイコロの出目の大小についての相談が面白いゲームです。『ブラッディ・イン』や『ワーリング・ウィッチクラフト』のイラストと同じウェバーソン・サンティアゴがアートワークを担当していて、時代設定も分からないこの世の終わりみたいな不気味な雰囲気を漂わせています。
富士山地下九九階
〈富士山地下九九階/2〜4人/10歳〜/15~30分〉
富士山の地下99階を目指すすごろくゲーム。
巾着の中に入っているキューブを中を見ないで取り出して、取ったキューブの数だけコマを進めるすごろくです。ただし、赤いキューブが3個あるとバーストで進めません。そして勝った人だけがストーリーブックを読むことが出来ます。富士山の地下を潜る世界観もコマの進め方も優勝商品も何もかもオリジナル性あふれたゲームです。
フジコロ
〈フジコロ/1〜6人/12歳〜/60~120分〉
侍になって富士山内部の洞窟を探検するゲーム。
富士山が噴火する前にドラゴンを倒して秘宝を手にするのが目的のRPG風ファンタジーボードゲーム。フィギュアや神社や溶岩などがよく出来ていて、とにかくコンポーネントが立派で派手。資源を集めて武器を作っていくのも楽しく、その武器の装備がパズルゲームのような要素もあります。結構時間のかかるゲームですが、褒め言葉としてバカっぽいのが魅力です。みんなで力を合わせてドラゴンを倒す協力ルールもあります。
魔法の山
〈魔法の山/1〜6人/5歳〜/15分〉
魔女よりも先に生徒たちを山から降ろす協力ゲーム。
ボード自体が斜めに傾いていて、山を表しているのがこのゲーム最大の特徴です。あみだくじのようなみぞがあって、ビー玉がどちらに転がるかを予測して上のほうからコロコロとビー玉を転がします。ビー玉が生徒か魔女にぶつかったら、そのキャラクターをビー玉と同じ色のマスにワープさせます。これを繰り返して魔女より先に生徒たちを山から降ろすのが目的です。ビー玉を転がすのがメインなので子供でも遊べる可愛らしいゲームで、2022年のドイツ年間キッズゲーム大賞に選ばれています。
大熊山
〈大熊山/2〜4人/9歳〜/30~45分〉
手に入れた山の幸を売ってお金を稼ぐすごろくゲーム。
猟師になって大熊山を登り、山の幸をたくさん手に入れ、下山してからお金に換えます。何回か熊に遭遇すると山の幸は全て没収になるので、ある程度のところで下山する必要があります。このゲーム最大の特徴は、1人が山に登らないおばあちゃん役になって、下山する前の猟師から山の幸を買い取ります。当然ながら山の幸を安く買い叩いたりの交渉が白熱します。さらにおばあちゃんは熊を追い払う犬を猟師にレンタルしてお金を稼ぎます。全員が何回かおばあちゃん役をやったら最終的なお金を比べて勝敗を決めます。同人ゲームなのであまり出回っていませんが隠れた秀作です。
大熊山めちゃめちゃ面白いしほんとおすすめできるゲーム〜〜 pic.twitter.com/t75boN1D44
— ちひろのボドゲ垢 (@chi_bg87) April 14, 2021
TOZAN
〈TOZAN/1人/6歳〜/5~10分〉
山の頂まで登って、ちゃんと下山するのが目的の1人用カードゲーム。
晴れや雨、風や雪崩などの山の天気を予想して山を登ってくゲームです。使うカードはたったの16枚!実際は標高や体力を表すためのパラメーター的なカードや拡張ルール用のカードがあるので、置いたりめくったりして使うカードは半分の8枚だけになります。それなのに登山をしている感じが表現されているのは見事。準備と片付けも含めて10分程で終わるあっさりしたバッティングゲームですが、なかなか面白いです。
K2
〈K2/1〜5人/10歳〜/60~80分〉
高さ世界第2位の山K2に挑戦し、より高い位置に登るのが目的のボードゲーム。
数字が書かれた行動カードを出して自分の2つある登山者コマを進めていくすごろくゲームです。標高が低いマスに入れば体力が上がりますが、標高が高いマスは体力が減るので体力の消耗に気をつけながら登っていく必要があります。天気次第ではさらに体力は奪われ、ホントの登山もこんなに厳しいんだろうか…と登山者の気持ちが分かったような気分に浸れます。どんなに高く登っても体力が無くなると死んでしまうので、途中でテントを張ったりしながら18日間の登山に挑みます。拡張が3種類も発売されているほどやり込み要素があるゲームで、登山ゲームの超傑作です。
狂気山脈
〈狂気山脈/3〜5人/12歳〜/60~90分〉
ラヴクラフトの代表作「狂気山脈」を追体験。前人未到の山脈に挑む南極調査隊になって、山脈から脱出する協力ゲーム。
ミッションを達成するためには全員が一丸となってゲームを進めていくことが重要ですが、各々が狂気カードに書かれた狂気を演じる必要があるので、みんなが邪魔になってミッションがなかなかクリア出来ません。その狂気というのが歌うように発言する、その辺をウロウロ歩き回る、などなど不条理な行動ばかり。ゲーム自体はシリアスな設定ですが、実際は笑いが絶えないパーティーゲーム寄りのバカゲー。初対面の人とやるのは相当辛そうなので、仲の良い友人と遊ぶことをオススメします。
マウンテンキング
〈マウンテンキング/2〜5人/12歳〜/75〜90分〉
山を奪われたトロールのリーダーになって、トンネルを掘り進めた先に彫像を運んで山の落盤で埋もれた王国を再建するタイル配置ゲーム。
資源を使ってトンネルを掘っていき、出来るだけ中心に古代の彫像を運ぶのが目的です。トロールを招集すれば資源を得ることが可能ですが、トロールのカードはピラミッド状に配置するルールで配置した時にその下にある資源も貰えるというシステムが面白く、常に頭を悩ませます。掘ったトンネルに広さがあれば得点となる大広間が置けたり、彫像の下に台座を置けば得点となりますが、大広間も台座もいろんなものが早い者勝ちなので焦る気持ちを落ち着かせたくなるほどワクワク感に満ちたゲームです。拡張では協力ルールで遊ぶことが可能になっています。
ホットショット:山岳消防隊
〈ホットショット:山岳消防隊/1〜4人/10歳〜/60分〉
山岳消火隊の隊員になって山火事を鎮火する協力ゲーム。
スタート地点である指揮本部もしくは8ヶ所が燃える前に全ての炎を消火するのが目標です。消防隊長・観測員・伐採隊員・運搬隊員どれかの役職になり、マップ内を移動したら道具が描かれたサイコロを振って消火活動をします。残った火はカードの指示で大きくなったり、風向きによって延焼したり…。サイコロ運やカード運に翻弄されるゲーム性となっています。日本語の説明書が付属したバージョンのみで日本語版が発売されていない入手困難なボードゲームではありますが、よく出来た協力ゲームのひとつです。
今回調べて分かったのは、山をテーマにしたボードゲームは協力ゲームが多めなんですね。自然の力には人間ごときでは勝てやしない……と思わせる象徴が、山なのかも知れませんね。とにかくデカいからこそ、みんなで力を合わせて立ち向かうものなんでしょう。日本は山だらけの国なので、身近な存在です。山を意識して遊んでみてはいかがでしょうか。