ダイソーの110円ボードゲーム第三弾が遂に発売。全て遊んでみて分かった面白いゲームはコレだ!

100円ショップの代名詞的全国チェーンのDAISO。以前からダイソーではトランプやカルタなどのゲームを売ってたけど、2020年の年末くらいから同人ゲームで名のある作家を起用してボードゲームを制作・販売してるんですよね。もちろん値段は税込で110円。ボードゲームなのに安過ぎ!不安になる安さですよねぇ。ハッキリ言ってしまうと、この値段じゃつまらないんじゃないかと……。

ってな訳で、今回新たに発売されたゲームを全て購入したので、どんな出来なのかを確かめたいと思います。2022年1月に発売されたゲームは写真の通り。

公式サイトによると「ボードゲーム3」として6種類、「コラボゲーム」として1種類、「サンリオキャラクターズボードゲーム」として3種類の全10タイトル。

では五十音順で紹介します。

 

いちご王国カレンダー

◼️1〜4人

◼️8歳〜

◼️10〜15分

◼️難易度★

◼️作者 株式会社Dig A Doo(代表作「かなカナ」など)

◎計算。ソロプレイあり。

1〜31までの数字が書かれたカードを適当に5枚並べて、そのカードに書かれた数字を足したり引いたり割ったりして「15」になる計算式を見つけるゲームです。

例えば下の写真のようにカードが5枚めくられたとします。「+-×÷」を使って「15」にしてみて下さい。出来ますか?

単純な答えだと、18-3=15になりますね。他にもありそうだけど。

このゲームが面白いのは、計算に使うカード枚数が人によって違う点。プレイヤーの中から親プレイヤーを1人決めて、その親プレイヤーだけは使うカード枚数に制限はありません。親プレイヤー以外はカード5枚全てを使って15にしなければいけません。

なので親プレイヤー以外なら、20-(18÷3+6)+7=15が正解ですかね。他にもあるのかな?

いち早く正解した人は、計算に使ったカードを獲得します。親プレイヤーは隣の人に移って、カードを5枚並べたら次のゲームを行います。これを繰り返してカード15枚を獲得した人が勝ちです。

このゲーム超面白いっス!1〜31のうち1〜12までが2枚ずつあるので、1桁の数字が出やすくなってて正解のパターンが多数あるんですよ。これはよく出来たアイデアだ。交通系ICカードがまだ存在しない頃、電車のキップを買うと4桁の数字が印刷されてて、その4つの数字を足したり引いたりして「10」にする遊びがあったんだけどそれのカードゲーム版。

って言うかこのゲームは「いちごカレンダー」という名前で1980円で販売されている商品なんです。デザインがちょっと変更になって、1人プレイのルールが加わって110円でのリメイクです。コレはオススメ!

 

エカルタ

◼️2〜6人

◼️6歳〜

◼️15分

◼️難易度★

◼️作者 木村陽介/編集HIRO(代表作「4人じゃたりない!妖精パーティー」)

◎子供でも。単純明快。

お題カードと同じ柄を探すカルタのような早取りゲーム。

マイメロディ・ポムポムプリン・シナモロールのキャラクターが4分割で描かれた正方形のカードを3×4で12枚並べます。お題カードをめくったら、同じ柄を探して見つけたらいち早くタッチしてカードを獲得します。

下の写真で説明すると、山札の上に置いてある一番右のカードがお題カードです。同じ柄はどこにあるでしょう?

正解は左下。あと、左から2列目の上から1枚目と2枚目にまたがって同じ柄が存在しますね。これをいち早く見つけてタッチすればカード獲得。複数枚にまたがっていた場合は、そのうちの1枚だけを獲得します。抜けた所にさっきのお題カードを置いたら、新たにお題カードをめくってゲームを続けます。最終的にカードを最も多く獲得した人が勝ちです。該当するカードが無い時はお題カードをいち早くタッチするというルールもちょっとしたアイデアですね。

これはルールが単純!幼い子供と大人が一緒に遊べそうですね。今回紹介する10タイトルの中で最もシンプルなゲームです。

 

じゃんけんゴリラ

◼️2〜8人

◼️6歳〜

◼️10分

◼️難易度★

◼️作者 あかさたな・サークル713(代表作「ゲットコネクト」など)

◎子供でも。大人数でも。

「グー」「チョキ」「パー」「ゴリラ」の4枚のカードを使ったじゃんけんゲーム。

全員が同じ構成の4枚のカードを持って、1枚選んで裏向きに出したら「じゃんけんゴリラ!」の掛け声と共にカードをオープンします。他の人と同じカードを出したら除外して、残ったカードだけでじゃんけんのルールで勝負をします。

