メートル法公布記念日に遊ぶべき、長さを利用したボードゲーム8選

4月11日は、メートル法公布記念日です。

1921年4日11日、日本で従来から使われていた尺貫法を、メートル法に統一するという改正度量衡法が公布されました。しかし、大工さんや和服関係者など尺や寸に慣れ親しんでいた人たちだけでなく、一般的にもメートルは浸透しなかったようです。メートル法反対の運動などもあったようで、公布はされたものの施行は度々延期。そこで政府は1951年に尺貫法を廃止して、1959年にやっとメートル法が完全に実施されました。

これにより、大工さんの道具である曲尺(かねじゃく)や和装を扱う時の鯨尺を使うのは禁止となりました。他には、商取引や証明書に尺貫法を使うと罰金刑という扱いです。当時は、曲尺を使った大工さんが逮捕されたと新聞で報じられているようです。メートルが当たり前の現在では想像もつかない事態です。

ということで、何かの長さや距離を使ったボードゲームを8タイトル紹介します。この機会にmmやcmなど物の長さについて考えてみましょう!

ミリメモリー

ミリメモリー/1〜6人/6歳〜/20分〉

身近な物の長さを当てるクイズゲーム。

「単二電池の長さ」「パスポートの横幅」「ピンポン玉の直径」などと書かれた問題カードを選んで、手元の細長いカードを使って長さを予想します。問題カードの裏面には正解のcmが書いてあるので、自分の細長いカードを照らし合わせます。正解に近いほど高得点で、先に10点を獲得した人の勝ちになります。

手元のカードで実際の長さを表すクイズです。問題の答えが何cmなのかを覚えても正確に表せないので繰り返して遊ぶことが可能なクイズゲームです。

きまぐれ単位

〈きまぐれ単位/3〜6人/6歳〜/15分〉

2つのタイルの間の距離を予想するゲーム。

丸いタイル15枚をランダムにテーブル上に配置したらゲームスタート。カードを2枚めくって今回の丸いタイルを2つ決めて、その2つの丸いタイルの間の距離を予想します。距離の単位がこのゲームの特徴で、右手の親指と人差し指を広げてピストルの形にした長さを1バキューンとします。そして指定された2つの丸いタイルの間が何バキューンかを予想します。全員が予想したら実際に計測して正解者を決めます。何回かやってピッタリの予想をした回数が多い人の勝利となります。

丸いタイルの位置はランダム、バキューンは人によって長さが変わってくるので何度でも遊べます。そして、バキューン以外に握り拳を距離の単位にしたり足の大きさを単位にしたり、遊ぶ場所の広さによって距離を測る体の部位を変えることも可能となっています。

1ミリ感覚

ミリ感覚/2〜6人/4歳〜/20分〉

1辺の長さが6.1cm〜9.9cmまで1ミリ違いの正方形のカードを使うカードゲーム。

カードの1辺の長さが書いてある面を裏向きにして全て並べて、辺の長さを予想してカード1枚をめくります。予想と答えが1mm違いなら2点、2mmなら1点を獲得します。最終的に合計点の高い人が勝利となります。

他には、大きいカードの上に小さいカードを積み上げていく協力ゲーム「ピラミッド」、カードの大きさでババが分かる「感覚で見抜くババ抜き」など4種類のルールが入っています。

魔王様のお引越し

〈魔王様のお引越し/2〜6人/7歳〜/30分〉

ヒモの長さと部屋の中にある物の長さを比較するゲーム。

カードをめくって4本のヒモの中からヒモを1つ決定します。次に「四角い物」「入れる物」などが書かれた指令カードをめくって、該当する部屋の中にある物を探します。その物の縦横奥行きどれかの辺を決めます。ヒモの長さと物の長さ、どっちが長いかを全員同時に投票します。もし全員の投票が同じなら、再び指令カードをめくって部屋の中にある物を指定して、辺を決めます。さっきと今回の物を足した長さとヒモの長さ、どっちが長いかを投票します。投票が割れたら、実際にヒモを使って長さを計測します。当たれば得点獲得。正解者の人数によって得点が違っていて、4回やって最高得点の人が勝利です。

遊んでいる部屋の中にある物を利用するというちょっと変わったゲームです。ヒモを決定したら全員でヒモの長さを確認して、その後はヒモには触れてはいけないというルールになっています。なので、「本棚の横幅よりヒモの方が長いよね?」「そんなにヒモ長かったっけ?」「テレビの縦の長さくらいが丁度いいんじゃない?」と人の目測感覚の違いがハッキリします。ありそうでなかった面白いアイデアですね。

