2023年3月8日に第5回ワールド・ベースボール・クラシック(以下、WBC)が開催されます。実に6年ぶりの開催です。侍ジャパンこと野球日本代表の試合は、3月9日〜12日まで東京ドームで連日行われます。全て午後7時プレイボールなので見やすい! さらに勝ち進めば準々決勝ラウンドも待っていますね。超一流選手が集結したドリームチームなので、野球ファンならずとも注目の大会ですね。どんなドラマが待っているのか今から楽しみです。
侍ジャパン公式YouTubeにて配信!
3月に開催される2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™の侍ジャパン出場メンバーを紹介。楽曲は「侍ジャパン公式アンセム~結束~」(作曲:高梨康治)です。https://t.co/DsbzVAyyrx#侍ジャパン #WorldBaseballClassic pic.twitter.com/znHdw2Ar2n— 野球日本代表 侍ジャパン 公式 (@samuraijapan_pr) February 10, 2023
さて、野球のボードゲームと言えば野球盤。野球場をイメージしたボード上で、守備側がピッチャーになって球を転がし、攻撃側がタイミングよくバットで打ち返して「ヒット」や「ホームラン」などと書かれた穴に入れて、得点を競う対戦型のアクションゲームです。男の子なら子供の頃に一度は遊んだことがあるでしょう。
野球盤が日本生まれのボードゲームって知ってましたか? 玩具メーカーのエポック社の創業者である前田竹虎さんが開発したゲームです。というか野球盤を作るためにエポック社を創業したのです。アメリカに野球をテーマにした1人用のパチンコゲームはあったそうですが、対戦ゲームにしたのは前田竹虎さんが最初。
他のメーカーからも似たような野球ゲームが次々と発売されましたが、エポック社は現在も野球盤を販売し続けています。「野球盤って今もあるの?」なんて思っている人もいそうなので、WBC開催を記念してエポック社の野球盤の歴史を振り返ってみましょう! 物凄い進化を遂げているのです。では、歴史のポイントとなる作品を中心に古いものから紹介します。
グラウンドだけ期
1958年 野球盤
これが世界初の対戦型野球盤。鉄の球には縫い目が再現され、守備の選手はこけしのような人形でした。またピッチャーが投げられるのはストレートだけ。大卒の初任給が1万2000円の時代に1台1750円という高価な玩具でしたが、月に2000台も売れる大ヒット商品となりました。木製の選手はこけし職人が作り、盤面は家具職人がひとつひとつ丁寧に作ったそうです。
初代野球盤⚾️ pic.twitter.com/MB1YD9duVN
— 🌟眠たいそれがし…👻ྀི (@ottotyandesuyo) June 10, 2018
1959年 野球盤A-2型
マグネチック・ボール・コントローラーと名付けられた変化球機能が搭載。磁石の力で鉄の球のコースを曲げることにより、ピッチャーが直球だけでなくカーブやシュートを投げられるようになりました。初代から1年後には変化球が完成してたんですね。
1959年 野球盤B型
当時は「野球盤」という名前で販売された商品。盤面が四角ではなくハマグリ型に変更となりました。初代パ・リーグ会長の中沢不二雄さんが監修。デビュー2年目で当時のスター選手だった長嶋茂雄さんが広告に起用されました。
昭和30年代の野球盤の広告。パッケージが長嶋茂雄さんというのが時代ですね〜。#昭和レトロ#ご昭和ねがいます pic.twitter.com/l8rSEJAv7q
— 米澤光司(パルプンテのぶ) (@yonezawakouji) April 8, 2022
1960年 野球盤E-1型
玩具業界初のとなるTVコマーシャルが作られ、放映されました。
1965年 アトム野球盤F型
当時絶対な人気を誇ったアニメと初のコラボレーション商品を発売。盤面には鉄腕アトムが守備をしているイラストが描かれています。
鉄腕アトム・野球盤🤖⚾️
投げるのも守るのもアトムくんだね😃✨#昭和生まれ pic.twitter.com/mCfwCwFn4I— ナッツ7つ (@ntsu579) June 6, 2020
1969年 巨人の星 野球盤C型
