『ミシシッピクイーン』や『カルタヘナ』など、子どもと一緒に楽しめるレース系ゲーム5選【ボドゲと子供と教育と】

運動会と言えば10月!と思っていたのですが、どうやら東京では5月に開催される学校もあるようです。運動会の花形と言えば徒競走! ということで、今回は子どもと楽しめるレース系ゲーム5選をお送りしようと思います。

ミシシッピクイーン

ミシシッピクイーン』は、1997年にドイツゲーム賞を受賞したちょっと古いゲームになります。

手番では、スピードや角度を調整しながらゴールを目指して進んできます。しかし、話はそう単純ではなく、途中で乗客を乗せねばなりません。しかもこの乗客を乗せるには減速せねばならず……。

つまり、このゲームはレース系のゲームでありながら単に速く移動すればよいというわけではないのです。どのタイミングで乗客を乗せに行くのか、どのタイミングで他のプレイヤーを出し抜いて加速するのか、といった戦略性が必要になってきます。

また、石炭を用いることでスピードや角度をより調整することができるのですが、これは使いきりであるため、その使用には計画性と思い切りが必要になってきます。

このように、戦略性や計画性が必要とされながらも、新たなコース展開をダイスに委ねることで、ほどよく運要素も加味したバランスの良いファミリーゲームと言えます。

サウマウマウ

みなさんご存じの「UNO」にレース要素を組み合わせたようなゲームです。カードプレイは、「UNO」のように同じ数字か同じ色のカードを出していきます。そして、その数だけその色の豚が進んでいきます。

このゲームでは、手札を出さなかったときにカードを1枚補充し、そのタイミングで1位になる豚を予想することができます。当然、この予想が当たったプレイヤーの中で、一番最初に予想したプレイヤーの得点が高くなります。

多くのプレイヤーが予想している(勝ってほしいと思っている)豚の進みは当然早く、得点差は予想の順番の分しか付きません。一方で、自分だけが予想している色の豚は得点差を生み出すことはできますが、進みが遅くなってしまいます。

このように、カードの出し方によってある程度豚の進行をコントロールすることができることから、予想を絡めた駆け引きを楽しむことができます。

また、手札を出し切ったり、豚をゴールさせたプレイヤーも勝利点が獲得できるなど、得点方法が複数ある点も面白味の一つと言えるでしょう。ルールも非常にシンプルなので、予想をしたり駆け引きがあるゲームの入門編に最適なゲームだと思います。

カルタヘナ

カルタヘナ』は、手札を使って自分の駒6個をゴールまで進めていくゲームです。

道には6種類の絵が描かれています。手札から、ボード上の絵に対応するカードを出すと、その絵の場所まで移動することができます。このとき、移動先に他のプレイヤーの駒がいるときには、さらに先の同じ絵が描かれた場所まで移動することが可能になるのです。一気に先まで進むことができたときには、爽快感を味わうことができます。

しかし、そう単純にはいきません。

カードの補充には、他のプレイヤーがいる場所まで戻らなくてはならないのです。このとき、戻った先にいる駒の数だけカードが引けるのですが、一つの場所には3つの駒しかいることができません。従って、一度にもらうことのできるカードは最大2枚ということになり、思いのほか、カードはカツカツな状況になっていきます(笑)

進むときも、戻るときも、常に相手プレイヤーの駒を利用することが大切になりますし、自分の駒は相手に都合よく利用され過ぎないようにする必要があります。ルールは単純でありながら、プレイヤー間のインタラクションを楽しむことのできるファミリーゲームの良作ということができます。

レミングス

レミングス』は、地形に合わせて手札からカードを出し、2匹の自分のレミングをゴールさせるゲームです。

自分が出した地形カードによって、草原か、あるいはそれに対応する地形を移動することができます。また、このとき、前に出されたカードとの合計だけ進むことができるのですが、前に出されたカードよりも小さいカードを出す時には、これまでのカードが捨て札となってしまいます。

つまり、状況によっては「0」のカードを出すことが最も進む数が大きくなることもあり得るということです。

大きい数字のカードが常に最善というわけではなく、ときに小さいカードの方が移動を最大化できるといったゲーム性が、このゲームの戦略性を一段上にあげてくれています。

また、移動するための数を使うことで目の前にいる相手を押し出すこともできますし、カードを捨て札にすることでタイルを使って地形を自分に有利な地形に変更したりすることもできます。

このように、他のプレイヤーを妨害する要素も存分にあります!

レースゲームならではの、ポジション取りの重要性はもちろん、自分が大きい数字を出してしまうと他のプレイヤーに利用されてしまう可能性があるなど、ジレンマがありながらワイワイ楽しむ要素がたくさん込められています。ゴールを目指して進むというわかりやすいルールながら、しっかりと戦略性・思考性がある佳作と言えるでしょう。

フルスロットル

どのバイクが最初に3周するかを予想するレースゲームです。

山札からカードがめくられ、そのめくられたカードの色のバイクが書かれた数字の数だけ進んでいきます。そして、人数+3枚のカードがめくられたとき、そこでカードをめくることはストップし、めくられたカードについてスタートプレイヤーから1枚ずつドラフトしていきます。このとき、獲得したカードがすなわち自分の予想となります。

ここで、自分がカードを獲得するということは、山札からそのカードが除外されることになりますから、その色のバイクの進みはそれ以降遅くなるというジレンマを抱えることになります。

また、だれがどのカードを獲得しているかはわかりませんが、一度公開されているカードについてドラフトなので、ある程度どの色に人気が集まっているかは予想することができます。さらに、後半になってくると、自分の狙っている色がある程度固まった来るため、山札が引かれるだけでも盛り上がりを見せます。

山札はおよそ1周しないくらいでなくなるので、後半は単なる運ではなく、みんなが選んだ(残した)カードたちが出てくることになり、それぞれの思惑が交錯してきます。引き次第の単なる「運ゲー」とは一線を画していますね。

予想するのみにとどまらず、自分が予想するとその色のバイクが遅くなってしまうというジレンマとラウンドで出てきたカードを記憶しておく記憶力と集中力が融合した良作です。手番でやることはカードを1枚ずつ取っていくだけなので、テンポよく1ゲームが短いところも子供とやるゲームとしてはありがたいところです。

最後に

一言でレースゲームと言っても、加わる要素によって全く違うゲームになっているから面白いですね。それでいて、総じて「爽快感」を味わうことができる点は共通しているのも面白い点だと感じました。

子どもと一緒にプレイするときは、「出来そう」というだけでなく、その子が興味を持った「テーマ」、「フレーバー」に合わせてゲームを選んでいくのも面白いかもしれません。