下の写真の場合、「グー」が被ったので除外して「チョキ」が勝ちになります。

ここまでは普通のじゃんけんですよね。じゃあ「ゴリラ」はどう使うのか?「ゴリラ」はどの手よりも強い最強のカードです。下の写真はゴリラが勝った瞬間を撮影したものです。

ただし「ゴリラ」も他の人と被ってしまえば除外されます。なので、下の写真の場合は「パー」を出した人の勝ちです。

このじゃんけんをする前に、バナナカードを1枚めくって勝った人がそのバナナカードを獲得します。13回じゃんけんをしてバナナの数が最も多い人が勝ちです。

このゲームには面白ポイントが2つあって、1つ目はマイナスのバナナカードもあるからじゃんけんに負けたい時もある点。2つ目はじゃんけんで使ったカードは4枚使い切らないと戻ってこない点。他の人が何のカードを出したのかを覚えておけば「あの人、まだゴリラ持ってるよな…」「この人はチョキを残してるから…」といろんな読み合いが生まれます。

説明もカンタンですぐ遊べるので、大人数集まる機会が多いなら重宝するヤツ!2人でも心理戦が楽しめますね。

 

スポーツフェスタ

◼️3〜5人

◼️6歳〜

◼️10分

◼️難易度★★

◼️作者 尾根ギア(代表作「ブレーメンレース」など)

◎初心者向けトリックテイキングゲーム。

ゲーム内容は一旦置いといて、まずはこのゲームで使うカードを見て下さい。1枚1枚全て違うイラストなんですよ!もちろん全てサンリオのキャラクター。これだけで買いでしょ。可愛過ぎ。

ゲーム内容は、配られたカードから全員が順番に1枚だけ出して1番の人を決める数字比べカードゲームです。詳しい人向けに一言で説明すると、スート3ランク10切り札無しでマストフォローのトリックテイキングです。

 

トリックテイキングを知らない人の為にゲームの流れを説明します。

①(説明書に書いてある)人数に応じた枚数のカードを配ります。

②スタートプレイヤーを決め、「今回の競技」カードを渡します。

③スタートプレイヤーは好きなカードを1枚、自分の前に表にして出します。(写真では「かけっこの5」を出しました)

④時計回りで順番に1人ずつ、スタートプレイヤーと同じ競技のカードを出します。(同じ競技を持っていたら必ず同じ競技を出します。持ってないパターンは後で説明します)

⑤最も大きい数字を出した人が勝ちです。勝った人は今回出されたカード全てを獲得し、「今回の競技」を受け取り、次のスタートプレイヤーになります。(上の写真では「かけっこの10」を出した人が勝ちです)

スタートプレイヤーが出した競技を持ってない場合は、他の競技を出すことになります。違う競技を出した人は、この勝負は失格になります。

下の写真で説明すると、スタートプレイヤーが「なわとびの7」を出して、なわとびを持ってない人が「すいえいの10」を出しました。数としては10が最大ですが競技が違うので、なわとびの中で最も大きい「なわとびの7」を出した人が勝ちとなります。

⑥特別賞カードが4枚公開されているので、当てはまれば特別賞を獲得します。(2位以下の人がもらえる可能性があります)

⑦新たなスタートプレイヤーがカードを出してゲームを続けます。配られたカードがなくなったらゲーム終了。獲得したカード1枚が1点で、特別賞カードに書かれた得点を合計して最も得点が高い人が勝ちです。

トリックテイキングって最初に配られたカードが強ければ勝ちやすいというカード運に左右されるゲームなんだけど、このスポーツフェスタはカードが弱くて競技に勝てなくても特別賞カードで得点を稼ぐ事が出来るんです。「どうせ負けるなら3位になれば特別賞もらえるぞ」など考えどころもあって戦略的。なかなかバランスの良いゲームに仕上がってますね。

サンリオのキャラクターを使ってるから子供向けの簡単なゲームかと思いきや、ちゃんとしたトリックテイキングでした。ちょっとビックリです。しかもかなり面白い!これが売れれば日本中にトリックテイキングが定着するでしょうね。ただ「6歳〜」って書いてあるけど、これを幼稚園児が遊べるのかは疑問だなぁ。

 

生物学カードゲーム CELL ジェネリック

◼️1〜4人

◼️5〜10分

◼️12歳〜

◼️難易度?

