使うのはサイコロだけじゃない! カードやキューブで進む、名作から最新作まで面白いすごろく系ボードゲーム15選!

何がきっかけでボードゲームにハマったかは人それぞれですが、いわゆるドイツゲームを遊んだ時に「ボードゲームって『人生ゲーム』だけじゃないのか!」と思った人は多いはず。スタート地点からゴールを目指してコマを進めていく以外のボードゲームがあることに衝撃を受けませんでしたか?

ボードゲームの沼に足を踏み入れると、様々なシステムのゲームがあることを知ります。そうなると、サイコロを振り、コマを進め、ゴールするのが目的のすごろく系ゲームってあまりやらなくなるんですよね。単純なゲームに思えてきて「なんだ、すごろくか」と軽視しがちというか。

歴史を紐解くと、マス目が書かれたボード上をサイコロの出目に従ってコマを進めてゴールするのを競うすごろくは、日本では1400年代から「絵双六」と呼ばれて遊ばれるようになりました。江戸時代になると、ボードに東海道五十三次のイラストが描かれた『道中双六』やコマを進めると出世したり降格したりする『出世双六』などのすごろくが登場して人気を博し、多くの人々に遊ばれたそうです。

という訳で、日本では600年位馴染みのあるすごろく系ボードゲームを見直そうじゃないですか。『人生ゲーム』だって2022年だけで「スーパーマリオ」、「呪術廻戦」、「ゴールデンドリーム」と3種類も発売されているのです。きっとみんなすごろくが好きなはず。

スタート地点とゴール地点がはっきりしているボードゲームを15タイトル紹介します。

サイコロの出目に従って進むタイプ

ねことねずみの大レース

ねことねずみの大レース/2〜4人/4歳〜/20〜30分〉

ねずみになって、より多くのチーズを集めるのが目的。

サイコロを振って数字の面が出たら、自分の4匹のねずみのうちどれかを進めます。ねこの面が出ると後ろのねこが追いかけてきます。ゴールまで進めば大きなチーズが貰えますが、ねこに捕まったねずみはチーズがもらえずゲームから脱落になります。捕まらないために、ゴールは諦めて途中の小部屋に逃げて小さなチーズを獲得するという選択肢もあります。サイコロの出目に一喜一憂出来る可愛らしいゲームですね。

スピンデレラ

スピンデレラ/2〜4人/6歳〜/20分〉

自分のアリ3匹をいち早くゴールさせるのが目的。

サイコロを3個同時に振って、緑のサイコロでアリの面が出たら自分のアリを進めます。緑のサイコロでクモの面が出ると、上のボードにいるクモを動かします。クモは糸で吊り下げられていて、動かし方によっては下にスーッと降りてきます。そして下まで降りてくると、アリもクモも磁石なのでピタッとくっついてクモがアリを捕まえます。このギミックが面白すぎ!捕まったアリはスタート地点に戻されます。ボードが上と下で二重になっているだけでワクワクしますね。

ゴーゲッコゴー

〈ゴーゲッコゴー/2〜4人/6歳〜/20分〉

ワニ・カメ・カエル・トカゲの4匹の動物全てをいち早くゴールさせるのが目的。

サイコロを3個振って出た色の動物を進めてゴールを目指します。もしくは、タイルを1枚差し入れて川を流すことで架かっている橋の下をくぐります。小さい動物であれば他のコマの上に乗って運んでもらうことも可能ですが、橋の下をくぐれずに落とされることあるギミックが秀逸。日影にいる時は他の人の手番でも進む時があるので待ち時間がほぼ無いのも遊びやすいですね。

勝利への道

勝利への道/2〜6/8歳〜/30分〉

全員がゴールした時、集めたタイルの合計得点を競う。

ボードは無いので得点が書かれたタイルを並べてコースを作ります。サイコロを振って出た数だけ複数ある自分のコマから1つ選んで進めます。コマを動かしてタイルから離れる時に、他に誰もいなければそのタイルを獲得。タイルはプラス点だけではなくマイナス点もあるので、他の人がいる時にタイルを離れたかったり、みんながいなくなってから動きたかったり様々な思惑が入り乱れます。中立のコマを動かすことも可能で、サイコロ運だけでは勝てないゲームになっています。

海底探険

海底探険/2〜6人/8歳〜/30分〉

海底を進んで、より多くの財宝を持ち帰るのが目的。

点数が書かれたチップを裏向きに並べてコースを作ります。サイコロを2個振って合計数コマを進め、止まったチップを獲得出来ます。獲得した場合は、全員共通の潜水艦ボードの空気からチップの枚数だけ減らします。この空気がゼロになる前に潜水艦に戻る必要があります。もし潜水艦に戻る前に空気がなくなれば獲得したタイルはもらえません。チップをたくさん持っていると少ししか進めなくなるので、潜水艦まで戻れるかを計算しつつチップを集めるのがドキドキして面白いポイントです。

宇宙逃げろ

宇宙逃げろ/2〜5人/9歳〜/20〜35分〉

宇宙人より先に全員がゴールするのが目的の協力ゲーム。

サイコロ6個を同時に振って、最低でも1つは出目を確定させたら残りのサイコロを同時に振って、その中から最低でも1つは出目を確定させてというのを繰り返して、確定させた6つのサイコロの出目によって行動が決まります。同じ面がたくさん出れば良いことがあるので何度も振りたくなりますが、6面のうち1面だけある宇宙人が出ると強制的にそのサイコロは確定となり、悪いことが発生します。みんなで相談して出目を確定させ、止まったマスの効果も駆使して全員のゴールを目指します。すごろくで協力ゲームというのが珍しいですね。

キュビトス

〈キュビトス/2〜4人/10歳〜/30〜60分〉

いち早くゴールするのが目的。

サイコロ9個を同時に振って、出目に従ってコマを進めたりお金を得ます。最初から持っているサイコロはハズレの出目が多くて弱いので、より価値の高いサイコロを購入して、徐々に選りすぐりの強い9個にしてゲームを有利に進めていきます。振り直しは何度でも可能ですが、ハズレの面しか出ないとバーストしたり、ギャンブル的な要素もゲームを盛り上げます。ダイスゲームとしてもオススメ。202210月に日本語版が発売されたばかりです。

出したカードで進むタイプ

ゆっくり行こうぜ!

