認知症予防の日に遊びたい。認知症予防に期待が持てる面白いボードゲーム10選

6月14日は、認知症予防の日です。

認知症の大きな原因であるアルツハイマー病を発見した、ドイツの精神科医アロイス・アルツハイマー博士の誕生日からこの日に制定されました。認知症予防の大切さを世間に広めるのが目的だそうです。

認知症とは、認知機能が低下して日常生活に支障をきたすことを指します。日本では65歳以上の5人に1人の割合で認知症になると言われています。薬物治療によって進行を遅らせることは可能ですが、今のところ完治する治療法はないようです。それぞれの認知機能を意識的にトレーニングし続けることが、重症化予防に繋がると言われています。食生活や運動も効果的ですが、ボードゲームを遊ぶのが認知症予防になるという論文も多数あります。遊ぶだけで予防になるなら、遊ばない手はありません。

というわけで、8つあると言われている認知機能のうち5つに絞って、認知症の予防に効果がありそうなボードゲームを認知機能別に2つずつ全10タイトルを紹介します。認知症に絶対ならないボードゲームではなく、予防になるであろうボードゲームです。あしからず。初心者でも楽しめるような面白くてシンプルなボードゲームに絞りました。周りの高齢者と一緒にどうぞ。

⬛︎記憶力

ものごとを覚えておく力。

ナンジャモンジャ

ナンジャモンジャ/2〜6人/4歳〜/15分〉

ナンジャモンジャの名前を呼んで、より多くのカードを集めるのが目的のメモリーゲーム。

12種類ある謎の生物ナンジャモンジャが描かれたカードを裏向きに重ねて山札にし、中央に置いたらゲームスタート。自分の手番では、山札からカードを1枚めくります。そして、そのカードに描かれたナンジャモンジャに名前を付けて、みんなで記憶します。めくったカードがすでに名前を付けたナンジャモンジャだった場合は、名前をいち早く声に出して言います。一番早く言った人がここまでに溜まっているカードを全て獲得します。最終的にカード枚数が最も多い人が勝者です。

ついさっき名前を付けたはずなのに、思い出せなくてムズムズするゲームです。繰り返して遊ぶと、前回付けた名前と混同して更にややこしくなります。是非2回以上遊んで欲しい。

イチゴリラ

イチゴリラ/2〜6人/3歳〜/20分〉

同じ絵柄を連続でめくってタイルを獲得する神経衰弱ゲーム。

タイルを全て裏向きにして並べたらゲームスタート。自分の手番では、1枚ずつタイルをめくって同じ絵柄がめくれたらタイルがもらえます。トランプの神経衰弱とほぼ同じルールです。最終的にタイルの枚数を競います。

このゲーム最大の特徴が、同じ絵柄が2枚以上あるタイルが存在してること。例えば「サンタクロース」は3枚、「ヨット」は4枚、「ゴリラ」は5枚です。それらを間違えずに全てめくれればタイル獲得なので、1枚目にゴリラをめくったときの絶望感と緊張感がなかなかのもの。

⬛︎言語能力

相手が言っている言葉や書いてある文字を理解する能力。言葉を使って意思表示する力。

ワードバスケット

ワードバスケット/2〜8人/10歳〜/10分〉

配られたひらがなカードをいち早くなくすワードゲーム。

全員にひらがなカードを5枚配って、みんなの中央にカードを1枚めくったらゲームスタート。中央にあるカードの文字で始まって、自分の持っているカードで終わる言葉を思いついたらその言葉を言いながらカードを中央に出します。カードを使ったしりとりゲームです。手番の概念はなく、思い付いた人からドンドンひらがなカードを出していきます。最初にカードがなくなった人の勝ちです。

早い者勝ちのスピード勝負なので、単純なしりとりなのに焦って単語が思い浮かばなかったりします。それがまた面白い!

あいうえバトル

あいうえバトル/2〜6人/10歳〜/15分〉

相手の言葉を当てていき、最後まで生き残るワードゲーム

お題に沿った言葉をホワイトボードにひらがなで書いて、自分だけが見えるように置いたらゲームスタート。自分の手番では、五十音表を元にひらがなを1つ選び、該当する人はそのホワイトボードをみんなが見えるように公開します。これを順番に繰り返して、一番最後まで生き残った人が勝利となります。

選んだ文字が当たると公開することになるので、ゲームが進むと徐々に相手の言葉が分かっていくのが楽しいですね。もちろん、自分の言葉も少しずつバレていくわけですが。

⬛︎判断力

自分の状況を把握する「見当識」や何かに集中する「注意力」など、複数の認知機能が合わさったもの。正しい判断をする力。

おばけキャッチ

おばけキャッチ/2〜8人/8歳〜/20分〉

カードに対応するコマをいち早く取るアクションゲーム。

「白いおばけ」「灰色のネズミ」「赤いイス」「緑のボトル」「青い本」の5つのコマを中央に並べたらゲームスタート。誰かが代表でカードを1枚めくり、対応するコマをいち早く取った人がカードを獲得します。最終的にカードが多い人が勝利です。

