え!? あの映画のボードゲームなんてあったの? 実在の映画を元に作られたボードゲームたち

先日、映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』の予告編が公開されました。

なかなかの迫力ですよね。今までも『ダンジョンズ&ドラゴンズ』は何度か映画になってますが、そんなに話題にならないんですよねぇ。今回の映画は2023年3月公開予定だそうです。

この映画の元になった『ダンジョンズ&ドラゴンズ』は1974年に世界で初めて作られたテーブルトークRPGです。これこそがRPGの原点で、システムや世界観など全てのRPGはここに通ずると言っても過言じゃないでしょう。

さて、来年公開予定の『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』はゲームが原作の映画ですが、逆に映画が元になっているボードゲームってどれくらいあるんでしょうか? 調べてみると、これが結構あるんですよ〜。ちなみに日本語版が出てないボードゲームが多いので、映画タイトルと一緒にボードゲームの原題も記載しておきます。気になる人は、持っている友人か設置してあるボードゲームカフェで遊ばせてもらってください。あとはネットショッピングで隈無く探すしかない。

では、面白そうな19タイトルです。

ゴジラ

【1954年/日本/97分/監督:本多猪四郎/主演:宝田明】

太平洋に現れた怪獣ゴジラが東京に上陸して大暴れ。なんとか被害を食い止めようとする防衛隊とゴジラとの闘いを描いたシリーズ1作目。公開当時は日本人の10人に1人が見たと言われる程の大ヒット。2016年に公開された『シン・ゴジラ』までゴジラシリーズは29作品も作られ、海外でもリメイクされている日本を代表する映画の一つです。

ボードゲーム『ゴジラ』は1作品目のストーリーをベースに作られているので、東京をゴジラが暴れ回ります。

デューン 砂の惑星:インペリウム完全日本語版

【2021年/アメリカ/155分/監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ/主演:ティモシー・シャラメ】

フランク・ハーバートが原作の全6作に渡る壮大なSF小説。過去に2度映画化の話があり、アレハンドロ・ホドロフスキー監督は予算がかさみ過ぎて製作途中で頓挫し、デビッド・リンチ監督は興行成績が振るわず監督自身も認める失敗作というスケールが大きくて映像化が難しいと言われる壮大な宇宙のお話なのです。それが最新の映像技術を駆使して再びリメイクされ2021年に公開されました。

ボードゲーム『デューン 砂の惑星:インペリウム』は、今回の映画の世界観をベースに砂の惑星デューンで覇権争いをするデッキ構築とワーカープレイスメントゲームになっています。

ロード・オブ・ザ・リング

【2001年/アメリカ、ニュージーランド/178分/監督:ピーター・ジャクソン/主演:イライジャ・ウッド】

JRR・トールキンの長編小説を原作に製作されたファンタジー映画3部作。中つ国を舞台にエルフやホビットや人間など様々な種族を巻き込んだ指輪戦争を描いた長編映画です。スピンオフの『ホビット』も3部作の映画で、さらにアニメもテレビドラマも作られているので全部で何作あるのやら

映画と同じくボードゲームも沢山作られていますが、そんな中で巨匠ライナー・クニツィアは旅の仲間とサウロン側が闘うという設定で軍人将棋のような2人専用を作りました。日本版のタイトルは『ロード・オブ・ザ・リング:対決』です。

タイタニック(TITANIC THE GAME)

【1997年/アメリカ/194分/監督:ジェームズ・キャメロン/主演:レオナルド・ディカプリオ】

1912年に起きた豪華客船沈没事故を描いた映画。ウィキペディアによると、この事故を題材にした映画は30本もあるんだとか。

人をひきつける何かがある事故なのかボードゲームもいくつか作られていて、1997年公開の映画をイメージしたボードゲームが「TITANIC THE GAME」です。様々な能力を駆使してより多くの乗客を助けるのが目的となっています。

ゴッド・ファーザー(The Godfather: Corleone’s Empire)

