すごろくやから2023年8月11日、『チューリングマシン』の日本語版が発売されます。
内容は、質問を繰り返して3桁の数字を当てる!というボードゲームです。俗に論理パズルなんて言われるジャンルのゲームで、似たシステムのゲームとしては『タギロン』や『4人の容疑者〜湯けむりに消えた謎』などがあります。とにかく、他の人よりも早く正解を当てるのが目的になります。
ちなみに、2022年にドイツのエッセンで開催された世界最大のアナログゲームイベント「シュピール’22」で、来場者が面白かったゲームとして投票したのを集計するスカウトアクションで第3位に輝いた注目作でもあります。やっと日本語版の登場となります。
ギミックが凄すぎて意味不明
ゲーム内容としては、よくある数字当てゲーム。しかし、その数字を当てる為のギミックが斬新で、想像を絶する物凄い作りになっています。是非とも一度は実物を触って、多くの人に驚いて欲しいのです。マジで、凄過ぎる!
数字カード1枚にはポコポコとたくさんの穴が空いています。
その数字カード(青の三角、黄色の四角🟨、紫の丸🟣)を3枚適当に選んで、青・黄色・紫の順番で綺麗に重ねます。そして質問内容が書かれた要件カードを1枚選びます。ちなみに要件カードには下の写真のようにいろんな質問が書いてあります。
要件カードの隣には、✖︎と✔︎がいっぱい書かれた判定カードが置いてあります。
数字カードを3枚重ねて、判定カードの上に置くと✖︎か✔︎のどちらかが1つだけ表示されます。下の写真は、✔︎が表示されたので質問内容と選んだ数字がピッタリ合っているということになります。
どういう仕組みなのかは分かりませんが、穴あきカードを重ねると必ず正しい答えが表示されるのです。これを繰り返して、正解の3桁の数字を当てるというのがゲームの流れです。
判定カード左上に◯、左下に◻︎、右下に△が書いてあるのは重ねる時に間違えないための目印です。
こんなのをアナログで作り上げてしまうとは……。思わず、うなっちゃいます…。ゲームはさておき、これを触って仕組みを考えてるだけで楽しくなってしまいますね。
実際に遊んでみた
これだけでは『チューリングマシン』の凄さが伝わらないので、説明書に掲載してあった初級用の問題を1ゲーム遊んでみました。写真とともに紹介します。皆さんも正解を推測しながら読んでみてください。
まずは、説明書に書かれた要件カードと判定カードを4枚ずつ並べて準備完了です。
最初は何の手掛かりもないので、テキトーに3枚の数字カードを選びました。青の1、黄色の2、紫の4です。青・黄色・紫の順に並べるので、今回は124です。
4枚並んだ要件カードから好きなカードを選んで、最大3枚まで判定することが出来ます。まずは「🟨の値と3の大小関係」が分かる要件カードを選びました。
数字カードを3枚重ねて、要件カードの隣に置いてある判定カードの上に置いてみましょう。
✖︎が表れました。ハズレです。黄色の2を使って✖︎なので黄色は3よりも小さくない、要するに黄色は3より大きいということを意味しています。このゲームは1〜5までしか数字を使わないので、黄色は3か4か5ということが分かりました。
次は「コード内の4の個数」という要件カードを選択です。コードというのは正解の数字で、正解の数字の中に4がいくつ入っているのかを確かめてみましょう。
数字カードを重ねて、判定カードの上に置くと……。
✔︎が表れました。当たりです。124で判定して当たりなので、正解の数字の中には4が1個だけあるというのが分かりました。ただし、どこが4なのかはまだ分かりませんが。
最大3枚まで要件カードを選べるので、最後に「🟣の値は偶数か奇数か」の要件カードにしました。
数字カードを重ねた結果は……。
✖︎です。偶数である紫の4を使ってハズレなので、紫は奇数ということになります。
この124の数字カードの組み合わせで3回判定を行ったので、1ラウンド終了です。もしこの時点で正解の数字が分かったら3桁の数字を紙に書いて、正解を確認するのですが全く分からず。
では、続けて2ラウンド開始! 新たな数字カードを3枚選んで、判定を続けます。今回はさっきの様々なヒントを元に431にしました。最初に判定するのは、1ラウンドでも使った「🟨の値と3の大小関係」にします。さて、結果はどうなるでしょうか?
