初心者必読!! 今さら訊けないトリックテイキング用語集&名作トリテ8選

2022年7月22日に『キャット・イン・ザ・ボックス』がホビージャパンから発売されます。やっとですよ〜。首を長くして待っていた人も多かったんじゃないでしょうか。

『キャット・イン・ザ・ボックス』は操られ人形館がゲームマーケット2020秋に発表したカードゲームで、ジャンルとしてはトリックテイキングになります。ゲームマーケット開催前から「なんだこのルール?」と話題になり、遊んだ人からも高評価の声が上がっていました。すぐに売り切れたことから再販を要望する声も多かったわけですが、すぐにホビージャパンがリメイクを発表。我々は1年半以上ずーっと待たされていたのです。発売前に重版を決定したのが世間の期待度の高さを表してますよね。

いろんなトリテがある中で、まだこんな手法があったとは…という驚きのルール。量子系トリックテイキングとでも言いましょうか。マストフォロービッド式で、カードにはスートがないのでトリックハンドから出すときにスートを指定するという驚きのシステム。

何が書いてあるのか意味が分からないという読者もいらっしゃるでしょう。でもトリックテイキングに慣れている人ならサラッと読めちゃう文章なんですけどね。

と言うか、トリックテイキングすら知らない人もいますよね。全員に同じ枚数のカードを配って、スタートプレイヤーから順番に全員がカードを1枚だけ出して数字の大きさを見比べて勝敗を決めるカードゲームです。略してトリテと呼ばれます。

というわけで、初心者必読のトリックテイキングの専門用語の一覧です。せっかく面白いジャンルのゲームなのに専門用語が多過ぎるんですよ。それで断念したり毛嫌いする人もいるらしいですね。そんなに難しいものではないので、初心者以外の方も気軽にお勉強しましょう!

トリックテイキング用語集

手札

現在手に持っているカード。ハンドと言うこともあります。

トリック

全員が順番にカードを1枚出して勝敗を決めるミニゲーム。その単位。トリックで勝つことを「トリックを取る」と言います。トリックをテイクするのでトリックテイキングです。

スート

カードに描かれた記号または色。トランプで説明すると、スペードやハート。記号は無く、赤や黄色など色だけの場合もあるのでカラーと言うこともあります。

ランク

カードに書かれた数字。数字と言うのが一般的。強さと言うこともあります。

リード

トリックで、カードを一番最初に出すこと。

リードプレイヤー

トリックで、カードを一番最初に出す人。

リードスート

トリックで一番最初に出されたカードに書かれた記号や色。リードカラーと言うのが一般的。

フォロー

リードスートと同じスートのカードを出すこと。

マストフォロー

リードスートと同じスートのカードを持っている場合、必ずそのカードを出すルール。トリックテイキングを代表する特徴的な掟。

メイフォロー

リードスートと同じスートのカードを持っている場合、そのカードを出しても出さなくてもいいルール。

ディスカード

マストフォローの時、リードスートのカードが無いので違うスートのカードを出すこと。説明書には「何を出しても良い」と書かれていることが多い。

切り札

どのカードよりも強いカード。特定のスートが切り札のゲームもあれば、特定の数枚だけが切り札のゲームもあります。トランプとも言います。

ノートランプ

切り札が無いルール。

ビッド

トリックを何回取れるか予想すること。ハンドを見てゲーム開始時に回数を予想し、トリックを取った回数が当たれば得点などのルールのゲームがあります。

ディーラー

カードを配る人。

 

ここまで覚えれば多くのトリックテイキングが遊べるようになります。正確には説明書が読みやすくなります。ここからはもう少し高度な専門用語の紹介。

台札

リードで出されたカードのこと。

プレイントリックゲーム

トリックを取った数で勝敗を決めるゲーム。

ポイントトリックゲーム

トリックで獲得したカードの数字の合計で勝敗を決めるゲーム。

トリックアボイダンスゲーム

出来るだけトリックを取らないようにするゲーム。

アンダービッド

ビッドのあるゲームで、トリックを取った回数がビッドした数を下回ること。逆にトリックを取った回数がビッドした数を上回るのはオーバービッドと言います。

デクレアラー

ビッドの数で競りをするルールの時に、ビッド数を競り落とした人。ビッダーと言うこともあります。

ディール

何度かのトリックを行い、配られたカードを使い切るまでの1回。その単位。ややこしいことにディールはカードを配る行為自体も意味するで、ラウンドと言うのが一般的。

ゲーム

何度かのディールを行い、最終的な順位を決定するまでの1回。その単位。

ミゼール

1度もトリックを取らないこと。ゼロトリックと言うこともあります。

ボイド

ハンドから特定のスートがなくなること。スート枯れと言うのが一般的。

ラフ

切り札を出すこと。

マストラフ

切り札を出せる時、必ず切り札を出すこと。

ウィン

カードを出す段階で、勝ってること。勝つカード。

マストウィン

勝てるカードを出せるとき、必ず勝てるカードを出すこと。

リボーク

マストフォロー、マストラフ、マストウィンのルールを無視してカードを出すこと。故意でなくても違反行為。


ここまで覚えればトリテはもう怖くない!仲間を集めて名作と言われるゲームを遊んでみましょう。

トリックテイキングの名作8タイトル

トリックテイキングとしての面白ポイントが違う8作品を紹介します。どんなタイプのゲームなのか、遊ぶ人数によって使う枚数が違ったりしますがスートとランクも記載したので遊ぶ時の参考にして下さい。