【1972年/アメリカ/177分/監督:フランシス・フォード・コッポラ/主演:マーロン・ブランド】

マリオ・プーゾの大ベストセラー小説を原作に作られたマフィア映画3部作。第二次世界大戦後のニューヨークを舞台に、イタリアからやって来たコルネオーレ家の跡目相続やマフィアの抗争を描いた映画史に残る超名作です。

ボードゲームは1作目の世界観をベースに、違法な仕事でお金を稼ぎ、上納金を払いつつ陣地を拡げるエリアマジョリティゲームになっています。

タイムライン スター・ウォーズ(Timeline: Star Wars)

【1977分/アメリカ/121分/監督:ジョージ・ルーカス/主演:マーク・ハミル】

銀河を支配しようとする帝国軍と反乱同盟軍の戦いを描いたSF映画。1977年に1作目が公開されて、3部作で完結かと思いきや16年経ってからシリーズ化。スピンオフ作品も多いので『ロード・オブ・ザ・リング』同様、正確な作品数は分かりませんが、この先も製作される事が決定してるのでまだまだ続くシリーズ映画です。

この映画もいろんなボードゲームが発売されていますが、カードに書かれた出来事を正しい順番に並べる『タイムライン』のスターウォーズ版。ファンしか楽しめないゲームですね。これぞファンアイテム。

ジュラシック・パーク(Jurassic Park: Danger! Adventure Strategy Game)

【1993年/アメリカ/127分/監督:スティーブン・スピルバーグ/主演:サム・ニール】

マイケル・クライトン原作の小説を元に作られた映画で、公開した当時は最高興行収入を塗り替えた超ヒットの恐竜映画。映画史上初のCGで生物を登場させた映画と宣伝されていました。そのCGのシーンは全部合わせてたった7分。今でこそCGは普通に使われていますが、30年も前の映画ですからね。

ボードゲームは恐竜vs人間の非対称協力型対戦ゲームです。恐竜は島から人間を全て排除するのが目的で、人間側はキャラクターごとの目標を達成してヘリコプターで脱出するのが目的になります。とにかく恐竜が強すぎるので、映画のように恐竜から逃げるパニック感が味わえます。

ジョーズ(Jaws)

【1975年/アメリカ/124分/監督:スティーブン・スピルバーグ/主演:ロイ・シャイダー】

平和な海辺で人を襲うホオジロザメと人々の奮闘を描くスリラー映画。当時の世界最高興行収入記録を塗り替え、『スターウォーズ』が公開されるまでの2年間その記録が抜かれなかったというメガヒット作。

ボードゲームは2部構成になっている珍しいシステム。1部はアミティ島を舞台に観光客を守りながらサメに樽をぶつけるのが目的。2部はオルカ号に乗ってサメを倒すのが目的。1部では姿を見せず、2部で襲ってくるのが恐怖感を煽る映画っぽい。観光客が襲われた分だけサメが強くなるというのが面白いですね。

バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future: Back in Time)

【1985年/アメリカ/116分/監督:ロバート・ゼメキス/主演:マイケル・J・フォックス】

車型のタイムマシンに乗って30年前にタイムスリップし、燃料切れなどのアクシデントの中でなんとか現代に戻ろうとする姿を描いたSF映画。人気があり映画はパート3まで製作されました。

ボードゲームは1作目のストーリーを踏襲していて、1955年を舞台に1985年に戻るのが目的の協力ゲームです。マーティの父と母の恋を邪魔するビフの攻撃を対処し、デロリアンの部品を集め、午後10時04分にメインストリートを時速140kmで走り抜けることは出来るでしょうか。キャラクターによって能力が違うので何度でも挑戦したくなりますね。

トイ・ストーリー(Toy Story: Obstacles and Adventures)