スティックコレクション

スティックコレクション/2〜5人/8歳〜/40分〉

5mm違いのスティックを集めると高得点のオークションゲーム。

細長いスティックを全員に1本配ったらゲームスタート。箱からスティックを1本取り出して、全員でオークションをします。お金は0〜10まで出すことが出来て、最も高いお金を払った人が落札してスティックを獲得します。誰かのお金が無くなるか、誰かがスティックを8本獲得したらゲーム終了。スティックが5mm違いの長さならその連続した本数だけ得点になり、残ったお金を足した合計数が最大の人が勝利となります。

このゲーム一番の特徴は、すでに獲得したスティックを、オークションに出てるスティックに近付けて長さの確認は出来ないというルール。30cm以上離れたところから見てスティックの長さを判断するしかないのです。目測で「5mm違いじゃないかなぁ〜」「これは長いから必要ないかな」と予測して落札するかしないかを決めます。また、同じ長さのスティックを4本獲得すると突然勝利となる特別ルールがあるのもゲームを面白くしています。

面白い同人ゲームがあると話題になって入手困難だった『競りゲー ブブカ』『マストバイ』がittenからリメイク作として発売され、入手しやすくなりました。

キリンメーター

キリンメーター/1〜8人/10歳〜/30分〉

数字で答える問題カードを6枚並べ、最大数の問題と最小数の問題を予想するクイズゲーム。

「キリンの舌の長さは◯cm」「ノルウェーの世界一長いフィヨルドの長さは◯m」などの問題カードを6枚並べて、答えが最大数と最小数の問題を予想します。先に7回当てた人の勝利です。

普通にストレートなクイズゲームですが、やる事は問題を2つ選ぶだけ。答えを見てからの会話が盛り上がるというのがアイデアですね。実際には「収穫された世界一重いリンゴは◯g」「サウジアラビアの川の本数は◯本」「人間が一年間でするまばたきの平均は◯万回」など、長さや距離以外の問題も多いのですがタイトルにメーターという単語も含まれているので、ピックアップしました。

ここからのディスタンス

ここからのディスタンス/2〜8人/8歳〜/20分〉

ロケーションカードを6枚並べ、ここからの距離が近い順を予想して他の人と答えを合わせるゲーム。

「つり橋」「1万人以上集まる場所」「イルカ」「世界遺産」「ロボット」などと書かれたロケーションカード6枚をA〜Fのタイル上に並べたらゲームスタート。今ゲームをしている場所から近い距離にある順に1〜6位まで手元のカードを裏向きに並べてランキングを予想します。全員で1位からカードを公開して、他の人と答えが合っていたら得点獲得。4回やって、得点の高い人が勝利となります。

このゲームが面白いのは、実際の距離が近いか遠いかは全く関係なくて他の人と考えが一致すれば得点になるところです。「近所の看板につり橋のイラスト描いてあるんだ」「そこは1万人も集まらないよ!」「玄関にイルカのフィギュア飾ってあるけど」などなど、みんなの考えたランキングの答えを聞くのが楽しいゲームです。近所でも知らない事がたくさんあると気付かされ、他人の発想力に感心します。今いる場所ではなく、金閣寺の売店とかJR博多駅の駅事務所、エッフェル塔の展望台など全員が行ったことのない具体的な場所を指定して遊んでも楽しいです。

どきっ!にょきっ!チンアナゴ

〈どきっ!にょきっ!チンアナゴ/2人/6歳〜/10分〉

水槽からチンアナゴを捕まえて合計60cmを目指す2人用対戦ゲーム。

細長いチンアナゴ12本をビニール製の水槽に刺して頭だけが見えている状態にしたらゲームスタート。交互にチンアナゴを1本引き抜きます。引き抜いたチンアナゴを合わせた長さが60cmになるように目指します。60cmを超えるとバーストで負けになります。お互いがチンアナゴを引き抜くのをやめた時、合計の長さが60cmに近い方の勝利となります。チンアナゴの色が長さのヒントになっているのがゲーム性を高めてますね。ちなみに、引き抜いたチンアナゴの長さはスケールわかめを使って確認出来ます。

他には、指定した長さのチンアナゴを先に引き抜いた人が勝利の「ウォンテッドアナゴ」、引き抜いたチンアナゴの長さ合計22cmを目指す「にょろにょろ」のルールもあります。


物の長さや目的地までの距離なんかがボードゲームの題材になるんですね。作った人の創造性とアイデアに感服します。こんなゲームをプレイしたら、普段はなんとなく接している物の長さに真剣に向き合ってみたくなりますね。