スポーツフェスタ

《スポーツフェスタ/マストフォロー、切り札無し、スート3、ランク1〜10、ポイントトリック》

トリックを取った人がそのトリックで出されたカードを全て獲得して、終了時にカード1枚が1点になります。トリックが取れなくても、特別賞に書かれた条件を満たせば得点を得ることが出来ます。特別賞次第ではゼロトリックでも勝負に勝つ可能性があるのは良いですね。100円ショップのダイソーでのみ扱われているゲームです。スートが競技になっているのでマストフォロー出来ないと競技が違うから失格というのが感覚的に分かりやすいですね。人生初のマストフォロー体験に是非。

ブードゥープリンス

ブードゥープリンス/マストフォロー、切り札あり、スート5、ランク0〜15、プレイントリック》

3回トリックを取った時に、他の人が取ったトリックの数の合計が得点になります。なので、出来るだけ遅く3回目のトリックを取りたくなりますが、最後の1人まで残ってしまうと自分が取ったトリックの数しか得点にならないというジレンマがあるゲームです。特殊効果のカードも何枚かありますが比較的分かりやすいので、切り札ありトリテのデビュー向き。

ザ・クルー:第9惑星の探索

ザ・クルー: 第9惑星の探索 /マストフォロー、切り札あり、スート4、ランク1〜9、協力ゲーム》

トリックテイキングでは珍しい協力型。全員で力を合わせて指定されたミッションをクリアしていくことになります。会話が禁止というのもこのゲームの特徴です。ルールとミッションを把握しながら徐々に進めていくので、みんなで説明しながら進行すれば初心者でも遊びやすいはず。もしリボークが発生してもチーム内で起きたアクシデントみたいなもので、チームの結束力が強くなる気もします。

ペッパー

ペッパー/マストフォロー、切り札無し、スート6、ランク1〜18、アボイダンス》

シンプルなマストフォロー。ただし、トリックを取って獲得したカードは基本的にマイナス点になるので勝ちたくないトリテ。ペッパーが描かれたランク1のカードはマイナス2点で、1を持っていれば同じ色のカードは1枚マイナス1点。早い話、1を獲得しなければカードを何枚持っててもマイナス点にはなりません。そして、1のカードだけは獲得しても他のトリックで出せるのが特徴。ハンドから特定のスートを無くすボイドの面白さが味わえます。最大9人で遊べるのもトリテとしては珍しいです。

スカルキング

スカルキング/マストフォロー、切り札あり、スート4、ランク1〜13、ビッド》

マストフォローで切り札あり、さらに特殊なカードもありという盛り盛りのトリテです。そしてビッドまであるので、飽きずに何度も遊べちゃいます。ビッド式トリテの傑作。予想が当たれば得点になるので、配られたカードが弱くても構わないのも良いですね。ハンドを見て「何回勝てるかなぁ」という予想はワクワクします。一時は入手困難でしたが、追加ルールありの『スカルキング・レジェンド』がリメイクされました。

シュティッヒルン

《シュティッヒルン/メイフォロー、切り札あり、スート6、ランク0〜14、ポイントトリック》

トリックを始める前に全員手札からカードを1枚表向きにし、各々そのカードと同じスートを獲得すると書かれた数字だけマイナス点になります。それ以外のスートは1枚1点。トリックでは、フォローしてないスートは全て切り札となるのもこのゲームの特徴です。メイフォローなので自由にカードを出すことが可能で最初は戸惑いますが、マイナスのカードを他人に押し付ける動きが出来るようになると急にこのゲームが面白くなります。メイフォローの定番。

知略悪略

知略悪略/メイフォロー、切り札無し、スート4、ランク1〜21、ポイントトリック》

まずは得点方法が変わってます。最終的に獲得したカードが2色ならそれぞれの枚数を掛けた数が得点、それ以外の場合は急激に得点が少なくなります。要するに2色までしか取りたくないゲームなのです。そしてカードの獲得方法も変わっていて、リードカラーをフォローした中で最大ランクの人がカードを2〜3枚獲得(プレイ人数によって違う)し、フォローしてない中で最小ランクの人が残りのカードを獲得します。どれを取らせるか、自分でどれを取りたいか……と、思わず独り言が出てしまうほどにカード1枚出すのを物凄く悩むゲームです。

ポテトマン

ポテトマン/マストノットフォロー、切り札無し、スート4、ランク色によって異なる1〜18、ポイントトリック》

トリックで、すでに出ているスートは出しちゃいけないというマストノットフォローです。マストフォローの逆。もしカードを出せない人がいる場合、手札が残っていても即ディールが終了となります。トリックは数字の大きい人が勝ちというシンプルなもので、勝った人が得点となる袋カードを獲得します。ただしこのゲーム最大の特徴が、トリックでポテトキングが描かれた赤の16〜18の(全てのカードで最大数)カードが出された時にポテトマンが描かれた黄色の1〜3の(全てのカードで最小数)カードが出されると、最弱のポテトマンが勝ちになるのです。なので、ポテトキングが出てくると場が一気に盛り上がります。でもマストノットフォローなのでポテトマンを持っていても上手く出せなかったりするんですよ。4人専用と言っていいくらい4人プレイが面白いです。


この他にも名作と呼ばれるトリテは沢山あります。それどころか、途中でランクの強さが変わったり、自分の手札が見えなかったり、数字が書いてないカードを使ったり、トリックごとにルールが違ったり、変態トリテと呼ばれる様々なタイプが存在します。上記の正統派だけじゃないんです。気になる人は探してみましょう。

まずはトリックテイキングに苦手意識を持たず、王道のゲームから遊んでみましょう。きっと1つくらいは自分に合うゲームがあるはずです。