✔︎です。黄色の3を使って当たりなので、黄色は3で確定になります! やった!
続いての要件カードは、1ラウンドでは選ばなかった「他の2色のどちらよりも小さい値の色」です。3色のうち最小の数の色を調べてみましょう。
この要件カードに431で挑むので、もし正解の数字の紫が最小なら✔︎が表れる訳ですが……
結果は✖︎でした。紫は最小の数じゃないということです。
う〜ん…。紫は1以外の奇数。どこかに4があって、最小の数は青か黄色。黄色の3は確定してるけど、青と紫はいくつなんだろうか……。(実は、この時点で正解を導き出せるのですが)要件カードは2枚しか使わずに第2ラウンドは終了にします。
悩みながら、第3ラウンドスタートです。今回の数字カードは435にしてみました。選んだ要件カードは先程使用した「他の2色のどちらよりも小さい値の色」です。
結果は✔︎です! 黄色が最小の数になります。
黄色は3確定で、4がどこかに1個。紫は奇数なので、青の4が確定。黄色が最小なので紫の奇数は5になりますね。435が正解の数のはず!
これを説明書の正解を見て確認したところ、正解でした!
これがゲームの流れです。これは時間を忘れて遊び続けてしまいそう。最終的に一番最初に正解した人の勝ちです。もし同じラウンドで正解した人が複数いた場合は、判定をした回数が最も少ない人の勝ちになります。ちなみに、回答は一度だけなので慎重に。
専用サイトには700万通りの問題
こんなボードゲームです。
好きな人はとことん好きになるタイプのゲームです。練習問題を丸々1問掲載したので、ネタバレになってしまいましたが……ご安心ください。説明書にはより難しいエクストリームモードとナイトメアモードも含め設問が47問も載ってます! それどころか、専用サイトにアクセスすれば700万通りの問題が用意されているのです。……700万って! 毎日遊んでも遊びきれませんね。この手のゲームが好きな人にとってはホントに一生モノになるはずです。刺さる人には深く刺さり続けるゲーム。これ、ヤバすぎでしょ。
専用サイトは日本語はもちろん、英語や韓国語など7つの言語に対応しています。
一応、このゲームの悪い点や気になるところも記載しておきますね。
ゲーム中は他の人より先に正解の数字にたどり着くという競う要素はありますが、完全にソロゲームです。せっかく人が集まったのに、1人専用ゲームを各々が遊んでるという印象は否めません。逆に言えば、1人でじっくり遊ぶのに向いてるゲームかも知れませんね。
それと、この手の論理パズルが苦手な人を一発でボードゲーム嫌いにさせるくらいのインパクトがあります。エクストリームモードになると、要件カードの内容がややこしくなってかなり難しくなっているので頭がパンクします。論理パズルの中でも上級者向けで、かなり人を選ぶゲームかなぁとは思います。得意な人はメモの取り方が上手で、苦手な人と差が出やすいんですよねぇ。
あとは、ゲームを始める前のセットアップがなかなか面倒くさいですね。問題ごとに指定された要件カードと判定カードを準備する必要があって、要件カードは48枚で判定カードは95枚も入ってるんです。番号を間違えないようにセットアップするのはなかなか大変な作業かなぁ、と。もし1枚でも間違うと正解出来ないのでゲームが成立しません。
この辺が気にならない人は絶対に買った方がいいですよ。ホント、このゲームどうやって作ったの?って感動するので。論理パズルのボードゲームは、コレがあれば他はいらないってくらいの完成度ですね。理数系の頭脳の持ち主を集めてぜひ遊んでほしい!
■チューリングマシン
日本版発売元:すごろくや
デザイナー:Fabien Gridel, Yoann Levet
発売日:2023年8月11日発売
価格:6270円[税込]
プレイ人数:1~4人
対象年齢:14歳以上
プレイ時間:20分