◼️作者 Manabell Games

◎大人向け。ソロプレイあり。

相手のライフポイントをゼロにしたら勝ちというデッキ構築対戦カードゲーム。今回紹介するゲームの中では最もややこしく、覚えれば何百回でも飽きずに遊べるゲームです。

今回ダイソーから発売されたゲームの中では対象年齢が最も高く、唯一2種類同時発売となっています。「遺伝子工学vs生態学」と「免疫学vs微生物学」です。2つとも購入すれば4人での対戦も可能になります。

他のゲームと違ってちょっとややこしいのでゲームの流れは省略しますが、カード効果を覚えてコンボを決めたり、どのカードとどのカードが相性いいか、最初に配られるサブユニットによっての戦い方、4種類あるデッキの特徴などなど…やり込み要素満載です。そして全てが生物学の用語を擬人化したキャラクターになっていて、カードのQRコードを読み込むと用語説明にアクセス出来ます。学習要素があるのは素晴らしいですね。

このゲームはなんと「生物学カードゲーム CELLアウトブレイク」というタイトルで発売されている商品なのです。価格は3300円。ライフボードがカードに変更になってたり、他のカードもちょっとだけ少ないとか多少の変更点はあるんだけど、ルールはもちろんイラストも全く同じ。「いちご王国カレンダー」同様で1人でも遊べるソロルールがあります。44枚全て違うイラストだし、これが2つ合わせて220円で遊べちゃうとは信じられない!ホント衝撃。ハマったら完全版の方をどうぞ。

 

セカンドベスト!

◼️2人

◼️6歳〜

◼️5〜15分

◼️難易度★★★

◼️作者 ダイキチ・ボードゲーム帝国(代表作「ジャンキー」など)

◎2人専用。頭脳戦。

交互に自分のコマをボード上に置いて、勝利条件を目指す2人専用の対戦ゲーム。

自分の色を決めたら、ボード上の丸い所に自分のコマを1つ置きます。コマを置いた時に自分のコマが4個並んだら勝ち。コマは3個まで重ねて置く事が可能で、自分のコマが3個重なったら勝ち。下の写真は、白色が勝利の瞬間です。

お互いがコマを置いても勝負がつかなかったら、コマを1つ選んで隣のマスか向かいのマスに動かします。交互に動かして、勝利条件を満たすか、相手がコマを動かせなくなったら勝ちです。

運の要素が無いので、アブストラクトと呼ばれる実力の差が出やすいゲームです。やればやるだけドンドン強くなるはず。

そしてこのゲームの最大の特徴は、タイトル通りのセカンドベスト宣言。相手の一手が自分にとってヤバいものだと思ったら「セカンドベスト」と宣言する事で、違う一手に変えさせる事が出来るのです。毎ターン1回宣言可能になっています。そこがアブストラクトなのにユルく遊びやすくなってる部分ですね。

この「セカンドベスト!」は去年12月にJELLY JELLY GAMESから木製版が発売されたばかりなんです。価格は4400円。発売から1ヶ月しか経ってないゲームなのに110円で買えちゃうとか事件ですよ!その木製版と比較すると、ボードは硬い紙製でコマはウレタン製でサイズもかなり小さく変更してるのでちょっと安っぽさは否めないかな。あと、静電気でコマがくっつき易いというデメリットも…。でも小さくて軽いので持ち運び用とか移動中に新幹線の座席テーブル上で遊ぶ用としては最適でしょう。一応参考までに、100円玉を隣に置いて大きさを比較してみました。

 

パタパタくるりん

◼️2〜4人

◼️6歳〜

◼️15分

◼️難易度★★

◼️作者 オカベニアス/GOTTA2(代表作「白雪姫のアップルーレット」など)

◎子供でも。正体隠匿。

配られたポチャッコ・ポムポムプリン・シナモロール・マイメロディのいずれかのキャラクターを秘密裏に担当して、ゲーム終了時に担当キャラクターがボード上に最も多い人が勝ちというカード配置ゲーム。誰がどのキャラクターを担当しているか分からないので正体隠匿の要素もあります。

カードを3枚持って、1枚選んだらボード上の空いてるマスか裏向きのカードの上に配置します。そしてカードには矢印が4つ書いてあるので、矢印の先にあるカードを全て裏返すだけ。

やる事は超単純。でも遊んでみると「あの人、シナモロールばっかり表にしてるなぁ」とか他の人の担当がなんとなく推測出来るんですよ。あと「あの裏向きのカード何だっけな?」と悩んだりして記憶力も必要。シンプルだけど考える事は多いという見た目の印象よりもやりごたえがあるゲームとなっています。

ちなみにボードはリバーシブル仕様。気分次第で裏面でもどうぞ。

 

