この「タギロン」とあの「タギロン」は何が違うの?海外版も含めタギロンを徹底比較!

タギロンやってる〜?何回遊んでも飽きないゲームだよなぁ。理論的に正解を探し当てるパズルが好きな人なら必ずやハマってしまう超オススメの対戦型数字当てゲームです。ルール説明は省略しますが、一言で言うなれば面白いゲーム!

さて、そんなタギロンですが実は様々なバージョンが発売されています。我々消費者としてはどれを買えばいいのか迷いますよね。一体何が違うのか?ルールは?値段は?デザインは?コンポーネントは?気になるけど、検索したところ比較の記事が見当たりません。

という訳で、世界初!タギロン徹底調査の記事です。今回、海外で販売されているバージョンの入手にも成功したのでそちらも一挙に大公開しちゃいます。

 

たぎる論理

広島でボードゲームを作っているサークル「ブッコ」がゲームマーケット2014秋で発表したゲームが「たぎる論理」です。作者は倉橋良平さん。全てはここから始まったのです。

パッケージはロダンの「考える人」っぽいシルエットに筆字で「たぎる論理」と書いてあったようですね、実物は見た事ありませんが。初版は超レア物なんだけどツイッターで画像を発見!こんな感じだったんですねー。

数字が書かれたタイルは木製で自立する作り。そして、数字の後ろには赤と青を示す三角形の模様が描かれています。調べたら500円で販売してたようです。安っ!この画像もなかなか見当たらないんだけど、何故か数字タイルを使って幼稚園児が神経衰弱を遊んでる写真をツイッターで発見しましたよ。

 

超絶面白い2人専用の同人ゲームがあるというウワサが広まったのが2016年頃だったでしょうか…。この年、パッケージとタイルのデザインが新しくなって再販されました。それがコチラ。個人的にはこのバージョンで初めてこのゲームを知りました。

パッケージには考える人が1人増えて2人になり、タイルに描かれてる絵柄が三角形からメラメラと燃え上がってる炎のようなデザインに変更です。アメリカのハードロックバンドのロゴマークっぽい!カッコいいじゃないですか〜。このバージョンも今はもう手に入らないでしょうね。

 

そして2019年。発売から5周年という事で「新装版たぎる論理」が発売されました。にらみあう2人の男の写真が印象的。

まずパッケージが新しくなって触り心地もスベスベしてていい感じ。そして、数字タイルは数字と絵柄が重なってないので見やすい!一番の変更点は質問カードが縦型になりました。今までのは横長の細長い形でちょっと安っぽかったんですよね。面白さに変わりはないんだけど、これは重厚感があっていいですねー。このバージョンですら入手困難なのかな?ちなみに価格は1500円。ネットショップとかを隈なく探せばまだ在庫があるかもしれませんよ。

 

 

TAGIRON( JELLY JELLY GAMES)

2017年5月、JELLY JELLY GAMESから「たぎる論理」のリメイク版が発売されました。名前も新しくなって「TAGIRON」です。「たぎる論理」を略して「タギロン」ってことでしょうかね。ちゃんと「RYOHEI KURAHASHI」と作者の名前も記されています。手に入りやすくなったので、このバージョンでこのゲームを知った人も多いでしょうね。これは今でもネットショップや店舗で普通に購入出来ます。

ルールは同じだけど「たぎる論理」と比べると中身が結構違ってるんです。写真と共に紹介しましょう。まずは、数字タイルから。

紙タイルに変更です。木製の立派なタイルが魅力の1つだったので見劣りしちゃいますね……。でも、厚くて硬いしっかりした紙タイルなんですよ。エンボス加工で触り心地もいい感じだし。紙だと何度か遊んだらへたっちゃうのでは?という心配はありません。何と言っても紙なので超軽い!どこかのゲーム会とか旅行に持って行くなら「たぎる論理」よりもこっちの方が向いてますね。

そして数字タイルが自立しなくなったので、このままでは相手から数字タイルが丸見えになってしまいます。という事で、ついたてが追加されました!ついたての裏側に数字タイル5枚を隠すように置いてゲームを進める感じ。ついたての裏側にはやれる事が書いてあるので簡易的な説明書でもあるのです。良く出来てる。