ゆっくり行こうぜ!/2〜4人/4歳〜/15〜20分〉

カタツムリになって、最後までコースに残るのが目的。

野菜が描かれたコース上でゲームを行います。2枚持ってるカードから1枚出して、カードに描かれた野菜のマスまで自分のカタツムリを一気に進ませます。他には1回休みの居眠りカードや相手のコマを押し出すカード、最下位のコマを進ませるカードもあって必ず混戦するようになっています。タイトルで分かるように、普通のすごろくとは逆で先にゴールしてしまうと負けになるゲームです。

うさぎとカメ かけ引き大レース

〈うさぎとカメ かけ引き大レース/2〜6人/8歳〜/45分〉

いち早くゴールするのが目的。

ニンジンカードを集めたら、持ってるニンジンカードを好きなだけ出して進むすごろく。ニンジン1本なら1マスですが、3本なら2マス、6本なら3マス、10本なら4マス……とニンジンを一度にたくさん出せば一気に進めます。なので、最下位でもニンジンを貯め込んで逆転勝ちという展開もよく見ますね。1979年の第1回ドイツ年間ゲーム大賞に輝いた作品で何度もリメイクされています。本作は2018年リメイクの日本語版。

アベ・カエサル

〈アベ・カエサル/3〜6人/12歳〜/30〜40分〉

古代ローマの闘技場を舞台に、馬車に乗ってコースをいち早く3周するのが目的。

全員が同じ構成の数字カードの束を受け取り、そこからカードを3枚持ち、1枚だけカードを出して自分の馬車を進めます。他の馬車がいて道が妨害されていると外回りを強いられて、遠回りばかりしているとカードが足りなくてゴールに辿り着けず失格になることもあります。コースどりが重要。3周する途中でシーザー皇帝に「アベカエサル!」と敬礼しなければいけないルールもユニークで、敬礼を忘れても失格です。何故か対象年齢が12歳と書いてますが、ルール的に小学生低学年でも遊べます。

エルドラドを探して

エルドラドを探して/2〜4人/10歳〜/30〜60分〉

いち早く黄金都市に到着するのが目的。

地形タイルを繋げてマップを作成してゲームを行います。持っている4枚のカードの中から、タイルの地形に対応したカードを出すことでコマを進めます。森のカードを出すことで森マスを1マス進むことが出来ます。使わなかったカードはお金として使用し、より強いカードを買って後々手札として使えます。ドンドン手札が強力になっていくデッキ構築の要素を楽しめるすごろくです。拡張も多数存在する程の人気作。

その他の方法で進むタイプ

東海道

東海道/2〜5人/8歳〜/45分〉

京都から江戸までの旅の間に最も得点を稼ぐのが目的。

サイコロなどは使わず、任意の数だけコマを進められるすごろくです。必ず止らなきゃいけないマスはありますが、何マスでも進めちゃうゲームです。と言っても早く進めば良いのではなく、様々なマスに止まってお土産を買ったり、景色を完成させたりして得点を稼ぎます。後戻りは出来ず、マスによっては1人しか入れなかったりするのでどのマスに止まって、どうやって得点を稼ぐかが勝敗を分けます。

ミシシッピクイーン

ミシシッピクイーン/3〜6人/10歳〜/30〜40分〉

ミシシッピ川で蒸気船に客を乗せていち早くゴールするのが目的。

蒸気船コマには船のスピードを表すダイヤルが付いていて、16までが表示されています。手番が来たらスピードの数を1だけ上げるか下げるかして、ダイヤルに表示されている数だけ蒸気船コマを進めます。早くゴールを目指すならずっと大きい数字にすればいいんじゃないかと思いきや、直線しか進めないので小回りが効かなかったり、途中の桟橋で停まって乗客を乗せる必要があるのでスピード調整が重要なのです。コースがどちらに続くかは進まないと分からないシステムも秀逸。

富士山地下99階

富士山地下99階/2〜4人/10歳〜/15〜30分〉

富士山の地下99階にいち早く到達するのが目的。

巾着の中に入っているキューブを中を見ないで取り出して、キューブの数だけコマを進めます。ただし、赤いキューブが3個あるとバーストで進めません。さらに富士山カードを1枚めくり、その効果によってコマを進めます。サイコロでも任意で出したカードでもなく、違う方法でコマを進める珍しいパターンのすごろく系ボードゲームです。

クチクチマシンシャベレース

〈クチクチマシンシャベレース/3〜6人/6歳〜/5分〉

いち早くゴールするのが目的。

判定役の親プレイヤーがテーマカードを2枚めくって、その他のプレイヤーはテーマに沿った答えを言います。親プレイヤーはその答えがOKかNGかを判定します。OKならコマを1つ進めます。サイコロやカードで進むのではなく、口頭で言った答えで進むすごろくです。しかも、順番は無くて思い付いたプレイヤーが答えを言うリアルタイムのすごろくという超変わりダネ。


すごろくはスタートからゴールに向かうというボードゲームの基本。こうしてたくさん並べるとゲーム内容はシンプルなものから複雑なものまで様々です。せっかく面白いのに遊び逃してるゲームはないでしょうか? 先入観を持たずすごろく系ボードゲームを遊んでみましょう!