カードにはイラストが描いてあって、コマと同じイラストが描いてあればそのコマを取ります。存在するコマが描いてない場合がちょっとややこしい。描かれている色でも物でもないコマを取ります。例えばカードに「青いネズミ」と「赤いボトル」のイラストが描かれていた場合は、ネズミでもボトルでもなくて、青でも赤でもないコマ、「白いおばけ」を取るのが正解になります。

カードに描かれたイラストをよく見て、存在するコマがあるかどうか。なければ、何色と何のイラストが描かれているかをチェックします。そして、答えが分かったら素早くコマに手を伸ばす。これ以上に判断力を必要とするボードゲームはないでしょう。

ブロックス

ブロックス/2~4人/7歳〜/20分〉

自分の色のブロックをボード上により多く置くのが目的のエリアマジョリティゲーム。

全員同じ構成のブロックを受け取ったらゲームスタート。自分の手番では、ブロックを1つボード上に置きます。置く条件は、自分のブロックの角と角が接するように配置する。辺と辺が接するようには配置出来ない。これだけ。これを繰り返して、ブロックが置けなくなったひとは脱落して、最終的に一番多くブロックを配置した人の勝利となります。4人専用と言っても過言じゃないほど、4人プレイが面白くなっています。

「あの人の邪魔をするなら、あの辺りにブロックを置こう」「こっちは誰にも邪魔されないから後回しにしよう」など、いろんな状況を把握してどの一手にするか判断力が問われます。

⬛︎計算力

数字を理解し計算する力。

ぴっぐテン

ぴっぐテン/2〜8人/6歳〜/15分〉

足して10になるようにカードを出して、カードを獲得するカードゲーム。

全員にカードを3枚を配ったらゲームスタート。自分の手番では、場に出てる数字と手札から出した数字を足して、その数を口に出して言います。ピッタリ10なら貯まったカードが全て貰えます。最終的に獲得したカードの枚数を競います。

使う数字は0〜10までで、ヒト桁の単純な計算を繰り返すことになります。5のカードだけは引き算になっているので、ちょうどいいアクセントになっています。

ノイ

ノイ/2〜7人/7歳〜/20分〉

カードを出していき、累積が102を越えたら負けのカードゲーム。

全員にカードを3枚ずつ配ったらゲームスタート。中央の場にカードを1枚出したら足し算をして数を宣言します。順番にカードを出して102を越えたら負け。越えた人は配られたチップを1枚支払って、手持ちのチップが全て無くなったらゲーム終了です。誰が101より大きい数になるかドキドキ…。

上記の『ぴっぐテン』より扱う数字が大きいのでちょっとだけ上級編。特殊効果のカードもあって盛り上がりやすくなっています。繰り返し遊びたくなるゲームです。

⬛︎遂行能力

計画を立てたり行動の順序を決めたり、何かを成し遂げるために使う力。

ペンギンパーティー

ペンギンパーティー/2〜6人/6歳〜/15分〉

配られたカードをピラミッド状に出していき、より多く出すのが目的のカードゲーム。

自分の手番では、ルールに従ってペンギンカード1枚を場に出します。出せなくなったらゲームから脱落で、残ったペンギンカードの枚数だけマイナス点のチップを受け取ります。何回かやって最終的なチップ枚数を競います。

ペンギンカードは一番下の段がカード8枚、下から2段目がカード7枚、下から3段目が6枚…とピラミッド状に出すことになっています。そして、ペンギンカードは5色あって、上の段にペンギンカードを出す時はその下の段に出ているペンギンカードと同じ色しか出せないことになっています。ルールは単純だけど、勝つ方法を考えるのが難しいカードゲームです。「他の人が困るように、アノ色の邪魔をしよう」「多く持っているカードを全て出すにはどうすれば良いんだ……」と、手持ちのカードがより多く出せる方法を計画的に考える必要があります。

コンプレット

コンプレット/2〜6人/8歳〜/30分〉

数字タイルを昇順で表向きに並べるのが目的のタイルゲーム。

使う数字は1〜100。手元に並んだ数字タイルと場に置かれた数字タイルを交換することで昇順に並ぶように目指します。一番最初に昇順で並べた人の勝利です。裏向きの数字タイルをめくるので運任せの要素も大きいですが、戦略もあってバランスの良い万人受けのゲームです。

「アノ辺りの間を空けなきゃ」「場に出ているアノ数字タイルの獲得を先にやろう」など、行動の順番を頭の中で整理して遂行していく必要があります。


かなり王道のラインナップを紹介しました。どれも多くの人に受け入れられやすいボードゲームばかり。楽しみながら認知症の予防になるとしたら遊んだ方が良いに決まってます! そして、ボードゲームは相手とお喋りをしながらプレイすると脳が活性化するので良いそうです。一緒に会話を楽しみながらボードゲームを遊んでくれる友達が一番大事ってことですね。