質問カードは横長になっています。

なんと日本語と英語の2言語の質問が書いてあります。

実は、説明書も日本語版だけじゃなく英語版も封入されているんです。ルールと質問内容さえ理解出来れば、簡単な単語でコミュニケーションして遊べるゲームですからね。英語しか話せない人とも対戦可能って訳。パッケージにも「TANGLED LOGIC!!」って英語のキャッチコピーが書いてあるので英語圏を意識してるんでしょう、JELLY JELLY GAMES版は。

 

そして大きな特徴がもう一つ。このゲームはメモ必須なのに「たぎる論理」にはメモが付いてなかったんですよ。自分でメモ帳とか紙を準備する必要があった訳です。しかし、このリメイク版にはオリジナルのメモ帳が付いてます!推理しやすいデザインなのもいいですね。大きさは質問カードよりひと回り大きいくらいのサイズ。

 

そして、このリメイク版の最大の変更点は4人まで遊べる!これが最強の改良点ですね。

「たぎる論理」は2人専用。それが3人でも4人でも対戦可能になっています。最初は「よく出来たゲームなのに人数変更しちゃったの?」と思いきや、3人か4人で遊んだ方が面白いですね。マジおすすめ。もし「たぎる論理」しか触ってない人がいたら(いないか?)是非3人以上で。

 

タギロンTAGIRON(幻冬舎)

2018年9月、幻冬舎から「タギロン TAGIRON」が発売されました。「たぎる論理」のリメイク版である「TAGIRON」のリメイク版です。表記が様々なので正式名がハッキリしないんだけど「タギロン新装版」と呼ばれる事が多いみたい。

なんと言ってもパッケージが明るい!今までは暗〜い大人向けの地味なイメージだったのにビビットな黄色で、漫画チックでポップなイラスト。まさか元々のパッケージが考える人のシルエットだったとは思わないでしょうね。作者である倉橋さんの名前はなくなり「究極の数字当て推理ゲーム!」「たぎる、論理」「論理思考」「情報整理」「駆け引き」というゲーム内容を伝えるキャッチコピーが沢山書かれています。

コチラも普通に購入可能なので、JELLY JELLY GAMES版と幻冬舎版を比較していきましょう。買うならこの2つどっちかになるので。さて、どっちを購入するのがベストなのか?

まずは大きさ。ほとんど変わらないけど幻冬舎版の方がちょっとだけ大きいですね。あとは見た通り縦型と横型という違いくらい。

 

では、中身を比べてみます。数字タイルから。

ふきだしっぽくて可愛い!数字が白抜きでシンプルなデザインの数字なので見やすい!「元々のたぎる論理のイメージと違う!」って違和感があるゲーマーも多いかも知れませんね。デザインは好み分かれるところだけど個人的にはこれ好きですね〜。

JELLY JELLY GAMES版と並べてみますね。

写真で分かるかな?幻冬舎版は薄っぺらいのが残念なところ。でもちゃんと硬めの紙タイルなので遊ぶには何の支障もありません。大きさはほぼ一緒。こうして見比べるとJELLY JELLY GAMES版の数字ってなかなかカッコいいな。

 

次は、ついたて。

もちろん黄色です。じっくり推理するには目障りって言えば目障りな色なんですけどね。でもテーマカラーが統一してていいじゃないですか。幻冬舎版はポップな「たぎる論理」なんですよ。

これもJELLY JELLY GAMES版と比較してみましょう。

幻冬舎版の方がデカイです。高さも横幅も。このついたてに合わせてあるので箱の大きさに違いがあったんですね。テーブルが小さいとちょっと幻冬舎版は邪魔だったりするのかなぁ。どっちのついたても数字タイルはちゃんと隠れるので大きさは特に気にならないはず。

 

続いて、質問カード。

もちろん黄色です。まぶしい気もするけど読みやすいでしょ、黄色に黒い文字なので。

並べてみると幻冬舎版の方がほんのちょっとだけカードが小さい。JELLY JELLY GAMES版は英語文が書いてあるだけじゃなくて、青とか赤の文字の下にちゃんと絵柄が書いてあるんですね。

 

最大の違いは、幻冬舎版にはメモ帳が入ってません。説明書にはメモした方が良いって書いてるのに〜。メモくらい自分で用意してくれって事なんでしょう。なんと、メモの取り方がJELLY JELLY GAMES版のメモ帳がベースになってるじゃないか!