ねこチーズをうばえ

◼️3〜5人

◼️6歳〜

◼️10分

◼️難易度★

◼️作者 ヲシダ・をしだや(代表作「海賊と金塊」など)

◎子供でも。心理戦。

ネズミになってネコが隠し持っているチーズを盗んで沢山集めた人が勝ちというバッティングゲーム。初めてバッティングゲームを遊ぶ人には最適ってくらいシンプルですね。これでアナログなゲームにハマって欲しいものです。

 

ゲームの流れを説明します。

①みんなの中心に「キョーボー」「にゃんた」「ねこすけ」「まる」のネコを一列に並べます。

②全員「キョーボー」「にゃんた」「ねこすけ」「まる」のカードを受け取ります。

③ネコの下にチーズカードをランダムに1枚置きます。

④どのネコのチーズを盗みに行くかを選んで、裏向きでカードを出します。

⑤全員がカードを出したら「せーの!」の掛け声と共にカードをオープンします。

⑥自分が出したネコの下にあるチーズカードを獲得します。ただし、誰かと同じネコカードを出した場合はチーズはもらえません。(上の写真の場合、にゃんたが3枚出て被りました。キョーボーとまるを出した人がチーズ獲得になります)

⑦全てのネコの下にチーズカードを1枚補充して、ゲームを続けます。

⑧チーズカードが無くなったらゲーム終了。最もチーズの数が多い人が勝ちです。

実にシンプルで分かりやすいバッティングゲーム。盗れなかったネコの下にはチーズが蓄積するので獲得出来れば一発逆転も可能です。チーズが沢山たまってるネコを狙うか、チーズは少ないけど他の人が出しそうもないネコを狙うか?読み合いが熱いですね。

 

ようこそクレーンへ

◼️3〜4人

◼️6歳〜

◼️15分

◼️難易度★

◼️作者 高井九・ひとりじゃ、生きられない。(代表作「ゾンババ」など)

◎子供でも。ワイワイ遊びたいなら。

機械を使わないクレーンゲーム。これは衝撃的なゲームだ…。

クレーンカードを折り曲げて賞品を置く台を作ります。テーブル上に台をテキトーに配置したら、台の上に賞品を置きます。賞品は箱に入ってるウレタンのモコモコした物じゃなく、好きなお菓子にしてもいいそうです。そして左下に箱を置いたら準備OK!

ゲームの流れはコインをクレーン係に渡して、コインを受け取ったクレーン係は目を閉じます。そしてクレーン係に対して「右〜…はいストップ!前〜、ストップ!そのまま下、下…」とクレーンゲームを操作する感じで指示を出してクレーン係の手を動かします。

そしてクレーン係は賞品を掴んだら目を閉じたまま、左下の箱の方まで戻して賞品を箱の中に落とさなきゃいけないんです。これがなかなか難しい。

うまく箱に入ったら賞品GETです。写真は失敗例。

こんなゲーム。正直、なんじゃこりゃ(笑)でも実際遊んでみると盛り上がる。パーティーゲームとしては上出来。見てる人は審判役か盛り上げ役になるのがルールです。これはルールを説明しても実際に体験しないと面白さは伝わりませんねぇ。マジで凄いゲームだ…。

 

 

これで全レビューになります。全部遊んで分かったのは全部面白い!

だって「いちご王国カレンダー」「じゃんけんゴリラ」「生物学カードゲームCELLジェネリック」「セカンドベスト」「ねこチーズをうばえ」「ようこそクレーンへ」は一度世に出てそれなりに評価されたゲームのリメイクですから。面白くて当然。しかもカードはエンボス加工なので、逆に豪華になっちゃってる作品もあるんですよね。

 

個人的には計算好きなので「いちご王国カレンダー」がたまんないです。あと、「スポーツフェスタ」がトリックテイキングの入門編として良作なので多くの人に遊んで欲しいかな。何かのきっかけでバズりそうな予感。この2つは買って損は無いと断言します。

今後「生物学カードゲームCELLジェネリック」「セカンドベスト!」が世間的にどう扱われるのかは注目したいですね。遊べれば安いしなんでも良いって人が多ければダイソー版の方が売れるだろうし、やっぱりちゃんと豪華な方で遊びたいって人が多ければ従来の製品版の方が売れるだろうし。気になってた人にとっては、まずダイソー版を買ってから購入を考えるという試供品みたいな位置付けになるかも知れないし。2つの価格でほぼ同じボードゲームは両立するのか?ホント気になる!

とにかく110円で安価だからつまらない…って訳じゃないのが分かりました。ダイソー行ってボードゲームを見掛けたらとりあえず買ってみてはいかがでしょう。