王国の中心にそびえ立つ塔。その地下では大いなる災いが蠢いていて、ついには空は暗くなり、真夏だが凍り付く湖もあらわれた。恐ろしい暗黒が世界を包み始め、塔が再び動き始めた……と、こんな世界設定を持つゲームが、この『Return to DarkTower』です。正体はわからないが恐ろしい何かがやってくるので、プレイヤーたちで協力して立ち向かっていこう!という内容になっています。2024年にアソビジョンから日本語版がリリースされるということで、今回は英語版で本作を紹介していきましょう。
ゲーム概要
このゲームでは、各プレイヤーは大きなボードの4分の1を自領土として担当し、そこから自キャラを移動させることによって、アイテムの購入や敵の撃退を行っていきます。
自キャラを徐々に育て特殊能力を獲得し、次々襲ってくる苦難に立ち向かう!というヒーロー物の王道のような雰囲気です。
どうすれば勝利するかという点についてですが、それはゲーム毎に異なります。このゲームはシナリオ制を採用しており、ゲーム開始時にどのラスボス・中ボスと戦うか、人数はどうするか等をアプリに登録します。ここでゲームの目的が決まるのです。
このアプリはじつに優秀で、シナリオに応じた個別セットアップも指示してくれます。
基本のパターンとしては、中ボスを何体か撃破したりダンジョンをいくつか攻略したりすると、最後のボスに挑むことができる、といった展開です。
プレイは6ヶ月続き、この間で目的を達成できるかどうかで勝敗が決まります。
ゲームの特徴
1981年にリリースされた『Dark Tower』を下敷きにしているため、プレイはシンプルです。
手番が来るとキャラクターに応じた「収入」を受け取り、「移動」「ヒロイックアクション」「場所アクション」の3つを好きな組み合わせで実行します(キャラ画像右に並んでいるのが選択できるアクション群)。
面白いのが移動力が4あると、自キャラを1マス移動させて、場所アクションを実行し、さらに3マス移動してヒロイックアクションで敵を攻撃する、といった事ができます。多くのゲームでは移動中に他のアクションを混ぜることができませんが、このゲームではなるべく効率よく1手番を過ごせるようになっています。
これが終わると1手番が終了なのですが、終了時に「塔のてっぺんからドクロを1個入れる」を行います。
ダークタワーというだけあって、これが非常に重要な意味を持っています。たとえば6ヶ月プレイが続くと書きましたが、1ヶ月がいつ終わるかは誰にも判りません。
塔にドクロを入れた瞬間に判定が行われ、あるときが来ると「今月はここで終了!」という恐ろしい音が鳴り引きびくのです。また塔に入れたドクロは、そのまま塔にとどまったり、四方にいるプレイヤーのいずれかの方向に向かって吐き出したりします。
ドクロが吐き出されたプレイヤーは自領土にある建物のいずれかにそのドクロを配置しなくてはならず、「一定個数が貯まると該当の建物は破壊されてしまいます」。建物が破壊されるとプレイヤーにはペナルティーが入りますし、全員で一定数のペナルティーが貯まると敗北にもなります。
この気まぐれとも言える塔の動きによって、「次の手番でダンジョンに入ろうと思っていたけど、ドクロを除去しないと建物が壊れそう」とか「え? 手番が来る前に今月終わったの!?」ということが頻繁に発生します。
とくに2月以後は、「その月に達成しておくとボーナスをもらえるクエスト」と「その月に達成していないとペナルティーを被るクエスト」を受け取ることがあり、その月がいつ終わるか読めないというのはとても悩ましいです。
ちなみにダンジョンに入るとアプリにダンジョンマップが表示され、内部を探索することになります。目的を達成するまでダンジョンを散策するので、事前の準備は重要でうかつには入りたくないのですが、時間制限が読めないので、準備が不十分でも覚悟を決めて突っ込んでいくしかないというのが面白ところです。
この大きい塔は伊達ではありません。月が変わった際などイベントが発生すると雷や地鳴りなどのサウンドが鳴るとともに、前述のとおり塔内部が回転し特定のプレイヤーに向かって大量のドクロを吐き出したり、プレイヤーの能力を制限する呪いのランプが光り出したりします。
ゲームの基本コンセプトは懐かしいヒロイックファンタジーものでボスを皆で協力して倒そうというものですが、アプリで管理されるようになったイベントと塔の動きによって非常に現代的になり先が読めないなかでプレイする面白さを演出しています。今回紹介したのは協力モードですが、対戦モードも選択できるようになっています。
以下の動画でゲーム全体の流れを紹介していますので、合わせて参考にしてください。
今回ご紹介した写真や動画は、すべて英語版を使用していますが、頻繁に発生するイベントやダンジョン探索にアプリを使うため、英語版ではやはりプレイするハードルが高いと思います。日本語版が登場するということもあり確実にプレイしやすくなるでしょうし、いつかはプレイしてみたいと思っていたプレイヤーも体験できやすくなるのではないでしょうか。
■Return to DarkTower
日本語版発売元:アソビジョン
デザイナー:アイザック・チルドレス、ロブ・ダヴィオー、JRハニーカット
発売日:2024年春頃発売予定
価格:3万3000円[予価]
プレイ人数:1~4人
対象年齢:14歳以上
プレイ時間:100~120分