9月23日開幕の第19回アジア競技大会で行われる正式種目に、「ボードゲーム」が4種類!!

2023923日、第19回アジア競技大会が中国の杭州で開幕します。別名「アジア版オリンピック」とも呼ばれるアジアのスポーツの祭典で、9月23日〜108日までの間に481種目の競技が行われます。オリンピックや世界陸上などと比較すると、ちょっとマイナーなスポーツが公式競技になっているのも特徴ですね。

さて、アジア競技大会は体を動かすスポーツだけではなく、マインドスポーツということでボードゲームが4種類も公式競技になっています。それは一体どんな競技で、日本代表は誰なのか? テレビ放送やインターネット配信はあるのかを調べてみました。

チェス

8×8のボード上で、6種類16個の駒を交互に動かして相手のキング駒を取るのが目的の2人専用アブストラクトゲーム。

古代インドのボードゲーム「チャトランガ」が起源と言われていて、様々な変遷を経て16世紀に現在のルールに落ち着きました。歴史が長いだけあって、現在は世界中150ヵ国で遊ばれていて、プレイ人口が8億人で最もプレイヤー数が多いボードゲームと言われています。

チェスは、2006年のカタール・ドーハで開催された第15回大会から正式種目になっています。対戦は9月24日からスタートです。

日本代表は山田弘平さん、小島慎也さんの2人。

囲碁

19×19の格子が書かれた碁盤の上に、自分の色の石を交互に置いて囲った領域の広さを競う2人専用アブストラクトゲーム。

2000年以上も前の中国で、占いの1つとして誕生したと言われています。日本には平安時代に入ってきて貴族の間で知られていましたが、室町時代になると庶民にも伝わってプレイ人口も増えたそうです。現在は中国・韓国・日本を中心に世界中で4000万人に遊ばれています。

囲碁は、2010年の中国・広州で開催された第16回大会から正式種目になっています。対局は9/24から男子個人がスタート、9月29日から男女各団体がスタートです。

日本代表は一力遼さん、芝野虎丸さん、井山裕太さん、関航太郎さん、佐田篤史さん、藤沢里菜さん、上野愛咲美さん、上野梨紗さんの8人。

ブリッジ

向かい合った2人がペアになり、トランプを使って得点を競う4人専用トリックテイキング。

16世紀のイギリスで遊ばれていたトランプゲーム「ホイスト」が20世紀に入るとビッドシステムを加えて遊ばれるようになり、その後も世界中で様々な改良がなされて、1925年にアメリカの鉄道王ハロルド・バンダービルトが現在のルールを完成させました。正式名称は「コントラクトブリッジ」で、通称がブリッジになります。ペアでより多くのトリックを取るのが目標になりますが、運の要素はありません。

ブリッジは、前回のジャカルタとパレンバンで開催された第18回大会から正式種目になっています。対戦は9月27日からスタートです。

日本代表は男子団体の監督が菊地忠裕さん、選手が田中陵華さん、古田一雄さん、三浦裕明さん、横井大樹さん。混合団体の監督が原田裕己さん、選手が今倉正史さん、柳澤彰子さん、寺本直志さん、佐藤牧子さんの10人。

シャンチー

9本と横10本の線が引かれたボード上で、7種類16個の駒を交互に動かして相手の王様駒を取るのが目的の2人専用アブストラクトゲーム。

古代インドのボードゲーム「チャトランガ」が起源と言われていて、中国が発祥の将棋です。13世紀には現在のルールで遊ばれていたようです。王様(将・帥)は特定のエリアから出ることが出来なかったり、相手の陣地には入れない駒があったり、日本の将棋とは全く違うので区別するために「中国象棋」と呼ばれています。取った駒を使う事が出来ないのでチェスっぽいと言った方がイメージしやすいですかね。特に中国とベトナムでは昔から遊ばれている伝統的な将棋です。日本では沖縄で「チュンジー」というシャンチーによく似た将棋が琉球王国時代の15世紀から遊ばれています。

シャンチーは、2010年に中国・広州で開催された第16回大会から正式種目になっています。対局は9月28日からスタートです。

日本代表の出場は無いようです。先日行われたシャンチーアジア選手権大会には日本代表が出場してたんですけどね。

放送・配信はどこ?

テレビはTBSの独占放送で、配信はU-NEXTでのみライブ配信となっています。現在のところ、発表されているラインナップに上記4つのボードゲームの中継は予定されていません。これは残念……。せっかくのアジア競技大会なんだから、マイナースポーツにこそ光を当てて欲しいものです。

が、しかし! 日本チェス連盟の公式Xによると、チェスの対戦をYouTubeでライブ中継するようです。日時の記載がないのでいつ配信するのか詳細は分かりませんが、続報を待ちましょう。これは楽しみですね。

この記事を読んで「まさかボードゲームが正式種目だなんて」「次の世界大会目指してみようかな」と思った、あなた! 2026年に開催される次の第20回大会の会場地は、名古屋。なんと日本開催なのです! これなら行きやすい! 今から特訓だ!

でも、残念ながら名古屋大会ではマインドスポーツはすべて除外で、ボードゲームは1つも行われません。追加で実施競技に復活する可能性はありますが、もしかしたらアジア競技大会でボードゲームが見られるのは、今回が最後かも知れませんね。