最後は価格です。

JELLY JELLY GAMES版は2420円。

幻冬舎版は1760円。

なんと660円も差があるんですね。この差はデカイ。JELLY JELLY GAMES版は値段が高い分、数字タイルが厚手、専用のメモ帳付き、英語版の説明書付きという違いはあります。でも幻冬舎版も4人まで遊べるし面白さは変わりません。メモ用紙の準備は必要だけど。

結局はコンポーネントの違いとデザインの好みで選ぶのがいいでしょうね。どっちが優れてるとか劣ってるって事はありません。

 

 

韓国版

広島で生まれた「たぎる論理」がなんと海外でも遊ばれているんです。この面白さは言葉の壁を越えますねぇ。誰が遊んでも面白いに決まってるでしょ、こんなゲーム。まずは韓国語版から紹介します。

JELLY JELLY GAMES版のリメイクになります。パッケージのデザインはアルファベットじゃなくハングル文字になっていて、色がちょっと明るくなってますね。箱がちょっと大きめで縦長になっています。

韓国語版はついたてもメモもデカイ!数字タイルは型紙から取り外してないからこんな感じだけど、韓国語版もJELLY JELLY GAMES版も同じ物です。ファンならハングル文字バージョンも欲しくなっちゃいますよね。

 

中国版

中国語バージョンは箱がさらに大きい。こんなに大きい必要あるの?と言いたくなるけど、それはボードゲームあるある。

中身が結構違う!まずはメモ帳です。なんとオリジナルの大きなメモ帳と鉛筆4本が付いてるんですよ!これは推理しやすいメモ帳なのかなぁ?こんなに書く事あるかね。だって、ルールは同じでしょ。このメモ帳が収まるサイズに合わせたので箱が大きくなっているんですね。

最大の違いは数字タイルなんです。正方形でプラスチック製!触り心地としてはツルツルとしてますね。

JELLY JELLY GAMES版と並べると分かりやすいかな。かなりの厚みがあって「ここに金掛けてリメイクするの?」って感じの作り。これだけで豪華版って雰囲気です。

 

台湾版

台湾のは今までのとガラッと雰囲気が変わります。まずは写真を見て下さい。

パッケージが全然違う!!テーマカラーは白で、頭の中にキラキラと宝石みたいなのが詰まってます。中国語版と同じメーカーなので、メモ帳とか数字タイルとか箱とか物自体は同じなんだけどデザインが違う。これも欲しいなぁ…。

 

英語版

最後に紹介するのは英語版。これはメッチャ格好いい!

タイトルが「BREAK THE CODE」だってさ〜。5ケタの暗号を見破れって意味なんでしょうかね。パッケージだけで面白そうでしょ。見た目だけじゃなく中身も凄い!

 

まずは数字タイル。デザインがいい感じなんです。

数字が赤と青じゃなく、白と黒。字が大きくてどのバージョンよりも見やすい。隣に比較としてJELLY JELLY GAMES版を置いてみました。タイルの大きさはほぼ一緒だけど数字がデカさが際立ちますね。

メモ帳も付いてます。このメモ帳は4人で対戦する時は便利そうですね、人ごとに分かれてて。適当にメモ取ってるとゴチャゴチャして他人の予想した数字と混ざっちゃう事もあるので。

 

そしてお見事なのが質問カード。どちら側から見ても読めるようになってるんですよ!向かい合わせで対戦するゲームなんだからこっちの方がいいに決まってる。これはありそうで無かったアイデアですね。

 

そして見て欲しいのがついたてです。こんなの反則でしょ。ワクワクしちゃうもの。

デコボコに切り抜かれたついたてなんですよ。ルール説明も文字じゃなくアイコンで書かれてるのも洒落てるし。あと、数字タイルを5つ並べたときに左からabcdeって表記になってるのも遊びやすそう。「左から◯番目が〜」とかじゃなく「aとcが〜」って答えるんでしょうね。

この英語バージョンはかなり良く出来てるんじゃないでしょうか。ちゃんと「TAGIRON」を遊んでた人がリメイクした気がするんだよねぇ。かゆい所に手が届いてると言うか。このゲームへの愛をビシビシ感じます。

 

という事で、バージョンごとの比較だけじゃなく「たぎる論理」がここまでワールドワイドな展開をしているという話でした。もし一度も遊んだ事ない人は入手しやすい「TAGIRON」を買って遊んでみて下さい。ホント面白いから。