【1995年/アメリカ/81分/監督:ジョン・ラセター/声の主演:トム・ハンクス】

家の外に落ちてしまったバズライトイヤーをウッディ達が助けるおもちゃが主役の冒険ファンタジー映画。世界初のフルCGアニメーションの長編映画です。

ボードゲームは『トイストーリー4』までのキャラクターが活躍する協力型のデッキ構築ゲーム。目的をクリアするたびにボックスを開けて、新たなおもちゃが使えるようになるようです。だからと言って1回しか遊べないというタイプではなく、何度も繰り返し遊べます。

となりのトトロ(あるいてさがそう トトロのどんどこゲーム)

【1988年/日本/86分/監督:宮崎駿/声の主演:日高のり子】

昭和30年代の日本を舞台に、田舎に引っ越して来たサツキとメイが子供にしか見えない生物トトロに出会う不思議な物語のアニメ映画。公開当時はまだスタジオジブリのブランドが確立していなかったからなのかヒットしなかったものの、時間と共に作品の良さが評価され、テレビで放送される度に高視聴率になるアニメ映画です。

ボードゲームは、小トトロになってどんぐりを沢山集めるメモリー系のジャンルになっています。逆回転している中トトロとバッタリ会うとマックロクロスケが木を登るのがとにかく楽しいです。子供でも遊べて大人も楽しいルールなのは流石ですね。アークライトが開発に参加してるらしいですが、誰が作ったルールなのやら。なんと言ってもトトロのフィギュアの出来の良さよ!

ハリーポッター(Harry Potter: Hogwarts Battle)

【2001年/アメリカ、イギリス/152分/監督:クリス・コロンバス/主演:ダニエル・ラドクリフ】

JK・ローリングの原作をベースに作られたファンタジー映画。ホグワーツ魔法魔術学校からの入学案内が届いたハリーが、同級生のロンやハーマイオニーと仲良くなったり、学校内で起きたトラブルを解決するというのが1作目のストーリー。現在まで8作品が製作されました。

ボードゲームは協力型のデッキ構築ゲームで、映画と同じタイトルの7ステージが用意されています。悪役を倒すのが目的で、クリアする度に使用可能なカードが増えていくのでハリーが成長するのを体感出来ることでしょう。

ダイ・ハード(Die Hard: The Nakatomi Heist Board Game)

【1988分/アメリカ/132分/監督:ジョン・マクティアナン/主演:ブルース・ウィリス】

クリスマスのロサンゼルスを舞台に、妻に会うために偶然居合わせたビルにいたジョンマクレーンが事件に巻き込まれテロリストと1人で闘うアクション映画。いろんな俳優に主演を断られた結果、テレビドラマを中心に活躍していたブルース・ウィリスが主演を務め、彼の出世作となりました。

ボードゲームは映画と同じビル内で、ジョンマクレーンと犯人側に分かれて目的を達成する非対称の協力ゲームです。

エイリアン2(Aliens: Another Glorious Day in the Corps)

【1986年/アメリカ/137分/監督:ジェームズ・キャメロン/主演:シガニー・ウィーバー】

宇宙船ノストロモ号でエイリアンと戦った女性リプリーが、無数に増殖したエイリアンたちと再戦する姿を描いたSFアクション映画。強い女性と言えばシガニー・ウィーバーというイメージはこの映画から作られたものでしょう。ちなみに最後に出てくるエイリアンはHR・ギーガーがデザインしたものをベースに監督のジェームズ・キャメロンがデザインしたもの。

ボードゲームはリプリーなどの海兵隊となって目的を達成する協力型のデッキ構築ゲーム。カードには映画のワンシーンが使われていて、設定も同じなので映画の再現度は高いですね。

シャイニング(The Shining)

【1980年/アメリカ、イギリス/143分/監督:スタンリー・キューブリック/主演:ジャック・ニコルソン】

冬季休業中のホテルで小説を書くジャックが、家族でホテル暮らしをしながら精神的に追い詰められていくホラー映画。この映画を見たことない人でも、斧で壊したドアの隙間からジャック・ニコルソンが覗き込む場面だけは知ってる人も多いでしょう。原作者のスティーブン・キングは映画が気に入らず、未だにこの映画を非難していますが、開発したばかりのステディカムで撮影して揺れない画面を多用し、ホテルのトイレなど違和感のある色使い、左右対称の構図で不穏な雰囲気を感じさせたりして説明が少ないキューブリックっぽさ満載の映画でもあります。