当時、週刊少年マガジンに連載中だった人気漫画とのコラボレーション商品。盤面には投球をする星飛雄馬などが描かれています。巨人の星と言えば消える魔球の大リーグボール2号がありますが、この時はまだ野球盤に消える魔球が存在していませんでした。エポック社が野球盤で消える魔球を完成させるのは3年後の話。
巨人の星 野球盤 pic.twitter.com/ss6IhnIi9O
— 星若@毎月10日は出走回避 (@hoshiwaka) March 11, 2020
野球盤ブーム期
1970年 デラックス野球盤
スタジアムだけだった野球盤に客席のスタンドが初登場。守備の選手も立体的になりちょっとリアルに。バッティングは、レバーを手前に引いて手を離すとバットを振るように変更されました。
1972年 オールスター野球盤BM型 魔球装置付き
ついに魔球装置が初登場。ピッチャー側がレバーを引くとホームベースの下がパカっと開いて、絶対に打てない消える魔球が投げられるようになりました。
懐かしいモノ
エポック社 オールスター野球盤 (*_*)
先日、友人から頂いた。
箱を開けたら付属品無し。
盤のみ(笑)雰囲気は良いな#ゲーム#プロ野球#魔球 pic.twitter.com/yqAgKSGW18
— ピーカップ (@natukashi49) December 15, 2018
1972年 デラックス野球盤 魔球装置付き
スイッチバッター装置が初登場。バットを左座席に付け替えることが可能になり、左右の打ち分けが出来るようになりました。
先ほどの投稿には誤解を招く表現がありましたので、訂正再投稿です。コメント頂いた方、ご容赦を。野球盤買いました。50年前のデラックス盤です。当時で4000円弱の豪華版で結構リアル!届いた商品にボールが欠品していまして!このゲームのボールはパチンコ玉に酷似しています!神戸君、調達任せた! pic.twitter.com/evS5ouWohC
— 大前一樹 (@KazukiOmae) October 28, 2019
デラックス野球盤とデラックス野球盤魔球装置付きのTVコマーシャル
1974年 野球盤AM型
ボタンを押すとバットが振れるワンタッチヒッティング装置が初搭載。ストライク・ボールカウントが分かるダイヤル式のカウンターが初登場。新しい機能がウケて、累計300万台も売れた野球盤史上最大のヒット作となりました。
エポック社の野球盤AM型。 pic.twitter.com/Pm6cOJIlu9
— さいとー (@otias_k_1026) February 5, 2023
1974年 野球盤CM型
メガヒットの野球盤AM型の廉価版。A型が豪華版で、B型が中型、C型がお手軽版という認識でいいと思います。最初のパッケージには長嶋茂雄さんが採用されました。
1974年の野球盤
AM型の低価格版として発売されたCM型。
AM型よりサイズは小さいが、AM型同様にワンタッチヒッティング装置やダイヤル式カウンターを搭載し、野球盤の楽しさをそのままコンパクトに凝縮。 pic.twitter.com/pcNOcVZz04
— しもじ (@Shimoji2) May 26, 2021
1977年 野球盤AM型(連続投球装置付き)
連続投球装置が初登場。ピッチャーマウンドに球を複数個置けるようになったので、打ったらピッチャーに戻すという1球ごとの手間が省けるようになりました。
1978年 野球盤AM型人工芝球場
人工芝が初登場。これにより弱い打球は途中で止まるようになりました。
1978年 ジャイアンツ野球盤BM型
前年の1977年に発売された野球盤BM型の読売巨人軍バージョン。グラウンドにはジャイアンツの選手8人がイラストで描いてあります。
#昭和の日なので昭和っぽいことを呟こう
ジャイアンツ野球盤(エポック社) pic.twitter.com/zfHmwJjhg5— 阿阿 (@abe99t) April 29, 2017
1979年 ジャイアンツ野球盤BM型人工芝球場
ジャイアンツバージョンの人工芝あり野球盤。選手のイラストはなくなりましたが、ファールグラウンドにはジャイアンツのマークと文字が書いてあります。
エポック ジャイアンツ野球盤BM型。デッドストック。消える魔球も使えます∑︎(๑°口°๑)#コレクション #レトロ #野球盤 #人工芝 pic.twitter.com/I6TgIEvyLC