ボードゲームは、オーバールックホテルで怪奇現象に耐えながら5ヶ月間生き残る協力ゲームです。

夢のチョコレート工場(The Golden Ticket Game)

【1971年/アメリカ/100分/監督:メル・スチュアート/主演:ジーン・ワイルダー】

ロアルド・ダール原作の児童小説「チョコレート工場の秘密」を基に作られたファンタジー映画。ウォンカ製のチョコバーに5枚だけ入っているゴールデンチケットを手にしたチャーリーがチョコレート工場の見学に行くストーリー。その後にジョニー・ディップ主演でリメイクされた映画『チャーリーとチョコレート工場』とアニメ映画『トムとジェリー チョコレート工場』の方が有名かも知れませんね。

ボードゲームは、カード効果を駆使してチョコバーを買い集め、最終的にチョコバーの中にゴールデンチケットが入っていたら勝ちというゲーム。

遊星からの物体X(The Thing:Infection at Outpost 31)

【1982年/アメリカ/109分/監督:ジョン・カーペンター/主演:カート・ラッセル】

ジョン・W・キャンベルの短編小説「影が行く」が、1951年にクリスチャン・ナイビー監督が映像化し『遊星よりの物体X』を完成。それから約30年後にジョン・カーペンター監督が『遊星からの物体X』というタイトルでリメイクした映画です。アメリカの南極観測隊が保護しして基地に持ち込んだ物体が地球外生物で、他の生物に擬態する能力を持っているので誰が本物なのかと疑心暗鬼になるSFホラー映画。

ボードゲームは、基地内のトラブルを解決して全員でヘリコプターで脱出するのが目的の協力ゲームです。ただし、映画同様で人間の姿をした偽物が混じっているので、偽物を倒す必要があります。偽物になった人は、火災や停電で基地が崩壊するか人間に混ざってヘリコプターに乗り込めば勝ちという正体隠匿ゲームになっています。

イカゲーム(Netflix Squid Game Board Game)

【2021年/韓国/全9話/監督:ファン・ドンヒョク/主演:イ・ジョンジェ】

2021年にNetflixで配信された韓国のサスペンスドラマ。ソン・ギフンが大金をかけた命賭けのサバイバルゲームに参加し、他の参加者と共に生き残るために奮闘するというストーリーです。

映画館で上映されてはいないし、9話もあるので映画とは言えませんが、2022年7月にボードゲームが発売されたばかりなので紹介します。7人のキャラクターでチームを組み、ドラマと同じ6つのゲームを勝ち進み、最終的に勝ち残るのが目的のゲームのようです。まだ詳細は分かりませんが…。アメリカのウォルマート限定での発売となっています。

賭ケグルイ(デュエルクラッシュポーカー)

 

【2019年/日本/119分/監督:英勉/主演:浜辺美波】

発行部数600万部を誇る漫画「賭ケグルイ」がテレビドラマになり、そのシーズン2の続きとして映画版が製作されました。ギャンブルの強さが重要視される私立百花王学園に、蛇喰夢子がやって来た為に学園史上最大のギャンブルバトルが開催されるというストーリー。

このゲーム『デュエルクラッシュポーカー』に関しては映画のボドゲ化ではなく、映画の中で実際にプレイされているカードゲームです。全員同じ構成の8枚のカードを受け取り、全員同時にカードを出して最も大きい数字を出した人の勝ちというシンプルなルール。ただし、他の人と数字が被るとその次に大きい人が勝ちで、21組で対戦するゲームなので読み合いが面白いゲームです。


日本語版が出てないボードゲームが多くて調べるのが大変でしたが、その映画が好きなら一度は遊んでみたいですよね。それにしてもデッキ構築ゲームが多いのは何故なんだろう。ストーリーを作りやすいんですかね。