— 福珍(ぷっちん) (@pucchinpurin8) February 8, 2019
1982年 パーフェクト野球盤A型
投球するとホームランの位置にある数字がクルクル回って、球の速度が表示されるスピードガン機能が初搭載されています。さらに、盗塁判定装置が初搭載。STEALと書かれたツマミを回すと、セーフかアウトが現れるので盗塁の判定が出来ます。あとはオートランナー機能も初搭載で、ヒットを打った後にレバーを操作すると地下に潜っていたランナーが塁に現れます。
懐かしきパーフェクト野球盤。片付けしてたら出てきたらしい pic.twitter.com/NeaMX1QkbI
— ハナサキ (@hanasaki_ixi) April 4, 2018
1982年 原辰徳のパーフェクト野球盤B型
当時のスター選手である原辰徳さんバージョン。ただし、スイッチバッター装置がなくなり、パーフェクト野球盤A型をひと回り小さくした商品です。
今日の戦利品。
原辰徳のパーフェクト野球盤B型
1981年製エポック社の野球盤です。
よくもまあ完動品が残っていたなぁと思います。
次のヒビキ会に持っていきますね。 #ヒビキ会 #野球盤 #昭和レトロ pic.twitter.com/vCucG6rC7i— ヒビキ (@hibikisanNERF) July 1, 2018
2Dから3Dへのチャレンジ期
1988年 ビッグエッグ野球盤
東京ドームの完成に合わせて作られた、初の屋根付きドーム型の野球盤。初の電動式で、自動ピッチングが選べるようになり1人で遊ぶことが可能になりました。ちなみに1人プレイは不評だったのか、自動ピッチングはこの後の商品に引き継がれていない機能です。そして、鉄の球とアルミの球がランダムに投球されるようになっていて、アルミの球をジャストミートするとフワッとアーチを描いてスタンドインする作りになっていました。
【#文京野球物語 #63】#東京ドーム はオープン当時 #ビッグエッグ という愛称だったよ💡
これは、当時の東京ドームの愛称「ビッグエッグ」の名を冠した野球盤😉✨#NPB #おうちミュージアム #野球殿堂博物館 #文京区 #野球 #プロ野球 #giants #ジャイアンツ #lovefighters #ファイターズ #baseball pic.twitter.com/TQBywDXd0b
— 野球殿堂博物館 (@BaseballHOF1959) May 21, 2021
1995年 パーフェクト野球盤ブルースタジアム
日本人メジャーリーガーの活躍が目立った年で、盤面がアメリカのボールパークを意識したカラーリングになっています。
エポック社パーフェクト野球盤懐かしいww
ブルースタジアム?どこだよそれwww箱見たら1995 pic.twitter.com/KCHDzUsGwJ
— 健兄ゃん@ギッフィー (@sco_nyan) May 28, 2014
1997年 フルオート野球盤PRO
グラウンドが斜めで打った球はキャッチャーの方に転がるような作りで、下を通ってマウンドに戻るオートリターン機能を初搭載。球を拾ったり戻したりせずにプレイが可能になりました。
エポック フルオート野球盤PRO
買い取りました!
お持ち込みありがとうございます! pic.twitter.com/wIEdjBXNMu
— リサイクルCube 福山駅家店 (@junkdoh) January 9, 2018
2005年 野球盤デラックス
選手が丸く立体的な人形になり、ポーズをつけられるアクションフィギュアシステムを初導入。バッターも人形がバットを持つようになり、今まで以上に野球をやっている感じになりました。人形の場所を変える守備位置変更機能も初導入されました。TVコマーシャルは何故か消える魔球をメインにした内容で、新機能の部分を全くアピールしていない残念なものになっています。
2006年 実況パワフルプロ野球野球盤
KONAMIの野球ゲーム「実況パワフルプロ野球」とのコラボレーション商品。盤面に組み込まれたセンサーが球の動きを把握して、音声で実況するシステムを初搭載しました。このコラボがなければ、実況アナウンスは生まれなかったかも?
実況パワフルプロ野球野球盤#実況パワフルプロ野球 #パワプロ #實況野球 #野球盤 pic.twitter.com/6fp0BsUHVl
— mさん (@msunTW) August 8, 2017
2008年 野球盤ACE
ホームベースの直前で球が弾かれ、浮き上がってバットを飛び越える新魔球ライジングボールが初登場しました。
2009年 野球盤ライブスタジアム
電光掲示板を初搭載。入ると何が起こるか分からない「⁉︎ポケット」が初登場しました。
2010年 野球盤スラッガー
バットの先端に高反発素材のゴムが使われ、打った球が宙を飛ぶようになりました。
2011年 野球盤K
デュアル変化球レバーが初登場。ジョイスティックのように自在に動かせる変化球レバーで、カーブやシュートなどの左右の曲がりはもちろん、前後にも変化が付けられるようになりました。
今日紹介する商品は、エポック社の「野球盤K」です。
今の野球盤もいいですが、昔の野球盤も面白いので
是非やってみてはいかがでしょうか。#ハードオフ #新潟県 #長岡 #野球盤 pic.twitter.com/3qkLUGqt1c— ハードオフ長岡川崎店【公式】 (@hardnkawasaki) October 26, 2018
2013年 野球盤ダブルスラッガーエクストリームライブ
液晶の電光掲示板が初登場のデジタル仕様の野球盤。
今夜は息子と野球盤ダブルスラッガー。序盤からコツコツ得点を重ねリードする父に対し、なかなか感覚のつかめない息子。投了したいと泣き言を言いながらも続けていると徐々に感覚をつかみだし、8回には同点に。9回にも更に得点し息子の逆転勝利! pic.twitter.com/zQsf6lWYbm
— hagizou papa (@hagizou) July 5, 2016
2015年 野球盤3Dエース
3Dピッチング機能が初搭載。今までのようにピッチャーが球を転がすのではなく、本当に空中に投げます。カーブやシュートなど左右に曲がるのはもちろん、上下も含めた変化球を投げられるようになりました。これは本当に画期的!
https://epoch.jp/cm/sp/cm.php?id=0116
2017年 野球盤3Dエースオーロラビジョン
カラー液晶の電光掲示板が初登場。多彩なアニメーションや実況アナウンスが繰り広げられるようになりました。
「お父さんが遊んでた野球盤って、ボールが飛ばなかったの?」そんな会話が聞こえてきそうな、「3Dピッチング&バッティング機能」を搭載した、最新の野球盤は7月8日に新発売です! https://t.co/tzGaw4c4hd pic.twitter.com/2QYiSmzgdT
— 【公式】エポック社 (@EPOCH1958) July 6, 2017
2018年 野球盤3Dエースモンスターコントロール
速度と投球コースをリアルタイムで計測し、電光掲示板に球筋をグリッド表示するようになりました。そしてバッター側は、ピッチャーの配球に合わせて上下を変えられる3Dスラッガー機能が初搭載。ピッチャーが投げる球種と高さとコースを読み合う心理戦は野球そのもの。2023年時点で最新の野球盤。
エポック社製の野球盤#モンスターコントロール
購入しました。
これはボードゲームなのかσ(^_^;)?
ボドゲ会に持っていっても大丈夫なのか( -_・)?#これってボドゲ pic.twitter.com/V0guchEDOj— 都金 (@rVtf8B8KaBCNzsi) May 17, 2021
2020年 野球盤3Dエーススタンダード侍ジャパン野球日本代表ver.
9種類の球を投げ分けることが可能な野球盤3Dエースのスタンダード、侍ジャパンバージョン。ジャイアンツやタイガースなど様々なプロ野球チームのバージョンはありましたが日本代表はこれだけ。
エポック社の野球盤!
野獣日本代表ver.!!
選んでいただきありがとうございます😊
組み立ててで侍ジャパンのシールを貼る作業だけでもテンション上がります😀
子供はもちろん、大人も楽しめました!
ホームランを出すにはまだまだ練習が必要ですね笑笑#エポック社 #野球盤 #侍ジャパン pic.twitter.com/m2atQvkjka— セキP (@seki_pi) October 16, 2021
60年以上も前に誕生した野球盤は年々進化してたんですね。振り返ってみると、1972年の消える魔球、2005年の立体人形、2010年の高反発バット、2015年の3Dピッチングがかなりのアイデア。ビッグエッグ野球盤から始まった球を浮かせる工夫が、ライジングボールや高反発バットを経て3Dピッチングで花開いた感じ。特に3Dピッチング機能と3Dスラッガー機能の対決は従来の野球盤とは別ゲームと言っても過言じゃないほどの転機で、めちゃくちゃ面白いので遊んでない人はもったいない! 野球に興味がない人でも「ドラえもん」や「スーパーマリオ」や「シルバニアファミリー」のコラボ商品などもあって手を伸ばしやすくなっているのでぜひ!
この先、野球盤がどんな進化を見せてくれるのか楽しみで仕方ないです。WBCを応援した後は、絶対に野球がやりたくなるはずなので、そんなときこそ気軽に遊べる野球盤ですよ。